対抗戦は4-3でハッスル軍が勝利した。場内モニターには高田総統の姿が映し出される。
「キミたちは対抗戦に勝利したら、私をリングに引っ張り挙げるとかほざいていたが、『ハッスル6』まで待つ必要はない。今からそちらへ行くから待ってるがいい」とマントを翻す。
リング上では、勝利を収めたジュードー・オーをモンスター軍がよってたかって蹂躙していた。そこへ高田総統が、マグネシウムの爆発とスモークと共に現れた! ゆっくりとリングへ歩を進める高田総統だが、リングの一歩手前でその歩みを止める。
「喋っていいのかな? 今か今かと素晴らしいブーイングを待っていたが、相変わらず中途半端だ」と、まずは観客に不満の声を漏らす。
「今日はチキンがいないようだが、アリーナ中に腐った鳥の匂いが充満している。特にリングの周りは強烈だ! 悪臭が漂っている」と、まるでジュードー・オーが小川直也だと言わんばかりの高田総統。
「3連休の最後に、私の崇高な姿を拝みに来た、暇で低脳な下々の諸君、我こそが高田モンスター軍総統の高田だ!」と、あんまりなご挨拶をした総統の目は、リング上のジュードー・オーに向けられた。
「おい、ジュードー・オーとやら。面倒くさい名前だな。目覚まし代わりにひとつ話をしてあげよう。キミは、プロ野球の古田クンを知ってるかい?」と意外な問いかけ。何を意味するものなのか?
「彼に対して、一部の批判があるようだが、私は彼を断固支持する!」と、プロ野球選手会会長で先日ストを決行しようとした古田選手にエールを送り始めた。
「我々はこの腐りかけた日本のプロレス界を劇的に変えようとするのが目的だ。必ずや、壊れかけた瓦礫の中から、新たなる道を築き上げる事を約束しようじゃないか。その大役が出来るのは間抜けなハッスル軍の諸君ではない事は、誰もがわかっているな? その大役が務まるのは、我がモンスター軍に他ならない。だからこそ、我々は古田クンを断固応援しようとしているのだ」。なるほど、そういうことか。
すると、高田総統はついにリングへ足を踏み入れた! 「おい、ジュードー・オー。子どもだましだな。哀れな正体をこの場でさらしてやろう」と、ジュードー・オーのマスクに手がかかったその時、“パワーホール”が場内へ鳴り響いた! 長州が救出に現れたのである!
リングに上がった長州へ、葉巻を投げつける高田総統。これには長州も怒り狂い、高田総統へ突進する。しかし、高田総統はモンスター軍に抑えつけられる長州へ、頭から水をかける暴挙に出た。徹底的にバカにしているのだ。
「おい、ロートル! おい、黒パンツのロートル君。キミの取柄はそのちっぽけな頑固さだけだな」とだけ言い残し、姿を消した高田総統。リング上には長州の怒りだけが残った。
だが、長州はそのままリングを降りてしまう。あらら、今日こそ団結のハッスルポーズをやってくれるんじゃないの? 場内からは当然、祈りにも似た長州コールが沸き起こる。橋本が行く手を伏せぎ、ジュードー・オーが「長州さん、リングに上がってください」と懇願するが、長州はバックステージへと消えていってしまった。
「みなさん、キャプテンOです。いや、ジュードー・オーです。長州さんが来てくれると思っていたので、何を言っていいか分からなくなりまして…すいません」と動揺を隠せないジュードー・オー。「みなさんのおかげで対抗戦に勝つ事が出来ました。長州さんは水をかけられたり、葉巻を投げつけられたりしたので、いなくなってしまいすいません」と、ハッスル軍全員で勝利のハッスルポーズが出来なくなってしまった事を詫びる。
そして、「キャプテン・ハッスルは54日間の謹慎処分がもう少しで解けるので、そうしたらまた応援してあげてください」と、盟友・小川直也にエールを送ったのである。
場内からは再び長州コールが沸き起こったが、橋本が「長州さんは本当に意志の固い人なので、この声援を受けても曲げないものは曲げません。必ずやらせてみせます。もう一度チャンスをください!」と、改めてファンに約束した。
そして、「とにもかくにも、明日からまた頑張るぞ!」と、3、2、1、ハッスル!ハッスル! 次も頼むぞ、ハッスル軍! 日本のプロレス界の明日のために――。
5分04秒 STOボンバー→片エビ固め
どんな相手でも54秒で倒してしまうというロシアン54。素性は全くの不明なのだがロシアンモンスターというだけあってレッドブル軍団のテーマで入場、その後ろにはモンスター軍のメンバーがゾロゾロと姿を見せる。何か悪さをしなければいいのだが…不安が頭をよぎる。
続いて小川直也推薦選手キャプテンOの入場なのだが、流れてきたのはなんと小川直也のテーマ曲。さらにスクリーンには「JUDO−O」の文字が。花道に姿を現せたのは柔道着を着込んだマスクマンだ。花道を歩きながらオーバーマスクを脱ぎ捨てると額に「O」の文字が入ったマスク。口には髭をたくわえているもののどうみてもマジックで書いたようにしか見えない。大きく開いたマスクから見えるその素顔はあの男にそっくりだ。
閉じる ゴングがなるとジュードー・オーはホーガンポーズで客席を煽る。ロシアン54はそれを無視し、一気に掴みかかりエルボーの連打。さらにジュードー・オーの右腕に照準を絞りロープを使って痛めつける。そして時計の針が50秒を迎えようとするところでなんとロシアン54は腕ひしぎ十字固めへ! まるで8月の悪夢、エメリヤーエンコ・ヒョードルVS小川直也戦の再現のようなシーンだ。しかしこれはハッスルのリング。ジュードー・オーの足がロープにかかりブレイクとなり、ジュードー・オーは命拾いする。しかもこの間にデストロイヤー風のマスクを被った偽レフェリーが正規レフェリーを蹴落とし摩り替わったのだ。偽レフェリーの首にはコルセットのようなものが見え隠れしている。そしてロシアン54がフォールにいくと高速カウント。逆にジュードー・オーがフォールにいくと超低速カウント。明らかにモンスター軍よりのレフェリングだ。
しかしジュードー・オーはこの逆境にも負けない強い精神力の持ち主だった。その名前通りに巴投げなど柔道技を連発。さらにハッスルのリズムに合わせて「JU」「DO」「O」と叫びながら腰を振るオリジナルポーズで気合を入れると、足払いを連発。ハルク・ホーガンばりにビッグブーツからギロチンドロップの連携技を見せる。そして偽レフェリーに歩み寄るとそのマスクを剥ぎ取ったのだ!
そこに現れたのはやはり島田参謀長だった。びびった島田参謀長はリングを降りてようやく正規レフェリーが復帰する。ここでジュードー・オーはロシアン54を後ろに投げ捨てると、自分の柔道着を脱いで振り回して客席にアピール。最後はSTOボンバーを決めてロシアン54をマットに沈め、全面対抗戦のハッスル軍勝ち越しが決まった。
しかしここでモンスター軍のメンバーがリング上に乱入。ジュードー・オーの両手を縛りつけ、リングに張り付けにしてしまう。すると会場のモニターに高田総統の姿が映し出された…。
9分36秒 バンザイドロップ→体固め
肩の手術のため戦線離脱した、友人・橋本のためにやってきたRIKISHI。今回よりハッスルRIKISHIと名前を改め、ハッスル軍に加入した。長州力との強力タッグ、“長州&RIKISHI”を結成しての登場だ。
一方、高田モンスター軍は長州を抹殺するために、アン・ジョー司令長官が渋谷でスカウトしてきたというおやじ狩りの名人O・YA・JI・GA・RIを用意。しかし、その正体はアン・ジョー司令長官だったのである。
試合前、「まずは黒パンツのロートルに、漫画の世界へようこそと言っておこう。私はあのロートルの腫れた目を見て、チョームカついた」と、なぜかギャル語でお怒りの高田総統。「私とした事が、やけに下品な言葉を使ってしまったよ」と反省し、アン・ジョー司令長官に「ビターン!」の洗礼を浴びせたのだ。
すると、アン・ジョー司令長官がO・YA・JI・GA・RIに変身! “ヤンキー座り”をし、「チョーだりぃけど、黒パンツうぜぇからやっちゃうよ。ど真ん中? チョーわけわかんねぇ」と、すっかり渋谷色に染まってしまったのだ。さらに、高田総統からハッスルドリンクを受け取ると、「激ヤバー、ゲキウマー。これで300%WINって感じ? チョーやばくね?」と言いながら、リングへ向かっていった。
閉じる 先発はボビッシュとハッスルRIKISHI。ハッスルRIKISHIは巨大なおけつを叩いて調子がよさそう。ボビッシュのパワーに真っ向から対抗する。ハッスル軍では初めてボビッシュの猛牛パワーに対抗できるメンバーだ。ハッスルRIKISHIが四股を踏むと、ボビッシュは仕切って立ち合いを挑もうとするが、ハッスルRIKISHIがその気になるとビビって逃げる。アン・ジョー司令長官に励まされて、もう一度立ち合ったボビッシュだが、この横浜アリーナ場所は息が合わず仕切りなおしに。と言っても、立ち合いならハッスルRIKISHIが負けるわけがなく、ボビッシュをぶちかましで吹っ飛ばした。
長州が出てくると、モンスター軍もO・YA・JI・GA・RIにタッチ。しかし、長州はショルダーアタックからストンピング、さらにはフライングメイヤーからスリーパーと、大人の世界の厳しさを見せつける。そしてトドメとばかりにサソリ固めへいったが、O・YA・JI・GA・RIは膝十字固めで返すというなかなかのテクニシャンぶりを発揮した。
再びハッスルRIKISHIが出てくると、びびるO・YA・JI・GA・RI。どうやら威勢はよくても、実は1人では何も出来ないタイプのようだ。O・YA・JI・GA・RIはハッスルRIKISHIをハンマーロックに捕らえるが、ハッスルRIKISHIは笑ってヒップアタックで楽々とO・YA・JI・GA・RIを吹っ飛ばしてしまった。代わったボビッシュはコーナーへ飛ばしてのボディアタックでハッスルRIKISHIをダウンさせると、ハッスルRIKISHIの得意技スティンクフェイスを逆にお見舞いしようとするが、尻を向けたところで急所打ちを受けてダウンしてしまった。
ハッスルRIKISHIは友人・橋本に捧げる炎の友情DDTでボビッシュを叩きつけると、長州へタッチ。しかし、ボビッシュのパワーに圧倒されてしまう。それでもO・YA・JI・GA・RIへボビッシュのラリアットを誤爆させ、2人へ連続ラリアットを見舞った! そしてサソリ固めだ。
代わったハッスルRIKISHIへO・YA・JI・GA・RIは部族に伝わる槍を持ち出して攻撃するが、ハッスルRIKISHIはこれを奪い取って真っ二つに。そしてハッスルRIKISHIドライバーから、ロープに乗ってのバンザイドロップ! 巨大なおけつの下敷きとなったO・YA・JI・GA・RIは完全に失神、3カウントが入った。これで対抗戦は3対3の同点に!
ハッスルRIKISHIはさらに島田参謀長を捕まえると、長州のアシストを得てヒップアタックを見舞い、グロッギー状態になった島田参謀長の目前でタイツをおけつに食い込ませてTバック化。そのまま顔面に押し付けるスティンクフェイスだ! モンスター軍は全員逃走、ハッスルRIKISHIは長州とガッチリ握手を交わした。強力な助っ人が、ハッスル軍に加わったぞ!
11分40秒 横入り式エビ固め
ハッスル・プリンス坂田亘が遂にハードコアマッチに初挑戦する。金村&田中に両脇を挟まれて、一緒に踊るその姿はやや表情が強張っている。そして試合開始から3分後に凶器が登場するルールであることがアナウンスされた。
閉じる 先に掴みかかっていたのはハッスル軍。田中&金村が坂田をアシストする形でまずは坂田がスペル・ウイルスにドロップキックを決める。続いて田中がサイコ・ザ・デスを、金村がザ・ピラニアン・モンスターZを捕獲して場外で攻撃を仕掛ける。ハードコアという舞台で生き生きと動く金村は机の上のピラニアンにボディプレスを敢行する。
ここで3分が経過、現れた凶器はバケツ、パイプ椅子、ギター、脚立の4つだ。まず始めにバケツに手をかけたモンスター軍。するとその中にはサイコ・ザ・デスの力の源となるぬいぐるみが入っており、サイコ・ザ・デスは一気にパワーアップする。そしてザ・ピラニアン・モンスターZが花道の金村にフランケンシュタイナーを決める。一方、田中&坂田はスペル・ウイルスに対して机へのブレーンバスターや反動をつけて叩きつけていく。
しかしダメージが大きいのはザ・ピラニアン・モンスターZとサイコ・ザ・デスに捕まっていた金村の方だ。机や椅子の上からボディプレスをくらってしまい、脚立で首を絞められる。
リング上は田中とピラニアン。シングルマッチの様相を見せるが、すぐにサイコ・ザ・デスとスペル・ウイルスがリングに戻り3対1となり劣勢に立たされる。一気にピンチを向かえたハッスル軍だが、これを救ったのが坂田だ。スペル・ウイルスとサイコ・ザ・デスに同時にDDTを決めると、田中がパイプ椅子を手にモンスター軍を次々と迎撃。ザ・ピラニアン・モンスターZにエルボーそして相手が一回転してしまうほど強烈なラリアットをお見舞いする。
ここで復活した金村がリングに戻り、ザ・ピラニアン・モンスターZにパワーボムを狙うが、まだダメージが残っているのか、フランケンシュタイナーで切り返されてしまう。続いてサイコ・ザ・デスもドロップキックから得意のトップロープに首を持たれかけさせてのギロチンドロップ。さらにスペル・ウイルスの3連続ムーンサルトを決めて金村はフラフラになる。
ここでザ・ピラニアン・モンスターが止めを刺そうとフランケンシュタイナーを狙うが、金村は起死回生のパワーボム! チャンスを伺っていた田中がギターを片手にまずはウイルスにきつい一発。サイコ・ザ・デスを捕らえると、今度はハッスル軍が3対1と数的優位に立つ。3人がかりのパワーボムを決めると、田中がスーパーフライ。そして何と坂田が脚立の上に登ってハッスルスタンプ! すぐにフォールを取りにいくが、ザ・ピラニアン・モンスターZのカットを受けてしまう。
しかしすぐに田中がザ・ピラニアン・モンスターZを場外へパワーボムで投げ捨てて坂田をアシスト。坂田は再び脚立に上がりハッスルスタンプへ。これで勝負が決まるかに思われたのだが…。
何とサイコ・ザ・デスが脚立を揺すったため坂田が転落。そしてその隙を突いてサイコ・ザ・デスが坂田を素早く丸め込み3カウントを奪ったのだ。99%勝利を手中に収めていた坂田だったが、最後の最後でその手からこぼれ落ちてしまった。ここで勝っておけば対抗戦の勝ち越しが決まっていただけに、ハッスル軍にとっては手痛い敗戦となってしまった。
8分43秒 ジャイアントボディプレス→体固め
みちのくプロレス後楽園大会で、高田モンスター軍の東北侵攻阻止試合に挑んだサスケだったが、無残にもアン・ジョー司令長官の前に敗れ去ってしまった。
試合前、モンスター軍の横浜アリーナ特設基地では、アン・ジョー司令長官が「あのド・カントリーの、ド・スモールなマスクマンをトゥデーはどうイジメましょうカ?」と高田総統に相談していた。「アン・ジョー司令長官、キミの言語感覚は私をもってしても面白いな。つまり、イケてるということだ!」とご満悦な高田総統は、「ド・スモールにはド・ジャイアントだ」とジャイアント・シルバを指名した。さらに、パワーアップの「ビターン!」を見舞うと、シルバは「ウォーっ!」と雄たけびを挙げてリングへと向かっていった…。
閉じる 身長差は50cm、体重差はなんと120kgというハンディキャップ・マッチ。ナチュラルな遠近法状態だ。しかも、レフェリーはデストロイヤー風のマスクを被った、怪しいマスクマン・レフェリー。リング上を逃げ回るサスケ、それを追っかけまわすシルバ。しかし、高田総統の「ビターン!」によってパワーアップしたシルバは、凄まじいスピードでサスケを捕まえ、殴る蹴るの暴行をサスケに加える。さらに、ロープへ飛ばして人間エグゾセミサイルキックを見舞うと、サスケは場外へ吹っ飛んだ。
何とかリングに戻ったサスケだが、そこには再びシルバの巨体を利した攻撃が待っていた。サスケを両足で踏みつけたばかりか、顔面に足をグリグリと押し付け、まるで2階から落とすようなボディスラムでリングに叩きつける。ロープに飛ばしてのエルボーアタックでは、サスケの体が宙に浮いてしまうほどだ。トドメのジャイアントプレスはかわしたものの、キックで場外へ吹っ飛ばされるサスケ。一体、この怪物をどうやって攻略しろというのか?
リングに戻ったサスケだが、シルバのラリアットでまたも場外転落。しかし、今度はシルバも道連れにすることに成功した。サスケはすぐに立ち上がり、ラ・ケプラーダで華麗に宙に舞うが、これを避けられて鉄柵に激突してしまった! マスクを剥がされそうになったサスケだが、シルバのタックルを鉄柵に誤爆させる。するとサスケ、リングの下から机や椅子を引っ張り出し、何かをやらかそうとセットを開始。シルバが立ち上がってきたところで椅子を叩きつけようとするが、逆に頭を痛撃されて自分がセットした机の上にダウン。
するとシルバはエプロンからトップロープに登り、なんとそこからジャイアントプレスをお見舞いせんとする。危ない、サスケ! 死ぬぞ! しかし、間一髪のところでサスケがかわし、シルバは机を直撃、机を真っ二つにしてしまった。リングに生還したサスケは、人差し指を突き上げてフィニッシュを予告、そのままダイビング・トペ・スイシーダを仕掛けたが、これもかわされて自爆!
その瞬間、場内の明かりが消えて真っ暗に。すぐに電気がつくと、なんとリング上には白使の姿が! いつの間にリングへ上がったのか? 白使はサスケを救い起こして…と思いきや、そのまま念仏を唱えて地獄行きの念仏ドライバー! やはり完全に高田総統に洗脳されていたのだ。完全にグロッギーとなってしまったサスケへ、さらに追い討ちをかけるシルバのジャイアントプレスが決まり、サスケはまたしてもモンスター軍に3カウントを奪われてしまった。
場内は大ブーイングに包まれる。サスケのモンスター軍へのリベンジはなるのか、『ケッパレ1』はどうなってしまうのか!? そして、白使の動向は? 様々な謎を含む、『ケッパレ1』は間もなくだ。
10分04秒 ハッスルウラカン・ラナ
ハッスルナビゲーターCHIZURUをさらったザ・デビル・ピエロ1号&2号。CHIZURUを抱えた謎のマスクマンを従えて花道を悠々と歩く。「助けて! ハッスル仮面!」と叫ぶ千鶴を無理矢理リング下の椅子に縛りつける。その声を聞きつけてリングに登場したハッスル仮面レッド&ブルー。果たしてCHIZURUを救出することができるのか?
閉じる 『ハッスル・ハウス』同様、スピーディな展開で試合が幕を開ける。先にペースを掴んだのはハッスル仮面コンビ。レッドが1号を、ブルーが2号をフランケンシュタイナーで場外へ投げ飛ばすと、早速ムーンサルトを決めて会場を沸かせた。さらに、ブルーが1号にトップロープからのドロップキック。続いてレッドも、トップロープからハッスルドロップを狙うが、ここで痛恨の誤爆。これで一気に試合はザ・デビル・ピエロ組に傾いてしまう。前回も長時間捕まってしまったレッドに照準を定めて2人がかりで痛めつける。1号のフロントバスターに続いて、2号が1号を馬飛びしてギロチンドロップ。これでヘロヘロになった1号は、早くも場外へと逃げてしまう。今度は2号をリングに引きずり上げると、サーカス出身らしく空中殺法で攻め立てる。そして再びレッドを捕まえると、合体技から足で踏みつけてフォール。これは返されたザ・デビル・ピエロ組だったが、会場のブーイングを受けながらもコサックダンスを決めて余裕を見せるのであった。
しかし、正義のヒーローがここでやられてしまってはその名が廃る。レッドが何とかスイング式DDTでこのピンチを逃げ切るとブルーとタッチ。そして、この試合2度目となる捨て身の場外へのダイブが流れを引き戻した。まずはブルーが2号にフィッシャーマンズスープレックス、続いてレッドが1号にトップロープからリバースシューティングスタープレスを決める! そして最後は2人が同時に超高速のウラカンラナ、通称“ハッスル・ウラカンラナ”でザ・デビル・ピエロ組を返り討ちにした。
無事救出されたCHIZURUと共にリング上でハッスルポーズを決めたハッスル仮面。これで対抗戦は2-1と再びハッスル軍がリードする形となった。
6分34秒 エビ固め
試合前、ウォーミングアップをする“ハッスルK”こと川田のすぐ横で、「うまい、うまい」と弁当を食ったりお茶を飲んだりする石狩。これには川田も「うるさいよ!」とイライラを隠せない。「すいません、自分、今日は出番ないもんで…」と言い訳する石狩は、今度は「シー、シー」と息を吐きながら準備運動を始めた。しかも、その屈伸運動の形が、「C」の文字を描いていた。「C、Cうるせぇんだよ!」と怒りの蹴りを見舞う川田! のびてしまった石狩の体は、腕と足で見事な「K」の文字を描いていた…。
閉じる リングに登場するや、いきなりハッスル軍に襲い掛かるモンスター軍。横井はコールマンのフロント・スープレックスで空中に弧を描く。先発は『ハッスル・ハウス vol.2』で因縁が勃発した、“ハッスルK”こと川田VSモンスターC。「C!C!」の掛け声と共にローキックを放つモンスターCだが、川田はあっさりとスネで受け止めてダメージを負わせると、今度は「K!K!」の掛け声と共に怒りの膝蹴り連打!
川田とコールマンのエルボー合戦を経て、ビッグブーツで吹っ飛ばしたところで横井がタッチを受ける。ヤング・ハッスルの旗手としていいところを見せたい横井だったが、コールマンにバスター、さらには腕十字を決められてしまう。代わったモンスターCは、得意のパクリ攻撃を連発。橋本ばりのDDT、小川ばりのSTO、さらには川田ばりのストレッチプラムだ。腕を「C」の字に曲げて、Cポーズまで決めて見せる。怒りを抑えきれない川田がカットに入り、横井がコールマンのラリアットをモンスターCに誤爆させると、再び川田VSモンスターCの闘いに。川田はCにジャンピングキックを見舞うと、顔面蹴り上げに続いてビッグブーツ! Cも負けじとローキック合戦に挑むが、川田は背面ジャンピングキックを決めて横井へ繋いだ。
横井はハッスルポーズからジャンプしてパンチを見舞う新技ハッスル・パンチを決め、さらには投げ捨てジャーマン。流れが一気にハッスル軍へと傾いたかに見えたが、ここで島田参謀長の卑劣な魔の手が!
島田参謀長はレフェリーをリング下に引き摺り下ろすと、リングの反対側でもみ合っていた横井とモンスターCに近づき、横井がモンスターCのバックを取ったところで横井の足を引っ張る! 不意をつかれた横井は後頭部を強打し、モンスターCがエビ固めに丸めてカウント3! 川田組はまたしてもモンスター軍の卑劣な手に落ちてしまった。
憤懣やるかたない川田の怒りは、当然のようにパートナーの横井へ向けられた。「ヤング・ハッスルよ、しっかりしろよ! 怪物クンがモンスターに負けてどうすんだよ!」と愛の文句をつける。そして、「いつもならここで中締めのハッスルといきたいところですが、それは小川…じゃなかった、キャプテン・ハッスルが締めてくれると思うので、やめておきます。石狩も弁当食ったら岐阜(今日は全日本プロレス岐阜大会とのダブルヘッダー)へ行ってしまったので、俺も新幹線に乗らなければいけないのでここで失礼します」と、場内のハッスルフリークに別れを告げ、新横浜駅へ向かう川田であった。
9分6秒 スライスブレッド No.2→片エビ固め
正式にハッスル軍入りを表明したスパンキー&カズのイケメンタッグはハッスルTシャツを着込んで登場する。そして握手を求めるのだが、もちろんモンスター軍のバンパイア組はそれに応じるわけもなく、ゴングを聞く前にそのまま殴りかかって試合が始まる。
閉じる 先発はカズと16世。カズは序盤からパイルドライバーやトップロープからのボディプレスと大技で攻め立てるも、16世も上手くボディプレスをスカして反撃、強烈なフェイスクラッシャーをくらったカズはそのまま場外へとエスケープする。
入れ替わるようにリングに入ったスパンキーは綺麗なフライングニールキックを決めるものの、バンパイアコンビの背中掻きむしりといったコウモリ殺法の前に動きを止められてしまう。さらに28世はトップロープにスパンキーを座らさせると、なんと首筋に噛みついて吸血攻撃! 血を吸われたスパンキーは一気に動きが鈍くなる。ここをチャンスと見たバンパイアコンビは、スパンキーを羽交い絞めにして、さらに首筋に噛みつこうとするがスパンキーが上手くこれかわして、28世が16世に噛みついてしまう。
そこでカズが吸血鬼の最も嫌う十字架ポーズを決めると、ドロップキックで2人を場外に落とす。そしてスパンキーと時間差でトップロープからボディプレス。さらにカズが16世をリングに戻すと、ハッスルポーズを決めてからのハッスルプレスを敢行するが、これは失敗に終わる。しかし、すぐにスパンキーがリングに入ってバンパイアコンビの攻撃を分断。28世の動きを止めると、16世に照準を絞り一気呵成に攻め立てる。まずはスパンキーがドロップキック、ハイキックそしてスイング式DDT。そしてトップロープを使ってのフェイスクラッシャーでもう16世はフラフラとなる。しかしそこはモンスター軍からの刺客。復活した28世のアシストを受けて2人同時にフランケンシュタイナーを決めると、そのままスパンキーをコーナーポストに張り付けに。そこに28世がスライディングキックを仕掛けるが、スパンキーが身体を起こしてこれを誤爆させると、カズと「合体攻撃とはこうやるんだよ」とばかりにスライスブレッドNo.2を決めて、スパンキーが3カウントを奪った。ハッスル軍として初の試合でスパンキー&カズ組が貴重な1勝をもたらした。