その時、ビジョンに高田総統が現れた!
「ハッスル軍の諸君よ。あまりの衝撃に、開いた口がふさがらないようだな。ワッハッハッハッ! 黒ひげ君があまりに小ざかしいマネをするので、この私としたことが、ついつい大人気のないことをしてしまったよ。うん? あれは私の闘う化身“ザ・エスペランサー”だ!」と、T田の正体を明かした高田総統!
「キミたちの中に、果たしてエスペランサーを倒せる奴はいるのか? ん? どうだ? 学習能力のない間抜けなキミたちのことだ。また懲りずに歯向かってくるのだろうが、その前にしっかりとザ・エスペランサーという名前を覚えてくれたまえ。キミたちが調子に乗ったら、いつでもエスペランサーを降臨させてお仕置きしてやろう。下々の諸君よ、ビビッたか? たじろいだか? ん? これからもこの私を信じてついてきたまえ。それでは、今日はここまでだ。バッドラックだ!」
マントを翻し、高田総統は消えていった
リング上には、いまだ何が起こったのか把握できないハッスル軍たち。ただ呆然と、ビジョンを見つめていた。ようやく口を開いたのは大谷だった。
「あれは何だったんだ……」そう言うのが精一杯である。HGがこれを受ける。
「それにしてもですよ、私のハードゲイ心を刺激するゴリゴリの中のゴリゴリでした」
小川も「またやっかいなのが増えてきたな…」と呟く。大谷はそんな小川を見て、「負けたけどニューリンも黙ってないだろうし、キャプテン、我々もふんどしを締め直した方がいいよ」と提言。小川も頷き、「とんでもないのが出てきたけど、こうなったらこっちも、もっとハッスルしかない! 全員で締めようぜ」と気分を入れ替えてフィナーレを飾ることにした。
今日の締めを指名されたのはHG。
「TAJIRIさんの仇は必ず討ちますよ! それにしても名前からして凄かったですね。スペルマンサーでしたっけ? スペルマンサーとTバックマッチ、フー!」と取り合えず下ネタを飛ばしたHGは、「ますますもって地上波では放送できませんね」と勝手に盛り上がる。
最後にHGは「楽しんでいただけましたか? 我々ハッスル軍は、モンスター軍を壊滅させるまで走り続けますから、これからも応援よろしくお願いします!」とファンにメッセージを送り、「スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! フー!」で大波乱となった『ハッスル・エイド2006』を締め括るのであった。
それにしてもスペルマンサー……セイセイセイ、ザ・エスペランサーは次回、どのような場面で登場するのだろうか? また一人、最大の強敵がモンスター軍に加わった。どうなる、ハッスル軍!
4分44秒 KO
ビジョンに現れたのは、娘の屈辱に怒りを露にするインリン様だった。
「黒ひげさん! よくも私の娘ニューリンを辱めてくれたわね! この仇、私が討ってやるわ! いまから行くから待ってらっしゃい」と、TAJIRIに自らのリベンジ宣言である。しかし、そこへ高田総統が現れた。
「待てインリン。インリンよ、もうM字パワーの尽きたお前は、ただの女だ。お前が出て行ったところで、どうにもなるまい」と諭す。しかし、インリンは「でも…あの小ざかしい黒ひげを生かしておくのは、私の思想と哲学が許しません! 刺し違えてでも、私がニューリンの屈辱を晴らします」と、高田総統を振り切り、インリンが行こうとすると…。
「待て、インリン! この私が、お前をそんな目に合わせるわけにはいかない。後は全て、この私に任せるがいい」と言うと、「おい、島田! 例のタマアゴとかいうのを持って来い」とハッスル軍の控え室から盗み出したタマアゴを持ってくるように指示した。
タマアゴを前にすると、高田総統はカメラの方へ向きなおる。
「黒ひげ君。まさか、君がニューリンを倒してしまうとは、思わぬ誤算だったよ。敵ながら、ほめてやろう……とでも、言うと思ったか? ん? 君はつくづく、身のほどというものを知らないようだ。私と闘いたいというのなら、今から出て行く男と闘え! 勇気があるのならな」
そう言うと、高田総統はタマアゴへ向かい、“ハイパービターン”をかけた!
場内は暗転、すると妖しく光る巨大なタマアゴが天井からゆっくりと降りてきた。本来ならハッスル軍の強力な味方となるはずだった男が産まれてくる予定だったタマアゴ。驚くことに、表面のアルファベットの文字が「A」から「T」に変っている。その変化に小川は驚きを隠せず、HGも呆然。
その時、なんと場内には『トレーニング・モンタージュ』のテーマ曲が鳴り響いた! 『トレーニング・モンタージュ』といえば、かつて“最強”“青春のエスペランサ”“わがままなヒザ小僧”と称された、あの伝説のプロレスラーのテーマ曲ではないか!
その『トレーニング・モンタージュ』が流れる中、ステージに下りたタマアゴはゆっくりと花道を進み始める。不安そうな表情の小川。スモークの中で、タマアゴが割れると中からはロングガウンに身を包んだ謎の男が現れた! フードを深く被り、顔は確認できない。その男がゆっくりと花道に歩を進める。TAJIRIも口あんぐりだ。謎の男の顔には、うっすらと口の周りの髭が確認された。
男はリングの手前まで来ると、ついにフードを上げて顔を見せた。顔には黒革製のバンド状となったマスクを付けているが、あの●田延彦にそっくりである!
その男がリングインすると、TAJIRIはすでに臨戦態勢。しかし、その顔はやや不安そうだ。そしてゴングが鳴った!
閉じる TAJIRIは男の周りを動き回り、転がりまわるなどトリッキーな動きで様子を窺う。しかし、男は無表情で全く動じる気配はない。「気をつけろ!」と大谷。TAJIRIがフェイントを仕掛けていくのだが、徐々にプレッシャーを掛けられて追い詰められていくのはTAJIRIの方だ。蹴りも届かない。
すると男は左の腕を“取ってみろ”とばかりに上げる。TAJIRIは誘われるままにその腕を取り、リストロックを仕掛けるも全く効かない! ビビりまくるTAJIRI! 男は無表情のまま、何のダメージも感じさせず逆にTAJIRIの腕を捻って投げる。あまりの強さに、TVのゲスト解説である眞鍋かをりは「最強……でしょうか」と呟く。
ならばとTAJIRIはローキック。ところが、やはり全く効かない! 逆に男のローキック一発でTAJIRIがダウン! ビビりまくり、逃げ回るTAJIRI。助けを求めるようにロープにすがりつき、今にも泣き出さんばかりの恐怖に脅える。そこへ男が喉元へキック!
その男はTAJIRIの髪を掴んで立ち上がらせ、振り回してコーナーへ投げ飛ばす。しかし、ここでTAJIRIがようやく反撃! 男のタックルをかわすとタランチュラを仕掛けたのだ。だが、男はまるでハエを振り払うかのようにあっさりとタランチュラを外すと、喉元を掴んでTAJIRIをリング内に入れ、ロープへ飛ばしてのヒザ蹴り。かなりわがままなヒザ小僧を持っているようである。
場内からは圧倒されるTAJIRIに「TAJIRIコール」が沸き起こるが、これに男は眉一つ動かすこと無く、苦痛にのたうち回るTAJIRIを冷徹に見下ろす。まるで一切の感情がないようだ。男は指を二本立てると、それをTAJIRIの目に突き立てた! なんて非情で凶悪な攻撃だろうか。
目を押さえて、悶絶するTAJIRI。もはや目が見えない。それでも何とか立ち上がると、男はそこへ右のハイキック!! TAJIRIはバッタリと倒れ、そのまま失神KO! 解説の平塚さんは思わず「12年前の武道館で見たことがある、このハイキック!」と叫んだ。まさに、元横綱を一撃で倒した、あの伝説のプロレスラーのハイキックにそっくりだ。
TAJIRIはそのまま意識を取り戻さず、担架で運ばれてしまった。その凄惨な光景にも男は表情ひとつ変えない。小川、大谷、HGは思わず男に突っかかろうとするが、男がビターンのように指を差し出すと、得体の知れない何かの力が発せられ、三人は手も触れられていないのに大きく吹っ飛んでしまった!
呆然とする三人を尻目に、男は無表情で、花道を引き返し、スモークの中へ消えていく。状況が把握できず、ただ目を見開くばかりの小川。
10分4秒 スクールガール
モンスター軍控え室には、久しぶりにインリン様の姿が。ニューリン様を心配してか、川田に対して「ニューリンのことをよろしく頼んだわ。あの子はちょっと気性が激しすぎるところがあるの。冷静なモンスターKが試合を組み立ててあげて」と声をかける。そんなインリン様に「ああ見えてもニューリン様は、自分のことよりもモンスター軍のことを第一に考える、芯の強い娘さんですよ」と応える。
隣の部屋でソドム&ゴモラの敗北を島田二等兵から聞いたニューリン様は「何負けてんだよ! このたぬきブタ!」と、島田二等兵に八つ当たりし激しくムチで叩きつける。ムチの音を聞きながら、「ちょっとお転婆なところがあるの」とインリン様。さらに隣の部屋からは「四つん這いになれ」とニューリン様の声が。必死に抵抗する島田二等兵に「口答えすんのか! てめえ、いつからそんな偉くなったんだ! 脱げ!」と、さらに激しくムチで叩きのめすのであった。
思わず部屋を飛び出した島田二等兵は「モンスターK、助けて…」と助けを求めるが、川田は「ニューリン様、時間です」と島田二等兵を足蹴にし試合へと向かった。
リング上で対峙する4人。執拗にニューリン様をつけまわし、念願のニューリン様との試合を前に、TAJIRIはニューリン様をじっと見つめもう飛び出さんばかりだ。
閉じる 試合は大谷と川田のマッチアップでスタート。序盤から逆水平の打ち合いを展開する。しかしここは川田がバックキックで大谷を吹っ飛ばした。ハーフボストンクラブで大谷の膝と腰を痛めつけた川田は得意のミドルキックを連発。しかし大谷は一瞬の隙をついてTAJIRIとタッチする。
川田を目の前にしてもTAJIRIが気になるのはニューリン様。攻撃を受ける度にニューリン様に近づこうと変態ぶりを発揮する。弓矢固めを極められ、ニューリン様にムチで叩かれると笑顔を見せた。TAJIRIの首を椅子で絞めてそこを蹴り飛ばす。その後も椅子攻撃を続け、TAJIRIの手を椅子に挟んでそこを蹴りつけるという非情な攻撃を見せる。
TAJIRIに椅子を持たせてそこを蹴飛ばすニューリン様。今度はTAJIRIをロープに持たれかけさせ顔を踏み付け、キャメルクラッチで絞り上げる。さらにニューリン様はムチ攻撃でTAJIRIを痛めつけ、川田と逆水平とムチのコラボレーション。ニューリン様に代わって入った川田はTAJIRIにミドルキックとビッグブーツを叩き込み、ストレッチプラムで絞り上げる。何とか立ち上がったTAJIRIだったが、川田は強烈なラリアットを見舞う。しかしTAJIRIは川田のパワーボムをフランケンシュタイナーで切り返し大谷とタッチする。
タッチを受けた大谷は客席を煽って、煽って顔面ウォッシュ! 「もう1回」コールに乗って強烈に顔面をこすり上げた。しかしインリン様から命を受けた川田は、大谷のドラゴンスープレックスを延髄蹴りで切り返し、ニューリン様にタッチ。大谷もTAJIRIとタッチし、リング上は再びニューリン様とTAJIRIのマッチアップとなった。
TAJIRIに向かってムチを振り回すニューリン様。しかしさっきの攻撃でムチの軌道を読んだTAJIRIはひらりひらりとそれを避けて、ニューリン様に組み付くと、ニューリン様のマスクに手をかけて何とそのマスクを剥ぎ取ってしまった! するとマスクの下に隠された、ニューリン様の顔の大きな傷が露になってしまう。明らかに動揺が見えるニューリン様は慌てふためき、顔を隠すのが精一杯で試合どころではない。TAJIRIはそんなニューリン様を素早く丸め込んで見事3カウントを奪った。この大一番のメインイベントで見事勝利を収めたハッスル軍に対し、マスクの下の秘密をばらされてしまったニューリン様は、アン・ジョー司令長官と島田二等兵の制止を振り切り、花道を全力疾走で去っていくのであった。
この勝利を見て小川とHGもリングイン。「意外にかわいい顔をしているんですね」とにっこり笑うTAJIRIに、HGも「マスクまで剥ぐとはTAJIRIさんもど変態ですね」と声をかける。「僕がリベンジする前にTAJIRIさんが勝ってしまいましたね」と嬉しい悲鳴をあげるHGを見て、TAJIRIは「勝ったからよしとしましょうよ」と笑顔を見せた。そしてTAJIRIは「ニューリン様はNo.2なんですよね。それを倒したんだったら、次は高田総統が出て来る番ですよね」と、どこかで試合を観ているであろう高田総統に呼びかける。すると小川は「次まで待ってらんねえよ! 高田! 早く出て来い!」と、高田総統をリングへ呼び込むのであった。
10分48秒 掟破りの逆M字固め
「ハッスル、フ〜!」
いまや、押しも押されぬハッスル軍のエースとして君臨しているHG。デビュー以来順調に勝ち星を重ねたその実力に、一時は、高田総統を引きずりだすのは彼しかいないとまで言われてきた。
しかし、そんなエース街道から一転、
HGに試練が訪れる。HG自ら引退に追い込んだインリン様の娘、ニューリン様に対し、凱旋の地大阪でフォール負けを喫してしまったのだ。HGのリベンジロードはここから始まった。
しかし、ニューリン様は、「一度勝った相手には興味がねえ」とHGとの再戦を拒否。その代わり、狂犬モンスターのソドム&ゴモラに勝てば考えてやるとの条件を出した。
そして、HGのタッグパートナーには、全日本プロレスの小島聡が助っ人を買って出てくれたのだ。現・三冠王者、昨年度のプロレス大賞MVP受賞者。これ以上ない強力な助っ人がHG、そしてハッスルの危機にかけつけた!
打倒ソドム&ゴモラ。そして、悲願のニューリン様再戦へ向けて、「行っちゃうぞ、バカヤロー!!」
閉じる 相変わらずのハイテンションで、ウォンウォンと吠えながら入場するソドム&ゴモラ。ゲスト解説の眞鍋かをりさんは、「番犬に欲しい」と絶賛だ。
続いて三冠王者・小島が大声援に迎えられて入場! 小島も両拳を上げてその声援に応える。そして、「ハッスル、フー!」の声を挙げて、HGがハイスピードで腰を振りながら登場! 眞鍋かをりさんも「目の前で振られてみたい」と大興奮である。リングインすると、HGは小島とバッチリと息の合ったポーズを決めた。
先発は小島とゴモラ。小島はロープに飛んでのタックルを四発見舞うが、ゴモラはびくともしない。そして、ゴモラに吹っ飛ばされてしまう小島! 水平チョップで大逆襲をかける小島は、ゴモラをコーナーへ押しつけて水平チョップの高速連打23連発!
たまらずゴモラはソドムにタッチ。ソドムはボディスラムからハイスピードのエルボードロップ二連発からフォールに入るが、カウントは2。小島もラリアットで反撃するが、ソドムはトップロープからのラリアット。小島がエルボーの連打でソドムをリング外へ吹っ飛ばす。
ここでHGがリングに入り、小島と一緒にダブルのフライング・クロス・チョップ! 揃ってハッスルポーズを決め、今度はダブルのブレーンバスター!
HGは「イっちゃっていいですか?」と観客にアピールし、股間をソドムの顔面に叩きつけるPW! HGの大攻勢に場内は大いに沸く。
ソドムのバックブリーカーを投げで返し、ドロップキックを見舞うHG。しかし、エルボーからロープに飛んだところでゴモラに抱きかかえられ、リングに叩きつけられる。ゴモラのヘッドバットにダウンするHG、そこへゴモラは噛み付き攻撃だ。リングをのた打ち回るHG。客席からは「HGコール」が沸き起こるが、ゴモラはHGをコーナーへ押し付け、背中で抑えながらのエルボー連発。
ソドムもHGにストンピングを連打、リング下からはゴモラが噛み付きにくる。コーナーに叩きつけられるHG。しかし、ソドムがそこへ突っ込んできたところでHGがソドムの頭を股間にしっかりと挟み込み、HG三角固めからフランケン・シュタイナーの大技に!
しかし、ソドムのラリアットでHGがダウン! カウントは2.99! ゴモラが出てきて二人がかりでの攻撃を仕掛けようとするが、HGは首投げとヘッドシザースでソドム&ゴモラを同時に投げ捨てる。
小島にようやくタッチ、エルボーの乱れ打ちでソドム&ゴモラをふっとばし、ココナッツ・クラッシュ。そして「行っちゃうぞー」とポーズを決め、行っちゃうぞエルボーを仕掛けようとしたが、なんとコーナー最上段からバランスを崩して転落、足を痛めてしまった。
ゴモラはそんな小島をブレーンバスター。もう一発いこうとしたが、小島が逆に投げる。
HGにタッチ、スクールボーイでカウント2! 続いて回転エビ固めに行くもこれは堪えられてしまう。HGはファンの「セイ!」の掛け声と共にエルボーを見舞ったが、ゴモラに抱え上げられてソドムのドロップキックを喰らってしまった。
リングインするもソドムに捕まる小島、ゴモラがビッグブーツに行くが、これはソドムに誤爆! ソドムをリング下に転落させた小島はゴモラにラリアット、そしてHGがコーナー最上段から「セイ!」の掛け声と共にフライング・ボディプレス! カウントは3! HGの鮮やかなフォール勝ちだ。眞鍋かをりも「イキましたーっ!」と大満足の内容だった。
勝ち名乗りを受けた小島はマイクを掴み、「HGと組むから、ちょっと緊張して行っちゃうぞエルボー、落っこちゃった、ごめん」と謝罪。「でも、俺が助けてあげられるのは、ここまでだ。ここから先は、お前だけの力で頑張れよ」と話しかける。
しかし、これにHGは不満のようだ。「そんな、小島さん〜。この私の火照った体をどうしくれるんですか〜。今度はベッドの上で私の耳元に、“イっちゃうぞぉ、バカヤローぉ……”って囁いてください〜。夜の三冠戦、フー!」
しかし、小島は「セイセイセイ! そのリングは勘弁してくれ」とあっさり拒否、小島は「いいかHG? これから日本のプロレス界を盛り上げるのはお前だよ! 逆風もあるかもしれないけど、頑張ってくれ! ど〜しても困った時は呼んで下さい。そん時は、行っちゃうぞエルボー、コケないようにするから。HG、今度も助けにいっちゃうぞーっ!」と、HGに最大級の賛辞を送ると共に、またいつか、困った時は助っ人として現れることを約束した。
去っていく小島を見送ったHGは、マイクを握ると、「ところで、見てましたか〜ニューリン様! あなたのバター犬たちに勝っちゃいましたよー! 次は私と1対1でリターンマッチしてくださいね! 私はこの後、リングサイドで視姦…セイセイ、しっかり見させていただきますからね」と、ニューリン様へのリベンジを宣言するのであった。
20分33秒 3D
小川・大谷の命を受け、しっかりとタマアゴを見張っている浪口だが、そこにモンスター軍の悪の手が! 島田二等兵が「タマアゴはガラクタだけど、盗んじゃおうかな」とハッスル軍控え室へ忍び込もうとしている。空腹の浪口の気を引くために、島田二等兵が控え室へりんごを投げると、浪口はそれに反応してしまう。しかしさすがの島田二等兵の侵入に気づいた浪口は「お前、タマアゴを盗もうとしてるな!」と、島田二等兵にドロップキックを見舞う。これをかわされた浪口だったが、すぐに下から関節技で島田二等兵をとらえる。しかし島田二等兵は浪口に催眠スプレー! 浪口が意識を失うと、島田二等兵はタマアゴを盗み出す。「本当にガラクタっぽいな。でもこれで総統によろこんでもらえるぞ。それで次の大会では参謀長に返り咲きだ」と大喜びの島田二等兵は、浪口の顔には「起さないで下さい」のメモを書き残し、ハッスル軍控え室を後にした…
一昨日の後楽園大会でハッスル軍ハードコアチーム入りした本間だったが、金村と田中には認められてない様子で、花道で田中に手をかけるも田中に突き飛ばされてしまう。恒例のダンスでも二人がコーナートップで踊る中、一人リング上で腕立て伏せをする本間であった。続いて入場したチーム3Dは余裕綽々。ディーボンにいたっては「お前らがナンボのもんじゃい! 俺たちと闘うなんて100年早いわ」と吐き捨てた。
閉じる 先発は本間とスパイク。体格で勝る本間がスパイクをパワーで圧倒していくも、スパイクはスピーディな動きで反撃する。スパイクは腕立て伏せのパフォーマンスを見せて筋肉をアピールするも、結局本間にラリアットで吹っ飛ばされてしまった。
ここでディーボンと金村がリングイン。ディーボンは金村をパワースラムで投げ捨て、ラリアットで場外へ吹っ飛ばす。早くも流血する金村にディーボンはパンチを叩き込んでいく。そしてディーボンは金村に強烈な串刺しボディプレスを見舞った。ここでタッチを受けたババ・レイは田中を自ら指名、田中もこれに応じてリングへ上がった。
ババ・レイは田中をショルダーアタックで吹っ飛ばすと、強烈な逆水平でコーナーへ吹っ飛ばす。田中のエルボーをもらいながらも、ババ・レイはサイドバスターで田中をたたきつける。そしてここから遂に場外戦が始まった!
場外のハッスル軍に向けて、ババ・レイがスパイクを投げつけると、ディーボンは客席に金村を投げ捨てる。その間にババ・レイと田中は花道を全力疾走してのラリアットの打ち合い。しかしババ・レイがこの勝負に勝ち、田中をパワーボムで花道に叩きつける。さらに実況席の中まで場外乱闘は及び、田中がタオルを使いスパイクの首を締め上げ、顔面を殴りつけた。
リング上は田中とババ・レイが椅子チャンバラを繰り広げる。しかしここでもババ・レイの攻撃が田中を上回り、ババ・レイが田中を椅子で二発連続で殴りつけて、のど輪落としを決める。そこを金村が救出に入るが、ディーボンが金村を一斗缶で一蹴。さらにババ・レイがチーズを削る器具で金村の額を削れば、今度は脚立で金村の頭を殴りつける。そしてここでチーム3Dの武器である、有刺鉄線バットがリングイン。ババ・レイが有刺鉄線バットをマットに転がして、金村をそこに投げ捨てる。そしてさっきの脚立の最上段からスパイクが金村にフットスタンプを叩き込む。それを何とか返した金村だったが、ディーボンがバケツのフタを金村のお腹において、そこをゴルフパットでガツン。そしてババ・レイが有刺鉄線バットで金村の顔に突き立てた。
その後も金村のロンリーファイトが続くが、金村が一瞬の隙を突いてババ・レイの股間をチーズ削り器で一発! するとここで田中と本間がリングに入り、それぞれがチーム3Dを中央に投げて、同時にDDTを決める。そして金村がスパイクをスイング式パワーボムで投げると、ここから両軍が入り乱れる乱打戦。ここで田中がババ・レイを必殺の白いギターで殴りつけて、ハッスル軍がチーム3Dを分断し、スパイクに攻撃照準を絞る。本間がスパイクにフランイグプレス! そのままコーナーでスパイクを殴りつけるも、リングに戻ったババ・レイがスパイクと合体攻撃を見せて、本間を投げ捨てる。さらにババ・レイのアシストを受けて、金村の股間にディーボンがヘッドバットを叩き込む。そしてババ・レイがテーブルをリング内に入れると、金村にパワーボム・オン・ザ・テーブル! そして最後は本間をババ・レイとディーボンが3Dを決めて、ディーボンが本間から3カウントを奪った。
試合前の宣言通り、完勝を収めたチーム3D。ババ・レイは3人を呼び止めると「ガンバッテ」と余裕の声をかける。そしてリングサイドの子供をリングへ上げると、Tシャツをプレゼントし、それで机の破片にサインを書いて渡す。そしてその子供に「You are champion」と声をかける優しいチーム3Dであった。
ハッスル・ブレイク明けに、昨年の『ハッスル・マニア2005』でプロレス・デビューを飾り、見事な試合ぶりでセンセーションを巻き起こした和泉元彌が白いスーツ姿でリングに登場!
「さいたまスーパーアリーナにご参集のハッスルファンの皆様方、狂言和泉流二十世宗家・和泉元彌でござる」と、狂言風の言い回しでご挨拶。
「温かい、皆さんの温かい声援に支えられて、演者は舞台に、レスラーはリングに上がれるのだと思います。久しぶりにハッスルのリングに戻ってこれて嬉しく思っています。こうしてリングにいると、あの『ハッスル・マニア2005』の熱い思いが自分の中にこみ上げてきます。
今回は、骨髄バンク8万人運動に協力させていただくという形でドナー登録を呼びかけるために、先ほど表の『ハッスル・ランド』で狂言の世界でチャリティーが出来ないかということで、狂言の世界を説明させていただきました。
またいつの日か、昨年の『ハッスル・マニア2005』以上のパフォーマンスを皆様の前で、ご披露できると確信が持てた時は、迷わずこのハッスルのリングに帰ってきたいと思っています」
挨拶が終わると、和泉宗家は「最後に、室町時代のエンターテイメントである狂言から、平成のエンターテイメントのハッスルにエールを送らせていただきたいと思います。皆様、ご起立お願いできますか?」と、ファンに参加を要請した。
「実は狂言流のハッスルポーズというのを考えてきました。狂言は笑いの芸術と言われています。ぜひ、大きな笑い声の後にハッスルポーズをとっていただきたい」
狂言流のハッスルポーズとは、「行くぞ」の代わりに「参るぞ」、「オー」の掛け声の代わりに「ウォー」と唸り、英語は使えないので「スリーツーワン」の代わりに「ハー」という笑い声をカウントひとつとして3回やるというもの。
「それでは、参るぞ! ウワー、ハーハーハー! ハッスル! ハッスル!!」と会場を盛り上げ、リングから去って行った。果たして、和泉宗家がリングに帰って来る日はいつなのだろうか……?
9分56秒 ジャイアントプレス
これまで芸能界から数々のレスラーを生んできたハッスルに、新たなニュースター誕生の予感である。外国人タレントのカイヤ。彼女は小川と共にトレーニングを開始。メキメキと力を付け、さらには恵まれた体格を生かし、カイヤ・ボンバー、カイヤ・クラッチ、スペース・トルネード・カイヤなど数々の必殺技も体得。カイヤは、着実にレスラーとして変化し続けた。
そんな中、決定したデビュー戦の相手は・・・身長2メートル30センチの大巨人ジャイアント・シルバ! カイヤの対戦相手に指名されたシルバは不快感を露にし、「殺してやる。巨大なジャイアント・シルバがトップロープから降ってきたらヤツは終わりだ!」と宣言している。
一人の女として、一人のレスラーとして、そして一人の母親として・・・愛する我が子のため、“最強の主婦”カイヤの挑戦がいま始まる!
まずはカイヤが荒縄を手に、カウボーイハットを被って登場。リングインするとロングガウンを脱ぎ捨て、自らデザインしたというキューティーハニーばりの胸元が大きく開いたセクシーコスチュームを披露した。続いて“キャプテン・ハッスル”小川直也が入場、そのコスチュームは“ハッスル・キング”故・橋本真也と同じデザインである。ハッスル旗揚げの地で、橋本と共に闘うという意気込みの現れであろう。
シルバ&バボの“チーム・ジャイアンツ”は揃って入場。しかし、観客の注目はステージ脇から、なんとカイヤ・カーに乗って現れたアン・ジョー司令長官&島田二等兵に注がれた。
アン・ジョーは「ヘイ、カイヤ! これをルックでーす! ユーの車を拝借しまシタ〜!」とアピール。島田も「それにしてもお前、ダッサイ車乗ってんな〜。何がハッスル・カーだ。なんだ、このチンケなカイヤマークはよ!」と挑発する。
あまりにも突然な出来事に、リング上で呆然とした表情のカイヤ。
アン・ジョーは「ユーのためにミーたちがオシャレに改造してあげマース! ヘイ! チーム・ジャイアンツ! カモーンでーす!」とシルバ&バボを呼び寄せる。その手にはハンマーが握られており、なんと二人はそのハンマーでカイヤ・カーをボコボコに破壊!
頭を抱えるカイヤ。口あんぐりで呆然とした表情である。チーム・ジャイアンツがカイヤ・カーを破壊し終わり、リングに近付いてくると、ブチ切れたカイヤは今にもシルバたちに襲い掛からんとする。しかし、必死で小川が制す。
「ユー! ユー!」とシルバを指差し、「私が行く!」と訴えるカイヤ。シルバと英語で罵り合う。場内からは「カイヤコール」が爆発だ。
閉じる 先発はカイヤとシルバ! カイヤはボクシングの構えを取り、フットワークからパンチを叩き込むがシルバはびくともしない。逆に首を掴んで締め上げ、背中にパンチの一撃。一発でダウンしたカイヤの首を締め上げ、ワンハンドで持ち上げるシルバ。ボディプレスで持ち上げるが、小川がこれをキックでナイスカット。
小川にタッチ。シルバのパンチをかわし、ローキックを叩き込む。小川はロープに飛んでフライング・ボディアタックを仕掛けたが、これはシルバが受け止めてボディプレス。続いてシルバがラリアットを放つも、小川はバックを取ってジャーマン狙い。シルバの体が一瞬浮いたが、そのままバックでモンスター軍のコーナーへもっていかれ、バボにタッチした。
バボはネットに入ったバレーボールを振り回し、小川を滅多打ち。ダウンした小川にストンピングの連打、ロープへ飛ばしてのハイアングルのドロップキック。さらに高角度のボディスラムで叩きつけ、ニードロップにいったがこれは小川がかわす。
小川はバボをコーナーへ叩きつけると、ジャンピング・エルボーからローキック、両肩に乗って全体重を掛けて揺さぶり、顔面へのローキックだ。そして、巴投げから背中へのローキック!
たっぷりと痛めつけたところで、カイヤにタッチ。カイヤはボクシングのパンチで攻めるが、残念ながら女性の非力の悲しさ。バボのパンチで逆襲され、バックブリーカーで背骨がきしむ! フォールに入ったバボだがカウントは2。ならばとバボは逆片エビ固め。這いながら、何とか小川にタッチをしようとするカイヤ。が、バボはそれを許さない。「リングを舐めるな!」と吼え、高角度のカナディアン・バックブリーカーだ。徹底してカイヤの腰を痛めつけるが、これは小川がカット。さらにカイヤはショルダースルーでバボを投げ飛ばした!
カイヤはパンチで逆襲、右フック、そしてロープの反動を利しての右フックだ! バボはたまらずダウン。
タッチを受けた小川はジャンピング・ネックブリーカードロップでカウント2、そして必殺のSTOからフォールに行ったがシルバがカット。小川がシルバを捕まえる。
ここでなんと、カイヤがコーナー最上段に登り、シルバへフライング・ボディアタック! しかし、シルバはこれを受け止めてボディスラムで叩きつけようとする。そこへ小川がSTO、“私ごと刈れ”ある! 自然とフォールの体勢になるカイヤ。が、カウントは2!
小川がバボに誘われリング外へ。バボと攻防を繰り広げている間に、シルバがカイヤをボディスラム。そしてセカンドロープに登り、ジャイアント・ボディプレス! カイヤはピクリとも動けず、失神KO! カウント3が入ってしまった。
勝ち誇りながら去っていくチーム・ジャイアンツ。リング上では完全にノビてしまったカイヤを、ハッスル軍の面々が心配そうに見守る。アン・ジョーはマイクを握り、KOされたカイヤに向かって「ヘイ、カイヤ! 思い知りまシタか! 2度とモンスター軍に逆らうんじゃありマセーン! しっかりとメモリーしておきなサーイ!」と吐き捨てた。
しばらくして、ようやく息を吹き返したカイヤ。フラフラになりながらも必死で立ち上がり、それを小川が支える。小川はマイクで絶叫した!
「おい、みんな! カイヤは本当に真剣に、この日の為に取り組んできたんだよ! このカイヤの頑張りは認めてやってくれよな!」
もちろん、ハッスル・ファンが認めないわけがない。場内には温かい拍手が沸き起こった。今度はカイヤがマイクを握る。
「男に…男に勝つまで、ガンバルーーーッ!」と必死に声を振り絞り、リベンジ宣言だ。
「今日は、応援本当にありがとうございました! みんな、カイヤをよろしく! 今日はありがとう!」と小川。
キャプテンに担がれながら、カイヤは花道を退場。途中で子供たちが頑張った母を迎え入れ、抱き合いながら姿を消していった。
10分58秒 乙女のヒザ十座
ハッスル軍控え室、タマアゴを見つめる“キャプテン・ハッスル”小川は「いよいよだな。それにしても何が出てくるか、楽しみだ」とつぶやく。するとそれを見ていた“ハッスルあちち”大谷は「え? 中身知らないの?」と驚いた様子。しかし小川は「知らないよ」と知らん顔だ。「俺はてっきり『元気ですか?』の人が『1・2・3 ダー!』で出て来ると思っていた」という大谷に、小川はここでも「俺は適当にやってるだけ。その辺はTAJIRI仕切りだろ?」と呑気な言葉だ。そんな小川にさすがの大谷も「キャプテン、ちょっとまずいんじゃないの?」と心配しっぱなしである。「どうってことねえよ」とアントニオ●木風に応える小川。すると「キャプテンのそういう無責任なとこ、ダーの人にそっくりだな」と呆れ顔。「誰が、ダーの人に似てるって、この野郎!」という小川は、やっぱりアントニオ●木にそっくりだった。
それはさておき「こんなとこで仲間割れしている場合じゃねえよ。タマアゴのことは一旦忘れて、試合に集中だ」と小川。一昨日の後楽園大会でハッスルデビューを果たしたどっこい浪口にタマアゴの見張りをお願いすると、控え室を後にしようとする二人。しかし根が真面目すぎる浪口はタマアゴを至近距離でじっと見つめる。思わず大谷は「普通に見張っとけ!」と注意するのであった。
『ハッスル・エイド2006』ハッスル・スーパータッグ選手権試合での対戦が決まった坂田&崔VSErica&マーガレット。坂田はモンスター軍との抗争で左膝を負傷し、さらに一昨日の後楽園ではErica&マーガレットに襲撃されるという屈辱を味わされている。
Ericaはピンクの一斗缶を持って入場。坂田と崔はベルトを持っての入場となったが、坂田は左膝を引きずっており、試合にどう影響するかが気になるところだ。
タイトルマッチ宣言、そして対戦者チームのコールが終わると、いきなり殴りかかる坂田。そのままリング下へ二人を蹴落とす。非常に不穏なムードの中で試合が始まった。
閉じる リングへ上がった崔はEricaにいきなり顔面蹴り、マーガレットにも顔面蹴りを連発する。タッチを受けた坂田はマーガレットに逆水平を見舞い、マーガレットの巨ケツを蹴飛ばした。その後も容赦ない攻撃を続ける崔と坂田は顔面踏み付けを連発。特に怒り心頭の坂田はEricaの顔面を拳で殴りつけ、さらには顔を足蹴にしてから、顔面を掻きむしった。会場からはEricaコールが巻き起こるも、坂田はEricaの顔面を殴ってマウントパンチ。ミドルキック→踏み付け→顔面かきむしりからキャメルクラッチで絞り上げる。救出に入ったマーガレットも張り手で一蹴し、二人をコーナーに押しつぶした坂田は顔面を掻きむしる。さらにここで崔もリングへ上がり、二人がかりでEricaにショルダーアタック、マーガレットをブレーンバスターで投げ捨てた。
しかしここでErica&マーガレットが坂田と崔の合体攻撃を潰し、Ericaが崔をデッドリードライブで坂田に投げつける。そして間髪入れずに、マーガレットが坂田の左膝にボディプレス。さらにEricaが一斗缶で殴りつける。坂田をリング下へ突き落とし、崔を孤立させるとEricaとマーガレットは二人で崔にお尻攻撃! そしてサンドイッチプレスからEricaが崔にキス。ここで崔を一気呵成に攻め立て、マーガレットがコーナーからダイビングプレス、そしてEricaがダイビングエルボーを叩き込む。ここは何とか坂田がカットに入り、ピンチを凌ぐ。
リングへ上がった坂田はトラースキックで二人を蹴散らすと、マーガレットの上にEricaを叩きつけた。孤軍奮闘する坂田はEricaを殴りつけてすぐに逆水平。Ericaは坂田の左足にローキックを叩き込むも、坂田はそれを耐えてEricaをパンチで吹っ飛ばす。ここで勝負を決めようとロープへ飛ぶ坂田。しかしここでマーガレットがリング下から坂田の足を引っ掛け攻撃を妨害。するとEricaが坂田の左足に飛びついて、ビクトル式の膝十字! これがガッチリと極まり、坂田は苦悶の表情を浮かべてギブアップした。坂田からの一本勝ちという思わぬ結果でのベルト奪取にEricaとマーガレットは大喜び、感極まって涙を流して抱き合った。
リングに座ったままの坂田は「おい、ブタども! いやお嬢ちゃんたち、なかなかやるじゃねえか。試合に負けたのを足のせいにはしねえぞ」と男らしい言葉。…と思いきや「負けた原因はリョウジ。お前だ!」と、あろうことか後輩に敗因をなすりつける。さすがの崔も「えっ? 負けたのは兄貴じゃないですか?」と困惑気味。しかし坂田は「言い訳すんな! 男らしくしっかり負けは認めろ」と怒鳴りつける。しかしそれでも納得がいかない崔は「でも兄貴がタップするから…」とぼやく。坂田はそんな崔の言葉を遮るように「いつからお前はそんな卑怯な男になったんだ。もう1回スクワットからやり直せ」と一喝する。そして「それに最初からこんな安っちいベルトは欲しくなかったんだ。もっと豪華で金キラキンのベルトを作れ!」と、負け惜しみたっぷりの非常に女々しい坂田であった。
それはさておき、念願のベルト奪取となったErica&マーガレット。Ericaは「勝手なことばっかり言って帰ったけど、チャンピオンは私たちよ。やっぱり坂田ってアホよね、最低よね。人のせいにしちゃうんだもん」とチクリ。「あのアホに泣かされてきた女の子たち! 私たちが仇を取りました」と叫ぶと、「私たち防衛戦はイケメンとじゃないとやらないから。だから今、ハッスルのリングに上がってる男子たちじゃ無理と思われます。まあこれからも頑張るんで応援ヨロシクね」と宣言。ベルトを巻けない二人は、ベルトを肩にかけて花道を後にした。
9分51秒 正義の赤い彗星
「ハッスル仮面が宿敵モンスター仮面にリベンジ!」
今年2月。無敵のハッスル軍の前に突如として現れたモンスター仮面! ハッスル仮面のDNAに高田総統がビターンを浴びせ、生まれたクローンモンスターは、ハッスル仮面の動きを全て封じ込めてしまった。為す術のないハッスル仮面。マスクを破られ、一時は再起不能のピンチに!
そんなハッスル仮面に、先日の『ハッスル・ハウスvol.16』後楽園大会で新たな仲間オレンジが加わった! しかし、モンスター仮面も負けじと今回、新たな仲間ブラウンを投入するという。
正義を守るため、ハッスル仮面はモンスター仮面に逆襲することができるのか?
記念すべき『ハッスル・エイド2006』のオープニングを飾る第1ハッスル! ハッスル仮面が、モンスター仮面に決死の覚悟でリベンジを誓う!
閉じる モンスター仮面の新色はブラウン、つまり茶色だ。なんとも地味なカラーである。モンスター仮面チームはホワイト、ブラック、パープル、そしてブラウンという編成。ハッスル仮面チームは赤、青、黄、そして新加入したオレンジの四人である。
先発はブラウンとイエロー。ブラウンも大きな選手だが、イエローの巨大さにはかなわない。しかし、圧倒したのはブラウンの方である。
オレンジとブラックが登場し、オレンジはハイアングルのドロップキックを見せたが、パープルが助っ人に入ってブラックとパープルに次々とリング下に叩き落されていくハッスル仮面たち。
リング上ではレッド一人がモンスター仮面チーム四人にリンチ状態。イエロー、オレンジがリングに復帰しても、すぐに殴られ蹴られ、リング下に放り投げられてしまう。ブラックがレッドにシュミット式のバックブリーカー、さらにレッドは低空のドロップキックで顔面を打ち抜かれた。
モンスター仮面チームはホワイト。バックスピンキックを始め、多彩な蹴り技でオレンジを蹴りまくる。たまりかねてイエローらが救出に入るが、またもリング下に軽々と放り投げられてしまった。
そして、またもモンスター仮面チームにレッド一人が捕まった! 悪の連携攻撃に蹂躙される場面が続く。救出に入った他のハッスル仮面たちも、モンスター仮面たちの圧倒的なパワーに屈し、一方的に叩きのめされる!
ブラック、ホワイト、パープルが連続でレッドにストンピング。さらにレッドをコーナーへ宙吊りにし、ホワイトが股間へ蹴りの一撃! レッドは回転蹴りでホワイトをリング下へ落とし、タッチを求めるがブラックがそれを阻止する。が、回転式のDDTで逆襲し、ついにイエローへタッチ。
タックルでモンスター仮面たちを次々と吹っ飛ばすイエロー。今度はハッスル軍の逆襲だ。四人でサマーソルトドロップなどを次々に見舞い、最後にイエローがボディプレス。が、カウントは2。
今度はブルーがモンスター仮面チームに捕まり、連続ドロップキック、ブラウンの風車式バックブリーカーと痛めつけられてリング下へ転落。
モンスター仮面チームの次の標的は“ハッスル仮面のエース”イエローに絞られた。ブラックとブラウンがダブルのブレーンバスターをイエローの巨体に仕掛けようとしたが、イエローはこれを力づくで逆にブレーンバスターで返す。
このイエローの大暴れをきっかけに、ハッスル仮面チームの大逆襲が始まった。モンスター仮面たちをドロップキックなどでリング下に叩き落し、イエロー、オレンジ、ブルー、レッドがリング四方へ向かってプランチャやトペの空中殺法の華麗な競演!
リング上に戻るとオレンジがパープルを肩車で抱え上げ、ブルーがコーナー最上段からのドロップキック! ダウンしたパープルへイエローが必殺のフライング・ボディ・ソーセージ! だが、リベンジに燃えるハッスル仮面の攻撃はこれで終わらない。レッドがダメ押しのシューティングスタープレス! カウントは3!
やはり最後は正義が勝つのだ! 子供の頃、ヒーローに憧れていたというゲスト解説の眞鍋かをりさんも「ありがとう、ハッスル仮面!」と大興奮である。
ハッスル仮面チームは手を繋ぎ、その手を高く挙げて勝利をアピールした。ハッスル軍にとっては幸先のいいスタートとなった。
タキシード姿の“キャプテン・ハッスル”小川直也を筆頭にハッピ姿のハッスル軍がリングに登場。「おいっす!」と四方に挨拶した小川は「『ハッスル1』から2年6ヶ月、色々あったけど、ようやくこの(さいたま)スーパーアリーナに帰ってきたぞ! ハッスルは、どんなことがあっても絶対、続けていく。俺たちを信じてくれ! 皆、手拍子頼むぞ!」と呼びかけ、「それでは『ハッスル・エイド2006』いってみよう!」と、有田・統括本部長と一緒に『ド●フ大爆笑 ハッスル・エイド2006替え歌バージョン』を熱唱する。そして歌が終わったところで、小川が「それでは、『ハッスル・エイド2006』よろしく!」と叫び、遂に『ハッスル・エイド2006』の幕が上がった!
RGMは『ハッスル・エイド2006』ということで、ラメ入りのド派手なジャケットに身を包み、いつも以上に大きなブーイングの中、いつも以上にアグレッシブなダンスでリングへ上がった。
「どうも、ハッスル最高責任者のRGMです! 大人気お笑い芸人のRGMです!」と挨拶するRGM。すると早速客席からは「帰れ」コールが巻き起こる。これにはさすがのRGMも「早すぎるよ」と凹み気味だ。RGMが「色々ありましたが、『ハッスル・エイド2006』開催にこぎつけました」と叫べば、客席から若干拍手が起こる。しかし「これもすべて俺のおかげです」と調子に乗ってしまい、すぐにブーイングが起こった。そしてRGMは「思えば、半年前のハッスル・マニアでは、自腹で見に行きました。そして半年後GMとなってこのリングにいます」と、これまでの自分を振り返る。
すると「これってすごくねえ? 自分が怖い。そして俺は人生の勝ち組」とRGM。ブーイングを飛ばす観客に「ブーイングを出すようなヤツらは、全員負け組です! 負け組は楽しんで帰ってください」と罵倒する。そして「帰れ」コールに合わせてダンスを踊り、反RGM感情を煽った。一通り、客いじりを終えたRGMはタマアゴについて話を始めた。
「最近、私が気になることがあります。それは『タマアゴの正体が誰か?』ということ。世の中では荒●静香、ア●勇、阿●海、アントニオ小●木とか言われてますが、頭に来ているのは、タマアゴの正体がくりぃむしちゅ〜の有田だという噂です」
そして実際に有田の参戦をスクープしたスポーツ新聞を取り出し、「デ●リー! バカ!」と怒りを爆発させる。さらに「しかし私はこれを認めません。確かに有田はイニシャルもAで、アゴも出ているし、プロレスファンだし、プロレスラーのモノマネもしている。有田総統とかいって、コスプレをして出て来る気かもしれませんが、そうはいきませんよ。このリングにもう芸人は必要ない。なぜならオレが一番笑いを取るから!」と言いたい放題。そしてブーイングに合わせてダンスを踊ると、「参戦したいと言っても絶対に参戦させませんよ。バカども、タマアゴの正体は有田と違うからな!」と嫌みたらしく叫ぶのであった。するとそこに高田総統に非常によく似た声が鳴り響いた。
「遅いよ、来ちゃったよ」
するとそこに現れたのは赤い総統のコスチュームを着たくりぃむしちゅ〜の有田だ。そしてマイクを掴むと「プロレスを心から愛し、ハッスル・エイドにご来場の諸君! ご機嫌いかがかな? 紹介しよう、我こそが自称ハッスル軍総統有田だ!」と、高田総統ばりに挨拶する。そしてここから高田劇場ならず、有田劇場を繰り広げた。
「プロレスファンを25年間やり続け、ハッスルに参戦することが出来た。ありがとう」と有田総統。「ところでRGM、君は何だ? 今日は大事なイベントだぞ、ぶち壊しじゃないか。君はもう『笑いの●メダル』には呼ばれないよ」と、RGMの大事な仕事を奪うと宣言。それは辞めて欲しいと懇願するRGMだったが、有田総統は「私が呼ばせない」と切り捨てた。
そして「何でもタマアゴの正体が私という噂は本当か?」とRGMに問いかける有田総統。「自分でPPVを購入してハッスルを見ていたけど、『これ、俺じゃないの?』って思って見ていたよ。自前で高田総統のコスプレまで作って待っていたんだけど、お呼びがかからなかった。それでようやく声がかかったと思ったら、『オープニングでRGMと絡め』と。こんな絡み辛い芸人とだと? このヤロー!」と、怒りの気持ちを爆発させる。
タマアゴの正体が有田でないとすると、タマアゴの正体は誰なのか? 有田総統に問いかけられたRGMは「アントニ●猪木?」と首をかしげる。すると有田総統はアントニ●猪木のモノマネで「元気ですか? 元気があれば何でも出来る。元気があればハッスルにも参戦出来る。今日はハッスルの方にもやってきました。私がなぜハッスルに出るか? 私は永久電池開発にいそしんでいて、お金が必要だからです。バカヤローッ! サ●モン!」。
会場の盛り上がりは最高潮となるが「好き勝手しすぎです」とRGMに突っ込まれる有田総統。すると「私はお笑いで有名になるよりも、これをプロレスの会場でやりたかった」とカミングアウトするのであった。さらに有田総統はRGMの「もしかしてキレてますか?」の声に、長●力のモノマネで応え、「キレてないですよ。キレてないですよ。俺をキレさせたら大したもんですよ。俺がキレてからだろうな。最近これをやると長●小力のパクリだと思われる。それがお前のやり方か! 何こら! なあ智宏?」。マニアックなネタを織り込む有田総統だった。
「話を先に進めよう。タマアゴの正体が私ではなかったが、周りが望むのであるならば、しゃべりで負けたことのない高田総統をしゃべりで打ち勝ってやろうと思うんですが、どうですか? お客さん」と呼びかける有田総統。客席から大歓声が起こると「本当にうれしい。ではその時までごきげんよう。バッドラックだ」と、名残惜しむファンを背に花道を引き揚げていく。
するとここでRGMは「せっかく、有田総統に来ていただいたんですから、『ハッスル・エイド2006』の開会宣言をやってください。高田総統にそっくりな『出て来いや』の人になってやってもらえますか?」と呼びかける。すると花道の途中で立ち止まった有田総統は、「やりますか?」とコスチュームを着替え、有田・統括本部長へ変身した。
「え〜、本日は『ハッスル・エイド2006』ご来場ありがとうございます。今日はね、まさに60億分の1、世界最強の男を決める、それがこのリングです」と、高田総統だけでなく、こちらも非常にそっくりだ。しかし「もう少しだけ時間下さい。私も見たいです。世界最強を男を決める男の中の男、出てこいや!」と、PRIDEの開会宣言をしてしまう。さらに「ヒョー●ルは強いわ。(吉田)●彦? ●ンペイジ?」と暴走する有田・統括本部長。RGMに「PRIDEじゃなくてハッスルです。ハッスルをお願いします」と注意されると、仕切り直した有田・統括本部長は「逆風にも関わらずプロレスを愛しているプロレスラーの中のプロレスラー、出てこいや」と、ハッスル軍のメンバーを呼び込んだ。