ファイトカード

高田総統劇場

「名古屋の下々の諸君、またうっかり来っちゃったよ」と高田総統。「私がオーナーとしての大会を初めて見る輩もいるだろう。クソだらけの耳をかっぽじってよ〜く聞け。我こそはハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と、嫌味タップリの挨拶である。そんな悪びれたところを見せる高田総統だったが、今回の凱旋が5カ月ぶり6回目であることをしっかり覚えており、「ちょっと来ない間に愉快な事件が起こったらしいじゃないか。住民票の交付手数料を着服し、区役所の3人が懲戒免職になったそうだな」と、なぜか地元の事件について詳しい一面をのぞかせる。さらにテンションの上がった高田総統はその3人に対し「コノヤロー!」と怒りをぶつけ、会場に詰め掛けた愛知県民に拍手のおもてなしをうけた。しかしそんな愛知のファンに「都合のいいところで拍手するんじゃないよ」とツッコミを入れ、「さすがザ・中途半端の名古屋だ。何をやってもどえりゃあ中途半端だな」と毒を吐く。
 そして「そう思わないか? セレブの小川くん」と隣のセレブ小川に話しかける高田総統。地方初お目見えとなったセレブ小川は「名古屋の貧乏人の諸君、ハロー!」と何とも高飛車な表情で挨拶。ブーイングすら起こらない客席に向かって、「何なんだこの反応は? このクソ田舎まで足を運んだんだから、もっと喜べよ」と勘違い発言を連発だ。さらに高田総統によると、セレブ小川は先日行われた愛知県知事選に、もし自分が出馬していたら当選していたとまで言っていたらしい。その話を振られると「本当に出る気はないけれど、この知名度を持ってすれば当選は確実だな」と、頷くセレブ小川であった。
 一連のやりとりを見ていて、半ば呆れ顔のHGは「またバカコンビが誕生してしまいましたね。名古屋のみなさんはそんなにバカじゃないですよね」と、高田総統&セレブ小川に苦言を呈す。むしろ旧ハッスル軍のHGにとって問題なのはTAJIRIの様態である。HGは高田総統に「TAJIRI先輩に何を飲ませたんだ!」と問う。これに対して「私は以前からTAJIRIの才能を評価してきた。笑いとプロレス共に失速しているお前とは大違いだ。それで私の手下として雇ったのだよ」と高田総統。「TAJIRIが心を売るわけないだろう!」と叫ぶ大谷だったが、TAJIRIは視線もうつろで明らかに様子がおかしい。するとここでインリン様がTAJIRIにお手を要求すると、四つんばいのままそれに応じるTAJIRI。さらに「私の靴をお舐め」と命令すると、TAJIRIはインリン様の靴を舐め始めるではないか! そう、TAJIRIはインリン様の母乳、通称イン乳を飲まされて、身も心もインリン様の犬になってしまったのだ。「元WWEのスーパースターのTAJIRIさんを…お前ら絶対に許さないからな!」と叫ぶHGだが、その声はTAJIRIの耳に届くはずもない。
「TAJIRIばっかりずるいですよ。俺にもイン乳を飲ませてください」そんなド変態発言で会話に入り込んできたのは“モンスターK”川田。「大将も飲みたそうにしているじゃないですか」と天龍に話を振ると、「俺は焼酎のミルク割りでいいや。9対1で頼むよ。もちろん9は焼酎だ」と大人の対応だ。それを聞いて、川田はなぜか残念そうな表情を浮かべた。そんなおバカな会話に「下らねえこと言ってんじゃねえよ! インリン! 次の大阪では俺とHGでお前をぶっ潰すからな!」と大谷は怒りを爆発させる。するとTAJIRIが「ピーチク、パーチク、うるさいな! そんなこと言うヤツ、僕が許さないぞ!」と幼児言葉で反撃。仲間であったはずのTAJIRIだったが、今ではもう、インリン様が言うように、身も心もモンスター軍なのである。悔しさを隠し切れないHGと大谷に「こうなったのも君たち二人がしょっぱいからだよ」と吐き捨てる小川。しかしHGが「今のには会場のみなさんも同じツッコミを入れましたよ」とあきれると、HGに合わせて会場全体からも「しょっぱいのはお前だよ!」の声が響き渡った。
 ここで高田総統が再びマイクの前に立つ。「もういいかな。何はともあれ、モンスターKが下らないことを言っているから、サンクトペテルブルグに行く時間が来てしまったよ」と高田総統。HGにサンクトペテルブルグについて突っ込まれる不意打ちを喰らったものの「何はともあれ、次の大阪では間違いなく、旧ハッスル軍の残党をぶっ潰すことになるだろう。今日よりもビビッてたじろぐ方法でな」とニヤリ。そして「7回目があるならお会いしよう」と名古屋のファンに捨て台詞を残して去っていった。
 モンスター軍の前では強気な姿勢を見せていたHGだが、参謀格のTAJIRIまでをも奪われたショックは大きく「もう陰毛なみにダメージヘアですよ」と肩を落とす。しかしそんなHGに大谷は「俺は一人になってもハッスル軍を復興させるぞ! これしきのことで弱気になってどうする。今こそ気合を入れる時だろ!」とはっぱをかける。これを聞いたHGは「次の大阪ではモンスター軍に目にものを見せてやりましょう!」と顔を上げた。そしてHGはKUSHIDAとチエの二人をリングに上げて、大谷をまじえたたった4人でのハッスルポーズで締めくくろうとするのだが、何とハッスルマイクの装飾品がHGの目の前でボトリとリングに転がり落ちる…「ハッスル軍は4人なっちゃいました。ボロボロだけど、まだ心は折れてませんのでよろしく! 3・2・1ハッスル! ハッスル! フォー!」と力強く締めくくったHGだったが、さすがにこれには苦笑い。このどこか不吉な光景は旧ハッスル軍の行く末を暗示しているのだろうか……

メインハッスル

10分58秒 スーパーセレブ

 3日前の『ハッスル・ハウスvol.22』でまさかの裏切り劇を見せた“モンスターセレブ”こと小川直也。「金で人の心は買えない」と豪語していた小川だが、見事なまでの銭ゲバっぷりを見せつけた。それに対し、「僕のプロレス人生をかけて、あなたを地獄に叩き落としてやりますよ!」と言い放ったTAJIRI。旧ハッスル軍としては、ここで一矢報いたいところだが、気になるのは「名古屋ではもっと面白いことが起こる」という小川の不気味な予告だが……
 モニタには「火照るわぁ〜。お乳だ……」と言いながら、ミルクの入ったほ乳瓶を取り出すインリン様の姿が映し出される。そこに島田二等兵が入ってくると、インリン様が「お前なんぞが見るものではない!」と一喝! 続いて高田総統も入ってきて、島田を「このエロガッパ!」と一喝する。シュンとする島田に対し、総統は「あのセレブがヘマをするんじゃないかと、少々不安なのだが大丈夫か?」と、モンスター軍入りしたばかりの“セレブ”小川を案じると、島田は「お任せください。私がレフェリーをする以上、TAJIRIの勝ちはありません」と胸を張る。さらに総統は「旧ハッスル軍が私に楯突かないようにするには、+αが必要なんだ」と言って、インリン様の持っていたほ乳瓶にビターンを加えた。
 TAJIRIは、以前小川がキャプテン時代に巻いていた「ハッスル」と書かれたベルトを巻いて入場。セコンドには旧ハッスル軍のHGとあちちがつく。そしてNWA王者のテーマである『ギャラクシー・エクスプレス』に乗って入場してきたセレブ小川。インリン様もリングサイドでエマニエル夫人ばりのイスに座って観戦。つまり、この試合は久しぶりの“イン覧試合”となった。

閉じる 往年のNWA世界王者、リッ●・フレアーばりに、ゆっくりとガウンを脱ぐ小川の背後から、TAJIRIがキャプテンベルトで急襲! さらにTAJIRIは先制のニールキックを叩き込むが、レフェリーの島田二等兵は明後日の方向を見ている。島田に「試合を見てろ!」と指示をしたTAJIRIは、首固めで丸め込んでいくが、今度は超スローなカウント。逆に小川がフォールにいくと、超高速カウントを取る島田二等兵。そんな小川に場内からブーイングが飛ぶが、セレブ小川はTAJIRIをヘッドロックに捕らえ、手で銭ポーズを作ると、その指で地獄突き。TAJIRIがロープに飛ばそうとするが、小川は払い腰で投げてケサ固め。TAJIRIはロープに足を伸ばすが、島田二等兵は見て見ぬふり。
 TAJIRIが一旦場外にエスケープすると、すかさず小川はロープに飛ぶ。プランチャにいくと見せかけておいて、立ち止まった小川は得意の社交ダンスポーズで挑発。リングに戻ったTAJIRIは得意の蹴りから腕を捻っていくが、小川はクロー攻撃でコーナーに叩き付けて脱出し、上から踏み付けていく。だが、TAJIRIも小川のエルボーをかわしてトラースキックを叩き込むと、アームブリーカー。しかし、それまでのダメージが大きく、頭を押さえて倒れ込んでしまう。
 それでも立ち上がったTAJIRIは再びアームブリーカーを決めてから、卍固めに捕らえていく。小川は何とか脱出したが、TAJIRIはアームブリーカーで痛めつけた小川の右腕に蹴りを叩き込んでいき、一気に攻勢に出る。しかし小川は背後を取ってスリーパーホールドに。チョーク気味に決まっているが、当然島田レフェリーは注意しない。そればかりか、TAJIRIがロープを掴んでもブレイクを認めない。たまらずあちちがリングに上がって抗議するが、これはバボがカット。さらにバボはバレーボールを持ち出してくるが、それを蹴散らしたTAJIRIが小川に腕固めを決めていく。
 ところが、島田レフェリーはTAJIRIが指を極めていると言って反則カウントを数える。渋々技を解いたTAJIRIに対し、小川がバボのアシストを受けてSTOを決めると、カナディアンバックブリーカーの体勢で担ぎ上げてから一気にマットに叩きつける新技のスーパーセレブを披露!
 TAJIRIが大の字になると、突如インリン様がMと書かれたほ乳瓶を持ってリングイン。インリン様はTAJIRIに歩み寄っていき、そのほ乳瓶に入ったミルクを優しくTAJIRIに飲ませていく。インリン様の膝枕でミルクを飲ませてもらったTAJIRIは、恍惚の表情を浮かべながら足をバタつかせてる。そして、フラフラと立ち上がったTAJIRIは、何歩か歩いてみせたがパタリと倒れてしまい、またも大の字に。すると、小川とインリン様は片足ずつ乗せてMの字を作り、2人がかりでTAJIRIをフォールして3カウントを奪った。
 慌ててHGとあちちがTAJIRIのもとに駆け寄って介抱すると、ようやく目を覚ましたTAJIRIがゆっくりと起きあがる。挙動不審のTAJIRIを心配するHGとあちちに向かって、何とTAJIRIは突如グリーンミストを噴射! そして素早くインリン様の側に駆け寄っていく。突然緑まみれになったHGとあちちが戸惑いの表情を浮かべる中、「旧ハッスル軍のアホども! ビビッたか! たじろいだか!」という高田総統の声が響き渡った。


サプライズハッスル

4分44秒 FED克服式69ドライバー

 完全に孤立してしまったHG。誰も助けるものはいないのか? するとそこに颯爽と現れたのは元GMの坂田亘だ! シンの猛攻からHGを救出する坂田。そしてマイクを握ると「おい! HG! 何だこの様は! おい、モンスター軍! 俺の地元で好き勝手やってんじゃねえ」と、モンスター軍に怒りをぶつける。さらに「俺が相手にしてやるから、かかって来い!」と、シンとアン・ジョー之助を挑発する。それを聞いたシンとアン・ジョー之助がリングイン! 試合は急遽、HG&坂田VSシン&アン・ジョー之助のタッグマッチに変わった!

閉じる とは言うものの、HGはシンの攻撃で闘える状態ではなく、リング上は坂田が二人を相手にするハンデキャップマッチ状態だ。竹刀で坂田を殴りつけていくアン・ジョー之助。客席からは坂田コールも起こるが、2対1では戦況は変わらない。逆にシンが坂田を場外に連れ出すと、場外の机で坂田の頭に一撃! さらにシンは坂田の額に噛み付いてく。股間攻撃からそして竹刀攻撃を繰り広げるアン・ジョー之助。しかし坂田がトラースキックでアン・ジョー之助を迎撃すると、竹刀を奪ってアン・ジョー之助を殴りつける。そしてダメージから回復したHGがトップロープからアン・ジョー之助にミサイルキック! 坂田はシンを場外で連れ出し、リング内はHGとアン・ジョー之助の二人になる。ここでHGはアン・ジョー之助に渾身のコマラツイスト! そしてFED克服式69ドライバーで完全復活を遂げる、大逆転勝利を収めた!
 試合後、HGはピンチを救ってくれた坂田に対して「今日のあなたは私の大先輩のア●の坂田師匠により大きく見えました!」と感謝の言葉を述べる。さらにHGは自分が半勃ちであることを告白し、「おかげさまでFEDも克服しました! ありがとうございます」と、悩まされ続けてきたFEDを克服したようだ。一連の行動を見る限り、坂田のハッスル軍復帰も期待されたのだが「HG、勘違いすんなよ。俺は舐められっ放しなのが、我慢ならねえんだ」とそれを否定。「高田総統! モンスター軍! もうお前らの好き勝手にはやらせねえぞ。改めて宣戦布告だ! 俺こそがハッスルだ!」と、独自の路線で高田モンスター軍に翻すことを告げてリングを降りた。
 坂田のハッスル軍入りはなかったものの、無事にFEDを克服したHGは「ハッスル軍はまだ屈服しません! この後、TAJIRI先輩が裏切り者の小川をぐっちょぐっちょに濡らしてやりますよ!」と、メインのTAJIRIにバトンをつないだ。


セミハッスル

5分44秒 反則

 エスペランサー戦で受けたFEDにより、戦列復帰が遅れていたHG。ハッスルオフィシャルリングドクターによれば、HGのFEDからの回復具合はまだ50%で、リングに立つことは問題ないのだが、「股間を使っての攻撃は使えないでしょう」という。股間を使った技と言えば、HGの必殺技の大半を占めている。HGにとってはかなり不利な状態での試合となる。またHGは大会2日前にタイガー・ジェット・シンに襲撃されるという事件に巻き込まれた。前回のハッスル・ハウスに続き、ケロちゃんこと田中秀和リングアナにコールされ、いつもの入場曲で登場したHGは、マスクで顔が隠れているものの、この大一番に向けてかなり気合が入っている様子。対するシンはアン・ジョー之助の共に客席で大暴れ! イスを投げ込むなど、やりたい放題である。

閉じる 客席を心配そうに見つめるHGをシンは後ろから襲撃! いきなりターバンで首を締め上げるというえげつない攻撃を見せる。HGは顔を真っ赤にさせながら、場外へ何とかエスケープするが、そこはシンの独壇場。シンは放送用のマイクでHGの顔面を殴打すると、掟破りのマスク剥ぎ攻撃! さらにサーベルでHGの額を殴りつける。すでにグロッキー状態のHGだが、シンの攻撃は止まることを知らない。場外の机にHGの頭を叩きつけると、リング上で反則のチョーク。HGがFEDで痛めている股間を踏みつける! しかしHGはフライング二ールキックで反撃の一発。怒りのHGはレフェリーの制止を振り切って、シンにエルボーの連打を打ち込んでいく。ここからHGペースになるかと思いきや……シンはチョークを手に隠してHGを殴打! さらにレフェリーをも襲撃し、HGに襲い掛かった。もはや無法地帯となったリングを見て、シンの反則負けを告げる試合終了のゴングを鳴らすのだが、シンのHGに対する攻撃は続く。


第3ハッスル

8分48秒 テキサスクローバーホールド

 『ハッスル・ハウスvol.22』では、坂田と対戦し、負けたら島田二等兵の靴を舐めるという屈辱的なカードを組まれた大谷と、シンに血だるまにされたRG。この2人に高田総統からまたも嫌がれせマッチが組まれた。
 頭に包帯を巻き、ヒザもテーピングで固めて松葉杖をついて入場してきたRG。シン戦のダメージはいまだに癒えず、試合前からすでにボロボロだ。一方の天龍&川田は威風堂々と入場。天龍はRGに対して、いきなり怒りを露わにする。

閉じる 先発を買って出た天龍に対し、泣きそうな表情で出てきたRG。いきなり天龍の胸元にチョップを叩き込むと、何と天龍が痛そうな表情を浮かべながら座り込む。RGが調子に乗ってストンピングを入れていくが、天龍は逆水平チョップ一発で吹っ飛ばす。
 続いて大谷が天龍とチョップ合戦を展開。グーパンチを食らった大谷だが、カウンターでレッグラリアットを返す。そして天龍をラクダ固めに捕らえた大谷は、コーナーのRGを呼び込むが、RGはビビってリングに入ってこない。川田が入ってきて、大谷を相手側コーナーに叩き付けると、その衝撃で大谷の体にRGが接触。これがタッチと認められ、RGが嫌々リングイン。
 果敢に攻撃していくRGだが、ドロップキックは届かず、ドラゴンスクリューも空振りし。それでもバックを取ってジャーマンは試みるが、簡単にはずされて持ちネタのおジャーマンスープレックス状態に。川田に対して「滑るよ! 何か塗ってるって!」と、どこかで見たような抗議をするRGだが、川田は構わずアトミックドロップ。さらに天龍が場外の鉄柵にアトミックドロップ。
 悶絶するRGを川田が容赦なく実況席に叩き付けていくと、天龍ももう一度実況席に叩き付けていく。天龍は強引にRGをリングに戻すが、ここで大谷が入ってきて天龍に攻撃。そしてもう一度ラクダ固めに捕らえると、エプロンに逃げていたRGを呼び込む。
 場内のRGコールに応えてリングインしたRGは、執拗なまでのロープワークから、天龍の前に立ち止まる。すると、ズボンを下げると赤フン姿のケツを、何と天龍の顔面にこすりつけていく! 怒った天龍はRGの頭の包帯をはぎ取るが、ケツ攻撃のダメージでエヅイてしまう。この隙にRGは何と自分の持ってきた松葉杖で、天龍に一撃。さらに首固めで丸め込んでいくが、天龍は辛くもカウント2でキックアウト。すると天龍は怒りの表情で、テキサスクローバーホールドをRGに極めていく。川田が大谷をカットしている間に、天龍はものすごい角度で絞り上げていき、RGもついにギブアップ!
 試合後、マイクを取った川田が「おい、あちち! いい加減観念してお前もモンスター軍に来たらどうだ。まぁ入ったところで、俺の付き人だけどな」と言うと、なぜかRGが「スミマセーン! 僕をモンスター軍に入れてください!」と懇願。それを聞いた天龍は「おい、RG。男はな、簡単に仲間を裏切ることしちゃダメだよ。今のお前があんのは、相方のお陰だろ? これからも一生懸命頑張れよ!」とエールを贈る。
 そんな天龍に対し、川田は「あ、またそうやって自分だけ大人ぶって! このチョイワルオヤジが!」と茶々を入れるが、天龍は「お前はチョーワルオヤジだろ」と切り返す。なおもRGが「あの……僕は……」とモンスター軍入りを天龍にお願いしていくと、せっかくのエールはまったく届いていないRGに対し、怒りの逆水平チョップを叩き込み、川田から「お前はもういらないんだよ! バットラックだ」と吐き捨てられた。


第2ハッスル(ハンディキャップマッチ)

7分44秒 バボム

 地元・名古屋で負けたらハッスル追放マッチに挑む海川。小泉今日子の『なんてたってアイドル』に乗って入場する海川は、鉄仮面を手に持って気合十分の入場だ。対するバボは花道の時点でリングを鋭く睨み付ける。すでに臨戦態勢といった様子のバボは、リングに上がるやいなや、開始のゴングを待たずに3人襲い掛かった!

閉じる ハッスル軍の3人はここでリングから逃亡。それを追い掛け回すバボだったが、リングに戻ったところでKUSHIDAとチエがバボの後ろから奇襲攻撃だ。3人がかりでバボを攻撃するハッスル軍の面々。しかしスーパーヘビー級のバボに3人の攻撃は効かない。逆にバボは破壊力十分の攻撃で、KUSHIDAとチエを一蹴する。ここでリング上は海川とバボとなるが、海川は変形のブルドッキングヘッドロック! さらに「今までよくもやってくれたはね!」と叫んで、バボの鼻めがけて容赦なくパンチ! 痛むバボの鼻を捻り上げる、モンスター軍顔負けのヒール殺法だ。
 リング上はバボとチエのマッチアップ。必死にチョップの連打を叩き込むチエだったが、バボはびくともしない。それならばとチエは軽量級のメリット生かして、スピーディなタックルでバボの足元に滑り込み、テイクダウンを奪う。するとここでKUSHIDAがリングイン、バボの左足に照準を絞り、バボの左足をロープに固定してのヒップドロップ。さらにドラゴンスクリューで、バボの左足を痛めつける。そしてチエとKUSHIDAのアシストを受けて、海川がリングに上がる。
 バボの胸板に強烈な蹴りを叩き込む海川。ここから一気呵成に攻め込みたい海川だったが、バボの強烈なショルダーアタックで吹っ飛ばされてしまい、形勢逆転となる。ここでバボはリング上でのた打ち回る海川の足を持って、屈辱の強制大開脚! アイドルの海川にとっては、最大の辱めだ。さらにバボは海川をコーナーポストに顔面から打ち付ける。バボは鼻を押さえてうずくまる海川の髪の毛を掴んで、無理やり立たせてロープに振る。
 ここまで防戦一方だった海川。しかし海川はここでバボの足の間をくぐって、起死回生のアンクルホールド! KUSHIDAの左足への攻撃もあいまって、バボは苦悶の表情を浮かべる。何とかロープブレイクで逃げたバボ。海川はバボのフロントキックをかわして、再びアンクルホールド! さらにKUSHIDAとチエがリングに入ってバボの両腕を脇固めに捉えた。リング中央でがっちりと関節技を極められてしまい、万事休すのバボ! ところがここでセコンドのアン・ジョー司令長官がカット! 会場からは大ブーイングが巻き起こる。気を取り直して、合体攻撃で攻め続けるKUSHIDAとチエ。ここで二人がバボを固めて、海川がロープに飛ぶのだが、ここでもアン・ジョー司令長官がリング下から海川の足を掴んで攻撃を阻止。するとリング上でバボが蘇生! KUSHIDAを蹴りで吹っ飛ばすと、チエを高々と持ち上げてマットに叩きつけるバボムで、余裕の3カウントを奪った。
 アン・ジョー司令長官の卑劣な攻撃で敗北を喫してしまった海川。「何か文句あんの?」と憎たらしい笑顔を見せるアン・ジョー司令長官に対して、「最低ですね! こんなんじゃ納得できません!」と怒りを露にする。すると「世界最強のモンスター軍が3VS1とは言え、負けるわけにはいかないのデス!」と開き直るアン・ジョー司令長官。「試合前の約束通りにハッスルから追放デ〜ス!」と海川のハッスル追放を命令したのだが、「……と言いたいところですが、チャンスを与えまショー」とアン・ジョー司令長官。なんと海川のハッスル追放をもう1試合延ばそうと言うのだ。しかしその内容は……何と敗者髪切りデスマッチ! アン・ジョー司令長官は「ネクストはユーの髪の毛をかけナサイ! 負けたらスキンヘッド、ツルツルデ〜ス。それでもハッスルに帰ってきますカ? よく考えなサイ!」と吐き捨ててリングを後にした。
 アイドルにとってスキンヘッドは廃業も同然だ。しかし海川は「もう頭に来た! 髪でも何でもかけてやるわよ!」と、髪切りデスマッチを受けると宣言! ハッスルに対する情熱は伝わってきたのだが、あまりにも危険すぎる挑戦だ。しかし呆然とする観客に向かって、海川は「もう一度チャンスをください! 次こそ勝ちます。バボさんをぶっ潰します!」と力強く言い放ったのだった…


サプライズハッスル

3分37秒 空から降った一輪の花

 そこへ「おーい、ブスども、ストップだ! 醜いからやめろ! 茶番にもホドがある!  そんなに闘いたくないなら仕方ねえ。こっちでおまえらが闘いたがる相手を用意してやるよ。お前ら、虫が大の苦手だったよな? 虫のDNAから誕生させた大物モンスター2匹を最後のプレゼントとして送ってやるよ!! とっとけ!」と言うと、場内に『パワーホール』が鳴り響く。

閉じる そこに姿を現したのは、長州かと長州が。急遽タッグマッチとして仕切り直されると、いきなり長州ががEricaに対してラリアットを放とうとする。これはマーガレットがカットに入って防いだが、そのマーガレットにすかさず長州かがラリアットを叩き込む。さらに長州かと長州がは2人に同時サソリ固めを極めていく。そして長州ががEricaにラリアットを叩き込んでいくが、何と長州がの腕のダメージの方が大きい。一気にチャンスが訪れたEricaは、すかさず一斗缶で殴打し、マーガレットと共にダブルスティンクフェイスを見舞っていく。
 そして、長州かに対してサンドイッチボディアタックを見舞うと、長州がに対してはマーガレットがダイビング・ボディプレス、続いてEricaがダイビング・エルボードロップを落としていく。最後はマーガレットがダメ押しのダイビング・ボディプレス、空から降った一輪の花を落とし、3カウントを奪ってみせた。
 試合を終えたマーガレットとEricaは泣きながら抱き合う。マイクを取ったEricaが「マーガレット! 勝ったわよ!! 有終の美が飾れたわよ!」と言葉をかけると、「Erica、サンキューベリマッチョ」と言って泣き崩れるマーガレット。そんなマーガレットに対して「もう、マーガレット泣かないの! せっかくの美人が台無しだぞ! さぁファンの皆にお別れを言わなくちゃ!」と励ますErica。その励ましを受けてマーガレットは「マーガレットは、フツウノオンナノコにモドリマス!」と言って、マイクと花かごをリング中央に置いてリングを降りた。


第1ハッスル(ブサイク王座決定戦&マーガレット引退マッチ)

 最愛の弟が病気になったため、急遽母国アメリカに帰国することになったマーガレット。思い出の詰まったハッスルのリングから離れるのは辛い。でも帰らなければならない。なにか最後に思い出を残したいマーガレットは、その切なる思いを手紙にして高田総統に送ったのだが……。
 この件について総統から一任された島田二等兵は、史上最悪の嫌がらせカード、マーガレットvsEricaという非情なカードを組んだ。マーガレットのハッスルラストマッチの相手を務めることになったEricaは、一斗缶を手にしながらも何とも切ない表情で入場。一方のマーガレットも、早くも目に一杯の涙を溜めながら入場。

閉じる 情け容赦なく試合開始のゴングが鳴らされたが、両者ともなかなか試合をしようとしない。攻撃しようとはするが、涙が溢れてきて力を入れて殴ることができない。その鬱憤をレフェリーにぶつける両者。「タタカエルワケナイジャナ〜イ」と言ってEricaに抱きつくマーガレット。


インリン様劇場

 VTRが終わると、インリン様がアン・ジョー司令長官、島田二等兵を従えてリング上へ。久しぶりに名古屋にご降臨されたインリン様は、「相も変わらず暇でモテない名古屋の諸君、お久しぶり。私がこの世でデビューした土地・名古屋に、こうしてまた戻って来られてとってもうれしいわ。相変わらず、どえりゃー八丁味噌くさいけど」と挨拶。さらにインリン様は「この会場は、なんだかやけに熱いわね。体がとっても火照るわ」と妖艶に言い出すと、アン・ジョー司令長官が「じゃあ、控室に戻って、クールダウンを!」と言ってインリン様に向かって控室に下がるように促す。ところが、「そんなんじゃ、この火照りは収まらないわ。湧き出るM字パワーを、体が放出したがってもう我慢できないの」と、何とも艶めかしく体をくねらせるインリン様。島田二等兵も「もう我慢できません!」と前屈みになると、リング上にはお立ち台が運び込まれる。
 島田二等兵が「野郎ども、うれしいか! インリン様のM字パワーはな、前よりもパワーアップしている。出産をご経験されて、新たに母性が加わった! つまり今度のM字のMは、MOTHERのMだ!」と叫ぶと、観客は総立ちに。会場を見渡したインリン様は「覚悟はいいわね? 3、2、1、マザー! モンスター!」と叫び、お立ち台の上でM字ビターンを披露。花魁スタイルのインリン様が繰り出すM字ビターンによって、名古屋の観客が一気に洗脳されてしまった!?


オープニングムービー

 『ス●ーウォーズ』風のオープニング映像で"エピソード2"が幕を開けたハッスル。まずはVTRで、高田総統がハッスルを買収したと発表した会見の模様が流れる。軍団抗争から個人闘争、モンスターの中のモンスターを決めることになった新生ハッスル。続いて先日のハッスル・ハウスVol.22での坂田のハッスル離脱とも取れる発言、さらに小川の高田モンスター軍入りというビッグサプライズの模様を振り返る。


オープニングハッスル

 愛知県体育館の天井からぶら下げられたミラーボールが光り輝く中、オープニングではまず応援ボードコンテストが行われた。客席から「川田、本当は歌手志望」「さよならマーガレット」などと描かれた応援ボードが、高々と抱え上げられる。ハッスルボードショーに選ばれたのは、親子で作った小川とインリン様のボード。解説を務める浜田翔子さんから記念Tシャツがプレゼントされた。
 続いては選手のサインボール投げ。この日は、"ハッスルあちち"大谷晋二郎、TAJIRI、KUSHIDA、\(^○^)/チエの4選手がサインボールを客席に投げ配る。リングサイドからは女子レスリングの伊調姉妹と吉田沙保里選手が声援を送る。最後に大谷が「名古屋のファンの皆さん、ハッスルしてますか? 自分たち旧ハッスル軍は現在辛い立場にありますが、絶対にくじけません!」と挨拶してから、ハッスルポーズを決めた。