ファイトカード

高田総統劇場

 巻き起こる「総統! 総統!」のコール。本日、オープニングで島田二等兵とアン・ジョー司令長官がブーイングに飽きた高田総統のために開発した、新しい総統への応援である。胸を2回叩き、腕を伸ばす。これを「そーとー、そーとー」のコールに合わせて2回行うというものである。
 しかし、場内を一瞥した高田総統は「おい、ちょっと待て。そこら辺もやれよ!」と一部で全くやっていない観客席を指摘。それでも乗ってこないと「おい、やれって言ってんだ!」と絡み始める。
「まあ、いい。おい! 総選挙にも行かないくせに、このくだらない選挙にノコノコ出てきた、しみったれた暇で暇で仕方がないプロレスファン諸君よ、久しぶりだな! 自己紹介しておこう。我こそは高田モンスター軍総統の高田だ!」
 場内には総統コールとブーイングが乱れ飛ぶ。
「おい! さっきから見てたら1/3くらいしかやってないな」と、総統コールを気にする高田総統であった。しかし、リング上に目をやると、「おい、お前たち。この神聖なるリング上に食べ物を持ち込むな。ん? 食べ物かと思ったら、そこでツヤツヤ光っているのは草団子かと思ったが、新GMの草間くんじゃないか」と、たった今、ハッスル総選挙で新GMになったばかりの草間GMへ毒づく。「今のはちょっとベタだったかな」と反省する高田総統!
「キミも団子も同じだ。誰がGMになろうが、私は一切興味がない。草間くんとやら、せいぜい私に迷惑をかけないように仕事に励みたまえ! ハゲみたまえ!」となぜか一部分を強調する意地悪な高田総統である。
 そこへ“キャプテン・ハッスル”小川直也が切り込む。「おい、高田! 11月3日のハッスル・マニアでリングに上がる準備は出来たんだろうな? ここまで来るのに随分と時間がかかったな」と堂々の台詞回しである。思わず観客席から、「小川、今日はカツゼツがいいな」と声が掛かり、小川もニッコリと「ありがとう」。
「珍しくアドリブがきくじゃないか」と高田総統は感心すると、「チキン君、ひとこと言っておくが、今日はキミには何も言う事がないんだよ」と小川のマイクアピールをかわそうとするが、小川は「俺にはあるんだよ! あさっての名古屋、俺たちが勝ったら逃げてないで俺とタイマンで勝負しろ!」と対戦要求だ。
「チキン!」と割って入ったのは名古屋のタッグマッチで対戦するインリン様。「この私があなた程度に負けると思っているの? 次はあの程度じゃすまないわよ」。そう、インリン様はかつて同じ名古屋で小川からM字ビターンフォールを奪っているのだ。
 しかし、小川は自信たっぷりに「お前、えーんって泣いても知らないぞ」とインリン様を挑発する。
「いいだろう、チキン君。名古屋でインリンたちに勝った暁には、ハッスル・マニアでこの私がキミと闘ってやろうじゃないか」と、高田総統はついに小川との対戦を受理した!
「言ったよな、言った! 言った!」とすかさず観客に確認する小川。「みんな、証人だよな。確かにこの耳で聞いたぞ。いいか高田、リングで勝負だ。それと、1対1だ。もちろん、プロレスで勝負だ。それと男の中の男だったらよ…」と、やけに確認事項が多い小川。それもそうだ、これまで何度も高田総統には騙されてきたのだから。
 しかし、高田総統は「しつこいな!」と小川の確認を遮ると、「見かけによらず意外と心配性だな。私はやるといったらやる。もう一度言っておく。インリンたちに勝ったらの時だぞ」と言う。そして小川の横で聞いていた川田に対し、「分かるだろう? 川田君」と挑発。川田はなんとその挑発に対し、大胆にも「いまから名古屋が楽しみだよ、ハハハハハハ!」と総統ばりの高笑いで応酬した。
 続いて、「そこにいる腰振りサングラス!」と、高田総統はさっきからずっと腰を振り続けているレイザーラモンHGに矛先を向けた。
「聞くところによるとハッスル・マニアでプロレスデビューするらしいな。おい、ひとこと言っておく!」と高田総統は釘を刺そうとしたが、相変わらず腰を振り続けるレイザーラモン!
「ちょっと待て。あの腰が止まったら喋る」と言ったが、レイザーラモンHGの腰はまるでターボがかかったように、さらに回転を上げていって全く止まる様子がない。
「おい、待ちきれないから喋る」とさすがの高田総統も根負けだ。「遊び半分でリングに上がってきた暁には、2度と腰を振れないようにしてやる。せいぜい練習する事だ」と、レイザーラモンHGを威嚇した。
「今日はここまでだ」と劇場のフィナーレを宣言した高田総統だったが、場内からは「えーっ」と言う声と総統コールが爆発。久しぶりのハッスル・ハウスだけに、みんなもっと聞きたいのだ。
「申し訳ない。これからブエノスアイレスに飛ばなければいけないんだ」と、多忙な総統。「ハッスル軍の諸君、あさっての名古屋でお会いしよう。自家用ジェット機の時間だ。では、バッドラック!」
 高田総統が立ち去ると、小川は名古屋で最強タッグを組む川田に「ハッスルK! 明後日、インリンには赤っ恥をかかせてやろうな。頼むぞ!」と言って歩み寄り、握手を交わす。
 大谷は「キャプテン! ハッスル軍のHGのデビューが決まって、モンスター軍ひいきじゃないGMも決まって、あとは名古屋で勝てばハッスル軍の天下だよ!」と気勢をあげる。
 それでは、という事で今夜はレイザーラモンHGが音頭をとることに。「みなさーん、股間を上げてください」と観客を立たせ、「いいですかー、激しいハッスルポーズは腰を20回以上振ります」と説明するが、川田から「おい、誰も出来ないよ、そんなの」と突っ込みが入る。
 なのでショートバージョンとして、「スリー・トゥー・ワン、ハッスル! ハッスル!!」のあとで、脚をクロスして「フォー!」とやる事に決定。「ハッスル! ハッスル!! フォー!!」と、ハッスル・ハウスは史上空前の盛り上がりを見せて幕を閉じた。あまりの盛り上がりぶりに、レイザーラモンHGはマイクスタンドにポールダンサーよろしく腰を擦り付けるのであった。
 さあ、『ハッスル・マニア2005』で高田総統をリングに引きずり出すには、9月10日の『ハッスル12』名古屋大会でインリン様を倒さなければならない。高田総統は卑劣な罠を仕掛けてくるに違いない。重要な転換期を迎えた『ハッスル12』は、まさにクライマックス。いよいよハッスルから目が離せなくなってきた!

HG劇場

 メインを制し、喜びに浸っているハッスル軍の元に、11・3『ハッスル・マニア2005』でプロレスデビューを果たすレイザーラモンHGが登場! 会場は一気にヒートアップする。リングに上がったHGは「OK! 来ちゃいましたよ。ハッスル、フォー!」と激しく腰を振り続ける。「何だ、この盛り上がりは? 久しぶりに勝ったのに」とHGをさびしく見つめる大谷。しかしHGの一挙手一投足に湧き上がる会場を見渡すと、「でも面白い! お客さんが喜んでいるからいいか」とHGを真っ向から受け入れる姿勢を見せる。
「HG、お前の今の勢いはホンモノだろう。今日は気持ちよくお前に締めを任せる」と大谷。するとHGは「あちち先輩のやさしさ、フォー!」と喜びを爆発。より一層腰の振りを激しくし、「ではあちちフォー行きましょう!」と、「あちちフォー!」とポーズを決めるHG。その隣ではHGに負けないくらい激しいフォー!を決める、大谷の姿があった。
 客席同様、すっかりHGに魅せられた大谷に、川田は「おい! 大谷。変なヤツ連れてくるな。俺は見てるだけだからな」と冷たい反応。しかし大谷は「川田さん、フォーの時、足はクロスさせます」と聞く耳を持たないどころか、あの川田にフォー!を迫るではないか! すると会場は大・川田コール。これを聞いた川田はやれやれと言った顔で「分かった。ちゃんとフォー!をやるよ。その代わり最後のとっておくからな」と、観客にフォー!を約束した
 こうして二人にフォー!をやらせることに成功したHGは、改めてハッスル・マニアでのプロレスデビューを皆さんに報告。「毎日トレーニングで励み、キャプテンにしごかせてもらっています。二つの意味、フォー!」と、HG。「プロレス界はお笑い界以上に厳しいぞ」という大谷の忠告を受けると、「恥骨の髄まで分かっています」と力強く(?)応えるHG。会場に大爆笑を巻き起こした。
 と、ここで突然、感動的なフィナーレには欠かせない名曲「サライ」が場内に流れ始めた。なんだなんだと観客が騒ぎ始めると、小川直也を先頭にした騎馬戦の神輿に担がれて草間候補が登場! 手には両目の入っただるまを手にしている。という事は、新GMの誕生だ!
「みんな、紹介しよう! めでたく当選した草間新GMだ!」と小川。笹原敗れる!
 満面に笑みを浮かべ、心なしか頭部がさらに輝きを放つ草間新GMは、マイクを握って所信表明。
「皆様、新たにGMに就任しました草間でございます。私の目的はひとつ、このハッスルをビッグビジネスに育てる事です。前任者の笹原君のような優柔不断な事は申しません。ハッスル軍、モンスター軍、どちらにも容赦はしません。不良在庫は一掃します!」
 相変わらず噛み噛みだったが、意思は伝わった。“不良在庫は一掃します”という言葉は気になるが、とにもかくにもハッスル改革はこの日からスタートするのだ。
 しかし、めでたい空気を切り裂くように、あのお方の声が響き渡った。
「おい! お前ら今日はずいぶんと威勢がいいな!」


メインハッスル

10分50秒 スパイラルボム→エビ固め

 メイン開始前、石狩太一がハッスル総選挙の開票会場をレポート。現時点では70%が開票され、互いに一歩も引かない大接戦となっている。しかし徐々に笹原GMが得票を伸ばし、笹原・732―草間・597となり、笹原GMの当確が決定、後は票数の確認作業を残すのみとなった。
 こうして何とかレポートを終えた石狩。笹原GMの当確を知ると「笹原GMが当確か…ゴマすっといて良かったな」とニヤリ。何かを思い出したように「そうだ、こういう時ってダルマに目を書くんだよな。あれ一回やってみたかったんだよな」と呟く石狩。すると黒マジックを手に、近くにあったハッスル・ハウスvol.9ポスターの川田のイラストに落書きを始める。まずは川田をダルマにすると、川田の目を黒く塗りつぶしてゲラゲラ笑い転げる。それを後ろからじっと見ていたのは川田本人。「おい!」と石狩に呼びかけると、「ああ! ダルマ!」と思わず出てしまう石狩。「試合前に何やってんだ!」と川田に強烈な膝蹴りをくらい、投票ボックスに突っ込む。
 先に入場したのはモンスター軍。出場選手以外にも、インリン様の姿も見える。純白のセクシードレスに身を包んだインリン様は「相手チームを全員倒した方が勝ちになるイリミネーションマッチ。M字のMは『無敵』のMよ。絶対に負けは許されないわ。気合入れてあげるから、一列に並びなさい」と、モンスターたちを並べると、「やれんのか!」の声にあわせて鞭を一閃、気合を注入した。

閉じる メインらしい激しい展開がゴング直後から始まった。川田とRAIJINのチョップ合戦にスタートし、大谷とFUJINのボディプレス合戦。そして崔とモンスター℃が崔コールCコールの中、キックの蹴り合いを続ける。しかしモンスター℃が川田に注意を引き付けている隙に、モンスター軍は崔を集団攻撃。一気にハッスル軍をリング外に突き落とすと、RAIJINボム&FUJINプレスの殺人フルコースで、FUJINが崔から3カウントを奪った。
 一人少なくなったハッスル軍はなぜか石狩がリングイン。FUJIN&RAIJINに果敢につっかかっていく。しかしもちろんこの二人には石狩の攻撃は通じず。FUJINに羽交い絞めにされ、RAIJINラリアットをくらいそうになるのだが…何と石狩がこれをかわし誤爆を誘い、FUJINがオーバー・ザ・トップロープとなり、石狩がFUJINを失格にするという快挙を成し遂げた。さらにロープ際で頭を抱えるRAIJINを川田と大谷が二人がかりで持ち上げ、場外へ落とし、FUJINに続きRAIJINもオーバー・ザ・トップロープで失格。ハッスル軍はモンスター軍の最強モンスターコンビを開始早々に失格に追い込むというチャンスを掴んだ。
 ところがここでハッスル軍に水を差した男が。その男の名は石狩。FUJINを失格に追い込んだことで調子にのった石狩は、オーバー・ザ・トップロープのルールを忘れ、自ら場外のRAIJINに向かってダイブ! モンスター軍が何ら手を下すこともなく、自ら失格となってしまった。しかもそのダイビングボディプレスはしっかりとRAIJINに受け止められ、二人に拉致されるというオマケまで付いた。
 さてリング内はクイック・クック・リーと日高。チョップからフルネルソン・バスターを見せたリーだったが、日高がDDTを皮切りに反撃。最後は腕を極めながらリーを丸め込み、リーから3カウントを奪う。しかしインリン様に気合を入れられたモンスター軍が簡単に負けるわけにはいかない。体格に優るギラファが日高を捕まえると、強烈なフロントバスターで日高をマットに沈めて、試合はギラファ&モンスター℃対大谷&川田のタッグマッチ形式となった。
 先に仕掛けたのはモンスター軍。大谷を捕獲し、二人がかりで攻撃を続ける。完全に孤立してしまった大谷だったが、会場のあちちコールに後押しされ、モンスター軍の合体攻撃を誤爆させると、川田にタッチ。川田がギラファをストレッチプラムで絞り上げる。そして川田のバックキックをくらいグロッキーのギラファに、大谷が得意の顔面ウォッシュ! 勝負を決めようとトップロープへ登ると、ここでモンスター℃が大谷の動きをストップ。大谷が最大のチャンスを逃したかに見えたが、ここで川田が絶妙のカット。フロントキックを狙ったギラファの足を取ると、そのままオーバー・ザ・トップロープで場外へ落とし、モンスター軍を一人にすることに成功する。
 こうなるともはや流れは完全にモンスター軍。最後は大谷がスワンダイブ式のドロップキックからのスパイラルパワーボムで℃をマットに沈めた。


セミハッスル

10分46秒 スーパーフライ→体固め

 ハッスル軍、モンスター軍のどちらにも属さず、己の道を突き進んでいる坂田亘とマーク・コールマン。どうやらこの日も屋台で一杯引っかけているようだ。前回、前々回と自分の酔っ払いぶりで敗戦を喫しているコールマンはがっくりと肩を落としている。そんなコールマンに坂田は「終わったことを後悔しても仕方ねえだろ。いつも前向きじゃないと男はもてないぜ」と励ます。さらに「今日頑張ってくれたら、試合の後にこっちの楽園、楽園フェスティバルに連れていってやるよ」と、小指を立ててニヤリと笑う坂田。その上で「だからリング上で酒を飲むのだけは辞めてくれ。リング上だけは禁酒だ」と、コールマンに釘を刺すのであった。
 しかし対戦する田中・黒田コンビはビールを持参でリングイン。何本ものビールをニュートラルコーナーの下に置く。果たしてコールマンは酒の誘惑に打ち勝つ事が出来るのか?

閉じる 禁酒効果かいつもにもまして凄みを感じさせるコールマンは、黒田と田中に同時にタックルを決めると、そのまま田中をハンマーパンチでボコボコに。後ろからイスで殴りかかった黒田に対しては、何とイスごとにパンチで吹っ飛ばすという離れ業をやってのけた。コールマンの勢いそのままに、リングに入った坂田は田中と真っ向からチョップ合戦。黒田との四の字固めの極め合いを展開する。と、ここまでは試合を優勢に展開していたはぐれ者コンビだったが、場外戦に持ち込まれると一気に田中&黒田組ペースへ。黒田が坂田を客席まで連れまわし壁に頭を叩きつけ、それに続けといわんばかりに田中もコールマンを客席で痛めつける。それが終わると今度は場外の机に貼り付けにしたコールマンに、田中がトップロープからフライングボディプレス。その後も割れた机で黒田がコールマンの股間を攻撃。コールマンを二人がかりで攻め立てる。
 しかし飲んでいない時のコールマンは判断力もバッチリ。田中・黒田の合体攻撃をしっかりかわすと坂田にタッチ。坂田はまずはトラースキックを二人に叩き込むと、黒田には高角度のバックドロップ、そして田中には串刺しのニールキックを決める。するとここでコールマンが自らタッチを要求。一瞬、躊躇した坂田だったが、この日のコールマンの活躍ぶりを考えて、コールマンの要求に応じる。
 しかしここで大きな落とし穴が待ち構えていた。豪快なフロントスープレックスで二人を投げ飛ばしたコールマンだったが、ここで黒田が持ってきたビールに気付いてしまう。すると坂田の制止を振り切り、フラフラとビールの方へ。そしてコップを掴むと、四方に力強く「カンパーイ!」とアピール。高々とコップを掲げて一気にビールを飲み干した。するとビールでいい気分になっているコールマンに、田中が白いギターで強烈な一撃をお見舞い! 黒田が坂田をリング下に落とした隙に、一気にスーパーフライで田中がコールマンから3カウントを奪取。またまたまたしてもコールマンの酒癖の悪さで、十中八九勝ちを手にしていたはぐれ者コンビが星を落とすこととなってしまった。
 リング上で横たわるコールマンに「おい! おっさん。何が頑張るだよ。いいかげんにしてくれよ。絶対に飲まないって言っただろ。結果的に負けた以上は、楽園フェスティバルはお預けだよ」と坂田。するとコールマンは坂田の手を握り締め「楽園フェスティバルだけはお願い」といわんばかりの表情を浮かべている。そんな40歳、マーク・コールマンを不憫に思ったのか、坂田は「そんなに楽しみにしてたのか…よし分かった! そんなお前に免じて、一晩しっぽり過ごせる女を見繕ってやるよ」と、コールマンと二人で会場の女性をナンパし始めたのだ。ちょうどリングサイドに座っていた女性客二人に話しかける坂田。「今晩、どうせやることないだろ。このままこのおじさんを慰めてやってくれねえか」とナンパをスタート。すると何やらコールマンが坂田に耳打ち。「すまん、コールマンからダメだしが出た。お前らも出直して来い」と、結局コールマンの好みに合わず、ナンパは失敗に終わった。再びがっくりと肩を落としたコールマン。すると今度は「よし分かった! 俺が巨乳軍団を引き連れてくるから、今日は巨乳フェスティバルだ」と、ある意味一番おいしいフェスティバルを坂田が提案すると、コールマンはニッコリ。敗戦のショックから立ち直るべく、はぐれ者コンビは巨乳フェスティバルへと向かった。


摩邪のGM選挙説明

 休憩前、何と人気お笑い芸人の摩邪がリングに登場。まずは「可愛い」と声援を挙げる会場のファンを「暇でもてない、プロレスファンのお前ら! かわいい? はあ? そんなんじゃテンション上がらねえんだよ!」と一喝。続けて「いいか、今からバカでも分かるように、あたいが投票方法を説明してやるよ」と、この日行われるハッスル総選挙の投票方法の説明を始めた。しかしそこは摩邪、もちろん普通に説明するわけもなく、「ちゃっちゃっと書いて入れろ!」「さっさと書いて入れやがれ!」「もさくさしてねえでさっさと入れろ!」と暴言を連発。しかし「最後に一つ、お前ら連れションなんかするんじゃねえぞ!」とマイクを叩きつけ、ハッスルファンの大歓声を受けながら締めくくった。


第3ハッスル

12分44秒 ファイナルカット→片エビ固め

 大慌てで男子トイレに駆け込むカズ・ハヤシ。目指すのは「大」の方である。扉を開けると、そこにはなんとマーガレットがっ!
「きゃああああああーーーっ!」と悲鳴をあげるマーガレット。ノックをしなかったカズも悪いが、なぜ男子トイレの中にマーガレットがいるのか? 
 そんな疑問を持たせる暇もなく、Ericaがマーガレットの悲鳴を聞きつけて駆けつけた。「何やってるのよ、あんた! マーガレットのマーガレット、見たわね!」とカズに詰め寄る。懸命に弁明するカズだったが、Ericaの怒りは収まらない。マーガレットを傷つけたというのだ。
「じゃあ、交換条件よ」と切り出すErica。「私たちとタッグを組んで、勝利をプレゼントしてちょうだい」とおねだり。「そうしたら許してあげるよね」と聞くと、うんうんと頷くマーガレット。すでに「大」が我慢できなくなっていたカズは「わかった、わかった!」とこの条件を呑んでしまった。
「カズ君がパートナーになってくれるよ〜」と嬉しそうにトイレから出て行くEricaとマーガレット。ところが、この裏にはEricaたちの恐るべき陰謀が隠されていたのだ!
「効くわね〜、この下剤。フフフフッ…」

閉じる いまやハッスルの中でも、最もレベルが高いと評判の女子プロレス。今回も各チームに男子が一人入っての混合チームを結成しての対決だ。Ericaとマーガレットチームには騙されたカズ・ハヤシが入り、プロレスファンから“最も苛められたい女子プロレスラーNo.1”との呼び声も高いアリシンZとブランカXには、大人気のモンスターJが入った。
 モンスター軍はカズを指差し、何やらひそひそ話。指先にはカズの腹があった。
 先発はJとカズ。Jは「J! J!」のコールに気をよくし、リング上でブレイクダンスを踊るほど。そのJをタックルで吹っ飛ばしたカズは、ロープ越しにスイングDDTを仕掛ける。この華麗なる連携攻撃に、Ericaは「カズ君、かっこいい〜」と満足そう。
 だが、ハッスルソルトを自爆してしまったカズはお腹を抑えて転げ回る。やはりまだ下剤のダメージがあるようだ。Jはフットスタンプを連発し、最後は腹を踏みつけてカウント2.9! さらにJはカズをコーナーへ逆さ吊りにして、なんとカズの股間を踏み潰す。この光景を見たEricaは「カズく〜ん!」と心配そうな声を出したが、カズは何とか脱出してマーガレットへタッチ。
 マーガレットを見るや、いきなり吐き気に襲われるJ。いつまでたっても慣れない様だ。Jが逃げようとすると、マーガレットは後ろからJを羽交い絞めにして体をこすり付ける! 場外へ脱出するJ。
 アリシンZにタッチ。マーガレットは持参した花篭から花を一輪取り出し、アリシンに差し出す。その花を受け取ったアリシンだったが、すぐに足元に捨てるや両足で踏みにじるのであった。やめさせようと花へ手を伸ばしたマーガレットだったが、その両手をも踏んづけられてしまう。極悪非道のアリシンZである、
 ブランカとJもリング内に飛び込み、3人でマーガレットをよってたかって蹴りつける。しかし、マーガレットは三人の連続攻撃をかわすと、コーナーに重ねあって倒れた三人の上に重爆撃ヒップドロップをお見舞いだ! Jをロープに飛ばすと、ひらりと飛んでのチョップもお見舞いする。
 Ericaとアリシンにタッチ。Ericaは先ほどのアリシンの行為に怒り心頭で、「いつもマーガレットの乙女心を踏みにじってんじゃないわよ!」とラリアット。アリシンが張り手を仕掛けてくれば、その倍返しパワーの張り手でふっ飛ばし、もう一度張り手でくれば今度は100倍返しだ。「カズ君、いた〜い」とかわい子ぶっては見るものの、誰の目から見てもダメージはアリシンの方があった。
 ブランカが出てきてEricaをボディスラムで持ち上げようとすると、これが持ち上がらない。逆にボディスラムで投げられたブランカは、ロープから落とされそうになりながらもぶら下がっての腕ひしぎ逆十字。アリシンも加わって、ダブルの脇固めを決めると、Ericaの上にJが飛び乗って「J!」のポーズをバッチリ決める。
 カズとEricaが仲良く手を繋いでのクロスラインでブランカをダウンさせるも、カズは女のブランカに攻撃を仕掛けるのをためらってしまう。ところが、ブランカのトーキックを痛む腹にもらうとブチ切れ、容赦ない蹴りの連打からボディスラム! これには観客から大ブーイングが起こってしまった。
 アリシンが椅子を持ち出すと、Ericaは「きゃーっ」と悲鳴を上げてカズに抱きつく。カズは椅子攻撃をかわしまくるも、やはり腹にもらうとダウン。そこへJがムーンソルトプレス、ブランカがトップロープからのダブルフットスタンプを波状攻撃を仕掛け、アリシンがトドメの椅子を持ったままのムーンサルトプレス! 何とかカウント2で返したカズ。
 Ericaが巨大なお尻をグリグリとJに押し付け、すっかりグロッギーになってしまったJにカズがファイナルカットを仕掛けようとしたが、腹が痛んでしまいヘナヘナと座り込むカズ。Jはここぞとばかりに急所攻撃を見舞ったが、Ericaのディープキス攻撃をもらってJが再びグロッギーに。その隙にマーガレットはカズを立たせてカズにファイナルカットの体勢を作らせ、最後の力を振り絞ったカズがファイナルカット! カウントは3!
 見事な勝利を収めたが、カズは一目散にトイレへと向かっていった。
 ところが、収まりがつかないアリシンとブランカは、二人がかりでEricaとマーガレットを滅多打ちに。Ericaはマイクを掴み、「助けてーっ! 体が痛くて動けないーっ! おば様、助けてーっ!」と悲痛な叫びを上げる。ところで、おば様って誰?
 その時だった。荘厳なクラッシックの曲が場内に流れ、バルコニーに豪華なドレスを身にまとった謎の貴婦人が登場したのだ!
「あなたたち、はしたない真似はやめなさい」とアリシンたちの暴挙を制する。「あなたWhoよ?」とアン・ジョーが問いかけると、「私? 私はデビル夫人よ」。
 なんと、あの某女子プロレスの老舗団体で世界チャンピオンにまでなり、長きに渡って女子プロレスの頂点に君臨するデビル雅美にそっくりではないか!
「そのゴツイおばちゃんが何のようですか?」とアン・ジョーが言うと、「おだまりっ!」と一喝するデビル夫人。アン・ジョーも、アリシンもブランカも直立不動となる。
「私の可愛いEricaちゃんに、よくもこんな真似を! その仇は私がとって差し上げるわ。さて、あなたたち! 名古屋であなたたちにたっぷりとお仕置きしてあげるわ! 覚悟しておきなさい!」
 そういい残して、「ごきげんよう」とデビル夫人は優雅に立ち去っていった。
「なんだかまたややこしいのが出てきました」とアン・ジョー。「怖いけど、名古屋でまとめてミーたちがやっつけマース!」と宣言したアン・ジョーだったが、真っ先にリングから逃げ出す。アリシンとブランカもビビッてたじろぎながら、脱兎のごとく逃げ出した。
 女子プロレスの“最終兵器”とでも呼ぶべきデビル夫人の登場で、ハッスル女子部門も急展開を迎えそうである。


第2ハッスル

1分53秒 イス攻撃→体固め

 試合前の控え室。「もうすぐ時間だぞ」と愛弟子・藤井軍鶏侍の下を訪れる“キャプテン・ハッスル”小川直也。そんな小川に「小川さん、これ見てください」と、自信満々に藤井はスケッチブックを広げる。そこに書かれているはアルファベットの『A・H・E』の3文字。何のことだかさっぱり分からない小川は、アルファベットをそのままローマ字読みして「アへ?」と首をかしげる。そんなに小川に藤井は「違いますよ! 僕の必殺技です。“当たれば・百発百中・エルボー”の頭文字をとって『A.H.E』。小川さんの『S.T.O(スペース・トルネード・オガワ)』にちなんでつけたんです」と満天の笑みを浮かべ、「行って来ます」とリングへと駆け出していった。
 藤井の後姿を見て小川は『アイツの必殺技は一回も当たったことないからな」と心配そうな表情を浮かべた。果たして今日こそ藤井のエルボーは炸裂するのか?
 対するは、ハッスル11で小川を金で裏切った安田。その安田は、ウルフルズの『借金大王』の曲にのって、大歓声を受けて入場。待ち受ける藤井には、観客から早くも「A.H.E(アへ)」コールが巻き起こる!

閉じる 開始のゴングが鳴ると、いきなり札束を取り出す藤井。その金に目がくらむ安田に強烈なミドルキックを叩き込むと、そのまま安田の体をコーナーに詰めて膝蹴りとパンチで攻め立てる。意外に姑息な手に出たようだ。そしてグッタリした安田に対し、早くもトップロープからの『A.H.E』を敢行! しかし案の定というか、安田の位置まで距離が届かず(!)激しく自爆してしまう。のた打ち回る藤井を横目に、安田はしっかりと札束を握り締めるとまずはフロントキック。そこからフロントスープレックス、強烈なイスでの一撃を藤井の頭部に見舞い、最後は余裕の片足踏み付けフォールで3カウントを奪った。
 試合後、マイクを握った安田は「おい! 小川、よく聞け。こんなヤツの相手させるんじゃねえ。それに俺は裏切ったわけじゃねえぞ。あの時はモンスター軍が俺に金をくれたからだよ。俺は金をくれるヤツの味方をするんだ」と借金王としての持論を展開。さらに「名古屋に必ずゴールデンロッドをもってこいよ。俺が売り払ってやるからよ」と高笑いを残し、リングを降りた。


第1ハッスル

9分8秒 ダイビングボディプレス→体固め

 モンスター軍の司令室。高田総統は最近活躍中の鬼蜘蛛を見て満足そうだ。
「鬼蜘蛛よ、我がモンスター軍にお前のような強いモンスターがもっと欲しいな」という事で、鬼蜘蛛を三匹に増殖だ。その名もオリジナルの「赤鬼蜘蛛」に、「青鬼蜘蛛」と「黄鬼蜘蛛」である。
「島田、アン・ジョーよ。モンスター達の名前を連続して言ってみろ」と命じると、二人は「赤鬼△×●、青■◎☆、黄×■△〜」とカミカミ。まるで早口言葉だ。
「二人とも情けないな。いいか、よ〜く聞いておけ。この私が見本を見せよう」と威厳たっぷりの高田総統。大きく息を吸い、「赤鬼◎▲×、青■☆●、黄△×◎〜、ビターン!」。…最後は“ビターン”で誤魔化した高田総統であった。

閉じる 一斉に襲いかかる鬼蜘蛛三匹、ハッスル仮面たちのマントを剥ぎ取り、蹴散らしていく。
 青鬼蜘蛛とブルーがリングに残り、青鬼蜘蛛はブルーの背後に忍び寄りスリーパーホールド。スピーディーなロープワークから、コルバタでブルーを投げ飛ばす。
 赤鬼蜘蛛とイエローにタッチすると、イエローに大歓声が沸き起こる。イエローは巨体を揺らせてショルダーアタックで赤鬼蜘蛛をふっ飛ばし、身軽な体でドロップキックからコルバタだ。
 レッドが黄鬼蜘蛛を回転して投げると、場内からは「ハッスル、チャ・チャ・チャッ」の大合唱。青鬼蜘蛛はブレンバスターで逆襲し、黄鬼蜘蛛と二人でレッドを股裂き、イエローとブルーが救出に入るも青鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛にカットされ、リング中央でレッドは赤鬼蜘蛛にローリング・蜘蛛レイドルホールドでクルクルと回される。
 それならばと、イエローの出番だ。黄鬼蜘蛛と青鬼蜘蛛は二人でブレンバスターを仕掛けようとするも、イエローの巨体は上がらない。逆にイエローが二人ブレンバスターで投げ、鬼蜘蛛三匹へハッスル仮面チームが同時ドロップキック! 場外へ転落した鬼蜘蛛めがけてイエローがプランチャ、レッドがフェンス越しのラ・ケブラーダと華麗に空中を舞ってみせる。その間にはリング上で、ブルーが黄鬼蜘蛛へドロップキックでカウント2。
 青鬼蜘蛛がレッドの体を小さく畳み込む文字通りの小包固めを仕掛けたところから、試合は動き始めた。イエローが赤鬼蜘蛛をロープへ飛ばすと、赤鬼蜘蛛は得意の“元祖”ロープ張り付き。しかし、そこへイエローがフライング・ボディアタック! さらにロープを両手で持ってくるりと回っての蹴りで赤鬼蜘蛛を翻弄する。ボディプレスでトドメかと思ったが、カウントは2!
 形勢が不利となった鬼蜘蛛チームは、ここでもう一つの必殺技を繰り出す。赤鬼蜘蛛がイエローを後ろから羽交い絞めにして、そこへ青鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛がダブルのスパイダーネット! だが間一髪、イエローが避けたため赤鬼蜘蛛を直撃する自爆に。これでリーダー格の赤鬼蜘蛛が戦闘不能となった。
 このチャンスを、体型からは想像もつかないような機敏さを持つイエローが見逃すはずがない。まずは黄色をボディスラム、その隣に青鬼蜘蛛をボディスラムで寝かせて、トップロープに登っての必殺フライング・ボディ・ソーセージだ! リングがバウンドし、地響きを立てる。カウントは当然、3カウントが入った。
 見事なハッスル仮面チームの勝利! しかし、勝利に酔いしれている暇はなかった。勝ち名乗りを上げるハッスル仮面チームの背後から、昨日モンスター軍入りを表明したジャスティライザーが乱入してきたのだ!(ジャスティライザーを知らない人は→こちら(昨日のニュースにリンクしてください))
 赤のライザーグレン、紺のライザーガント、青のライザーカゲリが、それぞれハッスル仮面をリング外に蹴散らす。本当に悪の手に染まってしまったのか、ジャスティライザーよ! グレンはサーベルまで持ち出し、ハッスル仮面を完全に追い出してしまった。
 その時、モニターにジャスティライザーを洗脳した高田総統が登場! 「正義のヒーローを気取っているワリには、一向にちびっ子ファンが増えない哀れなハッスル仮面たちよ。キミたちとは違い、そのジャスティライザーはちびっ子に大人気だ」と、ハッスル仮面たちの一番痛い部分を突く高田総統!
「聞くところによると、ハッスル軍にはセイザーXとかいう中途半端なヒーロー気取りが入ったらしいが、お前らのキャラと丸被りだな」と、高田総統は傷ついたハッスル仮面たちに追い討ちをかける。頭を抱えて苦しむハッスル仮面たち。
「ジャスティライザーこそ正真正銘のヒーローだ! ハッスルにヒーロー枠は一つで充分。純粋な少年の心を忘れてしまったプロレスファンの諸君、ジャスティライザーの強さ、カッコ良さを目の当たりにして、せいぜい童心に帰りたまえ! ワッハッハッハッ!」
 テレビでも放映されているちびっ子に認知度の高い本物の特撮ヒーローを目の前にして、戸惑いを隠せないハッスル仮面たち。そこへアン・ジョー司令長官が「11月3日のハッスル・マニアで、ジャスティライザーがユーたちをクラッシュしマース!」と、ハッスル仮面たちに“死刑宣告”したのである。
 場内にはジャスティライザーのテーマ曲が鳴り響き、すごすごと帰っていくハッスル仮面たち。このままハッスルのヒーローの座を明け渡してしまうのか? たたかえ、ハッスル仮面!!


笹原・草間両候補、リングに登場

 さてリング上に目を移すと、笹原GMではなく草間候補がリングのど真ん中に立っている。「私がハッスル新GMの草間です。笹原君に変わってマネージメントのプロである私がGMを務めます」と、総選挙を前に余裕の新GM宣言。すかさず笹原GMが草間候補の挨拶に割って入り、「何やってんですか!? まだGMにもなってないじゃないですか?」と怒りの表情を浮かべる。「今日はどっちがGMに相応しいかを決める総選挙の日ですよ。ぜひ清き一票をこの笹原に投票してください。みなさんに愛していただいているハッスルを、命がけで守っていきます」と情熱的な笹原GMとは対照的に、「君はまだ若いね。某老舗団体を一年間で黒字にした実績を持ち、豊富な経験と実績のある私にGMを任せてください。ドーム大会、海外遠征をハッスルで実現します」と草間候補は至ってクール。そんな草間候補に笹原GMは「リストラGMにそんなことが出来るわけないだろう」とチクリ。
 するとそこに草間候補支持派の中村カントク&木原2軍監督が工事現場の作業着で登場。「新GM、お疲れ様です。新GMはいつも輝いている、まぶしい方ですね」とさっそくゴマをする。
 笹原GMを見つけるなり「笹川? 笹本? どっちでもいいや。いつも不公平な裁定ばかりをしてきたこのGMも今日で終わり。これからは某老舗団体で社長まで登りつめた新GMが誕生し、素晴らしいものをハッスルに還元してくれるんだ」と、笹原GMを徹底的にこき下ろした。今度はそこに笹原GM支持派のアン・ジョー司令長官&島田二等兵が乱入し、「我々はこのハンサムガイを支持しマース。ところで何だお前らのその格好は?」と中村カントク&木原2軍監督を突っ込む。これに対し中村カントクは「俺たちは草間候補をサポートするために、ハッスル建設を作ったんだ!」と自分達が着ているツナギをアピール。しかし「どうせそのハゲと癒着するために作ったんだろう?」と突っ込まれる始末。逆にアン・ジョー指令長官は、ハッスル軍応援シートとモンスター軍応援シートの二つを用意するという笹原GMのアイディアを、「インテリジェンスなアイディア」と褒めちぎる。さらに高田総統から、モンスター軍にブーイングではなく歓声を飛ばしてもいい許可が降りたことを告げると、モンスター軍の公式応援方法、自分の右手で左胸を2度叩き、指を伸ばしたまま右斜め45度に伸ばす「総統ポーズ」を発表。会場は「総統ポーズ」一色に染まった。しかしハッスル軍も負けてはいない。中村カントクが徹夜で考えた…割には意外とベタな「ハッスル・チャ・チャ・チャ」で対抗。会場はハッスル軍応援シートとモンスター軍応援シートによる応援合戦が巻き起こった。そして「分かりました。力の限り声援を送ってください」と上手くそれをまとめた笹原GMから本日の対戦カードが発表された。
 対戦カードが発表されるなり「いいか、このカードで9月ハッスル軍を根こそぎぶっ殺すからな。そもそもお前とはまだ決着が付いてないんだ」と中村カントクに突っかかる島田二等兵。対する中村カントク「だったらここで決着つけてやろうか?」と売られた喧嘩は買う勢いだ。そして二人が罵り合いを始めたところで、笹原GMが必殺の「シャラーップ!」を決めようとした瞬間!
 何と草間候補が笹原GMを突き飛ばし、掟破りの「シャラーップ!」。さらにサングラスを取り出すと、「アイ・アム・GM!」まで決めてしまうではないか。「何、人のセリフとっているんですか!」と怒り心頭の笹原GMを尻目に、「一度やってみたかったんだけど、イマイチだな。それではハッスル・ハウスvol.9を始めていただきます」と、最後はちゃっかり開催宣言する草間候補であった。


オープニング劇場

 場所は高田モンスター軍の秘密基地。今日行われるハッスル総選挙について、アン・ジョー司令長官と島田二等兵が何やら話をしている。「本当に選挙やるんですかね」と不安そうな島田二等兵。「万が一笹原GMが負けると、ミーの立場がアリマセン」と笹原GMを支持しているアン・ジョー司令長官も、心配そうな表情を浮かべる。しかし「もしそうなったらあのツルピカ草マル君に、付け届けを渡せばいいんデスヨ!」と、草間候補にヘアに関するお届けものを渡そうと、不敵な笑みを浮かべた。さらに「そんなもの必要ないですよ。ペンキで充分ですよ」と島田二等兵。「ソウデスネ、ハハハハ」と笑い転げる二人。
 するとそこにインリン様の「はしゃぐな! 島田、アン!」の声が。その隣には高田総統の姿が見える。「約半年ぶりのモンスターホールだな。我がモンスター軍が地方を洗脳している間に、東京の洗脳がとけているということはないだろうな」と、部下に釘を刺す高田総統。しかし後楽園ホールは超満員、それを見たインリン様が「今日も暇でモテないプロレスファンが集まって、会場はフルハウスですわ」と報告。信頼がおけるインリン様の言葉に、高田総統もニヤリ。
 すると高田総統は「ん? フルハウス? フル…振る? そういえば、最近神聖なリングで腰を振りまくっている不届きものがいるらしいな。私はそんな下品な行動を断固として許さない。そしてそんな下品な行動を認めるハッスル軍は、私の思想と哲学から最も遠いところにある」と、ハッスル軍に新加入したレイザーラモンHGのハードゲイハッスルポーズを鋭く非難。しかし「そして、私より目立つな!」と、総統にしては珍しく他人をねたむコメントが飛び出す。どうやらこちらが本音らしい…
 しかも「よいか。せいぜい、その目でモンスター軍の恐ろしさを目の当たりにし、ビビッてたじろぐがいい」と締めくくった後に、「総統、フォー!」とレイザーラモンHGを思いっきりパクってみせた! 自分より目立ったものへの、ささやかな復讐なのだろうか?


ハッスル夏休み日記


岸本PRからの説明


ささはら圭一候補・草間せいいち候補による選挙活動

ハッスル・ハウス vol.9開演前にはGM総選挙に出馬したドリームステージエンターテインメン党ささはら圭一候補とハッスル新党草間せいいち候補による激しい選挙活動が行われた。