ハッスル軍VS高田モンスター軍は、3−2で高田モンスター軍が勝利を収めた。すると、場内に『威風堂々』が鳴り響き、バルコニーにマーク・コールマンとケビン・ランデルマンを従えて、高田総統が姿を現した!
「全ての人が尊敬してやまない、私の姿を一目見ようと来た諸君に、とりあえず感謝しよう」と高田総統。「さて、本題に入るとしよう。この古びた小さな小さな後楽園ホール、いやモンスターホールで我がモンスター軍の素晴らしいパフォーマンスを堪能してくれたかい?」対抗戦に勝利して、『ハッスル3』での雪辱を晴らした高田総統は上機嫌だ。
そこへ、小川直也がリングに登場した。「おーい高田! てめぇはいつも高いところから見下してるんじゃねえぞ、この野郎!」と、バルコニーの高田総統を見上げて一喝。
高田総統は薄ら笑いを浮かべると、「随分人気があるんだな、キミは。そのチキンぶりも板についてきたものだ。これからもチキンはチキンらしく、チキンとして精一杯生きていくがいい!」と小川を挑発する。ハッスル査定試合に勝っても、高田総統は小川を認めないというのか…ところが、「この前のハッスル査定試合、勝利おめでとう! キミの活躍ぶりは、目覚ましテレビで拝見したよ」と珍しく小川を褒める。さらに、「査定試合を採点させてもらったが、60点だ! 赤点ギリギリだが、ハッスル4には出させてやるよ、嬉しいだろう?」と『ハッスル4』への出場も認めたのである。
しかし、もちろん高田総統は一言多い。「キミのプロレスのほうはいつも赤点なんだから、落第寸前だ」。そして、「キミの隣にいつもいる、破壊王はいつも破壊されてるよな? ロートルの黒パンツの長州はどこに隠れている? もうひとり、何て言ったか…川田君? あいつはまだ引き篭もっているのか!」とハッスル軍に毒舌を振りまき、ここでなぜか「ハッスル軍で一人だけ頑張っているのは、このチキンだけだ。それは認めよう」と、小川だけを褒める。その意図はどこにあるのか…。
「そして最後に一つ、下々の諸君に伝えたい事がある。モンスター軍に加わった、新たなモンスターを紹介しよう。怖いもの知らずのこの男だ!」と、そこへサングラスをかけた大男の日本人が登場した! まさしく、その姿は高山善廣そのもの。だが、名前は明かされず、高田総統は「ハッスル4、楽しみに待っていたまえ!」とマントを翻して去っていった。
増殖し、どんどんパワーアップしていくモンスター軍に、小川も驚異を感じたか、リング上に集まったハッスル軍に檄をとばす。「お前ら、これでいいのか! 橋本、出て来い!」と盟友・橋本を呼び捨てだ。リングに上った橋本に対し、「橋本! 俺もよ、ハッスルが足りないかもしれないけど、アンタ全然ハッスルしてないよ! 俺は今日で、ハッスル軍のボスはやめだ!」と、衝撃の発言。橋本に三行半を叩きつけたのか?
違った。小川は「今日から俺は、ハッスル・キャプテンだ! あんたはハッスル・キングを名乗れ!」と新たなる称号を提示したのだ。橋本も「ハッスル4はハッスル・キングとして、ハッスルさせてもらうぞ!」と怪気炎を上げる。
小川はさらに、川田を呼びつける。最初は花道から一歩も動かず、踵を返した川田だったが、超満員の観衆から「カワタ・コール」が起こり、リング内へ入った。「小川、俺はお前に呼ばれたから来たんじゃない。お客さんに呼ばれて来たんだ」と川田。すると小川は、「じゃあ、お客さんのために“ハッスル”をやってくれよ!」と、なんと川田にハッスルポーズを強要したのである。橋本がやり方を指導すると、一度はリングを降りようとした川田だったが、やはりフルボリュームの「カワダコール」に押されて、渋々ながらも「スリー、ツー、ワン、ハッスル!ハッスル!」の掛け声をかけ、ついにハッスルポーズを決めた!
高田モンスター軍憎しの志は、全員同じだ。バラバラに見えたハッスル軍が、ひとつにまとまったかのような光景だった。これに長州も加われば…さらに強力な、ハッスル軍が誕生するに違いない!
12分34秒 バッファローバスター(猛牛落とし)→片エビ固め
閉じるアマゾンの奥地で発見した驚異の身体能力を持つ男に、高田総統がピラニアのDNAを移植したというピラニア・モンスター。その男とバッファローの呪いをかけられたボビッシュがタッグを組んで、これも異色チームの川田&坂田と対戦した。見るからに恐ろしげな風体をしているピラニア、しかし…その攻撃は陸に上げられたピラニアがピチピチと跳ねるが如く、なんとも弱々しい。水の中でしか、その身体能力を発揮できないのか? ピラニアが弱々しい攻撃をする度に、場内からは「え〜っ」という声があがるほどだ。
しかし、一方のボビッシュの攻撃は、この中で唯一のスーパーヘビー級だけあって凄まじい。川田、坂田を蹴散らしていく。坂田はピラニアに狙いを絞り、キャメルクラッチやダイビングヘッドバットを繰り出すが、ここで安生司令官が邪魔に入る。キャメルクラッチをかけている坂田の鼻先で、お尻フリフリダンスを始めたのだ。その後も、要所要所で安生が邪魔に入る。ハッスル軍は3人を相手にしているようなものだ。それでも、坂田は川田の延髄斬りのアシストを受けてボビッシュをボディスラムで投げ飛ばし、フットスタンプへ繋げる大活躍。後は任せたとばかりに、川田はピラニアを場外へ釘付けにする。坂田はボビッシュを一気に仕留めにかかったが、逆にボディアタックを喰らって轟沈。最後はブレーンバスターの体勢から身体を捻って落とす、バッファローバスターが火を噴き、坂田は3カウントを聞いた。
8分24秒 腕ひしぎ逆十字固め
閉じる 試合前、島田参謀長は「最高の頭脳と迅速な行動力を持つ男を、モンスター軍に勧誘した」として、高田モンスター軍司令官を紹介した。怪しげなSM風のマスク…正体はすぐに見破られた、場内からは「安生コール」が湧き上がる。「ミーが高田モンスター軍の安生司令官デース! トゥデーから偉大なる高田総統のためにィ、日本のプロレス界をクラッシュするため来ましーた」と、怪しげな日本語を操る安生司令官。
そして、KATAKARIを呼び出した。対峙するは橋本真也。KATAKARIは、橋本の分厚いサポーターに包まれた肩を見ると、ぺろりと舌舐めずりだ。試合は果たして、KATAKARIが徹底的に橋本の肩を攻めた。ストンピングをし、肩への噛み付き攻撃まで見せる。橋本の肩は、もはやKATAKARIの手中に収められたかに見えたが、そこから破壊王の猛反撃が始まった。蹴りを見舞い、袈裟切りチョップ一閃! さらにDDTだ! さしものKATAKARIも、この攻撃を喰らってはたまらない。橋本が3カウントを奪い、アフロヘアーになる羽目を逃れた。
9分22秒 バンパイアクラッチ(吸血固め)
閉じる 試合前、バンパイア兄弟はレフェリーになにやら耳打ち。慌ててレフェリーが本部席に相談へ行く。発表されたところによると、バンパイアはメキシカンルールを勝手に要求した上に、吸血鬼の末裔のため“十字架を彷彿させるクロスチョップなどの技”を禁止しろという。
これはいい事を聞いたとばかりに、石狩&崔は両手を広げて両足を揃え、自らの身体で十字架を作って見せた。逆にビビってたじろいでしまったバンパイア兄弟だが、すぐにそれは怒りへと変わった。ダブルドロップキックで石狩&崔を場外へ落とすと、さらにダブルのプランチャを見舞う。リング上では、さらなる惨劇が待ち構えていた。なんと、バンパイア兄弟が2人の生き血を吸い始めたのだ。これには、ハッスル軍のセコンドも抗議に入ったが、今度はそのセコンドに噛み付く始末。恐るべき、バンパイアの末裔! それでも、崔がノーザンライトスープレックスなどで反撃、なんとか展開をイーブンに持ち込むも、バンパイア兄弟のダブル・トラースキックで形勢逆転、場外へ落とされたところへ、バンパイアのトペ・コンヒーロが炸裂する。バンパイアは、フラフラとなった石狩をダブルでバックドロップ気味に持ち上げると、石狩は勘違いして救出に来た崔をウラカン・ラナで捕らえてそのままフォール! バンパイアがそれをアシストして、3カウントを奪ってしまった。
6分06秒 ビクトル投げ→体固め
閉じる いわゆる“アキバ系”が究極の進化(?)を遂げ、サイコの世界にまで到達してしまった“究極のオタク”その名もサイコ・ザ・デス。高田総統に「逝ってよし!」と送り出され、愛する人形を手に入場したが、レフェリーが反則をカウントしてもなかなか手放さない。これに業を煮やした横井は、人形を奪い取ってストンピングをしてしまった。
これにサイコはぶちキレ、横井を場外へ蹴り落とすと、フェンスに叩きつける、木製の観客席に頭を打ち付ける、堅い床にブレーンバスターをする、とやりたい放題。しかし、サイコが椅子をリング内に持ち込んだのは失敗だった。殴りつけようとしたところで、横井のパンチが一閃、得意の椅子ぶち破りが炸裂したのである。ジャーマンからスリーパーに行った横井だが、もう一度ジャーマンの体勢にいったところで、サイコが巧みにレフェリーと入れ替わり、横井は間違ってレフェリーにヒザ十字をかけてしまった。この隙をついて、横井をブレーンバスターでトップロープに叩きつけ、宙吊りになった横井へトップロープからのギロチンドロップ。さらに横井の乳首に噛み付くサイコぶり! これには横井も怒り、ブロックバスターの体勢になるとそのまま後ろへ放り投げ、サイコ愛用の人形を口に突っ込んでフォールした。
5分57秒 パイレーツバスター→片エビ固め
閉じる バルバロッサの正体は、かつて橋本真也のDDTに沈み、マスクを剥がされたジェイソン・ザ・レジェンドだった。その傷ついたジェイソンを島田参謀長が高田総統の元へ連れて行き、「ビターン!」の呪いの声で復讐鬼となって蘇らせたのである。かつて地中海を恐怖のどん底に叩き落した大海賊、ハイリヒン・バルバロッサの生まれ変わりとして。
恐るべきパワーを秘めたバルバロッサは、藤井をまるで子ども扱い。3分間に渡って一方的に攻めまくる。マットを這いつくばる藤井を、バルバロッサは鉄柱を利用してのバックブリーカーで痛めつける。ここでようやく藤井がキックで反撃に出たが、それも束の間、バルバロッサはカナディアン・バックブリーカーに藤井を持ち上げると、そのまま場外へ投げ捨て、リングに引きずり上げるともう一度カナディアン・バックブリーカー。しかし、今度は場外へ落とすのではなく、そのまま藤井の頭をまっ逆さまにリングへめり込ましたのだ。あわれ、藤井はモンスター軍第一の犠牲者となってしまった。
笹原GMがリングに登場し、挨拶をすると場内は大盛り上がり。「ササハラ・コール」の大合唱だ。そこへ島田参謀長が、例によって花束持参で参上。「いよっ、GM! 今日も男前ですねぇ。GMのおかげで今日は超満員ですよ!」と擦り寄るやどかりに、場内は大ブーイングだ。島田が差し出した花束を、笹原GMが場外へ投げ捨てると、大きな拍手が沸き起こる。
そこへ、ユニフォームに身を包んだ中村カントクが颯爽と登場。島田に「あんた、バカじゃないの!」と揶揄されても、「今日は俺もハッスルする! やかましい! 俺は生まれた時からこの格好だ!」と開き直った。口汚く罵り合いを続ける両雄。見かねたGMが、あの言葉を発した!「シャラップ!」。GMは両者を退場させ、「日本のプロレス界を命をかけて守っていきます」と所信表明した。
10分48秒 スパイスブリッドNo.2→片エビ固め
閉じる のっけからスピーディーな展開のタッグマッチに、場内は大いに沸いた。カズ&スパンキーが華麗なる空中殺法を見せれば、マキシモ・ブラザーズも場外へ飛ぶ。しかし、タッチワークはマキシモ・ブラザーズのほうが上か。自軍コーナーへスパンキーを引きずり込み、「イチ、ニ、サン、シッ!」と掛け声をかけながら、交互に出てきてはストンピング4連発を浴びせる。さらには、カズやスパンキーが得意のトップロープからの攻撃を見舞おうとすると、必ずもう片方が出てきては空中で受け止め、返し技を見舞うといった具合だ。宙吊りにされ、叩きつけられるハヤシ。スパンキーはトップロープからのスウィングDDTに行くところを空中で受け止められ、そのままコーナーポストに戻されてダブルの雪崩式ブレンバスターを喰らってしまう。チームプレーに優るマキシモ・ブラザーズが、このまま押し切るのかと思いきや、ホセがトドメとトップロープから飛び降りようとしたところをカズがキャッチ、そのまま肩車するとスパンキーがトップロープからのスウィングDDTを決めて、そのままエビ固め。最後には、マキシモ・ブラザーズの上を行く、見事なコンビネーションでオープニングハッスルを飾った。