ファイトカード

高田総統劇場

" エプロンで小川と睨みあっていたインリン様は、高田総統のテーマ曲が鳴り響くと小川に微笑み、同時に投げキッス。そして踵を返し、川田と共に花道を帰っていく。そこに、高田総統が登場した! 場内には「そーとー、そーとー!」コールとブーイングが響く。
 しばらくその様子を見ていた高田総統だが、「落ち着け! 落ち着くんだ!」と一喝。「本当に落ち着きのない県民だな。そう言えば、ここ青森の県知事も相当落ち着きがない事で有名じゃないか。県知事が県知事なら、県民も県民だ!」と時事にも詳しい高田総統。さらに沸き起こるブーイングにも、「落ち着くんだ!」と注意を与える。
「リンゴの収穫も手伝わず、ノコノコとプロレス観戦にやってきて、暇で暇で仕方がない青森県民の諸君、我こそは高田モンスター軍総統、高田だ! …ちょっと待てよ。リンゴと言えば最近、『りんご娘.』という二人組が“彼の軽トラに乗って”そんな歌でメジャーデビューしたが、大丈夫か? 情報通の私でさえ、一度も聞いたことがないぞ!」と、芸能情報にも詳しい高田総統であった。
「出稼ぎですっかり人がいなくなったと聞いたが、そこそこいるじゃないか」と高田総統が言うと、場内からはブーイング。しかし、「やっぱりブーイングが地味でしょっぱいよ! おい、無理をするな。背伸びをするな! それも県民性だ!」と諭す高田総統。
 リング上に目を向けると、「おい! そこにいるハッスル軍よ。今日のところは花を持たせてやるが、本当の勝負はハッスル・マニアだ」と、改めての宣戦布告だ。
 真っ先に反撃に転じたのは、この日も頑張った石狩だった。
「僕が本気を出したら、お前なんか目じゃないんだぞ!」といきがる石狩であったが、「ほう、今日は随分と威勢がいいな。青二才が! ハッスル・マニアではこうはいかんぞ」と高田総統はニヤリ。
 すると石狩、「ハッスル・マニアでもしキャプテンたちが負けたら……ハッスル軍を解散してやるーっ!」と調子に乗って勝手な爆弾発言をしてしまった! 小川と大谷が睨みつけるのも無理はない。やはりこの男、放っておくとろくな事をしない。
 高田総統はすかさずこの石狩発言に反応する。「坊主! よく言った。坊主、チキンたちよりよっぽど潔いな。では、決まりだ。チキン、あちち! キミ達が負けたら、ハッスル軍は解散だよ。それでいいかな?」と、ハッスル軍に要求した。
 ところが小川は、「石狩がよく言ってくれたよ。ハッスル・マニアでお前らに負けるようなら、このまま続けても仕方がねぇ。もし負けたら、ハッスル軍を解散してやるよ」と、高田総統の提案に乗ってしまった。
 この発言を受けて、川田は「チキン、ハッスル軍の解散は願ったり叶ったりだ。お前もプロレスラーとしての限界を感じてるんだろ? とっとと解散しろ」と小川に引退勧告を突きつけ、インリン様は「チキン、名古屋ではまんまと私たちの策略に引っかかったわね。今度は私が絞め落としてあ・げ・る」と、名古屋で小川のスリーパーホールドに絞め落とされた事へのリベンジを宣言する。
 しかし、小川は強気だ。「今のうち、好きな事を言っとけよ。お前ら、二人まとめて消してやる!」と返り討ち宣言。
 その様子を黙って見つめていた高田総統が口を開いた。
「ハッスル軍の諸君、負けた時の身の引き方をよーく考えておくんだな。モンスターK、締めたまえ」と言い、川田が「小川、大谷、そして石狩。最後にせいぜい、慰めあうんだな。バッドラック!」と言い残して、スモークの向こう側へと消えていった。
 リング上では大谷が、「おい石狩、キャプテンも! 呆れて言葉が出ないよ」と二人の勇み足をとがめるが、「でも気持ちは俺も一緒だ!」と、ハッスル・マニアにハッスル軍の全てを賭けて臨む事を決意。小川もその言葉を受けて、「勝ちゃあいいんだよ! HGも思った以上にやってくれそうだし、大丈夫だって!」と自らを励ますように言うが、この脳天気さがちょっと不安…。
「それとな、今日は石狩が頑張った。拍手!」と石狩の奮闘を労う小川。大谷も「よし、この勢いでハッスル・マニアも俺たちが勝とうぜ!」と続く。
 小川は「来年また、青森に戻ってくるからな!」と超満員4,370人のファンと約束し、青森初のハッスル!ハッスル!!とポーズを決めた。
 ハッスル・マニアまで、いよいよあと4日。絶体絶命の負けたら解散という事態に追い込まれたハッスル軍は、モンスター軍から勝利を収める事ができるのか? ついに、両軍の最終戦争が幕を開ける!!"

メインハッスル

13分29秒 STOボンバー→片エビ固め

 メインハッスル出場を控え、控室で準備体操をする石狩。そこへ入ってきた小川が「石狩、このあいだの試合(=ハッスル・ハウスvol.10)のダメージはもう大丈夫か?」と労うと、石狩は「大丈夫です。今日はあの仏頂面のダルマ男の目を覚まさせてやりますよ」と、打倒・川田にやる気満々の様子。
 そんな石狩のやる気を感じた小川は、「これは俺が某老舗“ダーッ”ん体の目を覚まさせるために使ったオープンフィンガーグローブだ」と言って、黒のオープンフィンガーグローブを手渡す。これに感動した石狩は「キャプテン! 気合い入れのために、一発お願いします!」と尻を突き出す。そう、石狩はまだ川田と師弟関係だった頃、いつも試合前に川田にケツを蹴り上げられていたのだ。
 しかし、小川は「いい加減に川田のことは忘れろ」とこれを拒否。小川の言葉に納得した石狩は、グローブを首にかけ、“暴走王”と呼ばれた頃の小川ばりに「目を覚ましてくださ〜い」と叫びながら飛行機ポーズでハシャギまくる。これを見た小川はイラッとしたのか、「いい加減にしろ!」と、思わず石狩のケツを蹴り上げる。そのまま壁に激突した石狩は、やっぱり最後にはケツを蹴られる運命にあるようだ。

閉じる インリン様をエスコートして入場してきた“モンスターK”川田。この試合はインリン様がご観覧される“イン覧試合”となる。いきなりリング上で激しく睨み合う小川と川田だが、川田は小川と目を合わせようとしない。そこから両軍乱闘となり、試合開始。いきなり小川が川田を巴投げで投げ飛ばし、サッカーボールキック。そしてマウントポジションから腕ひしぎ逆十字と、総合用の動きで川田を攻め込む。これはモンスター軍にカットされ、激しい逆水平の打ち合いに。続いて小川からタッチを受けた大谷が、青森のお客さんからの大声援を受けて、顔面ウォッシュ! 会場の外は寒い寒い青森を一気に熱くさせる。
 しかし川田も、強烈なミドルキックを大谷に叩き込んで反撃。一方の大谷も「負けるかー!」と蹴りを返していく。ここで川田から代わったRAIJINがリングインし、巨体を活かしてパワーで大谷を圧倒していく。
 ニールキックでピンチを脱した大谷から石狩にタッチ。やる気溢れる石狩はRAIJINにスイング式DDTをお見舞いしようとするが、これはRAIJINにパワーで投げ飛ばされてしまう。場外に転落した石狩に対し、パイプイスを重ねてさらにその上から殴打するFUJIN。この攻撃で石狩は大流血! その傷口に噛みついていくRAIJIN。この様子をリング下のインリン様は、薄ら笑いを浮かべながら見つめる。
 リング上に戻されても、RAIJIN、FUJINに代わる代わるやられまくる石狩。額からおびただしい量の血を流しながら、必死に攻撃に耐える石狩。ここで川田がリングイン。かつての付き人に対し、容赦なく蹴りを叩き込んでいく川田。オープンフィンガーグローブを付けた石狩はパンチで返していくが、川田はまったく動じることなく、蹴りを叩き込み、さらに額の傷口にヒザを落としていく。
 川田から代わったRAIJINの攻撃をカウント2で返した石狩は、ようやく自軍のコーナーに戻るが、モンスター軍にカットされたハッスル軍の2人はリング下で大の字。コーナーに戻ってもタッチできる選手がいない石狩は大ピンチ! しかし、この日はやる気が違う石狩は、FUJINとRAIJINの同士打ちをうまく誘うと、ようやくここで小川にタッチ成功。満を持してリングインした小川はジャンピング・ニーからのハッスル投げ。そしてハッスルポーズを決める。
 蘇生した石狩も果敢に攻撃していくが、RAIJINの強烈なパワーボムを食らってしまう。そして小川までもが攻め込まれてしまうが、「俺の出番だー!」と叫びながら大谷がカットに入る。
 大谷、石狩が場外でFUJINに攻撃を加えている隙をぬって、川田が小川を背後から羽交い締めにし、FUJINがショルダーアタックをお見舞いするが、寸前で小川がかわして、モンスター軍が同士打ち!
 起きあがってきたFUJINに対し、小川がここぞという時にしか出さないジャンピング・ネックブリーカー。続いて必殺のSTOボンバーをお見舞いしようとするが、FUJINがこれを踏ん張ってみせ、なかなかマットに叩きつけることができない。
 そこへ石狩がコーナー最上段からRAIJINに向かってミサイルキック! この石狩のナイスアシストを受けて、そのまま小川がSTOで叩きつける。フラフラと立ち上がってきたRAIJINに向かって、小川が改めて必殺のSTOボンバーをお見舞いし、見事に3カウントを奪取。ハッスル軍がハッスル・ハウスでの借りを返した。
 まさかの敗北に一気に険しい表情に変わったインリン様は、エプロンに駆け上がり、小川と睨み合いを始めてしまう! ハッスル・マニアを前に小川とインリン様が激突か?と思われた、その時……高田総統の声が会場に響き渡った!


セミハッスル

15分26秒 スーパーフライ→片エビ固め

 モンスター軍の司令室、島田二等兵がアン・ジョー司令長官に問いかける。「司令長官、イタコ・モンスターってどういうヤツですか?」。しかし、アン・ジョーも「総統が青森の恐山で発掘したみたいデース」と詳しくは知らない様子。
 すると、目の前に白髪頭の奇怪なモンスターが登場。島田は「なんだ、ババアじゃないか!」とイタコを小突く。その時、突然、聞き覚えのあるテーマ曲と共に、ゆっくりした動きから脳天から竹割り、さらにはココナッツ・クラッシュを島田に見舞う。
「OH! この動きはMr.馬場…」とつぶやく安生。別のテーマ曲に変わると、今度は拳を突き上げて「オー! オー! オー!」と叫ぶイタコ。「今度は鶴田さんですか…」とアン・ジョー。さらにイタコは「おっしゃー、行くぞ! 1、2、3、ダァー!」。
 しかし、「ホワット? アントニオ…この人はまだ生きてるはずじゃ…」と訳が分からなくなるアン・ジョーであった。その時、高田総統が姿を現す。
「見たか。過去の偉人の魂を口寄せによって蘇らせるモンスター、恐怖のイタコ・モンスター略して“恐(きょう)イタコ”だ」とモンスターを紹介した。これは確かに、青森限定の恐怖モンスターだ!

閉じる まずはハッスル軍のハードコア最強チーム、金村が椅子、田中が白いギター、黒田がチャリンコを持参しての登場だ。モンスター軍はなぜか手ぶらで登場。
 先発は田中とピラニアン、バージョンアップしたピラニアンはケプラーダを爆発させる。
 リング上はイタコと黒田となり、黒田はタックル合戦を仕掛けるが、イタコはびくともしない。するとイタコがお祈りを始め、強烈なチョップ一撃。これに黒田は得意の鉄柱を使った急所攻撃で反撃! イタコをリング上に引きずり込むと四の字固めだ。イタコは裏返って逆に絞めるが、金村が裏返しに行き、今度は℃が引っ繰り返すと、金村が引っ繰り返し、℃が引っ繰り返し…この繰り返しが延々と続いたが、最後には二人とも場外へ転がり落ちてしまった。
 まんまと主役の座を奪った金村と℃は、おなじみとなった「シー!」と「キン!」の対決を繰り広げる。お互いに連続攻撃を仕掛け、掛け声を満喫すると、一気に戦場は場外へ移っていった。
 黒田がイタコと、田中が℃と、金村がピラニアンとそれぞれ場外乱闘を展開、お客さんのドリンクをかけるわ、お客さんに殴らせるわとありとあらゆるものを武器として闘うハッスル軍!
 机をセットすると、金村がピラニアンをエプロンからパワーボムで投げ捨てる! 机はもちろん真っ二つ! 続いて℃を机に寝かせ、田中がスーパーフライ!やはり机が真っ二つに。さらに黒田がちゃりんこを走らせ、イタコにチャリンコ・ラリアット! 縦横無尽に暴れまわるハッスル・ハードコア軍に、モンスター軍は圧倒される。
 しかし、リング上に戻ったイタコが黒田にダメージを与えると、ピラニアンがドロップキック。さらに捻りを加えてのサマーソルトドロップ、代わった℃はパンチの連打だ。
 再び登場したイタコ! そして祈りを捧げると、口寄せでジャンボ●田に変身。ジャンピング・ニーパットを見舞い、拳を突き上げて「オー! オー! オー!」と雄叫びを上げる。
 イタコが再び祈りを捧げると、突然スローな動きに。そう、ジャイアント●場を口寄せしたのだ! スローな動きから脳天から竹割り! 黒田のチョップを受けると、アポーとゆっくり膝をつく。しかし、イタコは再度から竹割り。ロープにもたれかかると、℃とピラニアンが飛ばした黒田に16文キックから、ランニング・ネックブリーカー・ドロップ!
 さらに祈りを捧げるイタコ。今度は拳を握ってウンウンと頷き、弓を引くパンチ、延髄斬り、そして「1,2,3、ダーッ!」。
 だが、金村が「猪木、生きてるやんけ!」と突っ込みを入れると、激しく動揺するイタコ。すると、新たに口寄せをして「ハッスル! ハッスル!! フォー!」とポーズをとる! HGも生きているんだが…。イタコは尻を叩き、HGの得意技「ばっちこーい!」を炸裂させるが、黒田にドロップキックで逆襲を受けてしまった。これでイタコ劇場は終了!
 ピラニアンへ田中がDDT、椅子をセットしてカニバサミで顔を打ち付け、椅子ごとドロップキックで吹っ飛ばす。すると今度は、黒田がイタコのお株を奪うように武藤になってシャイニング・ウイザードを炸裂させた!
 リング上は℃と金村。金村はキンコールを煽ってのヒップドロップ。タッチを受けた黒田はコーナーポスト最上段からてっちゃんカッター! そこへ田中が白いギターの一撃! すかさず黒田がラリアットを見舞うが、カウントは2! ならばと田中がスーパーフライ! カウント3が入った。
 あまりにも強すぎるハッスルのハードコアチームだった。
 マイクを握った田中は「おい、安田! ハッスル・スーパータッグのベルトは俺と金村が絶対に獲るからな!」と、ハッスル・マニアで王座を争う安田へ宣戦布告。金村も「安田、天龍! お前らはおっちゃんやでぇー! 11月3日のハッスル・マニアで必ずベルトは獲るからな!」と必勝を宣言する。
 金村は続いて「と言う事で皆さん、踊りますか? ミュージック・スタート!」と勝利のブリブラダンスをもう一度! 場内は興奮の坩堝と化した。


インリン様登場!

 第3ハッスル終了後、インリン様が青森にご降臨した。
 今回のインリン様の衣装は、着物の裾から太ももを露にした花魁スタイル。傘をさして、優雅な立ち振る舞いでの登場だ。島田が「お前ら、インリン様の美しさに感謝しろ!」と煽ると、場内からは「インリンさまーっ」の大合唱。これに気をよくしたインリン様は、ニッコリと微笑む。
「暇でもてない青森のしょくーん、はじめまして。私が高田モンスター軍ナンバー2、高田マゾネス軍リーダーのインリン様よ。今日はハッスル・マニアを前に、ハッスル軍を全滅させようとわざわざ青森までやってきたわ。メインでハッスル軍が敗北する場面を、直にこの目で見届けるわ」
 ここでアン・ジョーから発表があった。「メインの試合はインリン様が観覧する試合、略して“イン覧試合”として行われマース」と、勝手に決めてしまった。
 インリン様は「それにしても、この街は何にもないところね。この寂しい会場は何なの?こんな会場では私のM字ビターンは出来ないわ」と、青森があまりお気に入りではない様子。しかし、納得がいかないのは青森のファンだ。場内から一斉に「ええーっ!」という声が挙がる。
 島田が「お前ら、インリン様のM字ビターンが見たいかーっ!」と問いかけると、「オーッ!」と盛り上がる場内。まるでライブ会場のような異様な盛り上がりに、インリン様も機嫌を取り直し、「そんなに見たいの?」と問いかける。すると、「オーッ!」とこの日、一番の盛り上がり!
 4370人の観客が見守る中、インリン様は「3、2、1、モンスター!」の掛け声と共にM字ビターン!子供も喜んでいる。インリン様のM字ビターンは、スケベなプロレスファンだけでなく、大人から子供まで、老若男女を問わず魅了してしまうようだ。
 インリン様の着物の裾からは、金色の光がまばゆいばかりに輝いていた。


第3ハッスル

8分34秒 ダイビングフットスタンプ→片エビ固め

 なぜか控室で一升瓶を見つめるコールマン。そこへ入ってきた坂田が「オッサン、また飲んでるのか?」と聞くと、コールマンは「ノーノー、祝杯、試合アト」と否定。ひと安心した坂田が「それは何の酒だ?」と聞くと、「田酒(でんしゅ)デシュ」とオヤジギャグ丸出しで答えるコールマン。
 それを聞いた坂田は「名古屋の『尾張でオワリだ』からダジャレが好きになったんだな。まぁサラリーマンでもオヤジギャグが好きになる世代だからな」と妙に納得。
 坂田にとって、今日は念願の長州戦が実現するだけに、コールマンに「今日だけは試合中に飲むんじゃねぇぞ」と釘を刺し、見事勝利した暁には、試合後に祝杯をあげることを約束した。

閉じる 先発は坂田と長州。ロープ際で長州はクリーンにブレイクしたが、対する坂田は一撃加え、さらにロックアップからヘッドロックに捕らえた坂田は「何がやりたいんだ、コラァ!」と長州の口グセをパクって挑発。しかし、代わったコールマンの突進を蹴りで止めた長州は「たわけっ!」とエルボーで一撃。続いて長州からタッチを受けた石井が、コーナーにコールマンを追い込んで、ストンピングの雨あられ。しかしラリアットはコールマンがスピアーでブロック。パワーで石井を圧倒していく。
 代わった坂田が石井に逆水平を叩き込み、蹴りを見舞い、さらにコーナーに控える長州に向かってツバを吐きかける。そのまま石井を場外に落とし、鉄柵に叩きつける。その後リングに戻り、何と長州の目の前でスコーピオン・デスロックを見舞い、あくまでも長州を挑発していく。
 しかし、坂田のブレーンバスターを切り替えした石井が、ここで長州にタッチ。満を持してリングインした長州は、いきなりリキラリアットを見舞いし、今度は本家本元のサソリ固めをかけようとするが、ステップオーバーする前にコールマンがカット。しかし長州は坂田をコーナーに叩きつけると、「くたばれ!」と叫びながらストンピング。ここで石井にタッチ。石井は頭突きの連打から坂田にラリアットをお見舞いするが、坂田はこれでは倒れず、さらに石井がもう1発ラリアットを見舞おうとすると、これをドロップキックでブロックし、コールマンにタッチ。石井が何とか反撃しようとロープへ飛ぶと、リング下から坂田が足をすくってカット。これに長州が激怒し、試合はさらにヒートアップ。
 再びコールマンから坂田に代わり、石井と対決。ここでコーナーに控えていた長州が飛び出し、コールマンをカットして場外へ。愛弟子・石井に勝負を託す。俄然ハッスルする石井だが、レフェリーがリング下の長州vsコールマンに気を取られている隙に、坂田が石井に急所攻撃! さらにトラースキックをお見舞いして石井をダウンさせると、コーナー最上段から18番のフットスタンプを石井の腹部に落とし、3カウントを奪ってみせた。
 リキプロ軍から勝利を奪った坂田は、引き上げようとする長州に向かって、「なんだ、このザマは! 現場監督が忙しいってか!」と言い放つ。これに激怒した長州は坂田に襲いかかると、鉄柵に叩きつけて大乱闘に! ハッスルらしからぬ殺伐とした雰囲気に、慌てて周りのセコンドに止めに入ったが、坂田はさらに「なんなら11月3日、ハッスル・マニアでもう1勝負してもいいんだぞ!」と、ハッスル・マニアでの再戦を提案するが、長州は無言のまま引き上げていった。
 なおも坂田は言い足らないのか、今度はブーイングを浴びせる場内の観客に向かい、「どうだ、青森の○○ども! なんだ、ブーイング浴びせるくらい俺たちが強いってか」と大暴言を吐き捨てる。そして大ブーイングが鳴り響く中、コールマンと共に、恒例となった缶ビールでの「カンパーイ!」をして、2人だけの祝杯をあげた。


第2ハッスル

13分21秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め

『ハッスル・ハウスVol.12』で、勝利したEricaがアリシンのマスクを剥ぎ、遺恨が増大したアマゾネス軍VS乙女軍。しかし、あの試合にはこんな続きがあったのだ…。
 勝利に浮かれて引き上げてきたEricaとマーガレット。Ericaは「アリシンのあの顔、あんなにブサイクだとは思わなかったよねー」と得意気だ。ところが、「ねぇ、マーガレット。アタシ、次の青森は試合に出れないの。実はその日ね、月に一度のEricaの日なの」と、吐き気をもよおすような理由を言う。
 渋々ながら「OK」というマーガレットに、Ericaは「ごめんねー。でも、おばさまにちゃんと頼んでおいたから」とデビル夫人にマーガレットのパートナーを依頼してある事を告げた。しかし、青森では6人タッグが予定されている。どうするのかと思いきや…。
「安田さん、おねがーい!」と、安田に歩み寄っていく。
 当然、安田は「何で俺がお前らと組むんだよ。俺は面食いなんだよ」とそっけない。ところが、Ericaが「おばさまには元・石油王の夫人だったセレブのお友だちがいるのよ。安田さんの借金を肩代わりしてもいいって言ってるの。体だってナイスバディーなんだから。男に貢ぐのが大好きなの」と言うと、「本当か!」と食いつく安田であった。
「本当よ、安田さんの借金なんかへっちゃらよ」とEricaが言うと、マーガレットが「ちゃ〜ら〜、へっちゃら〜」と歌いだす。
 金持ちと聞いて、安田の目がキラリと光った。「しょうがねぇなあ〜、一回だけだからな!」と言いつつも、顔はしめしめとにやけている。こうして、安田の乙女軍参加が決定した。
 だが、本当に笑っていたのはEricaの方だった。「ホント、単純なんだからー」。

閉じる デビル夫人の後ろから、執事の恰好をして登場した安田。リング上で自らシェイクして、デビル夫人にカクテルを作って差し上げた。お金のためなら何でもする男だ。
 アリシンZはリングに上がると、自らマスクをとる。すると、マーガレットはその素顔を見て大笑い! ゴングが鳴っても、「ブサイク!私はキューティー、あの人はビースト」とあざける。一方、コーナーでは待機するデビル夫人の肩を揉む安田!
 そんな事をしている間に、マーガレットはアリシンとブランカの制裁を受けていた。それでも自力で脱出すると、ブランカをコーナーへ飛ばすとヒッププレス。
 マーガレットのチョップに悶絶するアリシン。しかし、マーガレットのパワーボムを回転エビ固めで切り返し、顔面へ向けて低空ドロップキックを直撃!それを見たデビル夫人、「何すんのよ、こんな可愛い顔に!」と文句をつける。ブランカの猛攻は続き、マーガレットをフォールに追い込むが、バックを取って投げようとしたのは失敗だった。ヒップドロップで押しつぶされ、コーナーへ叩きつけられる。ブランカは隙を見てスクールボーイで丸め込むも、カウントは2。
 そしていよいよ、デビル夫人が登場。場内からはアン・ジョーの登場を即す「アン・ジョーコール」が沸き起こる。島田はリング下から「オバハン・コール」をデビル夫人に送るという暴挙。だが、デビル夫人が「おだまり!」と一喝すると島田もアン・ジョーも直立不動に。「何ておっしゃったのかしら?」とアン・ジョーに詰め寄るデビル夫人。アン・ジョーは震えながらも「ババア…」と口走ってしまった。その瞬間、デビル夫人のビンタが炸裂する! デビル夫人は「安田、いきなさい!」と命令、安田は「はいっ!」と素直に返事してリングへ。
 するとリング下にいた島田が、千円札をちらつかせ始めた。当然、注意がそっち向いてしまう安田。その隙にアン・ジョーが安田にキックを見舞うが、安田のビッグブーツ一発で形勢逆転。続いてダブルアームスープレックスと安田は無敵の強さを発揮する。
 たまらず助けを求めるアン・ジョーだが、アリシンはさっさと逃げてしまった。するとアン・ジョーはブランカを強引にリングへ投げ入れ、自分は客席に逃走。
 取り残されたブランカは安田の蹴りから逃げ回るが、ついに捕まってコーナーに叩きつけられ、安田に顔面を踏みつけられてしまう。これには場内から大ブーイングだ。安田はネックハンギング・ツリー。
 タッチを受けたデビル夫人の足を踏みつけたブランカは、ジャーマンでデビル夫人の巨体を投げつける。デビル夫人はデビル・ボムで逆襲に転じるも、アリシンがコーナー最上段からのミサイルキックで救出。するとなぜかブランカがデビル夫人に椅子を手渡す。が、これは罠だった。振り返ったところに、椅子めがけてアリシンがドロップキック。デビル夫人が手放した椅子を持ち、アリシンが怒りの椅子攻撃をデビル夫人、マーガレット、安田に見舞っていく。
 怒りが収まらないアリシンはデビル夫人をロープへ飛ばし、椅子で一撃! さらにDDTを見舞い、椅子ごとムーンサルトを繰り出そうとしたが、マーガレットがカット。これで体勢を整えたデビル夫人は、「よくもやったわね! 私、ちょっと怒りましたわ」と怒りを露にし、豪快なデビル・ボム。ブランカがカットに入ると、「お下がり!」と一喝した。
 タッチを受けたマーガレットはブランカにラリアットを見舞い、アン・ジョーに往復ビンタからのスティンク・フェイス! 返す刀でアリシンとブランカにダブル・ラリアットだ! そして、ダブルアームスープレックスの体勢から前へ倒れてアリシンをフォール。が、アリシンは必死のブリッジで返した。
 マーガレットはトドメを刺そうとコーナー最上段に登るが、ブランカがアリシンのサポートを受けて雪崩式のフランケン・シュタイナー! が、安田がカット。安田のチョップに吹っ飛ぶアリシン。マーガレットがアリシンを後ろから捕らえ、安田が四股を踏んでドスコイアタックを仕掛けるも、これはマーガレットを誤爆してしまった!
 さすがに吹っ飛んだマーガレット。ダメージは大きい。そこで島田の秘策が炸裂した!なんと、釣竿の先に千円札を付けて、安田を“釣った”のである。千円札を追う安田、その隙にアリシンがマーガレットにムーンサルトプレスだ!カウントは3!アリシンが見事、後楽園での雪辱を晴らした。
 それでも怒りが収まらないアリシンは、マイクを掴むと「お前の方がブスだ!覚えておけ!」と女の意地を見せると、「Ericaがいないと何にも出来ないんだな?」とあざけ笑う。泣き顔のマーガレットに、さらに追い討ちをかけるようにアン・ジョーが「何も出来まセーン!それにわき毛が生えてマース!」と禁句を口にしてしまう!
 マーガレットはアン・ジョーに襲い掛かるが、デビル夫人は「その辺でおやめなさい」と制する。すると、今度はアリシンがデビル夫人に向かい、「ババア! お前にな、言いたい事があるんだよ。次はお前もビビる姉御を連れてくるからな!その時はお前も終わりだ、覚悟しておけよ!」と捨て台詞。
 一体、デビル夫人もビビる超大物の姉御とは?ハッスル・マニアに登場するのか!?


サプライズハッスル

3分50秒 ジャイアントプレス→体固め

 第1試合終了後に草間GMがリング上に登場。「ハッスル初の東北での開催。青森の人がすべて来てくれたと思いますけど、会えたことを大変嬉しく思います」と挨拶。そこへ崔領二と藤井軍鶏侍がリングイン。「なんで俺たちの試合がないんだよ!」と抗議。例によって「このハゲ!」と暴言を吐くと、GMも「ハゲと言うな!今まで我慢してたんだ!」とご立腹の様子。
 すると総統がVTRで登場し、「相手がいないなら私が用意しよう。無名な奴らが進行を妨げるな!貴様らには1人で十分だ」とし、ジャイアント・シルバを指名! 1vs2のハンデキャップマッチが決定した。

閉じる 先発は軍鶏侍とシルバ。しかしシルバは軍鶏侍を子供扱いで、余裕綽々。代わった崔がローキックで攻めていき、スワンダイブ式のミサイルキックでシルバをダウンさせる。しかし、再びリングインした軍鶏侍は相変わらず子供扱いされ、まともな攻撃を当てることもできない。
 ならばと崔がタッチを受け、シルバをブレーンバスターで投げようとするが、さすがにこれは無理。そこで軍鶏侍が加勢し、二人がかりでブレーンバスターで投げることに成功。そして崔がコーナー最上段からニードロップを放ち、続いて軍鶏侍が18番のAHEを予告。絶好のチャンスだけに、ついに命中するかと思いきや、いつもは飛距離が足らずに自爆していたAHEが、なぜか今日は飛びすぎてしまい、シルバを飛び越してまたも自爆……。果たしてAHEが命中する日が来るのだろうか?
 最大のピンチを脱したシルバは、軍鶏侍をチョークスラムで叩きつけ、さらにコーナーからジャイアントプレスを浴びせる!これで完全ピンフォール。軍鶏侍は失神してしまい、リング上でグッタリ。二度と起きあがってくることはなかった。


第1ハッスル

6分41秒 ヤンタイム→片エビ固め

 高田総統の前に寒がりながら現れたアン・ジョー司令長官と島田二等兵。「青森名物ってなんでしょう」と総統に質問を浴びせると、総統は青森名物を「Apple」「紅玉」と告げ、突然、青森訛りで自己紹介。そして青森ご当地モンスターの参戦を大挙参戦させることを宣言。総統が「青森県人はリンゴを品種改良し過ぎたんだ」と言うと、アン・ジョーも「品種改良された恨みがモンスターを生み出したのデ〜ス」と、リンゴがご当地モンスターになることを明かした。そして高田総統がリンゴにビターンをし、新たなモンスターが誕生した!

閉じる リンゴ追分の入場曲にのって、リンゴ・ブラザースが登場。青リンゴと赤リンゴである。バスケットのリンゴを配りながら入場し、ハッスル・マドンナこと青木裕子さんにもプレゼント。しかし、リングサイドにいる男にはあげないという徹底ぶりだ。対するはカズ・ハヤシとハッスル初登場のジミー・ヤン。
 カズとヤンはリンゴブラザースを一撃でふっ飛ばし、リンゴブラザースもヘッドバットで逆襲しようとするが、あまりにも非力で全く効かない。圧倒するカズとヤンはリンゴブラザースをヘッドロックに捕らえ、頭を鉢合わせようとしたが、リンゴブラザースの被り物がすっぽ抜けてしまった。
 その被り物を被って楽しむカズ&ジミーだったが、マスク一枚で身軽になったリンゴブラザースの大逆襲が始まる。
 青リンゴはカズを捕らえて、華麗なロープワーク合戦。赤リンゴを招き入れてカズにクロスライン、さらに合体攻撃でカズの顔面に攻撃を集中する。しかし、カズをショルダースルーで投げたところで、カズがドロップキックで反撃。代わったジミーが両者にラリアット、さらにドロップキックと大活躍。
 ジミーは青リンゴをコーナーにぶつけると、華麗なサマーソルトキック。さらにカズとの合体攻撃と追い込んでいくが、ジミーがコーナーに上ったところで青リンゴがパンチ、ジミーは股間をしたたかに打ち付けてしまう。
 すると、リンゴブラザースは肩を組んで旋回を開始、パワーアップでもするのかと思いきや、目を回してしまう自爆ぶり。ジミーはその隙を見逃さず、コーナー最上段へ。赤リンゴがそれに気付き雪崩式ジャーマンを見舞おうとするが、ヤンはエルボーで赤リンゴを叩き落す。そして、コーナー最上段から体をスカイ・ツイスタープレスの要領でキリモミしながら落下、そのままボディアタックするというヤンタイムの大技!ご当地モンスターから見事な勝利を収めた。


レイザーラモンHGによる諸注意&オープニングハッスル

 ハッスル初上陸となった青森産業会館には、多くの観客(4,370人)が詰めかけた。オープニングからいきなりレイザーラモンHGがVTRで登場!観戦する上での諸注意を行い、「高田総統、お仕置きなら私にバッチコーイ!」とお尻を叩きながら言い放った。
 オープニングイベントでは、マーク・コールマンと観客によるリンゴ・ジュース早飲み対決が行われた。結果は僅差で男性客が勝利!絶賛発売中の『ハッスル注入DVD2』をプレゼントされた。続いて、青森テレビの美人女性アナウンサーズがリング上にあがり、「リングの中心でハッスルを叫ぶ」とばかりにハッスルポーズを披露した。