「おい! 腰を振るのも調子に乗るのも、ほどほどにしておきたまえ!」
後楽園ホールに高田総統の声が鳴り響いた。バルコニーに登場した高田総統だが、コスチュームはいつもの総統服ではなくクリスマスらしくサンタクロースの恰好である。ただし、総統カラーの紫色だ。
「下々の諸君…」と言いかけた総統だったが、総統よりも先に「メリークリスマス!」と観客席からの声。「分かってるじゃないか。言うのやめておこう」と気を悪くした総統であったが、気を取り直して「メリークリスマス! メリークリスマース!」と連呼する。
「どうだ、ビビッたか! たじろいだか? 喜んでくれたかな」と観客の反応にご満悦な総統。「どうだ、この恰好は。全知全能のこの私が、しみったれた下々の諸君へのささやかな気持ちだよ」。
「ところでだ」といきなり話題を変えた総統は、「せっかくのイブだというのに、なんだこの人の多さはよ! 本当に暇でもてないヤツばっかり集まっているんだな」と痛いところを突く。
「まあいい。こんな日にここに来た事を褒めてやろう」という総統は、「我こそは高田モンスター軍総統、高田だ!」とご挨拶。
しかし、この総統タイムを遮る男がリング上にひとり。そう、HGだ。
「セイセイセイ! ちょっと待ってくださいよ高田総統。勝ったのはハッスル軍ですよ。いきなり出てきておいしいところを持っていくのは許しません」と対抗意識を燃やす。
「何ですか、その恰好は。私にプレゼントでもくれるんですか? 私が欲しいのは、あなたのイきり起った“男の中の男”バッチコーイ!」と、お尻を高田総統に差し出すHGであった。
「おい、相も変わらず下ネタのハードルが低いヤツだな」と苦笑いする高田総統だが、HGを一瞥すると「キミ、ちょっと痩せたんじゃないか? 働きすぎだよ、働きすぎ!」と売れっ子のHGに注意する。
しかし、HGは「何を言ってるんですか、今が稼ぎ時なんですよ〜」と腰を振る。
そんなHGの姿を見た高田総統は「そうだよな。来年はどうなっているか分からないからな」と痛いところを突くが、HGは「自覚してますよ〜」と自虐に走る。
「しっかり稼げよ。しかし、キミの唯一、たったひとつの商売道具である、品性のかけらもないその腰が勤続疲労を起こしているらしいな。キミから腰を取ったら、ゲイも芸もお手上げだしな。ウワッハッハッハッ!」と自分のシャレに満足気な総統。
「分かるか?」と一応、客席に聞いてみた総統は、「私は心配しているんだよ。大丈夫か? それよりも来年の心配をした方がいいんじゃないか?」と、HGに問いかける。
するとHG、「腰振り3年カキ8年という言葉を知らないんですか? 私はこの腰に3年という時間を費やしたんですよ。そう簡単には壊れません」と強気だ。それどころか、「それよりも高田総統、来年は私と“Tバックマッチ”でもしませんか〜?」と問いかける。
「おい、キミが私と闘うのでは荷が重い。長州小力でも意識しておけ」と総統。「キミが私に挑戦か。よかろう。対戦してやろう」と、いきなりの対戦受諾である。「ただし、完全無欠の私に辿り着くまで、そのにわか人気と腰振りが持続できたらの話だ」と、難しい条件を突きつける。
そこへ川田が割って入った。「俺でよければいつでも相手してやる。プロレスをこんなもんだと思うなよ。お前も、あのチキンも俺はプロレスラーとして認めてないぞ!」。
川田の言葉に答え、「お前が認めなくても、俺はプロレスラーなんだよ!」と観客席から小川が登場! リングインすると四方へ向かって「おいっす!」となぜか中村カントクの十八番を奪い、「みんな、クリスマス・ハッスルしてるかー?」と問いかける。
そんな小川の姿を見て、「おい、あんちゃん! ぎょろ目のあんちゃん! お前は一体誰だ?」と忘れっぽい高田総統。「ちょっと野暮用で試合できないけどよ、ハッスル・マニアに続いてハッスル軍が二連勝だな! 大体、なんだその恰好は!」と小川が挑発するが、総統は「キミもプレゼントが欲しいのか? それとも私の毒舌か?」と意に介さない。小川も思わず「いらねぇよ!」と答えた。
「何が野暮用だ! キミは大晦日にPRIDE男祭りに出るそうだな。私にも情報が入ってる。キミは今、時の人らしいじゃないか。何でもキミはプロレスの代表としてPRIDEに出ると言っているらしいな? よく聞け! 勝手に代表を名乗るのは辞めてくれないか?」と、小川のPRIDE参戦にまでケチをつける高田総統。
「だって考えてみろ。しょっぱいキミが代表なんて、ふさわしくないじゃないか! それより素直に“金のためです”と“今年もいっぱいもらいました”と白状しろ!」とガチンコトークだ。
ここで成り行きを見守っていた大谷が口を開いた。「キャプテンはハッスルを背負って出ていくんだよ。ハッスルを大きくするためにな。なかなかリングに上がらない誰かさんにも見習って欲しいな!」。
ところが、それを聞いた川田は「おい、江頭! イライラすると残り少ない毛根に悪いぞ。ますます江頭に似てきたじゃないか」と、大谷が気にしている事を言う。「言うなって言ってるだろ! お客さんもリアクションに困ってるじゃないか」と大谷。小川は「お前が何と言おうと、俺はプロレスの代表として、ハッスルをもっともっと広めるために闘っていくんだよ!」とまとめた。
「まあいい。チキンくん。せいぜいハッスルの足を引っ張らないように頑張りたまえ。そして、いい年を迎えてくれたまえ。バッドラック!」と言い残し、高田総統は去っていった。
リング上に残ったのは小川、大谷、そしてHG。小川は「HG、あちち、今日はよくやった。二人に拍手!」と二人の労をねぎらう。ところが、HGがいきなりこんな事を言い出した。
「そんな事よりもキャプテン、男祭りといえば世界最高峰のゴリゴリの男たちが集まる大会じゃないですか。私はそれを想像しただけで、股間にキリマンジャロの“頂”が出来ております! どうか私をセコンドに付かせてください!」とビックリ仰天の提案。
しかし、小川は「それは断る」とあっさり却下。「イカ臭い、いや水臭いじゃないですか」と迫るHGだが、小川は股間をガードしながら完全拒否した。
収拾がつかないリング上を、ハッスル軍の副キャプテンに就任した大谷が収める。
「HG、キャプテンをみんなで送り出してあげましょうよ。今日はキャプテンの出陣式だ!」
超満員の観客がこの呼びかけに応える。小川は「俺は大晦日、男祭りでもハッスルするぞーっ!」と宣言し、大谷、HGと共に「スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! フォー!」とハードゲイ・バージョンのハッスルポーズを決めた。
明日もまた、後楽園ホールで何かが起きる!
14分30秒 『69』ドライバー→”セイ”壁固め
副キャプテン”ハッスルあちち”大谷の失言により、急遽参戦が決まったHG。多忙な芸能活動に加え、あまりの腰の振りすぎで腰に爆弾を抱えているという情報もあるのだが…
大谷がHGの控え室を訪れると、そこには「1・2・3・フォー」の掛け声と共に、いつものように腰を振るHGの姿があった。「おい、HG。調子はどうだ? モンスター軍はKOSHIKARIとかいうヤツを連れてくるらしいけど、只者じゃないらしいぞ」と、HGの腰を気遣う大谷。しかしHGはそんな心配ご無用と言わんばかりに「私の腰を折るなんて5万年早いですよ。逆にKOSHIKARIのKARIを狩りとってあげましょう!」と頼りになる言葉を返す。さらに「HG、レスラーはリングに上がったら最後は自分一人の力だ。自分の力を信じろ」という大谷のアドバイスに対しても、HGは「夜な夜なあちち先輩がしごいてくれたんで、その成果を露出じゃなくて披露しますよ」と力強く応えた。
しかしどうしても気になるのがHGの腰の具合だ。「お前、腰をケガしているって話を聞いたけど、本当に大丈夫なのか?」と心配そうにHGに語りかける大谷。するとHGは大谷の言葉を「セイ、セイ、セイ」と遮り、「私の腰はいつでも絶好調ですよ。いつでもビーチク…ではなくてピークですから」と激しく腰を振り続けた。そんなHGを見て安心した様子で部屋を出ていく大谷だったが、大谷が部屋を出たのを確認すると急にその場にうずくまるHG。「セイ…」とつぶやきながら、腰にコールドスプレーを吹きかける。大谷の前では万全をアピールしていたHGだったが、やはり腰の披露は限界に来ていたのだ…
そんなHGの状況をしっかりと把握し、対戦相手の腰を折るという恐怖の狩り一族、KOSHIKARIを用意した高田総統はニヤリ。「あいつが腰を振れば振るほど、KOSHIKARIは凶暴さを増す。今年最も日本中の注目を集めた腰だ。KOSHIKARI!お前のバックブリーカーでアイツの腰を刈ってくるがいい!」と、KOSHIKARIを送り出す高田総統であった。
先に入場したのはKOSHIKARI&アン・ジョー司令長官。不気味なウンババのテーマが後楽園ホールを包み込む。対するHG&大谷晋二郎組が入場すると、会場はこれまでのハッスルハウス史上最高の盛り上がりに!HGが腰を振るたびに客席から熱い声援が飛んだ。
閉じる ハッスルマニア同様、非凡なプロレスセンスを感じさせるHG。腕を取られながらの顔面蹴り、華麗なドロップキック、ブレーンバスターなど正統なプロレス技はもちろんのこと、アン・ジョー司令長官を上四方固めで押さえ込んで股間を超高速で動かすHGらしい技も飛び出した。そしてKOSHIKARIがリングに入れば、すかさず大谷とタッチ。HG&大谷組はHGの腰への負担を少しでも軽くしようという作戦だ。そしてアン・ジョー司令長官との蹴りの打ち合いに蹴り勝った大谷は、アン・ジョー司令長官に貯めの長い、顔面ウォッシュを叩き込む。さらに大谷に触発されて、HGもリングイン。顔面を自らの足の裏でこすりつけるのではなく、自らの股間をアン・ジョー指令長官に擦りつける。ハッスルマニアでも披露したPWだ。
と、ここまではハッスル軍ペースで試合が進んでいたのだが、その流れを変えたのがやはりKOSHIKARI。HGが痛めている腰に攻撃の的を絞ると、HGの腰に強烈なパンチを落とし、キャメルクラッチで腰を痛めつける。その後もKOSHIKARIのバックブリーカー、アン・ジョー司令長官の片エビ固め。合体攻撃を織り交ぜながら、徹底的にHGの腰にダメージを蓄積させていく。集中砲火を受けるHGも何とかエルボーで反撃を試みるが、いかんせん腰に力が入らず強い攻撃を出せない。逆にKOSHIKARIがトップロープからHGの腰へめがけてエルボードロップ。救出に入った大谷もすぐにアン・ジョー司令長官KOSHIKARIに捕まってしまう。
ここで自然と開場からHGコールが起こる。そのコールを聞いたHGはロープを使って何とか立ち上がるとゆっくりと腰を振り始める。徐々に大きくなるHGコールと共に激しくなっていく腰使い。そして会場のボルテージが最高潮に達した時、HGはいつものように激しく腰を振り完全に復活した!アン・ジョー司令長官とKOSHIKARIをトラースキックとドロップキックで迎撃したHGは、肩の関節だけでなく、股間の関節も極めるというオリジナルホールド”コマラツイスト”をKOSHIKARIに極める。ここはアン・ジョー司令長官のカットに合ったものの、大谷がすかさずトップロープからのミサイルキックでアン・ジョー司令長官を場外へ落とす。リング内はHGとKOSHIKARIの一騎打ちだ。ところが相性の問題なのか、KOSHIKARIの腰への攻撃に動きが止まってしまうHG。KOSHIKARIのバックブリーカーでリングに大の字になると、KOSHIKARIのトップロープからのボディプレスをモロに腰に受けてしまう。それでもHGは気迫と根性でKOSHIKARIのフォールを跳ね返す。何とかこのピンチを凌いだHGだが、HG劣勢は火を見るより明らか。再びKOSHIKARIのバックブリーカーをくらい、マットに横たわるとKOSHIKARIがトップロープにのぼりトドメのボディプレスを狙う。
しかしここで大谷が間一髪のところでKOSHIKARIの足を引っ張りボディプレスを阻止。KOSHIKARIは千載一遇のチャンスを逃してしまう。逆に頼れる先輩のアシストを受けたHGは、何と自らがトップロープにのぼりフランケンシュタイナーの大技を繰り出す。豪快にKOSHIKARIの体を投げ飛ばすと、HGはKOSHIKARIの体を起こし自らの股間にKOSHIKARIの顔を押し付けるオリジナル技の69ドライバー!究極の屈辱感を味わあせると共にKOSHIKARIの脳天をマットにめり込ませ、最後はKOSHIKARIの顔面に股間をあてがって座るという”セイ”壁固めで激闘を制した。
13分33秒 顔面キック→片エビ固め
石狩がGMに直訴し、明日25日は川田との一騎打ちが決定した。「川田さんの心を取り戻す」と宣言している石狩だが…。
一方の川田は昨日、同じ後楽園ホールで開催されたZERO−1 MAXに参戦し、佐藤耕平と対戦。善戦した佐藤に「お前はよくやったからな、明日のパートナーとしてやってやるから来い!」とリング上で指名し、新たなモンスタータッグが誕生した。
閉じる 佐藤が黒田に襲い掛かり、打撃で猛攻を加える。黒田は「なめるな!」と反撃、田中とダブルのタックルを佐藤に見舞う。
佐藤が川田にタッチ。田中にチョップを見舞う川田。川田は田中の顔面を踏み潰し、蹴り上げる。田中はエルボーで反撃するが、川田もエルボー。破壊力では川田にかなわない。
佐藤がボディスラムから田中をフロントチョークに捉えると、田中がロープエスケープするも、モンスター軍に魂を売り渡した佐藤は卑怯にも離さない。
田中はフライングエルボーで反撃、佐藤を黒田に渡すと、黒田は佐藤の足を鉄柱に叩きつける。さらに花道の奥から、全速力で走りこんでのラリアットだ。
救出に入る川田。田中はその川田を鉄柵に叩きつけ、黒田が走り込んで来てのラリアットを狙うも、ビッグブーツの反撃を食らう。
リング上に戻った黒田は佐藤を自軍コーナーへ引きずりこみ、田中がエルボーで迎え撃つ。ブレンバスター合戦はお互いに持ち上がらず、力のこもった攻防が続くが、投げ勝ったのは佐藤の方だ。佐藤は田中をリング下へ落とす。
待っていたのは川田のチョップ。さらに蹴りで田中を痛めつけ、再びリングに戻す。川田は変形の逆片エビ固めから、動けない田中の顔面へストンピングを見舞い、ガッチリと片エビを決めた。ロープへ逃げる田中。が、待っていたのは佐藤と川田の交互のキックだった。
佐藤も同じように逆片エビ固め。黒田はロープに足をかけて田中にロープを近づけ、エスケープを誘う好アシスト。だが、佐藤はボディスラム、エルボー、ヒザ蹴り。さらに踏み付けと田中を圧倒する。
川田にタッチ、またも田中へ二人がかりの蹴り地獄。田中は完全にダウンしてしまった。それでもカウントは2・9! 田中はビッグブーツをかわすと、ラリアットを決めてようやく黒田にタッチ。
黒田も川田にラリアットを決め、トップロープに登るとてっちゃんカッターを決めてみせる。そして椅子を持ち出すが、川田のビッグブーツで逆襲されてしまった。
佐藤と黒田。佐藤は大技の連発で黒田を追い込んでいくが、カウントは2。田中がタッチを受けると、ラリアットをかわしてのラリアット、さらにジャンピングエルボーだ。そして、ブレンバスターからスーパーフライ! だが、カウントは2。
黒田は武藤ポーズを決めると、シャイニングウイザード! これもカウント2、ならばとラリアットを仕掛けるが、逆に裏投げで返されてしまった。
タッチを受けた川田は黒田にビッグブーツからストレッチプラム、これは田中が阻止。佐藤は田中を場外へ投げ捨て、黒田は孤立無援となってしまった。黒田は起死回生の回転エビ固めを川田に仕掛けるも、垂直落下式のブレンバスターで脳天からマットにめり込む。何とか田中がカットに入った。
ダメージで足取りがおぼつかない黒田に、川田のラリアット。しかし、カウントは2。ならばと川田は立ち上がれない黒田に顔面蹴り! 粘りに粘った黒田だったが、ついに3カウントが入った。
「思ったとおり、なかなかやるじゃないか。お前の有り余った力をモンスター軍にかしてくれよ」と、佐藤へ正式にモンスター軍入りを勧める川田。微笑んだ佐藤はマイクを握るが…「●×▼□…」何を言っているのかさっぱり分からない。
「気持ちは分かるけど、カツゼツ悪くて何を言ってるかわかんねぇよ!」と、観客に代わって突っ込みを入れる川田。それでも、「お前も耕平でKだから、今日からモンスターK'(ダッシュ)だ。頼むぞ、K'」と命名。
するとそこへ、アゴに髭を蓄えた石狩が登場! 「明日は逃げるんじゃないぞ。俺がお前の目を覚まさしてやる」といきがる石狩。
しかし、川田は「石狩、お前はうざいんだよ。なんだその汚い髭は! 鬼瓦権三か。明日、やってやるから帰れ!」とまるで野良犬でも追い払うようにシッシッとやる。
口では石狩も負けてはいない。「大物ぶってるんじゃないぞ! 明日はその歯を抜いて、モンスターKじゃなく“モンスター歯抜K”にしてやるぞ!」と言い返す。
そこで佐藤が再びマイクを握るが、「※%■$#…」とやはりカツゼツが悪すぎて何を言っているのかさっぱり分からない。
「何言ってるかワカンネェ! ニホンゴ、ツウジマスカ」と舐めきった態度の石狩に、怒った佐藤が突っかかるが、逃げ足だけは速い石狩であった。
川田は石狩に、「本気でくるなら本気でいじめてやるよ。覚悟しろよ」と不気味に予告した。
1分52秒 ラ・マヒストラル
ハッスルマニアでの和泉元彌の感動的な勝利の裏で、これ以上ない屈辱を味わった健想。その健想が抱く野望はもちろん元彌へのリベンジだ。今宵は元彌戦に向けての査定試合第一弾、AKIRAとミスター鬼瓦とのハンディキャップマッチに挑む!
いつものように健想は浩子と共に入場。リングに上がった浩子は「これだけは言わせてください。交通安全!駐車違反はいけません。どこぞの若造坊ちゃんは、しでかしてしまったみたいですけど」と、健想戦後に起こした和泉の事件について毒づく。そして「健想、今日は手加減はいらないわよ! あの狂言師の手下どもを徹底的にしばいてあげなさい」と健想にはっぱをかけた。
閉じる 試合開始直後からAKIRAとミスター鬼瓦にチョップを叩き込み、豪快に二人を投げ飛ばす健想。解説席に座った浩子に向かって「どうだ、俺かっこいいだろう?」と話しかける。さらにハードゲイナイトということで、「フォー」と言いながらのブレーンバスターも見せる。一度はAKIRAの延髄蹴りに捕まり、ミスター鬼瓦に瓦攻撃を受けるものの、AKIRAの空中元彌チョップをパワーボムで切り返し、すぐにピンチから脱出する。
しかしここに大きな落とし穴が待ち受けていた。パワーボムのダメージで意識朦朧のAKIRAにトドメを差そうと健想がロープに飛ぶと、場外にいたミスター鬼瓦が足を引っ掛けて健想を転倒させる。そして起き上がろうとした瞬間、後ろからAKIRAにラ・マヒストラルで丸め込まれ、何とわずか2分弱でフォール負けを喫してしまう!
呆然とする健想に「ちょっと、ちょっと」と駆け寄るのは浩子だ。健想のあまりの不甲斐なさに怒り浸透の浩子は「しょっぱい!」と張り手を一発。その後も「狂言師に負けて、その手下にまで負けてしょっぱい」と、落ち込む「しょっぱい」を連発するのであった。
そしてなぜか浩子の怒りは同じく解説席に座っていたハッスルマドンナの青木裕子さんに飛び火。「しょっぱいと言えば青木裕子。あんた、元グラビアアイドルなんでしょ?となりで聞いていたけど、解説がしょっぱい!大きいのは態度だけじゃなくて、おっぱいだけにしなさい。次来るときは全部脱いでからいらっしゃい」とセクハラまがいの暴言(ある意味、そうなってくれればうれしいのだが…)を吐いた。そんな浩子に「みっともないから早くしなさい!」と蹴飛ばされるようにリングを降りた健想の後姿がやけに悲しく見えた。
しかしこの敗戦で熱望する和泉戦から一歩後退したのは事実。明日のライオセイザー&ライザーグレン戦で名誉挽回となるか!?
10分26秒 シドマス→エビ固め
崔リョウジが血相を変えて、試合の準備をする坂田の控え室に飛び込んできた。
「おい、こらっ! 坂田!…さん」坂田に睨まれ、弱気な崔であった。坂田が訳を聞くと、どうやらハッスルマニアで出番がなかった事に腹を立てているらしい。
「晴れの舞台なのに俺は出番がなし。しかも、オープニングのドリフも躍らせてもらえなかったんだ!」と涙の訴えをする崔。「俺だけTシャツもステッカーもないし!」。
しかし、冷静な坂田は「俺もTシャツないぞ」と答える。それでも怒りが収まらない崔に、「リョウジ、気持ちは分かるが俺は強いヤツとしか組みたくない」と共闘を拒否。
それでも、「そうだな、坂田軍のテスト生としてなら組んでやってもいいぞ。この2日間でハッスル軍を叩き潰せ!」と提案した。
一方、ハッスル軍の控え室には金村金太郎が血相を変えて飛び込んできた。ウォーミングアップをする藤井軍鶏侍に「崔のヤツがハッスル軍を辞めて、アホの坂田と手を組みやがったぞ! キャプテンに報告しないと」と言う。だが、軍鶏侍は「ちょっと待ってください」。
「キャプテンは男祭りで手一杯です」と小川の心境を気遣い、「心配は要りません。裏切り者には俺の“当たれば百発百中エルボー”略してAHEを見舞ってやりますよ」とやる気満々の軍鶏侍だったが、金村はその姿を見てひとこと「俺は逆にお前が心配なんや…」。
閉じる リングインするやハッスル軍に食ってかかる崔。怨み骨髄の様子である。
先発は坂田と金村。妙な構えから飛び蹴りを見舞う金村だったが、坂田にあっさりとかわされてローキック。すごすごと軍鶏侍にタッチした。
坂田も崔にタッチ。両者のエルボー合戦に、「ジャン!」「アヘッ!」の掛け声が飛ぶ。このエルボー合戦に勝ったのは崔だったが、軍鶏侍はすぐに反撃開始。コーナーで待機する金村に「おい、白豚!」と指図して崔を場外へ放り投げる。「誰が白豚や」と不服そうな金村だったが、机をセットするとエプロンから崔を抱えてアバランシュホールド! 机が真っ二つになる。
崔をリングに引きずり上げた金村は、「しごき教室や!」と、崔に軍鶏侍と二人で蹴りを見舞うリンチ殺法。さらにコーナーへ押し付け、崔の股間に蹴りを見舞うと、続いて折れた机で股間に連打! さらには押し付けた机を椅子で釘うちだ。完全にグロッギーとなる崔。
軍鶏侍にタッチ、崔にマウントポジションからの平手打ちを見舞い、エルボーからヒザを決めると再び金村にタッチ。見かねた坂田がカットに入ろうとするも、金村はレフェリーに「本当にコイツは怖いから、絶対に入れるな!」と釘を刺す。
それでも崔が地力で脱出、ついに坂田へのタッチに成功した。金村は急所蹴りを見舞ったが、机を持ち込んだところで逆に急所蹴りをもらい、机で頭部を強打される。そして坂田のキャメルクラッチ。
場内から「金ちゃんコール」が沸き起こり、金村は苦痛に顔を歪めながらギブアップを拒否。ならばと坂田はアームロックだ。「たすけてー」悲痛な金村の叫びが場内にこだまする。情け容赦ない坂田はバックドロップを見舞い、崔にタッチ。
金村はその隙に逃げ出し、軍鶏侍にタッチ。崔と軍鶏侍のエルボー合戦があり、金村が崔を後ろから捕らえて飛行機投げ、そしてコーナー最上段からのヒップドロップの爆YAMAスペシャル。続いてついに軍鶏侍がコーナーから“当たれば百発百中エルボー”AHEを敢行するが、やはり自爆! 崔は軍鶏侍を捕らえると、シドマスで藤井を叩きつけ、フォールを奪った。
崔、坂田軍入りへの第一関門突破である。崔はマイクを握ると「おい、そこの白豚。思い知ったか! このアホめ」と勝ちどきをあげる。
金村は「おれはアホちゃうぞ。こいつがアホなんや」と情けない軍鶏侍を指差し、「俺は白豚じゃない。20kgのダイエットに成功したんだ」と秘話を語ると、「明日は田中と組んで、お前をぎったんぎったんにしてやるからな!」と、ベストパートナーを擁してのリベンジ宣言だ。
勝利に満足した坂田は崔に「おい、いい闘いをするじゃないか。坂田軍団入り、前向きに考えてやってもいいぞ」と珍しく優しさを発揮すると、崔は「俺、兄貴に認められたくて、兄貴得意の女いじりを練習してきたんで見てください」と言う。
しかし、所詮は付け焼刃。「おい、そこの…えー…あの…」と、しどろもどろになってしまう崔。見かねた坂田は「100年早い! 場数が足りない」と一喝した。
坂田は「今日はクリスマスイブだ。こんな日に来ている女なんて、大したことない女だよ」とお客さんを馬鹿にすると、「こんなのがたくさん待ってるんだよ。とっとと帰らないとな」と、手で大きな胸を作ってみせる。
場内からはすかさず「●池コール」が巻き起こるが、坂田はそんな観客をあざ笑うかのように「待て、こら。俺はまだ独身だ。女なんてたくさんいるんだよ」と自慢し、「体力もありあまっているし、これからちょっといってみるか?」と崔を夜の街へと誘うのであった。
「行きますか?」ニンマリと笑う崔。明日の試合に影響しなければいいが…。
6分46秒 ジャーマンスープレックス
「デビル夫人のヤツ、逃げたニャ。こっちとしては好都合ニャ。この隙にあいつらをぶっ潰すニャ」と不敵な笑みを浮かべるのは、デビル夫人のライバルであるジャガーYだ。すると突然アリシンZに対し、「お前は今の自分に満足しているか?」と問いかける。するとアリシンは「もっと強くなって、あの不細工たちをもっと不細工にしてやりたいです」と即答。ここ最近はマスクを剥がされ、Erica&マーガレットに不細工呼ばわりされるなど、いいところなしのアリシンだけに、悩みは深刻である。
するとジャガーはアリシンの生まれ故郷であるメキシコに伝わる古い言い伝えを語り始めた。「メキシコには神にドクロを捧げるという儀式があり、ドクロは力を再生させる象徴として扱われてきた。そして特に若い女性のドクロがいけにえにされてきた」
そしてジャガーはアリシンの額に一枚の札を貼り付ける。何とその札には、高田総統が集めてきたという、メキシコでいけにえにされた女性たちの怨念がこめられているという。額に札を張られたアリシンにジャガーは「ニャニャニャーン!」と洗脳。こうしてアリシンはドクロンZとして生まれ変わった!
先にEricaとマーガレットが登場。ジャガーYに続いてリングに姿を見せたドクロンZは、不気味なドクロのガウンに身を包み、手には凶器のイスが見える。
閉じる 先発はドクロンZとErica。いきなり「あんたアリシンZじゃないの?」と突っ込むEricaだったが、ドクロンはドクロダンスをしながら、Ericaに強烈なビンタを連発。さらにドロップキックでEricaをロープまで吹っ飛ばす。ここまで防戦一方だったEricaも「冗談じゃないわよ」と反撃を試みるも、すぐにドクロンは持ってきたイスで強烈な一発。そしてトラースキックをEricaに叩き込む。
そしてここでジャガーが登場。Ericaの背中をかきむしると、会場からは何と「ニャー」コールが巻き起こる。Ericaはマーガレットとタッチするも、ジャガーがマーガレットの花を投げ捨てて、ドクロンと二人係でマーガレットをブレーンバスターで投げ捨てた。
リング内はEricaとドクロンがビンタの打ち合いを展開する。しかしここで打ち勝ったのはErica。巨体に任せた強烈なラリアットを叩き込み、豪快にドクロンを放り投げた。そしてEricaはジャガーとドクロン二人に串刺しのボディプレス! グッタリとするドクロンにEricaとマーガレットはヒッププレス。
もはや虫の息のドクロンかと思われたが、ジャガーの手によってパワーアップした分の底力を見せると、Erica・マーガレットの合体攻撃の誤爆を誘い、Ericaの脳天をイスで殴りつけ、最後は体重差を感じさせない豪快なスープレックスでフォール勝ちを奪った。
生まれ変わった姿を見せ、意気揚々と引き上げるドクロンZ。一方まさかの敗戦を喫したEricaはしばらく立ち上がることが出来ず、マーガレットの肩を借りてリングを降りた。
10分32秒 ダイビングボディアタック→体固め
「なんでクリスマスに試合なんですか…」ぼやく島田。二等兵の分際で、女性から電話があったらしい。
「しかも今夜はハードゲイ・ナイト。モンスター軍は関係ありまセーン」とアン・ジョー司令長官もうんざりといった様子だ。
島田の「さっさとあの腰振り野郎を片付けて、六本木でも行きましょう」との提案に、「クリスマスも出勤しているキャバクラ嬢は彼氏がいないはずデース」とアン・ジョー司令長官はいらぬ知識を発揮。その前のどんよりとした雰囲気が嘘のように、急にはしゃぎ始める二人であった。
「聖夜だけに、女の子を担いで帰りまショー」とアン・ジョー司令長官。二人で担ぐ真似をして、「セイヤ、セイヤ」とおやじギャクで掛け声をかける。
そこへ高田総統が登場! 「キミたちは揃いも揃って、なぜいつも無駄に元気なんだ」と釘を刺す。するとアン・ジョーが「元気だけがミーたちの取り柄なんデース」と答えると、「なるほど」と妙に物分りのいい高田総統。
「元気があれば何でもできる。元気があれば金儲けも出来る」と、どこかで聞いたような声とセリフをいう高田総統だったが、「そんな事はどうでもいい。あの腰振りサングラスに制裁を加える準備は出来たのか?」と我に返る。
「準備は整っていマース」とアン・ジョー。昨年のクリスマス大会にも登場した、サタン・ザ・サンタが「サタン・ザ・サンタ2005」としてカムバックする事を告げ、ハッスル仮面たちにぶつけると明かした。さらに島田二等兵は、サタン・ザ・サンタのパートナーとして「ア・トーナ・カイ」「カ・トーナ・アイ」を投入するという。文字通りの最強トリオの結成だ。
「強制労働をさせられ、クリスマスを心から憎んでいるサタン・ザ・サンタよ、プレゼントを配りすぎて以上に鍛えられた腕でサンタクローを決めるがよい!」と高田総統。
彼らを送り出す言葉は、もちろん1年ぶりのあの掛け声だ。
「行くぞー! イチ、ニ、サンター!」最後には「アーシャッ!」という気合いも入れた。
閉じる ハッスル仮面チームが入場してくると、さっそく襲い掛かるモンスター軍。大きなダメージを負うハッスル仮面たち。ア・トーナ・カイとカ・トーナ・アイは全く区別が付かないため、以後の表記はトナカイとさせていただく。
リング上にはブルーとトナカイが残る。ブルーが回転技で空中殺法の応酬を制し、宇宙遊泳式ヘッドシザースで投げ飛ばす。ブルーは颯爽とハッスルポーズを極めた。
イエローとサンタ。身軽なイエローに大歓声が沸き起こる。巨体を利したタックルで吹っ飛ばすイエロー。サンタのボディアタックも受け止めて場外へ投げようとしたが、トナカイが後ろからドロップキックで阻止。
レッドが宇宙遊泳式ヘッドシザースを決め、ブルーにタッチするもトナカイが二人がかりでブルーを攻撃する。トナカイは両サイドから脇固め、サンタが上に乗ってポーズを極める。カットに入るハッスル仮面チームだが、再びレッドがトナカイに捕まってしまった。 トナカイはレッドにコーナーを背負わせると、角でヘッドバット。サンタチームはコーナーのレッドにタックルの三連打だ。そして、サンタクローからのスラム、三人がかりのドロップキックと猛ラッシュをかける。大ピンチのレッドだったが、イエローのアシストを受けて宇宙遊泳式ヘッドシザースで脱出、さらに回転DDTを決めた。
大歓声に迎えられて、イエローがリングイン。モンスター軍の三人を蹴散らかし、トナカイの二人を捕まえて場外へ投げる。そこへブルーがプランチャ、レッドがスペースフライングタイガードロップ。イエローはトドメとばかりにサンタを捕まえて、トップロープから飛び降りるがサンタクローに捕まってしまう。
しかし、イエローはロープにとんだサンタをタックルで迎え撃ち、場外へ放り投げると超巨体のプランチャを敢行!
トナカイとブルー。度々フォールに入るトナカイだが、ブルーはカウント3寸前で返すとローリングソバットからの回転エビで逆襲だ。
リング上はレッドとトナカイとなり、レッドはフランケンシュタイナー、そして顔面クラッシャー。トナカイは角で反撃すると、さらには股間を角でえぐる。それでもカウントは2。トナカイは最上段からのボディプレスを見舞い、レッドはスピンキックで反撃すると、フランケンシュタイナー式に組み付くとそのままトナカイの頭上で回転しての高角度前方回転エビ固め。が、カウントは2。
モンスター軍の三人はレッドを捕まえると、三人がかりのパワーボム。だが、カットに入ったイエローがラリアットで反撃し、大迫力の宇宙遊泳式ヘッドシザース、そしてロープを使って回転しての蹴りの猛攻。
スーパーヘビー級の連続攻撃を喰らったカ・トーナ・アイは、完全にグロッギー。そこへイエローの最上段からの必殺重爆撃フライングボディソーセージだ! この一撃をもらってはひとたまりもなく、カ・トーナ・アイに3カウントが入った。
トップロープに飛び乗り勝利のバク転を決めたレッドとブルー。しかし、イエローに出来るわけがなく、普通に降りて去っていった。
リング上には草間GMが登場。大ハゲコールの中、マイクを握った草間GMは「メリー・クリスマス。私がハッスル敏腕GMの草間です。ハッスルマニアの成功を受けて、ハッスルは着実にビッグビジネスに成長していきます。来年は私の経営手腕でさらにハッスルをビッグにしていきます」と力強く語る。しかし。話し教室に通ったにも関わらず、相変わらずグダグダ感の強いスピーチを続ける草間GMに、客席からはより一層強いハゲコールが巻き起こる。しかし草間GMが「この一年間の感謝の意を込めたビッグなカードを用意しました」と、今日の対戦カードを発表すると、ハゲコールは大声援に変わるのであった。
そして草間GMが「それではハードゲイナイト・フォーの始まりです」と、思いっきりフォーを決めて、大会の開催を宣言したのだが、そこに乱入してきたのはケイ・ササハラと鈴木浩子だ。「何やってんの?草間っちゃん。何が『フォー』だよ、年甲斐もなく。恥ずかしい。クリスマスのオープニングが、ハゲおやじのグダグダなトークなんて誰も納得しないよ」と、いきなり噛み付くケイ・ササハラ。そして「今日みたいな日にはリングを彩る華が必要なんだよ、ここにいる浩子さんみたいな」と、しっかり浩子の顔を立ててからマイクを手渡した。マイクを握った浩子は開口一番「そこのツチノコ!そのグダグダなプレゼンは、アメリカだったら100%撃ち殺されてますよ」と一通り、草間GMにダメだしをした浩子は「ハッスルを世界に通用するスポーツエンターテイメントにするために、私が人肌脱ぎましょう」と意味深な言葉。そして場内には隠しカメラでとられてあろう、ある一室での出来事が映し出された。
そこにいたのは健想夫婦&ケイ・ササハラと草間GM。4人のやりとりを聞いていると、どうやら健想負債が今まさに2006年度の契約更新にサインをするところらしい。「では2006年1月1日からの契約更新にサインをしてください」と、一枚の紙を取り出した草間GM。すると健想とケイ・ササハラは、突然草間GMに対し「草間さん、いいネクタイしてますね」(健想)「やっぱり違いが分かる男はすごいな」(ササハラ)と、ホメ殺しを始める。その言葉におだてられた草間GMは「そう?」とまんざらでもない様子でニヤニヤ。するとこの隙をついて、浩子は草間GMが手渡した『2006年の契約更新』を『GM交代認定書』とすり替えたのだ。草間GMが気づかない間に、さっさとサインを済ませ、それを手渡す浩子。健想とケイ・ササハラにおだてられ、浮かれ気分の草間GMは、そんな裏工作が行われているにも関わらず、浩子の名前が書かれた『GM交代認定書』にサインしてしまったのだ。
この映像を見終わった草間GMは表情が真っ青。対照的に得意気な顔の浩子は「というわけで、この私が1月1日から新GMに就任します」と、堂々のGM乗っ取り宣言。「今日であんたは終わり、ユーアーファイアー」と、草間GMの電撃解雇を言い渡した。さらに浩子はケイ・ササハラを指差し、「私がGMになった以上、もうエージェントはいらない。あんたもクビ」と、何とケイ・ササハラにまでも解雇を命じたのだ。突然の裏切りに「何バカなこと言ってんだよ。行き場のなかったバカ夫婦を助けてやったのはこの俺だぞ!」と怒り心頭のケイ・ササハラ。しかし浩子は「世界の鈴木家が優柔不断なあんたとはやってられないのよ」と、聞く耳を持たない。もちろん「こんなひどいことは、某老舗団体でもやらないぞ」という草間GMは完全に無視だ。さらに二人を指差して「だいたい、あんたらみたいなサラリーマンくずれが出てくるから、日本にスポーツエンターテイメントが浸透しないのよ」と、シュートな発言を吐き捨てる浩子。そして「私はハッスルを真のエンターテイナーしか立つことが出来ない、神聖な舞台にするわ」と声高に叫び、「この二人をつまみ出しなさい」とスタッフに命じて、ケイ・ササハラと草間GMを会場の外に連れ出させた。
こうしてリングと来年以降のハッスルを独占した浩子は「私が新GMとして、ハッスルを世界の舞台に突っ込んでいくんでよろしく。新GM浩子、明るい未来が見えました!」と、改めて所信表明し、ハードゲイナイトフォーと大会の開催を宣言した。
今年最後のハッスルシリーズとなったハッスルハウスクリスマススペシャル。その初日となったこの日、オープニングに登場したのはデビル夫人だ。「わざわざ足を運んでくれた、ひまでもてないプロレス…いやわざわざ足を運んでくれたハッスルファンのみなさん、楽しんで下さいませ」と、しっかり毒を吐きながらも口調は丁寧な挨拶。今回は全世界セレブサミット出席のため、残念ながら欠場となったデビル夫人だが、すでに2万冊は購入したという、高田総統とインリン様の入浴シーンといった超お宝企画満載のハッスルオフィシャルブック第2弾をしっかりと宣伝し、名古屋で放送されているハッスルの情報番組「ハッスル、ハッスル」で用意されたハスハスシートに座る名古屋から来たファンに声援を送るなど、ハッスルへの愛に満ちた言葉で挨拶を締めくくる。そしてデビル夫人による協賛各社の発表が行われると、「2丁目よりも熱い夜」ハードゲイナイト・フォーがスタートした。