モンスター軍の乱入で大混乱となるリング上、このハッスル軍のピンチを救ったのは…。
「ハッスル、フー」と登場したのはHG! モンスター軍にドロップキックを見舞い、小川を始めとするハッスル軍と共にモンスター軍を一蹴した。
「どうも〜、ハリウッド帰りのHGで〜す。帰国、フー! 時差ボケで股間が、夜中なのに朝立ちしてま〜す! 残念ながらハリウッドでは、私の抱かれたいランキング1位のモーガン・フリーマンさんには会えませんでした〜。だから今日は、2位の高田総統に会いに来ましたよ〜」と、下ネタで来場した理由を明らかにしたのである。
そのラブコールに応える形で、「おい、腰フリ! 鳥肌立ったよ!」とどこかで聞き慣れたセリフを言いながら、高田総統が登場! 場内からは「そーとー、そーとー」のコールが沸き起こるも、「もういいよ、うるさい!」と一喝するのであった。
続いて高田総統は「おい、腰フリ! 鳥肌が立ったと思ったら、サブイボだったよ」と渾身のジョーク! が、反応はイマイチ。「おい、ここはもっとウケるところなんだよ!」と逆ギレする。
「笑いのテンポが速すぎる。一服させろ」と高田総統は気分転換に一服して語り始めた。
「おい、これからな、大事なことを言う」と思わせぶりな高田総統。もしや、ザ・エスペランサーに続くビッグサプライズか!?
「昨日、私を裏切ったニューリンを題材に、安っぽいデ○リースポーツとやらが一面にしたそうじゃないか。それもサッカーや亀田兄弟をおさえて! おい、デ○リーの記者、いるのか?」と、『デ○リースポーツ』紙の記者を呼び出す高田総統! 場内からは「デ○リー」コールが沸き起こる。高田総統は「こんのやろ〜!」と怒るのかと思いきや、「よかったよ。ありがとっ!」と丁寧にお礼を言うのであった。
「おい、腰フリ! 貴様の姿を見ると気味悪くてゾーッとするんだよ」と言い、「ここも笑うところだ」と説明するが、場内からは「えーっ!」と異論の声が挙がる。「まあいい、自己紹介しよう。我こそが高田モンスター軍総統・高田だ!」と、プロレスファンの反応などまったく気にしない。
「今宵は満月だ。満月は時に、人の心を乱すことがあるというが、今夜は何か妙な胸騒ぎがするんだ。気のせいかな?」と問いかける高田総統にHGが応える。
「セイセイ、気のせいじゃありませんよ。まだどうやら、私の見たところニューリン様はそっちには戻っていないようですね〜。私の股間のアンテナも、ただごとではない空気をビンビンにキャッチしてますよ〜」と腰を振るHG!
この態度に川田が怒る!「おい、日本の恥! いま試合が終わったばかりでイラッとしているんだけどな。俺、実はお笑い好きなんだよ」と衝撃のカミングアウトだ! 「話は最後まで聞け。お笑いが好きだが、笑いを取るのにダジャレ、下ネタ、被り物使うやつが大嫌いなんだよ! お前、三拍子そろってるじゃないか!」とHGが嫌いな理由を初めて明かした。
「だったら、RGはパクリも含めて四拍子揃ってますね〜!」と反論するHGだが、川田は「RGはシロートだからいいんだよ!」とあっさり却下。
川田は続けて「そこの銭ゲバのチキン、ハゲの大仁田…いや、大谷だったな。それから変態の黒ひげ! ニューリンが本当にお前たちの仲間になると思っているのか?」と言い、高田総統は「ニューリンよ! どこかで聞いているんだろう? いつまでも駄々をこねているんじゃない。早くモンスター軍に帰ってくるのだ! そうすれば、お前の望みを何でも叶えてやるぞ」とニューリン様を呼び出す。
しかしHGは、「セイセイ、ニューリン様! 迷う必要はありませんよ〜。私たちのハッスル軍に入ってモンスター軍をぶっ潰しましょうよ! 聞いてますか〜!」と共闘を呼びかける。
するとその時、ニューリン様の声が! 「アタシは決めたよ!」
ニューリン様のテーマ曲が鳴り、ニューリン様が花道より登場! リングインするとHGが「ここに現れたということは、ハッスル軍に入るということですよね?」と語りかけ、握手を求める。すると、なんとニューリン様がそのHGの手を握り返した!
「オッケー! 歴史的瞬間ですよ! ニューリン様が、モンスター軍からハミ出しましたよ〜!」とHG。まさに歴史的な合体である!
ニューリン様はマイクを取り、「暇でもてねぇ豚ども…とは、もう言わねぇよ。アタシの名前はニューインリン、略してニューリンだ。オメーら、アタシのことをニューリン様と呼べ!」と、モンスター軍時代とはあまり変わらない女王様ぶりを発揮。しかし、男性客は一斉に「ニューリンさま〜!」。
この光景を嬉しそうに見ていたTAJIRIがマイクを握った。「さあ、みなさん。ニューリン様がハッスル軍に来てくれました。じゃあ、皆さん! 声をそろえてニューリン様って一緒に叫びましょうか!」と、島田二等兵ばりに音頭をとってファンに“ニューリン様コール”をやらせる。「気持ちいい〜」とご満悦のTAJIRI。
しかし、ニューリン様はそんなTAJIRIを放っておき、「おい高田! この傷の落とし前は、キッチリつけさせてもらうからな! ハッスル軍に入って、オメーらをぶっ潰してやる!」と宣言だ。
この言葉を川田が受け取った。「こんなふうになるとは予想してなかったけどな、こうなったら言っとくぞ。俺は今までインリン様の娘だと思って我慢してたけどな、前から、お前はクソ生意気で大嫌いなんだよ!」と、実はニューリン様の生意気な態度が気にくわなかったと告白。「お前がハッスル軍に入るんなら、大人の遊びを知りきった俺が、大人の厳しさを教えてやるぞ!」と、なんともアダルトな宣戦布告である。
このやり取りを見つめていた高田総統が、ついに口を開いた。
「ニューリンよ。やはり、おまえはその道を選ぶのだな。聞いているのか? なら、私が改めて新たな作戦をお前らにぶつけてやろうじゃないか。分かるだろう?」と、ニューリン様が加入したハッスル軍に向かってまたも不気味な予告だ! 場内からは“いま教えてーっ!”との声も挙がるが、「いま教えるわけないじゃないか!」とやはり一喝。
「よーく聞くんだ、ニューリン。おまえはもう我々の味方ではない、覚悟はできてるな?」と、ニューリンと睨み合う高田総統。ついに、この二人が完全対立する時が来たのだ!
高田総統は、「モンスターKよ。今夜は赤坂の料亭で一杯やりながら、作戦会議といこうじゃないか! では下々の諸君、今日はここまでだ。バッドラック!」と言い残し、川田を飲みに誘って赤坂の夜の街へ消えていった。
しかし、この展開に納得がいっていないのは副キャプテンの大谷だった。「キャプテン、本当にコイツをハッスル軍に入れていいの? 俺はどうも信用できねえな」と疑問を投げかけるが、小川は「よし、コイツのハッスル軍入りに異論のある奴はいるか? 拍手をお願いします」とファンに問いかけると、万雷の拍手が沸き起こる。TAJIRI、金村を始めとしてハッスル男子は大喜びだ。Erica&マーガレットだけは、何やら不服そうだが…。
「セイセイ、一部を除いて賛成のようですね。でも、この多数決で決定でしょう〜。ニューリン様、こっちへ来てくださいよ〜」とHGは複雑そうな表情のニューリン様に手を差し伸べると、ニューリン様はハッスル軍の輪の中にようやく加わった。
「よし、ニューリン! 今日から正式にハッスル軍入りだ。でもよ、いつものハッスルポーズを決めてもらうことになるけどいいの?」とキャプテン・ハッスル小川もニューリン様の正式加入を認めた。ところがニューリン様は「どうでもいいけどよ、オメーらのポーズ、ダセぇんだよ」とあっさり否定。これには小川もガックリくるが、「だから今日は、アタシが新しいポーズを考えてきてやったよ」と言い放つと、「おい!」とTAJIRIをまるで召使のように呼び寄せ、なにやら耳打ちで説明する。
説明を受けたTAJIRIは、「はい、それでは皆さん。ニューリン様が改良された新ハッスルポーズのご説明を、私からさせていただきます。“スリーツーワン、ハッスル!ハッスル!!”までは一緒です。その後、頭の上で両手をクロスさせ、“トルネ〜ド〜”と叫んで腰を3回転半してから、“MAX(マックス)!!”と叫んで、ニューリン様はM字開脚してください」とファンに親切丁寧な指導。なぜか、その後ろでは小川がリハーサルをしている。
「それ、あなたが考えたんでしょう?」とHGのツッコミが入り、すでにセッティングされたM字台(ハッスル軍バージョン)を見て大谷が「おい! なんでこんなもんがすでに用意されてるんだよ?」と当然の疑問を投げかける。
TAJIRIは「こんなこともあるかと思って、昨日僕が作っておいたんですよ」とニッコリ。相変わらず、工作が好きな男である。これには小川も呆れ顔で「ハッスルって書いてるよ。お前、これ1日で作っちゃったの?」。
それでも気を取り直した小川は、「よし! じゃあニューリン、最後は頼んだぞ!」と本日の締めにニューリン様を指名した。
M字台に登るニューリン様の手をとろうとするTAJIRIだが、あまりのキモさにHGが代わってエスコート。ハードゲイなら安心である。すると今度は、M字台のフロントに陣取るTAJIRI。やはり本物の変態だ……。
ニューリン様はM字台の上に乗ると、「それじゃ、いくぞー! スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! トルネ〜ド〜MAX!」という掛け声と共に、M字開脚を決めたのであった。大喜びする金村とTAJIRI。最後にはニューリン様もハッスル軍と一緒に、リング四方へ向かってハッスル! ハッスル!! ついにニューリン様がハッスルポーズを決めるという歴史的な瞬間であった。
しかし、喜んでばかりはいられない。高田総統のニューリン様裏切りへの報復とは何か? また、ニューリン様のわがままぶりにハッスル軍のメンバーはついていけるのか? 様々な不安要素を残し、ハッスルは8月シリーズへと続いていく……。
12分12秒 怒りのK(キック)
モンスター軍に大事件勃発! 『ハッスル18』で突如、モンスター軍離脱を表明したニューリン様。そんなニューリン様に、こともあろうかHGがハッスル軍に勧誘するという、まさかの展開に! ニューリン様は一体何処へ行く?
ハッスル軍の控え室で「はぁ〜っ」と2人の人間がため息をついている。TAJIRIと金村だ。「……どうしたんですか、ため息なんてついて。なんか悩みでもあるんですか?」最初に口を開いたのは金村だった。
「聞いてくれる? あのな。最近、俺の大好きなドクロンZが全然姿を見せへんねん。あいつのおっぱいモミモミして、チューするのが何よりの楽しみやったのに。その楽しみを奪われたのがめちゃめちゃ辛いねん」と、金村はどうしようもない悩みを打ち明けたのだった。
逆にTAJIRIの悩みを聞き返す金村。TAJIRIは「ええ。エスペランサーにやられたショックから立ち直れなくて…。この前やったMペランサーのことを思い出すだけで、眠れなくなるんですよ〜」とまだエスペランサーの恐怖心から逃げられないことを語った。
ふと思い浮かんだ金村は「Mペランサーで思い出した。そういえばニューリン様って、ハッスル軍に来るとか言うてなかった?」と思わぬ展開に嬉しそうな表情を浮かべる。
TAJIRIもMペランサーではなく、ニューリン様なら大歓迎のようだ。
ニューリン様のセクシーな姿を頭の中で想像する金村はもうエロエロだ。「うわ〜、あんな露出してるってことは、触ってもいいわよってことやろ? もし、ハッスル軍に来たら……。ニューリン、チュパチュパ。考えただけで、俺も眠れへんわ」と勘違いもはなはだしい。
呆気にとられるTAJIRIは「金村さんて……前から言おうと思ってたんですけど……バカですよね?」とナイスな突っ込み! 「何か金村さんと話してたら吹っ切れました。なんだか立ち直れそうな気がしてきたぞ。ありがとうございます!」とTAJIRIは金村に感謝感激のようだ。エロは愛を救う。
突然の元WWEスーパースターTAJIRIの感謝っぷりに金村は「恐縮です」とペコリ。それに応えるようにTAJIRIも「いえ、こちらこそ悩みを聞いてもらって恐縮です」
「いえいえ、こんな僕こそ恐縮です」(金村)。「僕の方こそ恐縮です」(TAJIRI)。二人は延々と恐縮しまくるのであった……。
閉じる 珍しくTAJIRIは金村と一緒にブリブラダンスを披露しながらリングイン。続いて川田とモンスター℃が登場した。
先発は℃とTAJIRI。“シー”コールを呼びかける℃に対し、TAJIRIは両手を広げてTの字を作り“ティー”コール。静かな展開から、℃はTAJIRIの腕を取る。逆に腕を取り返したTAJIRIは片エビ固め。その形がCだったため、シーコールが飛び交った。
続いて出番の金村は“金”コールを客席に要求する。℃と金村はお互いにエルボーを交錯させ、シーコールと金コールが会場内に飛び交った。ここで川田がエルボーで割って入り“ケー”コール。
コーナーに押し付けた℃は金村の額にナックルを連発。しかし、反撃した金村とTAJIRIは連携プレーで℃を圧倒しながら、川田を挑発する。さらに金村はロープを利用してのムーンサルトプレスを℃にお見舞い。
℃を逆さ吊りにしたTAJIRIは、今度は体で“K”の字を作りまたもや川田を挑発。場外乱闘で℃を机に固定した金村はフライング・ボディプレス。グロッキー状態の℃はようやく川田にタッチし、ピンチを脱出した。
「待ってました!」とばかりに、川田は一気に二人を蹴散らすと、TAJIRIをコーナーに追い込みチョップ連打。TAJIRIは巻き返しを図ろうと毒霧を狙うも、川田はうまく避けた。
毒霧が未遂に終わり茫然とするTAJIRIの顔面に、川田は強烈なサッカーボールキックをお見舞いし、勝負あり!
ゴングが打ち鳴らされるも、川田と℃は暴れたりしないとばかりに、なおもTAJIRIを攻撃する。加勢するように他のモンスター軍もリング上に現れ、TAJIRIと金村はピンチの状態に追い込まれた! すると会場内に「セイセイセイ!」の声が響いたではないか!
セミ・ハッスル終了後、ゴールデンアフロ表彰式が始まると、優勝したチーム ハッスル・キングの面々に、橋本真也前夫人のかずみさん、長男の大地君、長女の茉莉ちゃん、次女のひかるちゃんから、優勝賞品時価711万円のゴールデンアフロが授与される。そしてそれぞれがゴールデンアフロをかぶると、チームを代表して大谷が天国の橋本へ向けてメッセージを残した。
「自分にとってこの1年間はあっという間で、時を感じない1年でした。橋本さんが死んだということは受け止めています。でもどこかで生きてるんじゃないかって思っていました。今回のトーナメントで橋本さんの後継者は坂田か? 大谷か? という見方もされましたが、橋本さんの意志を継いでいる人はたくさんいます。後継者は一人じゃなくてもいいと思います。ただし、その中でも後継者の中の後継者は俺だと証明するために、この3人でどうしても優勝したかった。そして優勝することが出来て、本当に感無量です。
橋本さん、後輩思いのあなたのことだから、俺たちのことを心配していると思うけど安心してください。何があっても頑張り続け、ハッスルとZERO-ONEをもっともっと大きくします。そしてこのアフロ、天国に行ってまで僕の髪の毛を気にしてくれて…でも安心してください。このアフロがあればモンスター軍に、ハゲや江頭とは言わせません」
橋本へのメッセージを終えると、大谷は橋本の長男・大地くんに「おい、大地! お前、プロレスラーになるんだよな? あせること無いぞ。やりたいと思ったらいつでも声をかけてくれ。ただしモンスター軍には入るなよ。絶対ハッスル軍に入れよ!」とエールを送るのであった。
「それじゃ最後に、馬鹿馬鹿しいことを一生懸命やることが大好きだった“ハッスル・キング”橋本真也が編み出したトルネードハッスルをやろうと思いますがどうでしょうか?」とファンに呼びかける大谷。ゴールデンアフロを頭にかぶり、橋本の真の後継者であることを証明した大谷は、メモリアルトルネードハッスルを決め、『爆勝宣言』が流れ、場内から大・橋本コールが起こる中、リングを後にした。
さて、まさかの逆転負けを喫した坂田軍団。試合終了直後、頭から血を流した坂田が崔に八つ当たりするなどもはや内部事情はグチャグチャ。しびれを切らした天龍から「おい! 坂田よ。なんだこの様は」と坂田の情けなさをなじる発言までも飛び出し、これが坂田と天龍の怒りに火をつけて、まさに一触即発の状態となる。ここは崔が二人を制止し、何とか乱闘にこそ発展しなかったものの、天龍が「もういい」と半ば坂田を見捨てる言葉を吐き捨ててリングを降り、坂田は「おっさん、調子に乗るなよ。坂田軍団のボスはこの俺だ。文句があるならリングで決着をつけてやるよ!」と“おじき”とまで呼んでいた天龍を挑発。その坂田に天龍がペットボトルを投げつけるなど、一枚岩に見えた坂田軍団に分裂の危機が生じてしまう。果たして坂田軍団の運命はいかに…!?
14分04秒 スパイラルボム
控え室では自分の記事が載っているフ●イデーを読みふける坂田。「4ページか。扱いは悪くねえな。でも肝心な俺様のことが、あんまり書いてねえな」とボヤている。そんな坂田に崔が「彼女が凄いと、肩身が狭いですね」とチクリ。「何、コラ!」と怒る坂田だったが、崔は「そんなことより、もう足は大丈夫なんですか? また、負けて俺のせいにされたら、かないませんよ」と毒を吐く。さらに「兄貴が女にギブアップする姿、もう見たくないな。フ●イデーでは彼女に負け、リングの上ではEricaに負け…」と続ける崔。さすがの坂田もややキレ気味に「お前、さっきから俺様のことバカにしてるのか?」と、座っていたイスから立ち上がる。
そんな坂田に崔が説いたのはオジキ天龍の大物ぶりだ。「兄貴のことは尊敬してますって。でもね、やっぱ天龍のオジキって、本当のボスって感じですよね、細かいことは言わへんし。それにオジキって、いつもゴールデンアフロかぶってるみたいでしょ? まさにキングでしょ」
それを聞いた坂田は納得した表情を浮かべると共に、「確かにオジキはすげえがな、いかんせん、もう年だ。何しゃべているか分からねえしな。それに坂田軍団のボスはこの俺様だ。そこんとこ、勘違いしねえように。今日は俺様の器のでかさをオジキにもお前にもしかと見せてやる」と、試合に向けて気合を入れ直した。
そんな坂田を見てホッと胸をなでおろした崔。すると坂田は崔に「ところで、今日の入場テーマはオジキじゃなくて俺様の曲だろうな?」と問いかける。「はい。オジキに言うたら、そんなこと全然気にしてませんでしたよ」と崔が答えると、「そうか…」とニヤリと笑い控え室を後にする坂田。「そういうところが小っちゃいちゅうねん」とボヤく崔であった。
先に入場したのは坂田軍団。しかし入場曲は天龍のテーマのままだ。やや不満気な表情を浮かべた坂田だが、天龍にコーナーに上るように促すと、崔と天龍がコーナーに上がりポーズを決めた。対するチーム ハッスル・キングは、いつもはやる気なしの安田でさえも気合十分。ゴールデンアフロを手にするのはどちらだ?
閉じる 先発はいきなり大谷と坂田の遺恨対決。一度はクリーンにロープブレイクした坂田だったが、二度目は離れ際にしっかりと張り手を叩き込む。しかし大谷はそれを受け切ると、強烈なチョップ一発で坂田を吹っ飛ばし、橋本ばりの重いミドルキックを連発。膝をついた坂田を「来い!」と挑発し、坂田のミドルキックをすべて受けて、蹴り足を袈裟斬りチョップで迎撃するなど、序盤から破壊王プロレスを爆発させる。そんな大谷に触発されてか、続けてリングに入った安田も坂田に強烈なボディプレスを叩き込み、ダブルアームスープレックス。コーナーに待機する天龍に睨みを利かせるほどの気合の入りっぷりだ。
安田のタッチを受けた田中は、坂田の左膝に自分の膝を叩きつけ、足四の字固めで絞り上げる。何とかロープブレイクで逃げる坂田だったが、田中は執拗に坂田の左膝を狙い、エルボードロップ、ニーロックで膝を痛めつける。しかし坂田はブレーンバスターの打ち合いになると、田中を先に投げ捨てて強烈な延髄蹴りを打ち込み、天龍とタッチする。
タッチを受けた天龍は逆水平の連打で田中を一蹴。しかしここで安田がすぐさまリングに入り、天龍にドロップキック。すると今度は崔がリングに入って安田を迎撃するなど、両軍入り乱れての攻防に。そのままリングジ上は崔と田中のマッチアップとなる。ここで田中はすかさず崔を自陣コーナーに連れ込むと、大谷がリングイン。「いくぞ、橋本さん!」とアピールし、大声援を背に崔の顔を顔面ウォッシュでこすりあげる。しかし大谷がロープに飛んだ際に、天龍が後ろからミドルキックを見舞い顔面ウォシュを阻止。坂田と崔が上手くチーム ハッスル・キングを分断し、天龍が田中の白ギターを使って大谷の頭を殴りつける。そのまま大谷を自陣コーナーまで連れて行くと、天龍はグーパンチと逆水平の必殺フルコース。田中が予備の白ギターを手にカットに入ろうとするものの、そこはレフェリーに止められてしまう。
この流れで大谷を坂田軍団が完全に捕獲。レフェリーをたくみに利用し、チーム ハッスル・キングのカットを阻止し、自分たちは代わる代わる大谷を痛めつける。崔がキャメルクラッチで大谷を締め上げると、そこを天龍が顔面蹴り。天龍がリングに上がると、大の字の大谷の顔面を踏みつけて、大谷が立ち上がると逆水平と頭突きを叩き込む。さらに天龍はコーナーで待つ坂田の拳に、大谷の顔面を叩きつけてく。大谷も自らに気合を入れ直し、天龍と顔面への張り手の打ち合いに応じ、掟破りのグーパンチを見せるものの、逆にこれで天龍の怒りを買ってしまい、天龍の強烈なグーパンチにマットに倒れこんでしまう。
大谷は拳を振り上げて自らを鼓舞。坂田のミドルキック、腕十字、張り手をすべて受け切って、坂田の顔面にフルパワーのナックルパート。さらに必殺のドラゴンスープレックスで坂田を投げ捨てる。しかしこの大谷の渾身の攻撃もこれまでのダメージの影響からか、いつもの迫力がなく、逆に坂田が立ち上がった大谷にニールキックを見舞う。そして大谷が組み付いてきたところで、飛び付き腕十字! カットに入ろうとする安田と田中を天龍と崔が場外へ突き落とし、フラフラの大谷に坂田軍団は3人がかりで合体攻撃。崔と坂田が対角線の大谷にエルボーを叩き込み、最後は天龍がトドメの逆水平。天龍と崔はそのままリング下の安田と田中の動きを封じ、完璧なお膳立てをしてリング上を坂田に託した。一気に勝負を決めようと大谷に垂直落下式のブレーンバスターを見舞った坂田。しかし大谷は3カウントぎりぎりでフォールを防ぐ。
するとここで場外戦を制した田中が白いギターを手にリングイン。坂田の頭に強烈な一撃を見舞うと、大谷がすかさずトップロープからスワンダイブ式で高角度のミサイルキックを坂田の後頭部に叩き込む。それまでの展開から一転、完全に孤立してしまった坂田に対して、大谷はいつも以上に捻りを加えたスパイラムボム! 脅威の粘り強さと見事なチームワークを見せたチーム ハッスル・キングが見事、メモリアルトーナメントを制した。
第2ハッスル終了後に“キャプテン・ハッスル”小川直也がリングに登場。四方に向かってオイッスを決めると、「今日はハッスル・キング追悼興行に来てくれてありがとう。橋本がいなくなってから、1年が経ちました。その間色んなことがありました。苦しいこともありました。しかしどれもこれもかけがえのない経験となっています。俺と二人でスタートしたハッスルというかけがえのない場を、これからも大切にしていきます。みなさんは俺たちを信用してついてきてください」と、会場に駆けつけたファンに呼びかける。そして小川は「ハッスルが出来たからこそ出会えた女性が今日は来ています」と、『ハッスル・エイド2006』でプロレスデビューを果たしたカイヤをリング上へ呼び込んだ。デビュー戦で大ケガを負い。満足に歩くことすらままならないカイヤは、松葉杖をつきながら痛々しい姿でリングへ上がった。
「デビュー戦では負けてしまいましたけど、応援ありがとうございました」とカイヤ。そんなカイヤに小川は「実はカイヤは試合中に肉離れを起こしていました。それでもまだ挑戦したいと言っています。本当に挑戦出来るのか?」と問いかける。するとカイヤは「私は男を倒すまで、そしてモンスター軍を倒すまでやります。またよろしくお願いします」と、再びハッスルのリングへ立つことを誓った。
そんな感動的なシーンが繰り広げられているリング上に、なぜかジャイアント・バボを引き連れたアン・ジョー司令長官と島田二等兵が現れた。カイヤを守るようにカイヤとモンスター軍の間に立ちはだかる小川。するとアン・ジョー司令長官は花束を手にカイヤに向けて「こないだのカイヤさんの試合を見て感動しまシタ〜 闘いが終わればノーサイドデス。フレンドシップの証に花束を持ってきました」と話しかける。となりにいた島田二等兵も「カイヤさんと子供たちが抱き合っているとこは本当に泣きました。みなさん拍手してください」とファンに呼びかけると、客席からはカイヤに向けて大きな拍手が巻き起こる。それまでなかなか花束を受け取らないカイヤだったが、客席の拍手に乗せられたのか、アン・ジョー司令長官の花束を受け取ろうとすると…カイヤの松葉杖を足で払うアン・ジョー指令長官! 弱々しく倒れこむカイヤを、アン・ジョー司令長官を容赦なく花束で殴りつける。カイヤを助けようとする小川だったが、バボが小川の救出を阻止。身動きの取れないカイヤは、公衆の面前でアン・ジョー司令長官に花束で殴られ続けるという屈辱を受けてしまった。
目に涙を浮かべるカイヤに対し、「この前の試合は何デスカ? 何も出来なかったじゃないデスカ? それでよくこのリングに帰ってこれましたネ。あんな動きで本気で勝ていると思っているんデスカ?」とアン・ジョー司令長官。そんなアン・ジョー司令長官の屈辱的な言葉に、カイヤの目にたまった涙はこぼれ落ちんばかりだ。するとアン・ジョー司令長官はさらに嫌味たらしい口調で「ネクストタイムはミーがユーを破壊してやってもいいデスヨ。せいぜい無駄な練習でもするんデスネ。勘違いすんな、コラ!」と吐き捨て、リングを去っていった。カイヤを抱え上げて「何てことしてくれてんだ…」と小川。するとカイヤはアン・ジョー司令長官の後姿に向かって、日本語には訳することが出来ないような汚い言葉を英語でつぶやいた。「絶対に仕返してやるぞ! カイヤ!」と呼びかける小川に、カイヤは大きくうなずいた。
必要以上にカイヤに対して敵対心を燃やし続けるアン・ジョー司令長官と島田二等兵。このままこの二人にカイヤはプロレスラーとしての道を閉ざされてしまうのか? それともカイヤがモンスター軍から受けた屈辱を晴らす日は訪れるのか? 今後のカイヤの去就に注目が集まる!
10分35秒 最高固め
ハッスル軍の控え室にて、なにやら落ち込んでいるEricaの姿が見える。そこに入ってきたマーガレットは「ワッツ ハプン? エリカ? アーユー コイワズライ?」と気を遣うのだった。
否定するEricaは「確かに乙女にとって恋も大事な仕事だけど、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」。
どうやら今日の対戦相手の“チーム6m”に対抗出来るタッグパートナーを考えていたようだ。「向こうはすっごく背の高い男たちばっかなのよ。だからー、私たちも負けないくらい、最も背の高い人を探さなきゃならないんだけど…」。
ここでマーガレットは「モットモタカイ?……オ〜オガワサン! キャプテン!」と“キャプテン・ハッスル”小川直也を思いついた様子。
「あ〜、たしかにキャプテンはハッスル軍の中では、背が最も高いわね」とEricaも納得するも、「キャプテンってギャラも最も高いのよ……」とリアルな悩みを打ち明ける。マーガレットも「オー! ゼニゲバ!」と納得し、あえなく断念。
「となるとー、他に高い人って誰がいたかしらー……最も高い人……最も高い人……」そうつぶやきながら、Ericaは何やらホワイトボードに「最も高い」と何度も書く。いつしか文字は「最高」の文字に。
タイミングよく、そこにひょっこり現れたのは黒田。「どうした? 何か呼んだ?」とEricaとマーガレットに問いかける。
「いたー!」と大喜びのErica&マーガレット。「黒田さーん! 今日も最高!?」とEricaが尋ねると、黒田は「おお! もちろんだろ!」ともっともなことのように返答する。
「オッケー! 哲っちゃ〜ん! レッツゴー!」そう言ったErica&マーガレットは何もわからない黒田を無理やり引っ張り、リングに連れて行くのだった。大きい女性2人に両脇を固められる黒田の姿は、まるで“囚われた宇宙人”のようであった……。
閉じる 最初にゴモラ、佐藤、ジャイアント・バボが登場。ゴモラはカメラに吠えまくり、力強さを誇示する。続いて困惑した表情の黒田がErica&マーガレットとリングイン。
先発のゴモラは胸筋を動かし、臨戦態勢十分だ。ハッスル軍の方はというと、「誰がゴモラに立ち向かう」のか困惑している様子。無理やりな形で黒田が先発となってしまった。
両者はロックアップからスタート。黒田は簡単に投げ飛ばされてしまった。それならば、と黒田はラリアットとチョップを見舞うが、ゴモラには通じない。またもやふっ飛ばされてしまい、黒田はたまらず場外に逃避した。
強さを観客にアピールし、油断しているゴモラに対して黒田はドロップキックを放つ。ゴモラを救出しようと黒田を羽交い絞めにした佐藤。そこへバボがトーキックで襲い掛かったが、黒田は寸前で避け、佐藤に誤爆してしまった。
ここでまたもやゴモラ登場。ゴモラは強い。強すぎる。ハッスル軍のセコンドにいた中村カントクは知恵を絞り、ドーベルマンのDNAを持つゴモラの好物である骨を黒田に手渡し、それを使うように指示した。
一瞬緩んだゴモラだったが、黒田を攻撃。試合の主導権を佐藤へつなぐ。そして佐藤は片エビ固めを黒田に決める。黒田はたまらず「たすけて〜!」の悲鳴。
次にバボが引き継ぎ、ドロップキックで追い討ちをかける。さらにバレーボールの詰まった袋凶器を持ち出し、振り回しながら黒田を痛めつけた。そしてErica&マーガレットも追い払う。
ゴモラがリングイン。エルボーから滞空時間の長いブレーンバスターで黒田を徹底的に痛めつける。救助しにきたEricaとマーガレットは平手のペチペチ攻撃で応戦するも全く意味なし。
怒ったゴモラはタックルを見舞い、簡単に3人をふっ飛ばした。
佐藤は黒田をコーナー最上段に固定してブレーンバスターを狙うも、黒田が哲チャンカッターで切り返し。援護するようにErica&マーガレットがダブルで佐藤にショルダータックル! そしてサンドイッチ・ラリアットからツープラトンのブレーンバスターへ。
勝算ありに見えたのだが、ゴモラが絶妙なカット。流れを変えるかのようにゴモラがEricaにサイドスープレックス。
「太刀打ち出来ない」と見た黒田は、犬の大好きなおもちゃであるフリスビーを手にし、観客の方に投げた。するとゴモラは案の定、慌ててフリスビーを追いかける。
ここぞとばかりにEricaはバボに一斗缶攻撃から裏拳! そして、ダウンしたバボへマーガレットがダイビング・ボディプレス、Ericaのダイビング・エルボーがグサリ!
そのまま追い討ちをかけることもなく黒田がフォールに入り、カウント3を奪った。
試合に勝ったEricaは、来月の後楽園大会でハッスル・スーパータッグベルトの防衛戦をやることを宣言。しかし、「イケメンとやりたいわ〜」と無理難題を言うではないか!
イケメンの声に反応した黒田は「自分が挑戦してもいいですか?」と名乗りを挙げる。しかしEricaは「あなたとはやらないわよ。黒田さんとは友達以上にはなれないわ」と断固として拒否。Ericaとマーガレットのタイトルマッチは防衛を目的とするのではなく、“イケメンとの出会い”を求める重要な闘いなのだ。「イケメン待ってます!」会場にいたファンにも呼びかけ、Ericaとマーガレットは颯爽と引き揚げたのだった。
7分11秒 情熱の赤い魂
突如として反旗を翻したニューリン様に、アン・ジョー司令長官と島田二等兵は困惑気味。島田二等兵が「ニューリン様、本当にハッスル軍に行っちゃうのかな。そんなの嫌ですよ」と泣きつけば、アン・ジョー司令長官も「ニューリン様は、あの顔に傷をつけたのが高田総統だと言っていましたが、ミーはそれがどうしても信じられまセ〜ン」と首をかしげる。そんなモンスター軍の緊急事態に登場したのは、高田総統! …ではなく川田総統代行だ。
今日もばっちり総統スタイルを決める川田総統代行は「平日の夜にも関わらず、仕事も勉強もそっちのけの下々の諸君。我こそが高田モンスター軍総統代行川田だ!」と高らかに叫べば、アン・ジョー司令長官と島田二等兵の忠告を無視し、言葉を続ける。しかし今日の川田総統代行はいつもとは一味違う。ニューリン様問題にゆれるアン・ジョー司令長官と島田二等兵に「貴様らは、本当にニューリン様が裏切るとでも思っているのか? 我がモンスター軍の鉄の結束が崩れるとでも思っているのか? 私が言いたいのは、もっと自分たちの仲間を信頼しろということだ。分かるだろう?」と、珍しくまともな言葉を告げる。するとこれまで川田総統代行に否定的だったアン・ジョー司令長官と島田二等兵も「司令長官、ニューリン様が僕たちを見捨てるわけないじゃないですか!」(島田)「イエス! モンスターKもたまにはいいこと言いますね!」(アン)と、川田総統代行の言葉に大きくうなずくのであった。
と、ここでやめておけばいいものの、川田総統代行はやはり川田総統代行だった。アン・ジョー司令長官と島田二等兵を手なずけたと見るや「『たまに』はとは何だ! 『たまに』はとは! まあ、いい。分かればよい。そこでだ、今日こそはこの代行の私がオープニングを務めさせてもらおう」と、やはり高田総統不在をいいことに、オープニングを締めようとする。しかもこの日の川田総統代行はサングラスを外し、「えー、聞いてください。2分だけ時間を下さい」と、高田総統の古くからの友人である高田延彦・PRIDE統括本部長のモノマネを始めるではないか。一度火がついた川田総統代行の暴走は止まらない。「本日は、『KYORAKU presents ハッスル・ハウスvol.17』にご来場、誠にありがとうございます」と、四方に礼をすると「モンスターK、やっぱ強いわ」と続けた。モノマネもばっちり決まり満足気な川田総統代行。するとそこに「何してんの?」と、怒りを通り越してもはや呆れ顔の高田総統が立っている。そして川田総統代行を、「おい、モンスターK。お前は、一体どこへ向かおうとしているんだ? それに何度言わせたら分かるんだ。オープニングはな私が仕切るんだよ。この私が。向こうへ行け!」と一喝するのであった。
ようやく自分がオープニングの主役を務めることとなった高田総統は「全く、油断も隙もないやつだ。さて、暇でもてない下々の諸君。お見苦しいものをお見せしたな。我こそが高田モンスター軍総統高田だ」といつもの挨拶。そして「ハハハハ! 今宵も我がモンスター軍最高の宴を心ゆくまで堪能してくれたまえ」と高笑い。高田総統は第1ハッスルに出場する恐・イタコに対し「今日は私にとって、1つの念願が叶う素晴らしい日なのだ。なぜならば、本日トップバッターで登場する青森のイタコモンスター、恐・イタコはこの日の為に、この私が恐山まで出向き、誕生させたといってもいいからだ」と言葉を送り、「勘の良い諸君なら、もう分かるだろう?」と不敵な笑みを浮かべる。そして「恐イタコよ。あの生意気極まりないハッスル仮面と下々の諸君の度肝を抜いてくれ!」と、大きく右指を回しビターンを注入しようとするのだが…
それを阻止するように川田総統代行が高田総統のすぐ隣に立っている。そして高田総統がビターンをやりづらそうに川田総統代行を睨みつけると、この隙をついて川田総統代行はちゃっかり代行ビターンを決めてしまう! 得意気な川田総統代行を見つめ「やっちゃったよ…」と、ポツリとつぶやく高田総統だった。
恐・イタコを先頭に、赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛が登場。果たして今宵、イタコはどのレスラーの魂を自らに降臨させるのか!? ハッスル仮面は橋本のトレードマークである鉢巻を巻いての登場だ。
閉じる 試合開始のゴングがなり、イタコがレスラーの霊を降臨させようとすると、いきなりドロップキックを見舞ってそれを阻止するイエロー。ヒーローにしてはあるまじき卑怯な攻撃である。しかしそんなハッスル軍に天罰が下ったのか、リング上では横浜大会に引き続き、ブルーが赤鬼雲と黄鬼蜘蛛に捕まるという展開に。赤鬼蜘蛛のスリーパーでスタミナを奪われ、黄鬼蜘蛛のストンピングでダメージを受けると、コーナーに逆さまに貼り付けにされ、赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛のダブルのドロップキックを顔面に受けてしまう。ここで再びイタコが登場し、レスラーの魂を降臨させようとするのだが、またしてもイエローがドロップキックを見舞ってそれを阻止。二度続けての卑怯な攻撃だが、正義のためならいたしかないところか。しかしこれでは赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛の連携を崩すことができず、ブルーのロンリーファイトは続く。
ここでブルーが身軽さを駆使し、赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛にボディプレスを決めて脱出。代わって入ったイエローが赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛の二人を同時にブレーンバスターで投げ捨てると、赤鬼蜘蛛をボディプレスで投げ捨て、トップロープへと上った。しかしイエローのこの攻撃を黄鬼蜘蛛が得意の糸攻撃で阻止、さらに赤鬼蜘蛛がブルーに糸攻撃を見舞い、リング上で闘うことができるハッスル軍はレッド一人になってしまう。
そしてここで満を持してイタコが登場! 天に向かって祈りをささげれば、何とのあの橋本真也が降臨! 場内からは大・橋本コールが巻き起こるのだが、ハッスル・キングの魂を降臨させたイタコの標的は。当然のごとくハッスル仮面ではなく、モンスター軍の赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛。セコンドの島田二等兵の制止を無視し、イタコは赤鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛に袈裟斬りチョップ、ニールキック、重爆キック、DDT、水面蹴りと橋本の得意技を連発する。これで二匹の蜘蛛モンスターはぐったりとなり、最後は漁夫の利とばかりに、レッドが赤鬼蜘蛛にシューティングスタープレス、“情熱の赤い魂”を決めて、3カウントを奪った。相変わらずの会場の人気を見せたイタコだったが、おバカさんっぷりは健在。またしても自らハッスル軍に勝利を献上する形となった。
二日前に行われた『ハッスル18』での出来事がVTRで流れて本日の予習が終了し、場内暗転。ドラムロールが響き渡る中、RGM登場! 例のテーマ曲にのってリングイン……かと思いきや、場内に響き渡ったのはスッチャカスチャスチャスッチャッチャッ♪と『笑点』のテーマである! すると、ピンスポットに浮かび上がったのは『笑点』オープニングの円楽師匠の如く、客席内に座っているRGMであった。ご丁寧に着物まで着用している。
「皆さんこんばんは、『ハッスル・ハウス』のお時間です。どうも、ハッスル最高責任者のRGMでございます。どうぞ、よろしくお願いいたします」と、低姿勢に挨拶を始めたRGMだったが、まったく面白くない小話をひとつ披露したところで場内は大ブーイングに。円楽師匠とは大違いだ。
それにもめげないRGMは、さらなる低姿勢で「この帰れコールも私が編み出したものだと考えております。皆様あってのハッスル、皆様あってのRGMでございます。客席から挨拶というのも失礼なので、リングに行かせていただきます。あ、どうもすいません。前を失礼します」と、リングへ歩を進めていった。
「笑いの聖地・後楽園ホールにこうやって着物を着て登場できて、本当にうれしゅうございます」などと言いながらリングイン。ところが、RGMは一転して「あらためましてこんにちは〜! RGMで〜す!」といつものノリに戻ってしまった。「帰れコール」にのって「帰れラップ」を披露するなど、傍若無人の限りを尽くす。
「さっきそこに座っていたんだけど、夏のプヲタは臭くてしょうがないな、何年前のプロレスTシャツ着てるんだ!」とプロレスファンの反感を買うと、「このお笑いの聖地・後楽園ホールでRGMによる『一人大喜利』をやりま〜す! ワンマッチ興行ならずワン大喜利興行で〜す!」と座布団を用意し、その上に座るRGM。誰もアンタのネタなど聞きたくないって! 当然の如く、場内は「帰れコール」とブーイングの嵐。しかし、そんなことでめげるRGMではなかった。
何事もなかったように「オーケーオーケー、それではまず最初のお題。ハッスルで『あいうえお作文』いきまーす! まずは、ハッスルの“は”!」と、大喜利ネタを始めようとしたが、場内は暗転して対戦カード発表VTRへ!
VTR終了後、「YOYOYO! みんな、RGMの『あいうえお作文』聞きたかったでしょう? ハッスルの“は”!」とRGMはなおも続けようとするが、場内割れんばかりの「帰れコール」だ。しかし、RGMはそのコールを受けてノリノリのダンスを披露。「いやぁ、モー娘。体操を踊ってしまいました〜。これから2時間、RGM大喜利をお楽しみください」とまったく懲りずに続けようとするRGM!「“つ”、ツムラは最高!」と全然、面白くない。
すると突如、神が降臨した! ビジョンに「これより、RGM強制退場システムを発動します」のお知らせが流れ、「お客様の帰れコールがMAXに達したらRGMは強制退場となります。皆様のご協力をお願いします」とのアナウンス。場内は待ってましたとばかりに大・帰れコールである。
盛り上がっていく観客の「帰れコール」と共に、ビジョン内のグラフが徐々に上昇。RGMはコーナーに登って腰を振りつつダンス、観客に媚びるが、そんなものでファンの心は動かせない。メーターがとうとう真っ赤になってしまった。
メーターがMAXに達した瞬間、ファンファーレと共に屈強な“強制退場チーム”がリングインし、哀れRGMはリング下に突き落とされ、手足を持たれて強制退場となってしまった。めでたし、めでたし。
それでは、『ハッスル・ハウスvol.17』いよいよスタート!!