「オッケ〜! ハッスル軍が勝利しましたけど、高田総統、約束守ってもらいましょうか〜! 約束どおり『ハッスル・マニア2006』は、私VSスペルマンサーでのローションTバックマッチで決定ですね!」
イリミネーションマッチで決勝フォールを奪ったHGが、高らかに宣言する。しかし、ニューリン様が待っただ!
「ちょっと待て、HG! アタシはな、高田のヤローに傷の恨みがあるんだよ。だからアタシが行くよ!」さらに待ったをかけるのは小川だ。「HG、ご苦労さん。後はキャプテンの俺に全部任せろ。俺はな、この2年10ヶ月、ずっと高田と闘うためにハッスルしてきたんだよ。だから、こればっかはお前に譲るわけにはいかねえんだよ」と、HGを労いながらも固い意志を見せる。
小川の言うことにも一理ある。が、HGは「セイセイ。私が勝ち残ったんですよ」と譲らない。しかし、小川の決意はゲイよりも固かった。「セイもへったくれもねぇ! これはキャプテン命令だよ! おい高田! 時間がかかったけどよ…やっと、ここまでたどり着いたぞ。今さら逃がさねえぞ!」と宣戦布告!
その時、ビジョンに高田総統が現れた!
「チキンに腰フリ、そしてニューリン! なぜ、キミたちはそうまでして、たった一つの命を粗末するんだ? 仕方がない、私は約束を守る男だ。来月の『ハッスル・マニア2006』でエスペランサーを降臨させてやろう。ただし、対戦相手はこちらで選ばせてもらう。誰と闘うかは、これから直接、エスペランサーが教えてやる…ハイパービターン!」
場内が暗転し、『トレーニングモンタージュ』の曲が流れ出す。高田総統の言っていたビッグサプライズとは、エスペランサーを名古屋のリングに登場させることだったのだ!
スモークが消えると同時に、ガウンを羽織ったエスペランサーが登場! そのままゆっくりとリングに向かって歩いてくる。途中で、フードを取り、ガウンを脱ぎ捨てた。間違いなく、あのエスペランサーだ。ターミネーターのように首をカクカクと捻る動きをしながら、リング上にいる小川、HG、ニューリン様を睨みつける。
ついにエスペランサーがエプロンに立ち、ハッスル軍と対峙。震えてビビリまくるTAJIRI。怖さのあまり大谷の足にすがりつく。
「スペルマンサー、私とプレーしましょうよ」(HG)「私がやるんだよ! 傷の恨みがあるんだよ! テメェ、絶対に許さねぇからな!」(ニューリン様)「おい、俺と勝負だろ?」(小川)それぞれが対戦をアピールする中、エスペランサーは値踏みするように首をカクカク動かしながら三人を眺める。
そして……ゆっくりと、あの空気ビターンをやるかのように腕を伸ばすエスペランサー。思わず警戒するハッスル軍。しかし、そうではなかった。どうやら対戦相手が決まったようである。エスペランサーは、まずニューリン様を指差す。が、そのまま指は横に。やはり小川か? しかし、そのまま指は横へ向かっていき、HGに狙いを定めた。エスペランサーの指が“カモーン”と動く!
「私ですか? オッケー! 素晴らしいですよ。もう股間がまんじるつゆだくですよ」と、大喜びするHG! 小川はロープにもたれかかってガックリ、ニューリンも気が抜けたようだ。
HGはゆっくりと前に出て、エスペランサーとフェイストゥフェイスに。喜びを隠し切れず、今にも食いつきそうな顔のHGに対して、エスペランサーは何の感情も表に出さず、再び流れ出した『トレーニングモンタージュ』で退場していった。
スモークの中にエスペランサーが消えると、再びビジョンに高田総統が現れる。
「腰振りよ。エスペランサーが指名するまでの成長ぶりは褒めてやる。いいか! 11月23日『ハッスル・マニア2006』のメインはエスペランサーVS腰振りで決定だ! もう今から、取り消しはきかんぞ。ひとついっておくが、エスペランサーが次に登場する時は、さらなるスケールアップをしている。今さらビビッてたじろいでも遅いぞ、腰振りよ。おとなしく新婚生活を楽しんでいればよいものを…まあ、残り少ない人生をせいぜい大切に生きたまえ。それでは、下々の諸君。『ハッスル・マニア2006』を楽しみにしていてくれたまえ。バッドラックだ!」
総統が消えると、ニューリン様が緊張した面持ちでHGに語りかける。「おい、HG。アタシはモンスター軍にいたからわかるけどよ、エスペランサーはマジ、シャレになんねえぞ。覚悟は出来てんだろうな?」
TAJIRIも続く。「そうですよ。そのとおりですよ。ニューリン様のおっしゃるとおりですよ! 僕は世界で唯一、エスペランサーと闘ってますから、あいつの怖さがよくわかるんですよ…。あー、思い出しただけで怖くなっちゃう。ニューリン様、たすけてーっ!」と、どさくさ紛れにニューリン様に抱きつこうとしたTAJIRIだったが、あっさりと鞭で返り討ちにあってしまった。そんな中、ガックリとうなだれてロープにもたれかかったままの小川。これまでの2年10ヶ月は何だったのか…という思いだろう。フラれてしまったも同然だ。
「キャプテン、キャプテン! 落ち込むのはわかるけど、HGに決まった以上、全員でバックアップしてやろうよ」と元気付けるのは大谷だ。「HG、俺は高田総統を追い続けて頑張ってたキャプテンをずっと見てきた。だから、『ハッスル・マニア2006』はキャプテンの分まで頑張ってくれよ!」と激励。
小川は「エスペランサーめ。俺からビビッて逃げやがったな! ま、そういうことならしょうがねぇ。HG、頑張れよ!」と意外と開き直りも早い男だった。
小川からの激励も受けたHGは、「オッケ〜、ありがとうございます! 夢のようです! 私の股間のスペルマンサーも早く出たがっていますよ〜。私のハードゲイ人生をかけて、スペルマンサーと世界中のハードゲイたちが身震いするような、凄い試合をお見せしたいと思います!」と意気込みを語った。
「マニアまではハッスル軍全員でHGをサポートして、特訓に入ろう」と大谷が提案。TAJIRIはビビりながらも、「はい、ボクもトラウマになるくらいエスペランサーは恐ろしいですけど、思い出して弱点を見つけるように頑張ります」と協力を約束した。
「ありがとうございます。会場にバッチコイして、ぜひ生で観戦してください。皆さん、11月23日は横浜アリーナに応援しに来て下さい! よろしくお願いします」と、改めてファンに意気込みをアピール。ファンも大歓声で応えた。
「では、最後にいつものヤツで締めたいと思うので、アソコ以外、立ってください。あそこはセイですからね」と観客を起立させ、「スペルマンサーを必ずぶっ倒しますから! それじゃあ、『ハッスル・マニア2006』は命がけでハッスルするぞー! いくぞー! スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! フォー!!!」と力強く10月シリーズを締め括った。
いよいよその全貌が明らかとなってきた『ハッスル・マニア2006』。カイヤ参戦、えい子参戦(?)、そしてHG対エスペランサー決定と、日本プロレス界の歴史を塗り替える予感が漂う…。
○HG(4分23秒 OTR)ザ・モンスター℃×
○“キャプテン・ハッスル”小川直也(6分26秒 STOボンバー)ジャイアント・バボ×
○“モンスターK”川田利明(9分06秒 ラマヒストラル)ニューリン様×
○“ハッスルあちち”大谷晋二郎(10分30秒 横いり式エビ固め)“モンスターK'”佐藤耕平×
○“モンスター大将”天龍源一郎(11分10秒 サンドイッチキック→片エビ固め)“ハッスルあちち”大谷晋二郎×
○“キャプテン・ハッスル”小川直也(15分23秒 OTR)“モンスター大将”天龍源一郎×
○“モンスターK”川田利明(15分27秒 OTR)“キャプテン・ハッスル”小川直也×
○“モンスターK”川田利明(17分10秒 パワーボム→エビ固め)TAJIRI×
○HG(17分28秒 コマラブリッジ)“モンスターK”川田利明×
モンスター軍の司令室では、相も変わらずアン・ジョー司令長官と島田二等兵が密談を繰り広げている。
「司令長官、大阪のモンスターKはホント、ヒドかったですね…」と島田。「イエース! ミーがモンスターKの立場だったら、死にたいデース!」とアン・ジョーが相槌を打つと、島田は「今まで築いたものが、全部崩れ落ちましたよ」と言って二人で川田を笑いものにする。
「おい! 何が崩れ落ちたって?」と川田が登場すると、「あ、モンスターK。いえ、こっちの話です」(島田)「そうデース。モンスターK! 大阪の恨みは名古屋でリベンジデース!」(アン・ジョー)と誤魔化す二人。
「あたり前だろ! でもな、大阪以来、なんか、股関節が調子よくなったんだよ!」と、川田はM字十字架の意外な効果になぜか満足そう。二人の目の前でストレッチを始める。
そこに高田総統が現れ、「股関節がどうしたって?」。モンスター軍は地獄耳が多いようである。
「あ、総統! こっちの話ですよ。そんなことより、俺はもう失うものはないんですよ。今日はあいつらに、俺と天龍さんの合体攻撃をこれでもかってくらい食らわせてやりますよ」と上手く誤魔化す川田。
「ところで大将はどうした?」総統の問いにアン・ジョーは「ハイ。控え室で髪をセットしていマース。今日は、いつもより巻きがきつめデシタ」と、プチ情報を披露する。
「大将も相当、気合が入っているようだな。尾張名古屋は城でもつ、と言うが、我がモンスター軍の城が揺るがぬよう、ハッスル軍を完膚なきまでに叩き潰してくるがよい!」と総統は満足。「ビターン!」でモンスター軍選抜メンバーを送り出した。
一方、ハッスル軍の控え室ではメンバーがウォーミングアップに余念がない。HGは大谷にタックルの打ち込みをしているが、顔が大谷の股間に…。「おい、低すぎるぞ」と注意する大谷であった。その傍らでは、ニューリン様と初タッグを組めて嬉しいTAJIRIが、ニューリン様の相手を務めるも鞭で打たれるだけだった。
そこに、キャプテン・ハッスル小川が登場。「よし、準備はいいか! 今日勝てば、あの高田総統の化身といわれるエスペランサーをリングに引っ張りだせる。こんなチャンスはめったにねぇぞ。でも、その前にあの天龍のクソジジイを倒さなきゃ先はねえからな。皆、頼んだぞ!」とメンバーに気合をいれる。
大谷がこれに熱く応える。「任せてくれよ。天龍は俺が真っ向勝負でぶっ潰してやるよ!」。
すると不安そうな顔したTAJIRIが、「あの〜、もし僕らが勝って、エスペランサーが出てきたら誰が闘うんですかね? 言っときますけど、僕は絶対嫌ですからね!」と断固拒否。いまだにエスペランサーにやられた心の傷が癒えてないようである。そんな情けないTAJIRIを、ニューリン様が鞭で引っぱたく!
「アタシが最初に行ってやるよ!」とニューリン様が打倒エスペランサーに名乗りを挙げるが、HGも「セイ! ここは私に筆おろしさせてくださいよ!」と申し出る。だが、小川は「おい! 前にも言ったけど、それはキャプテンが決めることだよ! もし勝って、エスペランサーが出てきたら俺がいく」とキャプテンの強権発動だ。
HGとニューリンが反論するが、小川はそれを遮り、強い口調で「俺が行くって言ったら俺が行くんだ! 文句は言わせねえぞ。いいか、これはキャプテン命令だ!! これに従えねえヤツは、ハッスル軍を辞めてもらう。わかったな? よし、それじゃ出撃だ!」と、エスペランサー戦に並々ならぬ意欲を見せての出撃だ。
HGは「いくらキャプテンでも、それはセイでしょ……」と愚痴をこぼす。同じく納得いかない表情のニューリン様に、TAJIRIが「あの、ニューリン様。時間がないのでそろそろ変身しないと。お手伝いしましょうか?」と話しかけるも、「うるせぇよ!」とまたも怒りを買って鞭で打たれるだけだった。
閉じる オーバー・ザ・トップロープが採用されることが発表され、戦闘開始のゴング。5人がいきなり組み合うも、それを制して先発は小川と天龍!
逆水平の応酬から、天龍が相撲チョップ、コーナーに押し付けての逆水平を見舞うと、モンスター軍が次々と小川を攻撃。小川は天龍のラリアットをかわすと、なんとニューリン様にタッチ。
睨み合う二人。天龍は鞭攻撃を喰らうと逆水平を見舞おうとするが、やはりためらう。別の人間にタッチしようと後ろを向いたところで、ニューリンの鞭攻撃!
大谷とバボにタッチ。バボは佐藤と大谷をブレーンバスターに抱え挙げ、なが〜い滞空時間から叩きつける。そしてモンスター℃にタッチ。大谷とモンスター℃はビッグブーツの応酬、大谷がバックドロップでTAJIRIに繋ぐ。
TAJIRIは華麗な技でモンスター℃を圧倒するが、モンスター℃は「シー!」の掛け声と共にキック&パンチで大逆襲。しかし、「シーーーー」をあまりにも溜めすぎたためTAJIRIに逆襲される。タッチを受けたHGはハイアングルのニールキック、そしてロープ際でモンスター℃にドロップキックを決めて、モンスター℃をトップロープから転落させる! 最初の脱落者はモンスター℃だ。
代わったTAJIRIがバボと対峙。バボはハイアングルのジャンピングスパイク。TAJIRIは小川にタッチ。バボは小川に急所攻撃からバレーボール攻撃。だが、天龍に誤爆してしまった。動揺するバボに小川がSTOを決めて3カウントを奪い、早くもモンスター軍は二人目が脱落。
小川と天龍。小川は天龍を払い腰で投げるとニューリン様にタッチ、出てきた川田へ鞭打ちの刑だ。が、川田は鞭を奪い取ると、ニューリンの両足を後ろから抱え挙げ、M字ポーズをとらせてリング四方へ見せ付ける。しかし、これが油断になった。HGが救出に入り、ニューリンとHGがダブルのアームブリーカー(HGは腰振りのおまけ付き)、さらに両足を大きく広げられる恥ずかし固めに捕らえられてしまった。
HGとニューリン様の合体スタナーから小川がSTO、大阪と全く同じパターンでニューリン様がM字フォールに入るが、今回は川田が回転エビ固めに返す。それを引っ繰り返す小川とHG。さらに川田が回転エビ固めに返してカウント3を奪い、大阪での借りを返した。
佐藤が大谷をパイルドライバーなどの大技連発で痛めつけ、必殺のジャーマン! ところが、大谷は空中でクルリと回転、着地するとスクールボーイで丸め込んで3カウントを奪った! しかし、その直後に天龍と川田が大谷へダブルの延髄斬りで3カウントを奪う。
天龍とHG。HGがエルボーを見舞うと、ハッスル軍全員が天龍にエルボー弾。さらにHGが小川のアシストを受けて雪崩式のフランケンシュタイナー! そしてなんと、レジェンド天龍に尖った股間を突き刺すPWだぁ! 怒りの天龍が逆水平を見舞って川田にタッチ。川田はHGを起き上がりこぼしチョップで痛めつけると、HGの命である腰を集中攻撃。ストンピングからロメロスペシャル! これはTAJIRIがカットして、HGは何とか命拾い。
天龍にタッチ。天龍がHGにグーパンチを見舞い、ラリアット! カウント2.9で小川がカットに成功する。完全にダウンしてしまったHGを無理やりコーナーへ引きずって小川がタッチ。そして天龍をトップロープから投げ捨てる! が、その直後に川田がラリアットで小川を転落させてしまった!
残るはハッスル軍がTAJIRI、HG。モンスター軍は川田ただ一人! 川田はTAJIRIを抱え挙げてパワーボムの体勢に入ったが、TAJIRIがフランケンシュタイナーで川田を投げる。が、その直後にTAJIRIを川田がソバット、再び滞空時間の長いパワーボムでカウント3を奪う。
するとそこへニューリン様が乱入だ。コーナー最上段から川田にダイブしたニューリン様は、両足で川田を挟んで股間で目隠し。川田はニューリンをパワーボムの形に抱え挙げたが、そこへTAJIRIがグリーンミスト! ニューリン様が川田をM字の下敷きにし、すかさずHGがジャックナイフで川田を固めた。カウントは3! HGとニューリン様が生き残り、ハッスル軍が勝利した!
11分55秒 3D
これまで男子を相手に堂々の勝利を収めてきた、ハッスル・スーパータッグのチャンピオンチーム乙女軍。しかし、今日の挑戦者は世界最強のハードコア軍団チーム3D。かつて苦杯を舐めさせられている相手である。そして、狂犬チームのソドム&ゴモラも! 今回のタイトルマッチはGMWの思い付きにより、3軍入り乱れての3WAYマッチで行われる。
「大和撫子の強さをたっぷりと教えてあげるわよ!」と大阪で宣言した乙女軍団だが、この強敵2チームを相手にベルトを守りきることが出来るのか!? 今宵、ベルトを巡り地上最大の肉弾戦が繰り広げられる!
リングにはまず、挑戦者2チームが登場! お互いに四つん這いとなって激しい睨み合いを展開する! 乙女軍団はにこやかな笑顔を浮かべ、観客に両手を振りながらなぜか余裕の入場だ。リングに登場すると、大男たちに囲まれてErica&マーガレットの巨体も小さく見える。
閉じる 先発はEricaとババ・レイ。ババは自分のコールを強制するが、Ericaコールが大きいと見るや、自分でEricaコールを煽る。これに狂犬チームが「バウワウ!」と吠えると、ババは「ニャー」と猫の鳴き声で挑発。
試合が始まると、Ericaとババの試合になるかと思いきや、ゴモラが不意を突いてババに襲い掛かる! しかし、ババが大技を連発して度々フォールの体勢に入るが、フォールを奪われると勝者にタイトルが移動してしまうため乙女軍がカットに入るという不思議な展開に。
粘るゴモラに対してババはディーボンと何やら耳打ちすると、相撲の仕切りからゴモラへ相撲タックル! ディーボンとの合体タックルでゴモラを吹っ飛ばすと、二人でダブルラリアットに行こうとするが、逆にゴモラがダブルのラリアットで吹っ飛ばした! リング上で入り乱れる3Dと狂犬チーム。乙女軍は「やれ! やれ!」と煽って潰し合いをさせようとしたが、あまりにもはしゃぎすぎたため気付かれてしまった。
リング内に引きずり込まれる乙女軍。四人の巨人から次々と攻撃を加えられるが、同士討ちを誘い、凶器攻撃で3Dを蹴散らす。さらに狂犬チームに同時スティンクフェイス、返す刀でババ・レイに二人がかりでブレーンバスター! だが、ディーボンのラリアットで失神してしまうマーガレット。Ericaが捕まり、狂犬軍団の合体ドロップキックでやはり失神!
ババがマーガレットの両足を広げて、そこへディーボンのダイビング・ヘッドバット! 股間を直撃されてなぜか悶絶するマーガレット。3Dは机をセットしてトドメに行こうとしたが、ここで乙女軍が逆襲! ラリアットで吹っ飛ばす。すかさずコーナー最上段に上がる乙女軍だったが、狂犬チームが邪魔をする。その隙に回復した3Dが狂犬軍団をリング下へ投げ飛ばすと、乙女軍を捕まえてEricaにゴミ箱攻撃、マーガレットを机へ直撃のパワーボム! そして、Ericaを捕まえて必殺の3Dだ!! カウントは3! 乙女軍、ついに王座転落! チーム3Dがハッスル・スーパータッグ選手権を奪取し、ベルトは初めて海外へ流出することになってしまった。
試合後には恒例の“サイン入り机プレゼント”の儀式。黄色いTシャツを着た男の子が選ばれると、3Dは「ユーがワールド・チャンピオンだ」と二本のベルトをプレゼント! 次回からこの男の子、“ゆーじ君”がハッスル参戦かと思わせておきながら、写真撮影後はベルトを剥奪するチーム3Dであった。
ベルトを奪取して大喜びのチーム3Dは、女の子のファンの膝に座ったり、足を触ったりとやりたい放題! チーム3Dにとって18本目のベルトをアピールして、姿を消していった。
果たして、このチームを破ってベルトを日本に取り戻せるチームはいるのか?
13分53秒 爆YAMAスペシャル
GMW坂田は先の『ハッスル19』で、『ハッスル・マニア』でのザ・エスペランサー戦を実現するために、“モンスター大将”天龍源一郎との一戦に臨むも惜敗。当初、『ハッスル20』ではGMとして祝賀ムードの中でド派手な凱旋試合を行う予定だったが、この敗北によりGMの権威を問われかねない危機に面してしまう。
今回のハードコアマッチは坂田にとっては仕切り直しとなる一戦、果たして地元に錦を飾ることが出来るか? しかし、ひとつ問題は自軍チームにRGを組み入れてしまったこと。負のオーラをまとった“ハッスルの下げチン”RGだけに、なんともヤな予感がするが……。
金村&田中&黒田のハッスルハードコアブラザーズは、入場で手を上下に動かす新バージョンのブリブラダンスを披露、今日も息はピッタリである。会場は大いに盛り上がり、RGでは間違っても生み出せない一体感に包まれる。
続けて微妙に懐かしい「Lifetime Respect」のリズムに乗って、憎たらしい振り付けでRGが単独入場、万人が生理的に受け付けないこと必至の存在感を解き放つ。「どーもー、RGでーす!」とお気楽に挨拶するも場内はブーイング。試合をやる前から「帰れコール」が巻き起こる始末。
RGは負けずに「今から、私が補佐官を勤めるゼネラルマネージャーワタル……略してGMWが登場しまーす! いいですか? GMWが登場した暁には、GMW! とコールをして下さい!」と煽るが、場内は「GMW」コールではなく「帰れコール」。めげないRGはたくましく何度も「GMW!」コールを煽るも客のレスポンスはやっぱり「帰れコール」、このカリスマの無さは半端じゃない。
やむ無くRGが坂田を呼び込むと、坂田は“GMW”コールを繰り出すミニスカート姿が眩しい大勢のギャルをハーレム状態ではべらせながら、崔を引きつれて入場。GMの職権乱用にしろ、なんともうらやましい限りである。
閉じる 開始ゴング前から身の程をわきまえず相手を挑発するRG。気がつくと坂田と崔はコーナーに引っ込み、あわれRGは先発を買って出ることに。
RGは田中の胸板におそるおそる張り手を見舞うも、自分の手を痛めるという情けなさ。力比べを挑んでも一瞬にして組み伏せられてしまう。「無理! 無理!」と悲痛の声をあげ自軍コーナーに戻りタッチを要求するも、坂田も崔も素知らぬ顔。するとRGは「ギブアップしますよ!?」と、どうしょうもないアピール。
見かねた坂田がRGの頭をはたいてようやくリングイン。坂田は田中と逆水平チョップのハードヒット合戦から、キレのあるニールキック。続けて崔にタッチするも、田中はコーナーに崔を追い詰めジャンピンエルボー。そのまま自軍コーナーに引きずり込んで黒田にタッチ。黒田は崔のミドルキックで形勢を逆転されるも、リング下に上手く逃げこんで崔の足を捕獲。お馴染み「もういっちょ♪」の掛け声に乗り、崔の足をコーナーに叩きつける。
続いてRGが本日2度目の登場。黒田に対して腰の入ってないストンピング、スナップの効いていない張り手を繰り出すが、黒田に凄まれると弱気に。黒田に代わってリングインした金村は、そんな弱者であるRGに対して優しく置くようなボディスラム。しかし、続いての2発目は無慈悲に、強烈にお見舞い。リング外に放り投げられたRGは長机で攻撃され、シャレにならない瀕死の表情。
両軍入り混じっての場外戦ではハードコアブラザーズが優位に立つ。RGはリングサイドに設置された長机の上に捕獲され、金村のトップロープからのダイビングボディプレスを喰らう。その衝撃は机が真っ二つになるほど。続けてRGが花道に連れ出され、黒田の助走つきラリアット……と見せかけ、立ち止まっての地味な目潰し攻撃に悶絶。段々と素人相手の公開処刑の趣に。
なおも捕まるRGはリング上でコーナーに追い詰められると、長机攻撃を股間にダイレクトにくらう。金村のブレーンバスターでもはや万事休すかと思われたが、RGはなんとカウント2で肩を上げる。これには仕掛けた金村も思わず拍手。
ようやく危機を切り抜けたRGは坂田とタッチ、坂田は金村にドロップキックで反撃。続いて崔が黒田をキックの乱れ打ちからノーザンライトスープレックスに決めるも、惜しくもカウントは2。反撃の黒田は「哲ちゃんカッター」を狙うが、粘る崔が逆に雪崩式ブレーンバスター。続けざまに坂田は黒田にパワーボム、大の字状態の黒田に崔がフットスタンプ。
すると「オレにもやらせろ」とばかりにRGがトップロープからヒップドロップを狙うも、あっさりかわされる。とどめとばかりに田中が得意の白いギター攻撃をRGに狙うが、崔が田中の足をリング下から引っ張って阻止。その間にRGはヘルメットを装着、田中がギターで殴りつけたが見事に防御した。
そのままRGはヘルメット着用ヘッドバットで田中と黒田を蹴散らすが、金村にはヘルメットを外され逆に頭突きをくらう。最後は金村のトップロープからの全体重を預けた爆YAMAスペシャルによって、あわれRGは昇天。そのままパンツを脱がされ、RGは見るも無残な赤フンドシ姿をさらす。
その姿を見下ろしながら、坂田は「おら貧乏芸人! 俺サマの凱旋試合、台無しにしてくれたなコノヤロウ!」と、自分がRGを自軍に組み入れたにも関わらず責任転嫁の叱責。続けて、「お前らこんなことで俺サマのGMの権限が下がると思うなよ! エスペランサー戦もキャンセルになったことだしな、俺サマの対戦相手を世界中から募集する。団体は一切問わない、オレに挑戦したいやつはどんどん名乗りを上げろ!」と、敗北を喫したにも関わらず俺サマ節全開で、来たる『ハッスル・マニア』での対戦相手を公開募集。リング上に赤フン姿の坊主頭を取り残して、意気揚々と帰っていった。
“brother”YASSHI○
with
TARU
5分44秒 ジャーマンスープレックスホールド
KUSHIDAに続く第2号ハッスラーのデビュー戦。一般公募で決まったリングネームを背負って初試合に臨むのは、石井千恵改め「\(^o^)/チエ(ばんざい・ちえ)」だ。チエは名古屋の名門・中京女子大レスリング部出身、今年大学卒業と同時にハッスル練習生に。プロレスの練習に励むかたわら、レスリング全日本社会人選手権優勝を飾るなどの実績を誇る、ハッスル期待の新人である。
当初、対戦相手には元WWEのスーパースターチームである3Dのスパイクが予定されていたが、諸事情で急遽来日が中止に。この緊急事態にチエは「おい、スパイク。わたしに負けるのがこわくて逃げたかこのやろー。(誰と闘いたい?)だれが来てもぎたんぎたんにしてやります」と、若干間抜け声で棒読みコメント。いい具合に天然のエッセンスが感じられ、スターの素質十分といったところだ。
代わりの対戦相手に名乗りを挙げたのは、極悪ヒールユニット「ブードゥーマーダース」の“brother”YASSHI! 口から産まれたかのような超毒舌マイクと、反則スレスレのファイトで全日本プロレスマットを中心に暴れまわる問題児である。
「おいカス野郎! 女だからカスアマか。お前の名前\(^o^)/いうらしいな、フザケた名前つけやがって! 今日のデビュー戦、引退試合にしてやろう、カス野郎! そして会場のカス野郎ども、お目々とお股開いてしっかりチェックしておけカス野郎!」と、あらん限りの罵詈雑言を繰り出す“マット界のならず者”YASSHI。
地元での記念すべきデビュー戦、チエはこの難敵をどう迎え撃つか?
閉じる リングネームにちなみ、ウルフルズの『バンザイ』のテーマ曲に乗って堂々と入場するチエ。ツノに見立てたようなヘアスタイルが小悪魔っぽくてチャーミング。リング上で恩師から花束を渡されて、より一層気合が入るチエ。リングサイドではアマレス仲間の吉田沙保里や伊調姉妹らが見守っているだけに無様な姿は見せられない。続けて登場したYASSHIはリングインするやいなやマイクで早くも得意の毒舌マイクを浴びせる。そのYASSHIを前にして目に闘志が宿るチエ、デビュー戦で大仕事をやらかすか!?
開始のゴング、YASSHIが仕掛けたタックルをチエは落ち着いて切ると首を抱えてローリング、序盤からペースを握る。続いてすかさずファイヤーマンズキャリーから袈裟固めに捕らえてアマレス殺法全開、見事な立ち上がりを見せる。
続けてスタンドでエルボーを連発するも、YASSHIは男の力を見せ付けるようにエルボー一発ではね返す。YASSHIはチエを無理矢理起こすと容赦なく強烈なボデイスラム。「なんやそのコスチューム!」と試合中も執拗に口撃を繰り返し、精神的にも追い詰めながら厳しい攻めを見せる。
場内からは自然発生的に「チエコール」が巻き起こるが、YASSHIはその声援を逆なでするように、なんとチエをコーナーに逆さに張り付けると股間に足を押し付ける暴挙! 続けざまにバンダナで首を絞め、あまりにも厳しいプロの洗礼を浴びせる。
気合を入れ直したチエはタックルでYASSHIを抱え挙げると、そのまま前方回転のバスターを炸裂! お返しとばかりにYASSHIが繰り出したラリアットを潜り抜け、見事なヘッドシザースで放り投げ、アスリートとして抜群な運動能力、格闘センスを披露する。激昂したYASSHIがパンチを見舞うも、チエは素早く交わして逆にパンチを叩き込む。
そして「バンザイ!」と叫んでから強烈な右パンチ! しかし、ここでブードゥーマ−ダーズのTARUがリング下から何事か叫ぶと、チエは気を取られYASSHIに背を向けてしまう。YASSHIはこのスキを逃さず、チエのバックを取ると高速ジャーマンでピンフォール! ブードゥーマ−ダーズのプロならではの頭脳プレイの前に、チエは敗れ去ってしまった。
試合後もなお吠え続けるYASSHIは「中京女子大はブサイクばっかりだ、カス野郎!」などと暴言三昧、TARUもペットボトルの水をリングサイドのチエのアマレス仲間に撒き散らす暴挙。YASSHIはハッスル批判も公然と口にする。
チエのセコンドについていたKUSHIDAが怒りに任せて突進するも、ブードゥーマーダーズは二人がかりで返り討ち。ハッスル史上まれにみる大ヒールがここに誕生した。
善戦空しく敗れ、悔し涙のチエは「今日は負けてしまい申し訳ございませんでした、でもここで下がるわけにはいきません。これから私がカスなどと言われないように、見ていてください。これからハッスルの舞台で沢山試合がしたいです。応援宜しくお願い致します」と健気に頭を下げる。
チエにとってはホロ苦いデビュー戦となったが、今後の活躍に期待を持てる内容だっただけに、勝利のバンザイの日もそう遠くは無さそうだ。
4分54秒 空から黄色がふってきた! モンスターバージョン
試合前のモンスター軍司令室。3日前の『ハッスル19』でモンスター軍に拉致されてしまった、ハッスル仮面の大黒柱・イエローが、あわれロープでぐるぐる巻きにされて宙吊りに……。
イエローが身動き取れないのをいいことに、島田二等兵は「『どうするどうなるハッスル仮面!?』だとよ。コイツ、これからどうなっちゃうんでしょうね〜?」とヤラしく言葉責め。イエローは激しく暴れ抵抗を見せるがどうにもならず。
アン・ジョー司令長官が「総統はなんでこんな大飯食らいを人質にしたんでショー? 食費がかさんでしょうがないデース」とボヤくところを見ると、イエローにとって命綱である食事は与えられているようである。
するとそこに高田総統が登場! 「私がイエローを預かったのは人質にするためではない! こいつの素質をモンスター軍で開花させるためだ…… ビターン!!」とビターンをイエローに注入!
「ハッスル仮面の諸君よ……キミたちに、お仲間であるイエローを討つことができるかな? ま、せいぜい頑張りたまえ!」と高田総統は余裕の高笑い。果たしてハッスル軍は、ビターンの洗礼を浴びたイエローをモンスター軍から奪還することが出来るか?
閉じる『ハッスル19』での負傷が癒えないブルーに代わって、「地球に優しい」ハッスル仮面・グリーンが久々に登場、チームリーダーのレッドとタッグを結成。対するモンスター軍はモンスター仮面のブラウン、イエローはアン・ジョー司令長官と島田二等兵に連れられてモンスター軍Tシャツを着て登場。サイズが合っていないためピチT状態になっているのが、洗脳されている悲しさに輪をかける。
その様を見てグリーンが「おいイエロー…何してるんだ? お前と闘うなんてできるわけないだろ? だって、俺たちは仲間じゃないか! 早くこっちに戻ってくるんだ、イエロー!」と呼びかけるも、イエローは全く動じず。その姿を見たレッドは「どうしちゃったんだよ、イエロー! お前は、仲間を平気で裏切るような奴だったのか? そうか、わかった! お前がそのつもりなら、俺たちが力ずくで改心させてやる!」と悲壮な決意で試合へと雪崩れ込む。
ブラウンがグリーンをリング外に連れ出し、リング上ではイエローとレッドが対峙。持ち前の身のこなしでレッドが空中殺法を仕掛けるも、イエローはその攻撃をガッチリ受け止めるとサイドバスター。続いてブラウンがリングイン、レッドは旋回ヘッドシザースで翻弄するとグリーンにタッチ。グリーンは左ミドルキックなど打撃でブラウンを追い詰めるも、イエローが乱入してリング外に投棄される。
モンスター軍は狙いをレッドに定め集中砲火。イエローはボディスラムからレッドを足で踏みつけるという非情の攻めを見せる。イエロー&ブラウンによる悪の連携の前にレッドは大ピンチ。レッドはなんとかブラウンに浴びせ蹴りで反撃、イエローには目を覚ますように詰め寄るも、イエローの答えは強烈な前蹴り! ビターンの洗脳が解ける気配は見えず……。
リング上ではグリーンがブラウンにダイビングボディプレス、キックの乱れ打ち、ネックブリーカーと波状攻撃でたたみ込むが、またもやイエローが乱入。イエローはグリーンを軽々抱え上げると投げっぱなしのデスバレーボム。今度はレッドがダイビングボディプレスを放つがイエローはガッチリと受け止めて、そのまま垂直落下式のブレーンバスター。
なおもレッドはなんとか機動力で活路を見出そうと空中殺法の体勢に入るが、イエローに受け止められパワーボムの餌食に。続けてイエローはレッドに豪快なクローズライン、最後はトップロープから「空から黄色がふってきた! モンスターバージョン」で圧殺葬。かつての仲間によって、ハッスル軍は完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
「これからは、腹黒くなったイエローが、お前たちの大好きな正義とやらをことごとく踏みにじってやりマース! ウヒャヒャヒャヒャッ!」と憎々しく勝どきをあげるアン・ジョー司令長官。このままイエローは正義の心を忘れ、モンスター軍の色に染まってしまうのか? ハッスル仮面にとって悪夢のような大きな危機が訪れた!
ドラムロールが鳴り響く中、大阪に続いて『ゴッドファーザー』のテーマ曲で坂田亘GMこと、GMWが悠々と姿を現した。坂田は場内を見渡すと、相変わらず不敵な態度で話し始める。
「よぉ、お前ら。『ハッスル20』によく来たな。俺サマはハッスル最高責任者の坂田亘。英語を絡ませればゼネラルマネージャーワタル……略してGMWだ!」
地元にも関わらず、あまりの横柄さに拍手もまばらの中、そんなことはちっとも気にしない心の大きさを持っているのか、空気が読めないのか、GMWは続ける。
「約半年振りに名古屋に戻ってきたが、お前らも知ってると思うが、大人の事情があってな。地上波放送がなくなり、もうここはハッスルのホームタウンじゃねえ…なんて声もチラホラ聞こえては来た。だがな、俺サマがGMになった以上、名古屋は誰が何と言おうとホームタウンだ! なぜなら、俺サマの地元はここ名古屋だからだ!」
地球が自分を中心に回っていると思い込んでいるかのようなGMW! しかし、この言葉に場内は一気に沸いた。
「そうだ、お前ら! このハッスル熱を冷ますんじゃねえぞ。そうしたらな、俺サマが必ず来年の『ハッスル・マニア』を名古屋に誘致してやる。期待しろ!」と、大きなことを言うGMW。来年もGMでいるつもりなのだろうか……。
それはともかく、GMWは「じゃあ、さっそく今日の対戦カードだ! これを観ろ!」と本日のカードを発表。
「まぁ、ざっとこんなとこだ。GMとしてはいいカードが揃ったと思ってる。が、俺サマの試合を一番熱いまなざしで見やがれ! いいな。今日の凱旋試合はド派手に決めてやるぞ!」と宣言するGMW。続けて、「それとだ。来月の『ハッスル・マニア2006』で、俺サマVSエスペランサーの試合を組むつもりだったが、それは取りやめだ! 俺サマのスケール感に比べれば、まだまだエスペランサーじゃチープすぎるからな」とのたまう。そもそも、大阪でモンスター大将に負けてその権利はなくなったでしょ? とツッコミを入れたい。
するとそこで! あのお方の声が響き渡った!
「誰がチープすぎるってよ?」
『威風堂々』のテーマ曲にのって、大量のスモークとともになんと高田総統がオープニングに登場!
「ハッスルの地上波放送を終了させておきながら、“やっぱイチバン”とか言っちゃってる某テレビ局……こんの野郎〜っ!」といきなり怒りを爆発させる総統だったが、「……放送再開してよ」とお願いする素直さである。
「我こそが高田モンスター軍総統、高田だ!」と挨拶すると、爆発する「そーとー、そーとー!」のコール。しかし、それを遮ったのはGMWだ!
「ストップだ! おい、ちょっと待て! ここはお前の出番じゃねーだろ! 今、いいところだったんだ。邪魔しないでほしいな」と総統に物申すGMWだったが、総統はひとこと。「おい、お前チープすぎるんだよ」。
総統はさらに「じゃあ、コールやってみろ」とファンを煽るが、実に申し訳ない程度の“坂田コール”……。ところが、アン・ジョー司令長官と島田二等兵が「そーとー、そーとー!」と“そーとーコール”を煽ると、場内一斉に「そーとー、そーとー!」。
「お前ら、どっちの味方なんだよ!」と嘆くGMWだったが、総統が「じゃあ、帰るよ」と言うと、もっと大きな“そーとーコール”が沸き起こるのであった……。
高田総統は「ん? 司令長官。何か今日は、あの辺からよく声の通る野次がうるさいな。気を取り直して…せっかくの3連休を無駄に過ごしてしまった、相も変わらず中途半端な名古屋の諸君!」と勝手に話を進めようとするが、GMWは「おい! 無視すんじゃねぇ! 前にも言ったと思うがな、俺サマがGMになった以上、お前に美味しいところばかり持っていかせねーぞ!」と、あくまでも徹底抗戦を続ける。
このGMWの言葉に気を悪くした総統は、「おい、誰にモノいってるんだ? こんの野郎〜っ!」と怒りをぶつけたが、「モノ言ってるんだ?」の部分で不覚にも噛んでしまった。「全知全能の私もたまには噛むことがあるんだ。カワイイと言うのはやめてくれよ! カッコイイと言ってくれよ!」と照れ笑いを浮かべるカワイイ高田総統。場内には“カッコイイコール”が沸き起こる。
すっかり気を取り直したところで、総統が続ける。「ん? 誰かと思えば、アホの坂田君じゃないか。来てたんだ? ま、ゆっくり楽しんでってよ。ところでだ!」とGMWを無視して話をしようとしたが、「おい! おかしいだろっ!」とあくまでも自分の存在をアピールするGMW。
総統はいまGMWの存在に気付いたと言わんばかりの表情で、「ところで、キミに一つ質問するぞ。何しにきたんだ? じゃあ、ゆっくり楽しんでいってくれよ。ところでだ!」と、さっさと話を進めようとする総統!
「何度も無視するな!」だんだんかわいそうに見えてきたGMWであった。その気持ちが通じたのか、やっと総統がGMWと向き合った。
「そんなムキになることないじゃないか。分かったよGMW。キミの地元へのはなむけだ。今から“特別に”キミと話をしてやろう。キミは3日前の大阪で、エスペランサー戦の権利を賭けたモンスター大将との試合に負けちゃったじゃないかよ。せっかく私がチャンスをやったにもかかわらずだよ? キミは『ハッスル・マニア』でのエスペランサー戦を、GM選挙の公約にしていたな? 公約が守れないならば、とっととGMを辞任すべきじゃないのか、ん?」と痛いところを突く総統。
「そんなこと。お前に心配される筋合いはねぇ! 政治家だって、公約を守ってるヤツなんかいるのか?」とGMWは開き直りだ。
「おいおい、そんなことを言っちゃっていいのか? 今さら開き直るのか、こんの野郎〜っ! そんなことだから、GMの権威がいつまでも上がらんのだよ。キミがそういう態度なら、この私が直々に不信任案を提出してもいいんだぞ。どうだ? 今すぐだ! だがな、ちょっと待て。カッコイイ私も鬼ではないんだよ。このミソ臭い名古屋は、GMWの地元だ。彼の顔もあるだろう。そこでだ! もう一度だけ、ヤツがGMに居続けるチャンスを与えてやろう! その方法はひとつだ!」
何の権利があるのか分からないが、とにかくGMWを脅す総統。その条件とは……「『ハッスル・マニア』にキミの彼女を連れてきたまえ!」やっぱりそれか!
途端に場内は“えい子コール”が大爆発! だが、総統はそれが気の毒に思ったのか「あんまりみんなで私生活をいじるな」と自分で言っておきながらGMWを気遣うのであった。「そうすれば、キミの今の立場はこの私が保障してやる。それが出来ないのならば、私が力ずくでGMの座から引きずり下ろしてやる! 分かったか?」
ところが、GMWは不敵に笑った。「なんだ、そんなことか」GMWの言葉に場内がどよめく。総統も驚きを隠せない。「いいか、『ハッスル・マニア』はプロレス界最大最高のビッグイベントだ。俺サマがそんなこと、思いつかねえとでも思ったのか! いいだろう。『ハッスル・マニア』に必ずえい子を連れていく! 今からちょうど、その発表をしようとしてたところだ」なんと、GMWが噂の“えい子”を『ハッスル・マニア』に連れてくるとついに断言した!! これは明日のスポーツ紙の一面を飾るに違いない!
「なんだか面白くなってきたな。いいんでないかい?」とファンやスポーツ紙や週刊誌だけでなく、総統も大喜びである。「であれば、せいぜいファンの期待を裏切らないように、彼女との交渉に勤めてくれたまえ」と言い放つと、GMWは「心配すんな。そうと決まったら、もう用はねえだろ。とっとと帰ってくれ! これから大事な、俺サマしかできない開催宣言があるんでな!」と余裕しゃくしゃく。高田総統に立ち去るように威厳たっぷりに指示した。
「そうか。それは邪魔したな」とやけに素直な総統であったが、「いやまあ、それでは下々の諸君。今日のイベントを心ゆくまで楽しんでいってくれ! 『ハッスル20』スタートだ!」と、GMWの話を全く無視して勝手に開催宣言をしてしまった!!
「おい! それは俺の仕事だ!!」GMWの心の叫びが、虚しく会場に響くのであった……。
まず最初に、ファンへの大サービス! サインボール投げをハッスル軍の田中将斗、金村キンタロー、黒田哲広、マーガレット、Erica、TAJIRI、大谷晋二郎という豪華メンバーが行った。場内総立ちでサインボールの奪い合いだ。
続いて「ハッスル軍とオープニング・ハッスルポーズ」が出来る恒例企画。選ばれたのはお父さんと2人の子供、そしてなんと! レスリング世界選手権の金メダリスト・吉田沙保里がスペシャルゲストとしてリングに登場! 感激したふりをして、すかさず抱きつく金村だったが、ハグの時間が妙に長い!
音頭をとるのは、もちろんキャプテン・ハッスル小川直也。登場すると大歓声で迎えられる。そして、さらなるビッグサプライズ! \(^o^)/チエを応援に来た女子レスリングのメダリストたち、伊調姉妹、坂本日登美も一緒にハッスルポーズを決めたいとリングに上がったのである。
超・豪華メンバーによるスリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! いきなりの盛り上がりで『ハッスル20』いよいよスタート!