勝利を収めるも、リング上で大の字に伸びてしまった小川。そこへ、高田総統が“威風堂々”のテーマ曲に乗って颯爽と登場! 高田総統の名古屋初お目見えに、場内は大ブーイングに包まれる。
「喋っていいかな? せっかくのブーイングだが、相も変わらず何の予定もない、暇で暇でしょうがない名古屋のプロレスファン諸君、私が高田モンスター軍総統・高田だ!」
やはり場所は変わっても、プロレスファンを小ばかにする高田総統。その毒舌は、名古屋のファンへ向けられていた。「この中途半端な都会の名古屋に来たのは」とリングへ歩を進める高田総統。その視線の先には、大流血でダウンしたままの小川。「おや、そこで顔を真っ赤にしているのはチキン君じゃないか? 初めての流血の心境はいかがかな? ひとつ教えてやろう。君の今の状態を“千(血)鳥足”というんだ」と吐き捨てる。対抗戦は1勝5敗と大きく負け越したというのに、高田総統のこの余裕は何だ?
そして、「キミはこの私とそんなに試合がしたいのか。何なら、今、やってやろうじゃないか!」と高田総統がリングイン! そして、グロッギー状態の小川を踏みつけると、島田参謀長がマッハのカウント3、アン・ジョー之助がゴングを打ち鳴らす。アン・ジョー之助は、「高田総統、試合時間3秒!」と勝利を告げる。そ、そんな! 汚いぞ、高田総統! 高田総統は勝ち誇るように、悠々と花道を引き上げていく。
ここで、遅れて中村カントクがヤング・ハッスルを引き連れて小川の救出に駆けつけたが、すでにリング上からモンスター軍の姿は消えていた。そんなハッスル軍をあざ笑うかのように、振り返った高田総統。場内からは小川の救出を願う「長州コール」が沸き起こるが、橋本も、川田も、その長州さえも姿を現さない。
「ちょっと、待て! 彼は今アルバイトだ」と、ファンの祈る声を踏みにじるか高田総統の笑い声。「チキン君、一体どうしたんだ。キミが私と試合をしたいと言うから、私は試合をしてやったんだよ。本来ならここへ来て、土下座して“総統、ありがとうございました”と言うのがスジだろう」と恩着せがましい。
「ところで、ハッスル軍はみんな薄情じゃないか。ポンコツの橋本君、黒パンツのロートル長州君、引き篭もりの川田君…誰も助けに来ないじゃないか? チキン君、キミはそうとう孤立しているんじゃないか?」
返す言葉もない小川。確かに、キャプテンがこんな目にあっているというのに、助けに来たのはヤングハッスルの面々だけなのだ。
「ブーイングが中途半端だぞ。さすが、名古屋だな」と、再びその毒舌をファンへ向ける高田総統。負けじと名古屋のファンも大ブーイングを送るがA「このブーイングが私への一番のエネルギーになるよ」と逆効果だった。
「チキン君、その程度で私をリングに引っ張り出すというのは、無理があるんじゃないか? まあいい、今日はこの辺にしておこう。バッドラック!」と、今日も言いたい事を言って去る高田総統。
リングに取り残された小川は、「高田! 絶対にリングで決着を付けてやるからな!」と吠えるが、後の祭りだった。
小川の怒りは収まらない。「長州! 川田! ハッスル軍なら助けに来いよ! それと橋本! 毎回毎回、ノコノコ出てくるんじゃねぇ! 肩をしっかり治してから出て来い! 俺はお前ら3人のためにハッスルしてるんじゃねぇぞ! 分かってんのか!」と、救出にも現れなかった3人への怒りを爆発させる。やはり、ハッスル軍は一枚岩ではなかったのか? 高田総統の言うように、小川は完全に孤立してしまったかのようだ。
「おい、ヤング! 並べ!」と小川はヤングハッスルたちを一列に並ばせる。「坂田、しっかり丸めてこいよ!」と檄を飛ばす小川。そして、「俺一人でも、モンスター軍は潰すぞ! ファンがいる限り、俺はハッスルするぞ!」と宣言した。
「俺はキャプテンだ! お前ら、みんな立て!」と観客を立たせて、気迫のこもった「3、2、1、ハッスル!ハッスル!」を行った小川は、一人、花道を歩いていった。俺は一人でもハッスル軍を守る、そう宣言した小川だが、誰も仲間がついてこないのはやはり寂しそうだ。その背中には哀愁が漂っていた。
小川は本当に孤立してしまったのか? 橋本、川田、長州はなぜ小川を見殺しにしてしまったのか? そして、同じく独りぼっちになってしまったコールマンの動向は? 様々な謎を残し、『ハッスル6』は幕を閉じた。
9分49秒 STOボンバー→片エビ固め
『ハッスル・ハウス vol.3』に現れたタイガー・ジェット・シンは全盛期と全く変わらない残虐ファイトで後楽園ホールを恐怖のどん底に陥れた。54日間の出場停止処分が解けたばかりの小川にとっては厳しい相手であることには変わりない。しかも「ハッスルしてない選手はバッサバッサとリストラします」と宣言したばかり。キャプテンしてこれぞ“ハッスル”という試合をしなければならない。盟友“ハッスル・キング”橋本が欠場中の今、“キャプテン・ハッスル”小川は多くのものを背負っているのだ。
高田総統はタイガー・ジェット・シンに「あのタンドリー・チキンにプロレスラーの怖さと凄みを存分に見せ付けるがいい」とメッセージを送った。
花道に現れたシンは前回のハッスル・ハウス同様、客席に流れ込み暴れ始める。一般の客に向かってサーベルを振り上げて、イスを投げるなどやりたい放題だ。周りのアン・ジョー之助やモンスターCもその暴走は止められない。小川がリングに上がってもシンにリングに上がる気配は全くない。
するとそれまで怒りを押し殺し静観していた小川だったがもう我慢の限界。自らリングを降りて暴れ狂うシンのいる客席へと走り出した!
閉じる ところが小川を待ち受けていたのはシンだけではなかった。帯同していたモンスターC、アン・ジョー之助も小川に襲い掛かる。さすがの小川もこれにはやられる一方。さらにシンがサーベルで小川の額を切りつけ、小川の額からは鮮血が噴出する! 小川だけに留まらず「小川」コールを贈るファンにも襲い掛かろうとするシン。もはやシンは暴徒と化してしまった。
シンにとって客席は凶器の宝庫。席を仕切るフェンスはもちろんのこと、ペットボトルも持ち出して小川に攻撃を続ける。そして弟子の軍鶏侍同様、カメラのコードを掴むと小川の首に巻きつけて締め上げていくシン。フラフラの小川にイスを投げつけるなど、もう手が付けられない。ようやくリングに戻ったかと思いきや頭に巻いていたターバンを使って小川をトップロープから絞首刑に。リングの中でもロープブレイクを無視しコブラクローを小川の喉元につきたてた。さらにグーパンチを続けるシン。しかしこのシンの残虐ファイトがもう一人の小川を目覚めさせてしまった。かつてプロレス界を震撼させた“暴走王”の小川である…。
流血に染まった小川の顔が見る見るうちにあの切れ顔に変わっていく。その迫力はまさに阿修羅だ。あのシンでさえも小川に恐れおののき背を向けてしまう。
アン・ジョー之助が投げ込んだサーベルを手にした小川は次々とリングに上がるモンスターたちをそのサーベルで蹴散らしていく。そしてシンの喉元にもサーベルをグサリと突き刺す。寝ているシンを無理矢理起こすと強烈な払い越しを2連発。そして大「小川」コールの中、伝家の宝刀「ハッスルSTO」でインドの猛虎をマットに沈めた。
さすがの小川も流血しながらのファイトには疲労困憊。マットに大の字になって立ち上がれないでいると、そこにモンスター軍が大挙来襲! 無抵抗の小川は公開リンチとなる。そして会場にはあの「威風堂々」のテーマが流れ始めた。
7分46秒 ハイキック→片エビ固め
“キャプテン・ハッスル”小川直也が「ハッスル軍の査定試合」と認定した今回のタッグマッチ。「俺には俺のハッスルの仕方があるんだよ、見てろよちゃんと!」と宣言した“ハッスルK”川田利明と、高田総統に「キミは一体、何がしたいんだ!」と揶揄されている挙動不審の長州力が初のタッグを結成しての試合だ。今日こそ長州がハッスルするのか? 川田は「俺だけのハッスル」を体現する事が出来るのか? そして、キャプテンの査定内容は? 様々な謎を含んだ一戦、ドゥ・ジャッジ!
その前に…川田の控え室の前には、本日、アルバイトでレポーターを頼まれたという石狩の姿が。さっそく試合前の川田をリポートしようと控え室に入っていくが、そこには例によってヌンチャクを手に不機嫌そうな川田。「なんだ、そのマイクは?」と石狩に詰め寄る。しかし、試合前のデリケートな選手の気持ちを何とも考えない石狩は、「今日はリポーターのバイトでやって来ました!」と明るく挨拶し、「今日もアルバイト気分でやって来られたと聞きましたが?」と無神経な質問。「何だとーー」みるみるうちに顔色が変わっていく川田。
石狩は恐る恐る川田のバックへ回り、「俺だけのハッスルってどういう意味なんですか? 知らない人も多いと思うんですよ〜」と脳天気な質問を続ける。「いい加減にしろ、コノヤローーっ!」と、怒髪天を突く川田。さすがにヤバイと思った石狩は、何とかこの場を誤魔化そうと、ふと視線を移すとそこには川田のバッグが! 「ここで恒例の持ち物チェーック!」と勝手にバックを開けようとする石狩。たまりかねた川田は、「勝手に触るなコノヤローッッッ!」と、渾身のチョップ! 吹っ飛ばされ、椅子に吹き飛び、ホワイトボードに叩きつけられた石狩。「リポーターのバイトなんか、するんじゃなかった…」と、そのまま昇天した。
閉じる 先発は長州とバルバロッサ。しかし、バルバロッサは長州のあまりの気迫に押され、すぐにモンスターCにタッチしてしまった。Cは長州をコーナーに押し込み、レフェリーのブレイクも無視して攻めようとしたが、やはりビビって離れてしまう。いつになく、気迫を漲らせる長州。やはり、この男の胸の中にもハッスルの炎が燃えているのだろうか。
ロープに飛んでのタックル合戦はモンスターCが勝利。しかし、モンスターCのローキックを受け止めた長州は、そのままサソリ固めに。たまらずロープへ逃げるモンスターC。長州は首投げでモンスターCを投げると、バックからマスクを剥がそうと手をかける。そして、川田にタッチ。
川田はファンの「K!」の掛け声に合わせて、チョップとキックの乱れ打ち。モンスターCも身体を入れ替えて、「C!」の掛け声と共にパンチ&キックで反撃だ。場内には「K」と「C」のボードを、両者の攻撃に合わせて掲げるナイスなファンの姿も見かけられた。もはや、KとCの抗争は全国区である。
タッチを受けたバルバロッサは、川田のエルボーにもびくともせず、「もっとやってみろ!」と挑発。それならばと、川田はトラースキックで吹っ飛ばす! バルバロッサは川田をロープに飛ばしてラリアット、大きくジャンプしてのハイアングル・エルボードロップ。そこでCにタッチ。
「C!C!」「K!K!」とキックとチョップをかわす2人。相譲らない。川田はミドルキックからバックスピンキックでモンスターCをダウンさせ、頭を踏みつけながらの片エビ固めだ。タッチを受けた長州はモンスターCをブレーンバスター。しかし、カウントは2。反撃に出たモンスターCは、「CCC!」の掛け声と共にDDTを2連発、さらにSTOを繰り出す。あれれ、この動きどこかで見たような…。モンスターCの正体が、一瞬、見えたような気がした。でも、まさかね。あの男は改心して、ハッスル軍に入ったはずだし。
それはともかく、タッチを受けた川田はモンスターCにハイキック。さらに頭を下げさせての顔面蹴り連打だ。しかし、モンスターCもすぐに延髄斬りを返して、同じ顔面蹴りを返す。まったく、このモンスターC、パクリ技が巧い男である。モンスターCはトドメとばかりにコーナーの川田に突っ込むが、ここで川田のビッグブーツが炸裂! すかさず川田はストレッチプラム!
カットに入ろうとしたバルバロッサに、長州がサソリ固め。川田のストレッチプラムと、長州のサソリ固めが夢の共演である!
川田はモンスター軍のセコンドにいた、目障りな島田参謀長にスリーパーホールド。島田が失神しても離さない。その間に、長州がバルバロッサをブレーンバスターで投げ、リキラリアットだ! 地鳴りのような歓声に大揺れに揺れる愛知県体育館。両者の凄まじいハッスルぶりに、狂喜乱舞である。
最後は川田がジャンピング・ハイキックでカウント3! 川田と長州はガッチリと握手を交わした。これなら、キャプテンも二人のハッスルを認めざるを得ないだろう。それほど、息の合ったコンビであった。
8分00秒 ナックルパンチ→体固め
アン・ジョー司令長官の提案により急遽、髪切りデスマッチとなった一戦。そして地元・名古屋でこの大一番に挑む坂田亘を中村カントクが思わぬ形でサポートすることとなす。中村カントクは坂田の身代わりを自ら名乗り出て坂田が負けた場合は自分が髪を切ると宣言したのだ。しかも先のハッスル・ハウスでは対する高田総統の「ビターン!」を受け、凶悪モンスターに生まれ変わったアン・ジョー司令長官改めアン・ジョー之助の暴走ファイトの前にいい所なく敗れ去った。同じ相手に2連敗は許されない。坂田にとってこの試合はハッスルシリーズ最大の大一番と言っても過言ではない。
マイクを握った島田参謀長は「ドゥ・ザ・ハッスルしてますか?」と呼びかけるも会場からは大ブーイング。しかしアン・ジョー之助は「中村カントクはツルツルね」と高笑い。高田総統から譲り受けたハッスルドリンクを一飲みすると「コイツは効くぜ! 男のパワーがみなぎるぜ!」と憎たらしい笑みを浮かべた。対する坂田はいつも通りタオルを持って入場。その顔には緊張感がみなぎっている。2人の入場が終わると、笹原GMが改めてこの試合が身代わり髪切りマッチであることを認定した。
閉じる レフェリーチェックを受けるアン・ジョー之助はなぜか素直に竹刀をレフェリーに手渡す。さらに自ら坂田の握手を求める。恐る恐る手を伸ばす坂田であったが、もちろんこれはアン・ジョー之助の罠。すぐに手を振り解くと坂田のどてっぱらに蹴りを一撃! レフェリーから竹刀を奪い取ると坂田を殴りつける。そして坂田を場外に落とすと「バカヤロー」と叫び、ヒールぶりは発揮する。
まずは坂田を鉄柵に投げつけたアン・ジョー之助。続けてパイプ椅子で坂田の背中を殴りつける。会場からはもの凄いブーイングが起こるものの、アン・ジョーV助は逆に観客に向かってアピールを繰り返す。そして坂田をリングに戻すと今度はストンピングの雨あられ。坂田を一方的に攻め続ける。しかしこの程度のことで怯む坂田ではない。ストンピングを浴びながらも鋭くアン・ジョー之助を睨みつけ立ち上がると強烈な逆水平を連発。さらに怒りのグーパンチを叩き込んでいく。
しかしここでもアン・ジョー之助の反則攻撃は続く。レフェリーの死角をついて急所パンチをお見舞いすると再び竹刀を手に坂田に殴るかかろうとする。しかし今度はレフェリーが必死にそれを阻止。一瞬、アン・ジョー之助が怯んだ隙に坂田が飛び掛っていこうとするが、なんとこれがレフェリーに誤爆してしまい、リングは無法地帯と化してしまう。
アン・ジョー之助は坂田の脳天を竹刀で殴りつけ、さらにチョーク攻撃。少しでも坂田が反撃に出ようとするとすぐに急所攻撃と卑怯三昧だ。ロープに振ってのサイドキックに顔面への膝蹴り。そしてタイガー・ジェット・シンばりのコブラクロウで坂田の喉を締め上げた。
ようやくレフェリーが復帰するのものの、カウント5すれすれまで反則をやめないアン・ジョー之助。バックドロップからフォールにつなげると坂田もギリギリでそれを返す。さらにトドメのバックドロップを狙ったところで坂田が息を吹き返した。
空中で後転し、バックドロップを回避するとアン・ジョー之助に打点の高いドロップキック。そして立ち上がり際にハイキックを決めるとドラゴンスープレックス! そのままフォールを奪おうとする坂田だったが今度はセコンドに付いた島田参謀長が竹刀でそれを阻止。しかしここで島田参謀長を相手にしていてはチャンスを逃してしまう。坂田は島田参謀長には目もくれずすぐにトップロープに上がり、ハッスルスタンプ! ぐったりとしたアン・ジョー之助を押さえ込み、完全に3カウントを奪ったかに見えたのだが…。
またしてもこれを邪魔したのが島田参謀長。竹刀でレフェリーの足を引っ掛けてカウントを阻止するという卑怯極まりない行為に出たのだ。さすがの坂田もこれには激怒。鬼の形相で島田参謀長に詰め寄っていく。しかしこれも島田参謀長の姑息な作戦だった。坂田が近づいてくると隣にいたピラニアン・モンスターが何と目潰しを敢行! さらにアン・ジョー之助は視界を失った坂田をイザーナックルをつけた拳で殴りつけ3カウントを奪ったのだ。
あまりにも卑怯なモンスター軍の策略に会場からは大ブーイング。しかし坂田が敗れたという結果は変わらない。意を決した中村カントクは黙ってイスに座り、島田参謀長のバリカンを受け入れようとしていた。
「てめえのケツはてめえで拭くよ」今まさに島田参謀長がバリカンを中村カントクの頭に入れようとした瞬間、坂田はそれを奪い取り、何と自らの頭にバリカンを入れたのだ! 必死に辞めさせようとするハッスル軍だが坂田は構わず頭にバリカンを入れる。
そんな坂田をバカにするように意気揚々と立ち去っていくモンスター軍たち。坊主頭の坂田はじっとモンスター軍の方を睨みつけていった。
もちろん卑怯なことをされてくやしくないわけがない。勝つことが出来なかったのもまた事実だ。しかし潔く負けを認め自ら頭を丸めた坂田の男意気には『ハッスル』の言葉を贈りたい。
7分33秒 チョークスラム→片エビ固め
2日前の『ハッスル・ハウスvol.3』で、最強トリオを組みながらも、誰がフィニッシュを決めるかで揉め、その隙にコールマンが不覚をとって逆転のフォール負けを喫してしまった。この醜態に怒り心頭の高田総統は、3人に“敗者追放マッチ”を命じたのである。
「追放されるのはお前か? それともお前か!?」と得意げなヤドカリ島田参謀長。アン・ジョー司令長官も、「ネック・カッティングネー」と煽る。
「いいか! モンスターを名乗るに相応しくないモンスターは、モンスター軍に必要ない。そこでだ、3人で闘い、敗れたものは二度とモンスター軍に戻って来る事は許されない。これが最後だと思い、正々堂々と闘ってこい」と高田総統。
高田総統の激励を受けて、「オーケイ! オーライ!!」と張り切ってリングへ向かうコールマン。しかし、残ったボビッシュとシルバは顔を見合わせて、ニヤリと笑みをかわす。この笑いは一体、何を意味するのか…。
閉じる リングで3人が見合う。ボビッシュはコールマンを制して、シルバと組み合うが、2人はわざとらしくもつれ合うようにしてコールマンに体当たり。不意を突かれたコールマンは吹っ飛んでしまう。そして、コールマンをロープに飛ばして、ツープラトンのエルボーだ。やはり、ボビッシュとシルバは結託して、前回無様なフォール負けを喫したコールマンを潰すつもりのようだ。
しかし、コールマンも負けてはいない。シルバのラリアットをかわして、背後にいたボビッシュに強烈なタックル、返す刀でシルバにもタックルを見舞い、マウントパンチから腕十字をガッチリと極める。が、これは結託しているボビッシュがカット。ボビッシュはボディスラム、オクラホマスタンピートでコールマンを痛めつけ、掟破りのフロントスープレックス! シルバと交互にエルボードロップを見舞う。
もはや公開リンチと化したリング上。レフェリーの島田参謀長は、この光景を見て、なんと拍手をして「ギブアップか、コールマン?」と嬉しそうに問いかける。蹴られ、殴られるコールマン。シルバがフラフラのコールマンを起こしてネルソンに固め、そこへボビッシュがラリアット! が、間一髪かわしたコールマンがシルバを場外へぶん投げ、ボビッシュと1対1の対決へ持ち込んだ。
コールマンはボビッシュをブレーンバスター、リングに戻ってきたシルバにキック、パンチを見舞い、その巨体をブレーンバスターに持ち上げようとする。「ムリ、ムリ」と指を振る余裕のシルバだったが、コールマンは意地のブレーンバスターを成功させる! 大きく揺れるリング上!
そして、コールマンはボビッシュを袈裟固めに捕らえ、ギブアップを狙うがシルバがカットに入る。場内は大ブーイングだ。裏切られて孤軍奮闘のコールマンに声援が集まる。しかし、その思いは届かない。シルバはコールマンをチョークスラムで2階の高さから叩き落し、ボビッシュと勝ち誇ったようにガッチリと腕を組む。ボビッシュがコールマンをリフトアップし、そこへシルバがコーナーに登ってラリアットだ! だが、カウントは2!
場内は大コールマン・コールに包まれる。コールマンは最後の力を振り絞り、2人にパンチ、キックを見舞っていくが、ボビッシュのバッファローバスターを喰らってついにカウント3。力尽きてしまった。あまりにも卑怯なモンスター軍の手口に、大ブーイングが沸き起こる。
リング上に大の字のコールマン。手を挙げて勝ち誇り、笑いながら引き上げていくボビッシュ、シルバ、そしてヤドカリ島田参謀長。陰謀にハメられたコールマンは、一人、花道を去っていった。モンスター軍を追い出されてしまったコールマンよ、何処へ行く。その後ろ姿はやはり寂しげだった…。
13分48秒 コンプリートダスト→片エビ固め
ハッスル軍が提供するのはハッスルシリーズの中でも絶大な人気を誇っているハードコアマッチだ。しかも6WAYマッチとなれば盛り上がる事は間違いなし。愛知県体育館にハードコア旋風が巻き起こる。
“でちゃう!ガールズ”を引き連れて入場する金村・田中・黒田組。“でちゃう!ガールズ”をリングに残し、それぞれコーナーに上がるといつものパフォーマンスで会場を沸かせた。
華やかな金村組に対して本間・葛西・石井組は脚立や椅子を手に入場。殺伐とした空気がリング上に漂い始めた…。
閉じる いきなり全員が入り乱れ場外乱闘という予想通りの展開でハードコアマッチの幕が開いス。最初にリングに戻ってきたのは金村と石井。金村のフランケンシュタイナーに石井はすかさずドロップキックで応戦。ラリアットでそのまま金村を場外まで吹っ飛ばした。
入れ替わるようにリングに上がったのは葛西と黒田。有刺鉄線バットを手にした葛西は黒田の頭を殴りつける。しかし2発目は黒田にかわされてそのまま有刺鉄線バットはリング外に落ちてしまう。すると黒田はピコピコハンマーを使ってお尻にブスリ! 悶絶する葛西を尻目に余裕の表情を浮かべる黒田だったが、葛西に一瞬の隙をつかれ、ピコピコハンマーを奪われると逆にキツイ一発をお尻にもらってしまった。
そして本間と田中がリングイン。本間は田中の股間蹴りをくらいながらもロープ際の田中をパワーボムで場外で叩きつけた。ここで葛西が田中の顔に脚立を押し付けてスライディングキック! しかし田中は間一髪のところでそれをかわすと逆に本間と葛西に向けて脚立を叩きつけた。
本間を花道に連れ出すとそこでパワーボム。今度は田中が脚立に登るも、葛西がすかさず田中の足を引っ張って阻止する。すると復活した本間は逆に脚立の上の田中に向かってジャンピングラリアット。田中は真っ逆さまにマットに落下した。
さらにその田中を客席まで連れまわした葛西はなんと客席の2階からダイブ! まさかまさかのシーンの連続に名古屋も大興奮だ。
しかしこの間にリング上では本間が金村と黒田に捕まってしまう。2人がかりの攻撃で立ち上がれない本間。何とここで金村は脚立を横にして本間の股間に突き刺したのだ! しかも立ち続けに4連発となれば見ているこちらにまで痛みが伝わってくる。さらにリングに戻った田中はパイプイスを手に持って本間をメッタ打ちにする。
ここでタッチを受けた石井が流れを変えた。人一倍頑丈な体とパワーを発揮する。金村の机攻撃を喰らっても猛然と金村に突進し、強烈なラリアット! そしてトップロープからブレーンバスターを決める。続いてリングに上がった葛西も“マスカラス”と叫びながらボディプレス、さらにウッキーDDTと攻め立てる。
しかしここでまた本間が黒田に捕まってしまう。ラリアットをモロに喉元に喰らってしまい悶絶。さらにトップロープから哲っちゃんカッターと先ほどのダメージが抜け切れておらず黒田の攻撃がいいように決まるのであった。そんな中一人気を吐いた石井だったが田中とのラリアット合戦に負けるとスーパーフライで動きが止まってしまう。
最後は金村と田中が葛西に照準を絞って2人で攻撃を加える。そして金村が用意した机に田中がパワースラム、必殺のギター攻撃で葛西をマットに沈めた。
5分31秒 キャメルクラッチ(しゃちほこ型)
2日前の『ハッスル・ハウスvol.3』でも対戦し、その時はハッスル仮面チームが辛勝している。ある意味地元の期待を背負い、きん&ぎんが長寿記録ならぬ連勝記録を作ることが出来るか、それとも高田総統が何処からか連れてきた謎多きマスクマンのエル・ハテナチームがリベンジするのか? 愛する名古屋を守りぬけ、ハッスル仮面!
シルクハットにクエスチョンマークをかたどったステッキ、マントを羽織ったお気に入りのコスチュームでエル・ハレナ組が不気味に入場。一方、ハッスル仮面きん&ぎんはさっそうと登場して、トップロープを前転で飛び越えてリングイン!
閉じる ハッスル仮面レッド&ブルーよりも体が大きいきん&ぎん。どうやらハッスル仮面の成人後らしい。体が大きい分、スピードには欠けるがパワーがありそうだ。一方のエル・ハテナは同じコスチュームのため見分けがつきにくいが、体が大きいほうがウノ(I)である。
先発はきんとウノ。ウノがメキシカン・ストレッチを決めれば、きんはドロップキック。ウノがきんを場外へ落とし、ダウンしたままのきんに、なんとウノはリングをスライディングしてそのままリング下へ落ちる変則トペ・スイシーダだ。エル・ハテナ、その名のとおり何をやらかすか分からない。
ウノ(I)にタッチ、きんとロープワークを展開し、きんのキックをブレイクダンスのような地を這う動きでかわすウノ。しかし、きんのローキックで足を痛めてしまい、早々に戦線離脱だ。きんも長い間地球にいたためか、エネルギー切れを起こし、ライガーボムからぎんにタッチする。
きん&ぎんは息のあったダブル延髄斬りをドスに見舞い、ドスの風車式バックブリーカーを華麗なる回転技でかわして、コーナーで控えていたウノを場外へ落とす。そこへぎんがプランチャー。さらにドスもリング下へ落として、またもプランチャー。
きんは負傷して動けないウノをリングに引きずり上げ、キリモミ式のボディプレスからキャメルクラッチ。しかも、普通のキャメルクラッチではない。スリーパーホールドを決めながらのキャメルクラッチである。きんもドスをリングに引きずり上げ、向かい合うようにしてキャメルクラッチを決める。この形は…そうだ、名古屋城名物“金のシャチホコ”の形である! たまらずギブアップするドス。きん&ぎんは名古屋に錦を飾ったのである。
6分44秒 変型バスター→体固め
ハッスル・ハウスで初登場したMr.USA。しかしイマイチファンのハートを掴む事が出来ず、逆にそのハッスルぶりが空回りした感が否めなかった。今回は藤井軍鶏侍をパートナーに、ロシアン54&ザ・ピラニアン・モンスターXXを迎え撃つ!
「軍鶏侍、お前はキャプテンの一番弟子だ。そしてUSA、お前もゴッドの一番弟子だ。一番弟子同士のタッグではあるけれど、タッグはコンビネーションが大切なんだ。大丈夫か?」と心配そうな顔を浮かべる中村カントク。さらに「キャプテンは自主的にハッスルすることを願って特別な言葉はない」と一言。さらに「『勝っても負けてもハッスルしてれば皆同じ』とキャプテンは言うが、軍鶏侍、負けたらお前は一生本名に戻れないぞ。USA、お前も負けたらMrフロリダかMrタンバに格下げだ!」と珍しく厳しい言葉を投げかける中村カントクなのだが…実は小川が部屋の影からカントクに対してカンペ出していたのだった。一度は失敗したハッスル&一番ポーズだったが二度目には成功。その光景を見て「よし、いいぞ!」と小さく呟く小川であった。
閉じる 先発はロシアン54とMr.USA。「ロシア!No.1」とアピールするとブーイングが飛ぶロシアン54とは対照的にMr.USAには大「USA」コールが巻き起こる。この声援を受けたMr.USAは巨体を生かしてロシアン54を強引に投げ伸ばす。片手を上げてMr.USAを挑発するロシアン54だが、いざMr.USAが組もうとするとすぐに手を引っ込めて「やれやれ」といった表情。ようやく組み合ったかと思うとMr.USAはそのままロシアン54両腕の力だけでマットにひざまずかせ、改めてそのパワーを見せ付けた。
タッチを受けた軍鶏侍もハッスルぶりを見せ付ける。体格的には劣っているのものの、3回もショルダータックルをロシアン54にぶちかまし、マットに叩きつけた。ロシアン54はたまらずピラニアン・モンスターにタッチを求める。
しかしピラニアン・モンスターの登場で試合はモンスター軍。ピラニアン・モンスターはピラニアらしく軍鶏侍の左腕に噛み付き攻撃! 試合前の高田総統の言葉「軍鶏にはピラニアだ」の言葉が現実のものとなった。その後も左腕に集中攻撃を受け続けた軍鶏侍は徐々に動きが鈍くなってくる。ロシアン54も軍鶏侍の左腕に照準を絞り、ジュードー・オー戦でも見せたロシアン腕十字でぐいぐいと締め上げる。そして充分に痛めつけたところでピラニアン・モンスターにタッチすると、フィッシャーマンズバスターから間髪いれずトップからのピラニアンプレス! 危うく3カウントを奪われてしまうところだった。
そしてこのピンチを救ったのはMr.USAだ。ビッグブーツとパワースラムでロシアン54とピラニアン・モンスターをバッタバッタとなぎ倒すと、何と2人を相手にダブルラリアット! そしてホーガンばりのアピールでアックスボンバーを叩き込んで最後はピラニアン・モンスターを肩に担いでの変形バスターで3カウントを奪った。当初はコンビネーションが心配されたMr.USA&軍鶏侍組だったが、軍鶏侍のピンチをMr.USAがカットしたり、フィニッシュシーンではロシアン54を軍鶏侍がストップしたりと息の合ったところを見せた。
試合後、マイクを握った軍鶏侍は「ヤングハッスルにもハッスルさせてください!」と、ハッスルポーズを決めて勝利に華を添えた。
9分23秒 スライスブレッドNo.2→片エビ固め
名古屋名物と言えば味噌カツ・きしめん・ういろう・エビフリャ〜、ハッスル・オープニングの名物と言えばカズ&スパンキーのイケメンタッグ! ハッスル初の地方進出大会、名古屋に“ハッスル”の火をつけることが出来るか? 対するは『ハッスル・ハウスvol.3』で衝撃のデビューを果たしたスペル・ウイルス&アメージング・レッド組。特にスパンキーは日高とのタッグでウイルス&レッド組に不覚をとっているだけに、本来のパートナーであるカズを伴ってリベンジしたいところだ。
カズ&スパンキーは会場から名古屋お嬢さんをそれぞれ選び出し、エスコートして入場。リングに上がると、スパンキーが女の子をコーナーポストに乗せて、“タイタニック・ポーズ”を決める! この華やかな雰囲気をぶち壊すのは、モンスター軍の不気味な入場曲。さあ、イケメンコンビとホラーコンビ、勝つのはどっちだ!
閉じる スパンキーとレッドが先発。軽快にロープへ飛ぶ2人、まずレッドがドロップキックで先手を取れば、次はスパンキーが投げを打つ。そして、ドロップキックの合い打ちと華麗なる立体的な攻防で場内を沸かせる。
カズとウイルスにタッチ。両者もそれぞれロープへ飛び、カズがカウンターのフランケン・シュタイナー、しかし、ウイルスもすぐにドロップキックで応戦。カズを場外へ投げ落とし、ウイルスがプランチャーを繰り出すが自爆した。カズは一度リング内に戻って、そこから1回転してのトペ・コンヒーロ、だが立ち上がったところに今度はレッドがトップコーナーからのトペ・コンヒーロ。そこへスパンキーが、トップロープに飛び乗ってのプランチャを繰り出すが、ウイルスがさらにトペ・コンヒーロで逆襲する。空中殺法の共演が見られた。
リング上。スパンキーがウイルスにネックブリーカー。すぐに立ち上がったウイルスが低空のドロップキックを見舞おうとするが、スパンキーはブロック。それならばと、ウイルスは一度横に飛んで、サイドからのドロップキック。意表を突かれたスパンキーはダウンだ!
ウイルスはそのスパンキーをロメロ・スペシャルに捕らえ、そのまま左右に回転する大技! さらに救出に入ってきたカズをウイルスがコーナーへ逆さづりにし、そこへレッドがスパンキーを叩きつける。そしてあろう事か、スパンキーの両足を場外から引っ張り、スパンキーの股間をカズの顔面に打ち付けたのだ! 両者にとって屈辱である。
カズはレッドに怒りのパンチ、さらにキックを見舞っていくが、ハッスルポーズを決めてからのラ・ケブラーダは自爆。タッチを受けたウイルスはトップロープを飛び越えてのギロチンドロップ、カズはスパンキーにタッチする。スパンキーはトップロープから飛んでのDDT、さらにスーパーフライ! しかし、カウントは2。ここでウイルスが悪の素顔を剥き出しにし、スパンキーの股間へ一撃! 股間を抑えて悶絶するスパンキーへ、レッドがその場でジャンプしてのシューティングスタープレスを放つが自爆。
ここで勝負を賭けるスパンキーはトップロープに飛び乗るが、レッドがロープを揺さぶったためバランスを崩してしまう。しかし、後ろからカズが救出。レッドはフランケンシュタイナーを仕掛けようとするが、カズは空中でレッドをキャッチ。そこへ、まだトップコーナーにいたスパンキーがダイビング・ボディプレス! 高角度で叩きつけられたレッドはピクリとも出来ず、そのまま3カウントが入った。
やはりスパンキーの相棒はカズじゃなきゃ! 見事な連係プレーで、イケメンコンビがハッスル軍に1勝をもたらした。
名古屋での初ハッスルは藤商事ハッスル応援団の皆さん。カラフルなハッスルTシャツに身を包み、バッチリハッスルポーズを決めた。さらにファンの中から選ばれた10月生まれのハッスルマニアには何と“でちゃう!ガールズ”からバースデーケーキのプレゼントだ。続いてハッスルカップルによるハッスルキスでは彼氏が彼女のほっぺに軽くキス。少し恥ずかしそうなところが初々しい。
そして次に登場したのは坂田亘。“ハッスル王子”らしく客席から女性ファンをお姫さま抱っこしてリングに上げるという粋な計らいだ。さらに坂田に便乗してジョー・サンも登場。なぜか男性ファン2人をリングに上がると、坂田と共にハッスルポーズを決めた。
そんな和やかなムードが一転、会場のスクリーンには高田モンスター軍アン・ジョー司令長官、島田参謀長の姿が。「いよいよ名古屋の奴らにモンスター軍の恐ろしさを見せ付けるときが来ましたね」とほくそえむ島田参謀長にアン・ジョー司令長官も「みんな『どえりゃあ凄いがや』と言うことマチガイなしネ!」と続く。さらに「今日もビッグウィンしてきしめんパーティネ」と2人で「ツルツル!ツルツル!」を連発するのであった。
「『ツルツル、ツルツル!』とィ前らはツルツルミツルか!」
得意の駄洒落でそれを一喝するのは高田総統だ。さらに「高田モンスター軍の全国制覇の記念すべき第1弾となる日にはしゃぎすぎだ」と語気を荒げる。すると高田総統の口撃の矛先は名古屋のファンに向けられた。
「何でも味噌で煮込めば上手いと思っている味覚オンチ」「無駄に豪華な結婚式をする見栄っ張り」「名古屋が日本の中心だと勘違いしている自意識過剰」とありとあらゆる罵詈雑言を浴びせかけるのだった。「どうだ!梅干…ではなくて図星だろ!」と駄洒落連発の高田総統。「チキン、つまり手羽先を食べる習慣だけは褒めてやる。ハハハハハハッ!」と笑みを浮かべた。
そして今度は笹原GMの登場。自身の生まれ故郷でもある名古屋だけにGMの気合の入り様はいつも以上だ。ハッスル初の地方大会は名古屋でやると心に固く決めていたというGMは「尾張名古屋はハッスルで持つ」と高らかに宣言し、今日の対戦カードを発表した。
「オイ、GM! 誰かを忘れちゃいないか!」声の主はハッスルキングだ。マイクを持つやいなや「皆さん! ハッスルしてますか!」と呼びかける。すると大声援を受けていた笹原GMに向かって「名古屋、名古屋ってカッコイイな。俺も本当はキングの衣装で来たかったんだよ」と愚痴をこぼすのであった。
しかしそれもご愛嬌。「これから皆さんの度肝を抜きます。プロレスの未来は『ハッスル』が担います」と力強く語った。
ケガで欠場中だけあって「早くケガ治せ!」と野次が飛ぶものの「俺も早く治したい!」と逆に絶妙の切り返しを見せる。そして「景気付けに一発やりたいと思います!」とキングオリジナルのトルネードハッスルで締めくくった。