「そこまでだ!」
リング上の大乱闘を沈めるかのように、高田総統の声が響き渡った。ステージ上に姿を現した高田総統。しかし、どうにも煮え切らない「そーとー! そーとー!」のコールのコールに表情も曇り気味。
「“ザ・中途半端”の諸君!」と名古屋のファンを揶揄したものの、ノーリアクションにずっこける高田総統! それでも気を取り直し、「今日は時間がないから巻きで行くぞ! 我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者…高田だ!」と自己紹介。今日の高田総統は、どうやら急ぎ気味であるらしい。
島田とアンが再び「総統」コールを促すも、やはり中途半端なリアクション……ガックリきた総統は「おい、時間がないんだよ!」と相手にしていられないとばかりに話を進めた。
「思い知ったか、ハッスル軍よ! ま、メインの反則負けはさておき、今夜は我がモンスター軍の圧勝のようだな! ハッハッハッハッハ! 貴様らもようやく、目が覚めたようだな」と今夜の勝利にご満悦。
すると、まだ興奮冷めやらない悪の化身・大谷が総統に食って掛かる。
「高田総統! 次の大阪、俺とあの老いぼれをシングルで勝負させろ! おい、老いぼれ! 今日は命だけは助けてやったけどな、次はお前を淀川に沈めてフナの餌にしてやるぞ、この野郎が!」と、大阪での天龍とのシングルマッチを要求し、リング上にいる天龍を挑発する。
天龍もここまで言われて負けてはいない。「小ざかしいな、この野郎! 俺から言わせりゃな、てめえなんざよ、小悪党だよ。よし、次の大阪。天龍源一郎の魂の闘いを見せてやろうじゃないか、この野郎!」と大谷の挑戦を受けた。
このやり取りを聞いていた高田総統は、「よかろう。では、次回の大阪。大谷と老いぼれでシングルマッチ決定だよ!」と、この因縁のカード実現を明言した。
するとその隣から、精一杯の愛想笑いを浮かべた川田が登場。「総統」と話しかけるが、軽く無視されたので「総統! 総統!」と何度も呼びかける。が、総統は「話を先に進めよう」と完全に無視だ。
「ちょっと待ってくださいよ!」川田も引き下がらない。「なんだよ! 今、忙しいの分かるだろう!」と総統が言うも、川田は「俺も折り入って話があるんだけど…」と用件を切り出そうとしたが、それを遮るように総統は「却下だ」と冷たく言い放つ。
「まだ、何にも言ってないでしょ!」と食い下がる川田。「どうせ、歌がどーのこーのって話だろ!」川田の言いたいことなど見透かしている総統。川田は「何で分かったんですか?」と驚きの表情を見せるが、「それしかないだろう!」と総統はごもっともな返答。
「今日は歌えなかったけど、次の大阪はリサイタルをやりたいな…って。後楽園で、これだけ実績も積んだから、そろそろナンバーシリーズでもいいんじゃないかな〜って」と媚を売りまくる川田。あくまでもリサイタルに拘る。
「おいおい、時間がないんだ! 今日は本当にお前と絡んでいる暇はないんだよ!」と即答はせず、川田の申し出をやはり無視。「インリン。そろそろ始めようじゃないか!」と本題に入った。
「はい、総統」インリン様がイン珠を持って登場。それと共に、孵化加速装置も登場する。インリン様はイン珠に耳を傾け、「モンスターK、この子が“お前の歌は聴きたくない”って言ってるわ!」とイン珠の代弁だ。「インリン様、卵が喋るわけないじゃない! それに俺の歌を聞いた方が、絶対に強くて大きな子が育つような気がするな〜」と引き下がらない川田だったが、「“地方をナメるな”と言ってるわ」と川田を一喝するイン珠だった
「そんなことより、この子が早く外に出たがっていますわ」と川田を無視するインリン様。総統は「わかった。ハッスル軍の諸君、そしてここにいる下々の諸君。今からこのイン珠を、私が開発した孵化加速装置の中にセットする。何が起こるか、じっくりと見ておくがいい。さあ、インリンよ!」とインリン様に命じた。
「さぁ、生まれておいで。私のかわいいベイビー!」インリン様がイン珠を孵化加速装置の中に入れると、イン珠の中から無数の泡が噴出。そして、周りは大量のスモークに包まれ、辺りが真っ白になる。その煙が消えると、インリン様と総統の間になんと信じられないほど巨大なモンスターがマスクを被って立っているではないか!
「どうだ! ビビッたか! たじろいだか! おい、我がモンスター軍の新たなモンスターを紹介しよう。その名も、モンスター・ボノだ!」と、新モンスターを紹介する総統。ボノ? まさか、あの……。
「おい、よく聞け! さっそく次回の大阪でこのボノとハッスル軍の誰かを闘わせようじゃないか。インリン、母親として可愛い我が子の対戦相手を決めるがいい」と、インリン様に対戦相手の指名権を与えた。ニッコリ微笑んだインリン様は、場内の期待通り「フンコロガシ! お前よ!」とRGを指名!
「いやぁ〜っ! 無理! 無理! 無理! 無理ですよ〜!!」と、目を見開いて悲鳴を挙げるRG。それはそうだ。あのモンスター・ボノの巨体に乗られただけで、RGの内臓は破裂しそうである。しかし、インリン様は情け容赦なく「そもそものきっかけを作ったのはお前よ! ボノちゃん、大阪であのフンコロガシと軽く遊んでやりなさい」とRGの哀願を跳ね除けた。
ここで、ボノがグレート・ムタ風のマスクを脱ぐと、大きくどよめく館内! 口にはおしゃぶりをくわえているが、その姿はどう見ても大相撲の元・横綱で、格闘技に転向してからは大晦日に紅白を破る最高瞬間視聴率を弾き出したあの曙にそっくりだったからである。ボノはドスコイ! と花道で四股を踏む
「無理、無理、無理!」とボノの素顔を見てさらに激しく拒否するRG。しかし、観客席から「ふんころがし頑張れ!」との声が飛ぶと、「誰がふんころがしだ!」と反論する冷静さも持ち合わせていたようだ。だが、そんなRGの徹底拒否は全く無視され、「では、9月22日大阪で、このボノとRGのシングルマッチ決定だ!」と高田総統は決定を下した。
「やめて〜! 無理だぁ!」と悲鳴を挙げるRGを完全に無視した総統は「そして11月のハッスル・マニアまでに、今度こそ貴様らハッスル軍全員を私のしもべにしてやる! では、名古屋の諸君。また機会があればお会いしよう。バッドラックだ!」と言いたいことだけを言って、今日はさっさと引き上げてしまった。
呆然とするRGに「なあ、RG、お前大変なことになったな…」とまったく人事のように話しかける崔。場内からも“やれば出来る”などの無責任な応援(?)の声が飛ぶ。
「やればできるよじゃねぇよ! もう……なんで僕なんですか! もう、こうなったら僕らも対抗して、チエちゃん! 卵を産んでください!」と、恐怖のあまり脳に異常をきたしたRGは訳のわからないことを言い出す。
「無理だよ!」と当然言ったチエに、「産め! 産め!」と執拗に詰め寄るRG。TAJIRIばりの変態だ。「おい、お前ふざけんな!」見るに見かねた坂田の怒声が響いた。「俺たちは今日、完敗だ。こんなんじゃ、マジでモンスター軍に潰されちまうぞ。HG! どんな反則を使われようが、勝つのが本当のエースだろ? わかってんのか!」とHGを叱咤する。
うつむいたままマイクを握ったHGは「天龍さん、今日は私が不甲斐ないばっかりに、すいませんでした! 記念すべき“龍ゲイ砲”の初試合だったのに、ホント、すいません!」とパートナーの天龍に深々と頭を下げる。
しかし、懐が深い天龍は「HG。この落とし前は必ず俺が大阪でとってやるから心配すんな。坂田、気持ちはわかるけど、焦りは無用だ。まずは自分たちの欠点を見つめて、次につなげりゃいいんだよ」と大人の態度。これにはハッスル軍の面々もうなずいた。
天龍は続ける。「おいHG、エースってもんはな、どんな大変な時でも胸を張って歩かなきゃダメなんだよ。最後、きちんとエースらしく、ビシッと締めてくれ!」とHGを元気付けた。
「はい!」と元気を取り戻したHGは、スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! フォー!!! で名古屋大会を締めたのだった。
ついに孵化したイン珠から姿を現した、超巨大モンスターのモンスター・ボノ。元・横綱の曙に似ているという以外は、全てが不明のままだ。RGは今度こそリング上で命を失ってしまうのか? 坂田とボナパルトのスーパースター決定戦の行方は? そして天龍VS大谷の因縁決着戦の勝敗、モンスター軍追放が決定的となったTAJIRIの運命は!?
様々な謎と期待を残し、ハッスルは8月シリーズを終えた。ハッスル・マニアまであと99日……まだまだ何かが起こりそうな予感だ。
9分52秒 反則
本日孵化する予定のイン珠だが「本当に孵化するんですかね。あれから3日しか経ってない。前の卵の時には4カ月もかかったんですよ」と不安そうな表情を浮かべる島田二等兵。しかしそれを聞いてもアン・ジョー司令長官は「ノープレブレムです」と口を真一文字に結んだまま。「何か知っているんですか?」と問い詰める島田二等兵に対しても「今は言えまセン!」と応えるだけだ。するとそこにメインハッスルに出場する大谷が登場。「うおお! 試合はまだか!」と今日も燃えに燃えているようだ。イン珠なんて知らん顔の大谷を島田二等兵は「今はそれどころじゃねえだろ!」と一喝。それを聞いた大谷は「こういう時は男が慌ててもどうもならないだろう。産まれる時には産まれるんだよ」と独身らしからぬ落ち着いた大人のコメント。これを聞いた島田二等兵とアン・ジョー司令長官は思わず感心するのであった。そんな大谷に「勝利はもちろん、それ以上に重要な義務がある。それは裏切り者の天龍に制裁を与えることだ」とはっぱをかける高田総統。これを聞いた大谷は「ノートンにおいしいことはとらせん!」と叫びつつ、着ていたTシャツを引きちぎりアジトを後にした。さらにメインの試合同様、気になるイン珠の孵化について、高田総統は「例の孵化加速装置の出来はどうなっている?」とアン・ジョー司令長官に言いよる。「完成しまシタ」というアン・ジョー指令長官の言葉を聞いて高田総統は「よかろう…」とニヤリ。どうやらこの孵化加速装置がイン珠孵化の鍵を握っているようだ。今回が初タッグとなった龍ゲイ砲のHG&天龍だったが、2人が並んで入場する姿に違和感はない。対する大谷&ノートン組、大谷はカメラを押しのけてリングイン、いきなり天龍に襲い掛かるというヒールぶりを発揮する。
閉じる 天龍にサミングなどラフ殺法を見せる大谷だったが、逆水平の打ち合いになると、天龍の逆水平で大谷が膝をついてしまう。しかし大谷は豪快なフライング二ールキックで天龍の攻撃から脱出し、ノートンとタッチ。ノートンは圧倒的なパワーを活かしたボディプレスで天龍を痛めつけていく。逆水平でこの状況を打破し、天龍はHGとタッチ。HGはトップロープで腰を振って、高角度のドロップキックをノートンに決める。HGはスピードでノートンをかく乱し、コーナーで股間を打ちつけようとするのだが、ノートンがHGの両足を担ぐようにして強烈なパワーボム! この一発で流れを引き戻すと、ノートンのタッチを受けた大谷は、HGが爆弾を抱える腰に狙いを定め、逆片エビ固めで腰を痛めつける。さらに今度は大谷とノートンが2人がかりで立て続けにHGにボディプレス。必死に大谷に立ち向かっていくHGだったが、大谷が掟破りの急所蹴りを連打し、HGは股間を押さえて悶絶する。そしてノートンはHGを高々と持ち上げて、トップロープに股間を打ちつけさせ、エルボーを打ち込む。完全にHGと天龍は分断されてしまい、孤立するHG。口からは出血も見られるHGだったが、大谷は容赦なくHGを攻め込み、HGの体を高々と持ち上げてサイドバスターを見せる。このまま一気に勝負を決めようとする大谷だったが、ロープに飛んだ際に、天龍が延髄蹴りで大谷を迎撃し、HGとタッチしてリングに入る。逆水平の連打とグーパンチで大谷をボコボコにする天龍。HGとのサンドイッチ延髄蹴りも見せ、このまま流れはハッスル軍かと思いきや、ノートンがパワー殺法で再び天龍とHGを分断させ、リング中は天龍ただ一人。するとノートンがコーナーの天龍にヘッドバットを叩き込む間に、大谷は長机をリングに入れて、その机で天龍の頭に強烈な一撃! さらに大谷は工具を持ち出して天龍の額にそれをを突き刺した。大谷は、止めに入ったレフェリーをも蹴り飛ばして凶器攻撃を続けるなど大暴れ。結局、これによりレフェリーが大谷の反則負けを宣告。しかし大谷はそれでも反則攻撃を続け、何とレフェリーにまでもパワーボム。ハッスル軍が何とか救出に入って収拾がついたものの、大谷の凶暴ぶりを垣間見る試合となった。
9分38秒 ダイビングエルボードロップ
新生ハッスル軍の頼れる兄貴・坂田亘! 高田総統が卑劣な手段でどんなにねじ伏せようとしても、怯むことなく跳ね返してきた。そんな坂田にモンスター軍はさらなる壁を用意!
元WWEスーパースターのレネ・デュプリー改めレネ・ボナパルト! ハッスル初登場となった3日前の後楽園大会では、元WWEブランドを誇示するかのようなファイトを展開。そのファイトスタイルは、まさに美しき悪の貴公子。同じ元WWEのTAJIRIを翻弄した。
メジャーリーガーの風格漂うボナパルト。対する坂田も臆する様子は微塵もない。「奴は元WWEでスーパースターだったらしいが、俺こそが真のスーパースターだ!」と宣言している。果たして、リングの上で輝く星となるのは坂田か? ボナパルトか?
閉じる 先発は崔とバボ。まずは崔がリードして、代わった坂田はエルボーでバボをコーナーまでふっ飛ばし、ボナパルトにカモンのゼスチャーだ。リングに入ったボナパルトは余裕のスクワットを見せ、坂田をコーナーまで押し込むと顔を軽く叩き、笑みを浮かべながら優雅に離れる。ハンマーロックの応酬に勝利したボナパルトは手を広げて腰をフリフリ。坂田は完全にナメられている。
バボに代わると、坂田はチョップの連打を見舞ってエルボー。坂田がバボをキャメルクラッチに捕らえ、崔はロープワークを駆使しての蹴りを見舞う。ここでボナパルトがカットに入り、エルボー、水平チョップで坂田を痛めつけ、バボがハイアングルのドロップキック。さらに坂田の顔面を蹴りつけるバボ!
「どうした! 名古屋人はこんなもんか!」と挑発するバボ。坂田はバボの蹴りをかわすと袈裟切りチョップでようやく反撃、蹴りの連打でダウンを奪った。タッチを受けた崔がドロップキック。バボをノーザンライトスープレックスでフォールするもカウントは2。
バボがハイアングルのブレーンバスターを決めると、ボナパルトは「タッチしてくれ!」と腰を振りながら盛んにアピール。しょうがなくバボがタッチすると、そのまま華麗にフォールに入るイイトコ取りのボナパルト! しかし、このタイムラグは坂田がカットに入るには十分な時間だった。
ボナパルトは崔にエルボードロップ、滞空時間の長いバックドロップでフォールに入るもカウントは2。ならばとチンロック&フェイスロック。これに耐えた崔はロープに飛んで反撃を試みるも、ボナパルトはスパイラルバスターで迎え撃った。
ボナパルトはダウンした崔の頭の上で、フレンチダンスを踊ってから拳を顔面に落とし、大の字の崔へコーナー最上段から大きく飛んでのダイビングエルボー! ボナパルトが華麗にカウント3を奪った。ボナパルトは観客席に投げキッス、自慢の筋肉美をアピールしながら去っていく。
「ちょっと待て、このフランス野郎!」ボナパルトをマイクで呼び止めたのは坂田だった。「よくも俺の地元で恥をかかせてくれたな! 次の大阪、俺とお前でシングルだ!」と、次回大阪大会でのシングルマッチ対決を要求だ。
ところがボナパルトは、両手を広げると左右にとんでのフレンチダンス。余裕を見せまくる。
「なんだ、その嫌味なリアクションはよ! タコ殴りにしてやるからな!」とボナパルトのナメた態度に怒り心頭の坂田は「領二、フランス野郎に何か言ってやれ!」と崔にマイクをバトンタッチ。突然のことに慌てた崔は「ボンジュール、クロワッサン、エスカルゴ、コマンタレブ、ジダン」と、取り合えずフランスに関係のある言葉を並べてみたものの、坂田にマイクで頭を小突かれてしまうのであった。
「よく聞け、フランス野郎! 俺がハッスルのスーパースター坂田亘だ! よく覚えておけ!」坂田は改めてボナパルトに宣戦布告だ!
6分53秒 K包み固め
躍進著しい新生ハッスル軍期待のホープ、KUSHIDA! 総勢7名と層の薄い新生ハッスル軍にとって、貴重な若手戦力であるKUSHIDAはここ最近絶好調。実にハッスル・エイドから4連勝中である。今季、新人賞確実の声も高い楽天・田中将大選手に負けずとも劣らないゴールデンルーキーぶりを発揮している。
そんなKUSHIDAにメジャーリーガー級の壁が立ちはだかった。モンスターK・川田利明である。今年に入り、歌にお笑いにとよくも悪くも活躍の場を広げている川田。しかし、ひとたび試合となればハードな試合ぶりでハッスル軍を圧倒し続けているのだ。
初めて迎える、高く、そして硬い壁。果たしてゴールデンルーキーは大金星をあげることができるのか!?
閉じる KUSHIDAは勢いよく花道を走り抜け、トップロープを掴んでリングにジャンピングイン! 弾けるような若さを見せ付ける。対する川田は重厚な登場。
ゴング前から襲い掛かるKUSHIDA。チョップを見舞っていくが、川田はビクともせずローキック&エルボーでKUSHIDAを圧倒する。
それでも気合十分の表情で川田に立ち向かい、ローリングエルボーを繰り出すKUSHIDA。フライングボディアタックからドロップキック、すると川田も触発されたように珍しいフライングボディアタック! さらにはKUSHIDAのお株を奪う側転エルボーまで繰り出す余裕ぶり!
KUSHIDAは場外の川田にプランチャを繰り出すも自爆。川田はリングに戻ろうとしたKUSHIDAにビッグブーツを見舞い、なんと逆プランチャ! 完全にKUSHIDAのお株を奪うような技の連続だ。
川田のキックに苦しめられたKUSHIDAだったが、低空飛行のドロップキックで逆襲するとムーンサルトプレス! が、カウントは「1」。続いてジャーマンを狙ったKUSHIDAだったが、川田はオーバーヘッドキック! 川田のブレーンバスターを返したKUSHIDAが逆さ抑え込みにいき、その直後に川田が同じ逆さ抑え込み。続いてKUSHIDAの奇襲スモールパッケージホールドは返された。
滞空時間の長い投げっぱなしパワーボムでマットに叩きつけられるKUSHIDA。川田はKUSHIDAを無理やり立たせると、先ほどやられたスモールパッケージホールドで3カウントを奪った。
KUSHIDAの動きをコピー、さらにそれ以上のパワーで圧倒してみせて格の違いを見せ付けた川田がマイクを握る。
「ここ名古屋はハッスルのホームタウンだよな。そのホームタウンの名古屋で普通なら俺の歌があってもおかしくないはずなんだ! だけど総統の嫌がらせか、よりによってアントキの猪木のオープニングになっちまった! 次回はリサイタルを開催するからみんな見に来てくれよ」
オープニングを奪われた悔しさからのマイクアピールらしい。次回のリサイタル公演を約束した川田は「総統の嫌がらせ何かな、そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ!」と後楽園大会の熱を引きずるかのようなネタを披露し、満足気に引き揚げていくのであった。
数多くの芸能人がリングに上がり、輝きを放ってきたハッスル。しかしその中でも苦杯をなめ去られ続けているのがアイドルの海川ひとみ。今日は地元での大会ということで、ハッスルブレイク前に挨拶することとなった。「こんにちは、海川ひとみです」と四方に礼をする海川。「この名古屋でバボさんに負けてから、強くなるために鍛え直してきました」とまずは近況を報告。そして「こんなことを言うのはおこがましいと分かっているんですけど…」と前置きした上で「試合をさせて下さい! よろしくお願いします!」とハッスル復帰戦を熱く訴えかけた。
するとそこに島田二等兵とジャイアント・バボが現れ、「まだ懲りてねえのか!」(島田)「とっとと帰れ!」(バボ)と海川を罵倒する。しかしそれでもめげない海川は「お願いします!」と一歩も引かず、さらには試合のためなら何でもするという。すると島田二等兵は「じゃあ今ここで水着になれ!」とスケベ心満載の要求! 一瞬戸惑いを見せた海川だったが、無言でジャージを脱ぐと、真っ赤な水着姿が露になった。「これで試合させてもらえますね!?」と問い詰める海川。すると島田二等兵は海川にグラビア風のポーズをとれと、海川の気持ちを逆手にとったお下劣な要求を突きつける。さすがの海川もこれは拒否するかと思いきや、島田二等兵から強要された背中を向いて顔だけ振りかえるポーズや、寝そべて肘をつくポーズにもすべて応じ、ハッスルへの情熱を見せた。しかしここぞとばかりに海川をいじめるのが島田二等兵。今度は大量に売れ残っていると噂の“島田二等兵オリジナルTシャツ”を海川に手売りさせようというのだ。「ハッスルブレイクでTシャツを100枚売ったら試合を考えてやる」と島田二等兵。(※もともとTシャツ自体を100枚も作っておらず、売れ残っている枚数は40枚)。海川は1枚3800円の島田二等兵Tシャツを40枚完売するため、Tシャツに着替え、Tシャツが山積みになった籠を手に会場へと繰り出した。苦戦が予想された手売りだったが、海川のハッスルへの情熱が観客の心を突き動かしたのか、Tシャツは飛ぶように売れて、ハッスルブレイク終了後には完売。海川は見事にこの難題をクリアした!
島田二等兵とバボが待つリングに意気揚々と戻ってくる海川。「完売ですよ! これで試合させてもらえますね」と再び島田二等兵に詰め寄る海川。さすがの島田二等兵もこれには驚いた様子だったが、「こんなんで試合に出られるほど、ハッスルの敷居は低くねーんだよ!」と、再び海川の要求を突っぱねる。それどころか次の9月シリーズでまた新たなお題を出し、それをクリアしなければ試合はさせないと更なるハードルを課す。しかし「私、絶対にあきらめませんから!」とじっと島田二等兵をにらみつけた海川。最後までハッスルへの情熱を見せ、島田二等兵のいじめにも弱気な態度を見せぬまま、花道を去っていった。
そんな海川に「宿題として、9月13日の後楽園大会までブログに“島田二等兵、素敵”って毎日書けよ。 ちゃんとチェックするからな!」と、もはや私情とも言える要求をした島田二等兵。
果たして島田二等兵の嫌がらせを克服し、海川はハッスルのリングに立つことが出来るのか?
海川ひとみのブログ『海川ひとみのくつろぎ空間』も要チェックだ!!
×RG
5分25秒 キャメルクラッチ(3段式)
アン・ジョー司令長官との大一番を控えるRGだったが、何と控え室では受験勉強中。「目指せ! 東大ハッスラー」と書かれた紙を壁に貼り、RGは「一難去ってまた一難。モンスター軍も強敵だけど、受験勉強も苦戦の連続だな」と参考書と向かい合う。するとそこに坂田が登場。RGの余裕っぷりに腹が立ったのか、坂田は張り紙を破り捨てて、それをRGに投げつける。するとRGは首のコルセットをさすりながら、「この前の後楽園で大谷にやられて首に痛みが残っているんですよ。本当だったら欠場ですよ〜」と何とも偉そうな態度。アン・ジョー司令長官と数々の激闘を繰り広げ、その強さを知っているだけに坂田は「お前、アン・ジョー司令長官を舐めていると痛い目に合うぞ!」とRGを怒鳴りつけるのだが、RGはその態度のまま「知ってますよ〜『レスリングのメダリストからも関節技を取れる』と言われていたのも、知ってますし」と豆知識を披露。さらに「僕はね、タイガー・ジェット・シン、川田利明、スコット・ノートン…錚々たるメンバーと戦ってきたんですよ。それに比べたらアン・ジョー司令長官なんてIt's easy。怪我していてちょうどいい。それに秘策もあるんですよ! OK〜」と不敵な笑みを浮かべたまま、控え室を後にした。そんなRGを見て坂田は首を傾げる。果たしてRGの言う秘策とは…!?
リングに目を移すと、放心状態のままロープにもたれかかかりピクリとも動かないTAJIRIの姿が。そのまま第3ハッスルが始まってしまい、アン・ジョー司令長官が入場曲に乗って意気揚々とリングに上がる。TAJIRIの存在に気づきマイクを握ったアン・ジョー司令長官は「TAJIRI、いつまでフリーズしているんデスカ!? ハッスル軍のペーペー、しかもお譲ちゃんに負けるユーに何の価値はありません! ユーはモンスター軍追放デース!」とTAJIRIに非情の追放宣言! リング上でモンスター軍の一大事が起こっている中、いつの間にかリングに上がったのがRG! TAJIRIへの追放宣言に夢中のアン・ジョー司令長官に後ろからこっそりと近づくと、電光石化のスクールボーイ! そのままアン・ジョー司令長官を丸め込んで何と3カウントを奪った! 場内には「勝者、RG!?」のコール、RGは四方のコーナーに上って勝利を力強くアピール。逆に納得のいかないアン・ジョー司令長官はレフェリーに食って掛かる。リング上が騒然とする中、レフェリーが裁定を説明。その結果、一度はRGの勝利が宣告されたものの、試合開始のゴングが鳴っていなかったため、試合は未成立。ハッスルオフィシャルルール第12条・第3項に乗っ取り、RGの勝利が取り消しとなり、再試合が決定した。そして改めて試合開始のゴング!
閉じる まさかのフォール負けこそ免れたとはいえ、屈辱的な幻の3カウントを奪われたアン・ジョー司令長官は、怒りの表情でRGをにらみつける。RGは必死にアン・ジョー司令長官の胸元にチョップを叩き込んでいくのだが、もちろんそれが効くわけもなく。アン・ジョー司令長官は両手を広げて余裕のポーズ。RGのドロップキックを自爆させると、RGの背中に強烈な張り手。さらにRGが負傷している首に照準を絞ったアン・ジョー指令長官は、ネックロックでRGの首をえげつない角度でしぼりあげ、そのままの状態でRGを引きずり回す。さらにアン・ジョー司令長官はRGをコーナーに逆さ釣りにしてロープへ飛ぶ。するとその反動でTAJIRIがマットにゴロン。それでもTAJIRIはピクリとも動かず、スタッフに肩を抱えられて控え室に去っていく。この隙に何とかコーナーから脱出したRGは「死んだらどうすんだ!」と、アン・ジョー司令長官に突っかかっていくが、アン・ジョー司令長官の張り手一発で吹っ飛ばされる。悶絶するRGにアン・ジョー司令長官はマンハッタンドロップを連打! 股間を強烈に打ちつけたRGは派手にロープまで吹っ飛んでしまう。しかしRGがロープに吹っ飛ばされた反動でアン・ジョー司令長官に奇跡のボディプレス! この一発でアン・ジョー司令長官はマットに大の字となり、HGはパンツを脱いで赤ふんどし姿になり、アン・ジョー司令長官の顔にそのおしりを向ける。このままおしり攻撃といきたいRGだったが、アン・ジョー司令長官が一足早く蘇生して、RGの体を片手でコーナーまで吹っ飛ばす。ボディプレスこそかわされたアン・ジョー司令長官だったが、すぐに下から三角絞め! 何とかロープブレイクで逃げたRGの視線はうつろ。アン・ジョー司令長官はRGに強烈な蹴りを叩き込み、キャメルクラッチでRGの体を絞り上げる。なかなかタップしないRGに対して、アン・ジョー司令長官はRGの首のコルセットをはがして、さらにえげつなく首をしぼりあげる! 何とか粘っていたRGだったが、さすがにこの攻撃にはタップ。RGは白目を剥いて失神してしまった。終わって見れば余裕の勝利だったアン・ジョー指令長官。「俺の栄光の歴史に傷がつくとこダッタ。二度とふざけたまねするんじゃねえぞ、しっかりメモリーしとけ!」と吐き捨ててリングを降りた。
7分30秒 小包固め
後楽園大会で「この抜け殻野郎! きっと総統もオカンムリだ。これでお前は、モンスター軍追放間違いなしだな!」と、島田に三行半を突きつけられてしまったTAJIRI。「島田さーん! モンスター軍に残れるように、島田さんの方から総統にお願いしてくださ〜い」と哀願したが、ついに今回は高田モンスター軍追放のかかった査定マッチとなってしまった。
今から、ちょうど5ヵ月前。ここ名古屋で、高田モンスター軍に寝返ったセレブ小川を成敗するためリングに上がったTAJIRI。ところが、インリン様の母乳"イン乳"によって逆に高田モンスター軍に洗脳され、以来、イン乳がなくては生きられないド変態に落ちぶれた。
失態続きでいよいよ肩身が狭くなってきた先月の浜松大会では、かつて旧ハッスル軍で盟友だった大谷に大事なイン乳を一気飲みされてしまう。唯一の心の支えイン乳まで失ったTAJIRI。3日前の後楽園大会では、イン乳の禁断症状に苦しみながら、モンスター軍入団を志願してきた元WWEのレネ・ボナパルトの実力査定マッチでも完敗を喫し、もはや半追放状態に。
もはや1つの負けも許されないTAJIRI! 今日の相手はキャリア1年に満たない女子ハッスラー、中京女子大学出身の“ハッスル天然少女”\(^o^)/チエ。元WWEのスーパースターTAJIRIとしては屈辱的極まりないマッチメイクだが、果たしてTAJIRIはどん底を抜け出し、かつての輝きを取り戻すことができるのか?
閉じる 姿を見せるなり、イン乳の禁断症状に震えるTAJIRI。チエはすぐにTAJIRIへ襲い掛かるが、TAJIRIは奇声を上げながらチエをコーナーや鉄柱に叩きつけ、急いでフォールに入る。が、この程度で3カウントを奪われるチエではない。
チエはドロップキックでカウント2、バンザイエルボーでもカウント2。変形のストレッチ技、バンザイホールドでTAJIRIを締め上げる。一方的に殴られ、蹴られまくるTAJIRI。ようやく蹴りの連打で反撃に転じたTAJIRIは、アームブリーカーから腕へのエルボー、そしてアームロック。TAJIRIは何かにとり付かれたように「腕を…腕を…」と呟きながらチエの右腕一本に狙いを絞って攻撃を続ける。
チエの腕を鉄柱に巻きつけ、締め上げるTAJIRIは舌を出して嬉しそうにニヤニヤ。もはや正視しがたい変態っぷりだ。リングに上がるとTAJIRIはアームロック! 場内にチエの絶叫が響き渡る。TAJIRIの嬉しそうな笑い声も響き渡る! ようやくロープブレイクとなったチエ。
「変態、行きますよぉ!」と突っ込んできたTAJIRIのボディアタックをかわし、チエはエルボーの連打、ドロップキック、コーナー最上段に登るとTAJIRIがデッドリードライブ。そしてTAJIRIのパイルドライバー! カウントは2!
TAJIRIはニヤニヤと笑いながら、たっぷりと溜めを作ってのトドメの顔面蹴り。が、これは空振り! これまでフィニッシュで連発しすぎ、タイミングを読まれていたようだ。すかさずスクールボーイに丸め込むチエ、これはカウント2で返されたが、チエは間髪入れずにスモールパッケージホールド! これがなんとカウント3!
大喜びするチエ、それに対して負けたショックから目を見開いて呆然とフリーズしてしまうTAIRI。そんなTAJIRIを放っておいて、チエはバンザイしたまま場内の声援を受けて退場した。
8分16秒 ジャーマンスープレックスホールド
流浪のマスクマン軍団、キンターマン&クロダーマン……こと、旧ハッスル軍に所属していた金村キンタローと黒田哲広。今年3月。高田総統がハッスルを買収したのを機に、そそくさとハッスル軍に見切りをつけてマスクを被り、モンスター軍入りを志願した。以来、モンスター軍に入るため入団査定マッチを繰り返すも、いつも肝心な場面でチャンスを逃してばかり。さらに、前回の後楽園大会では海水浴に行ったキンターマンのキンターマンがクラゲに刺されてしまったことが発覚!
ところが、「今日はフレッシュなメンバーを連れてきました」とクロダーマンは新たなマスクマンとしてミツヤーマンを紹介! 「恐縮です」とマスクマン軍らしく低姿勢なミツヤーマン。しかし、そのミツヤーマンが意外な働きを見せたのだ。
結果には負けたものの、ミツヤーマンの動きにアン・ジョー司令長官も興味津々。その実力を今一度見極めるべく、急遽、ここ名古屋で特別査定試合が組まれることに。
突然、振って沸いた夏のボーナス。果たしてクロダーマン&ミツヤーマンはこのチャンスをものにできるのか!? いざ、マスクマン軍は9回目の査定マッチに挑む!
閉じる 恐縮そうに頭を下げてリングに登場したクロダーマン&ミツヤーマン。キンターマンと比べるとやや息の合ってないブリブラダンスに、若干のコンビネーションの不安を感じさせる。対するは“ミスター査定マッチ”佐藤耕平と、夏季限定モンスター入道蜘蛛。
先発は入道蜘蛛とミツヤーマン。ハンマーロックの応酬からミツヤーマンが強烈なキックで入道蜘蛛を吹っ飛ばす。変わったクロダーマンが張り切ってリングインするも、逆に耕平のローキックを喰らって痛そうな顔。正攻法でやってはかなわんとばかりに、クロダーマンは場外へ降りて得意の鉄柱に足をぶつける攻撃。そして、花道で大きく助走をとってのラリアット!
するとクロダーマンはミツヤーマンにも助走ラリアットを薦める。意外にもノリのいいミツヤーマンは入道蜘蛛に助走を付けたラリアット!
しかし、場外では強かったクロダーマンも、リング上に戻るとあっという間に攻守逆転。クロダーマンが入道蜘蛛の立体殺法に痛めつけられ、スリーパーホールドで失神寸前! キチンシンクで悶絶させられたクロダーマンを、耕平&入道蜘蛛が合体攻撃でトドメを刺そうとしたが、クロダーマンは誤爆を誘う。
タッチを受けたミツヤーマンがハイキックからスープレックス、そしてキャプチュードで耕平を投げる。代わったクロダーマンがクロダーマンカッター! さらに観客に手拍子を煽り、ラリアット! が、カウントは2!
マスクマン軍は対角線で鉢合わせさせられそうになるも、リング中央でクルリと体を入れ替えてモンスター軍にラリアット! クロダーマンは耕平をバックから捕まえたが、ミツヤーマンのハイキックが誤爆してしまう。逆に耕平に捕らえられたクロダーマンを助けようとしたミツヤーマンに、入道蜘蛛は蜘蛛の糸! 糸に絡まれたミツヤーマンに気をとられたクロダーマンに耕平がジャーマン! カウント3を奪われた。
「また負けちゃいました。恐縮です」と恐縮するクロダーマン。「すいません。僕が至らないばっかりに」とミツヤーマンも恐縮するが、「全然ミツヤーマンのせいじゃないよ。悪いのは今日ここに来ないキンターマンだ! もう、腹たつわ!」と、情けない理由で欠場したキンターマンに愚痴をこぼす。
「でも、こうなったら今日のところは花火でも見に行って、その後、栄でちょっくらロケット花火をパンパンと発射しましょうか!」と、気持ちの切り替えが早いクロダーマンは得意の下ネタだ。ところが、「すいません。ボクはキンターマンとは違うんで、下ネタにはつき合えません」と真面目なミツヤーマン。
顔を見合わせ「恐縮です」と、お互いに恐縮し合うマスクマン軍であった。
今日のハッスルは応援ボードコンテストからスタート! 「ハッスル天龍」や「インリン様大大大好き」など様々なメッセージが書かれたボードが並ぶ中、レネ・ボナパルトにフランス語で応援メッセージを書くファンの姿も。そして今日のベスト応援ボードに選ばれたのは、先日の後楽園ホール大会でハッスル参戦を発表したケロロ軍曹への応援ボード。新たなハッスラーへの期待をボードに書いた小学生の男の子には、ハッスルバックアッパーズの浜田翔子さんからTシャツがプレゼントされた。
続いてのイベントは、\(^o^)/チエとのスイカの早食い対決。チエの相手に選ばれたのは、こばやしゆうた君(11歳)。対決が始まると、勢いよくスイカにかぶりつくチエだったが、ゆうたくんが志●けんばりのスピードでスイカをあっという間にぺロリ! 見事チエに勝ったゆうたくんはスイカを口一杯に詰め込んだまま、記念Tシャツをもらってリングを降りた。
そして最後はチエとリング上でのハッスルポーズ。ファンの中から選ばれた小さな女の子と男の子の兄弟に挟まれ、「今日は地元ということで、いつも以上にハッスルします。応援よろしくお願いします」と意気込みを語ったチエ。天然キャラ爆発の挨拶でハッスルポーズを決めた。
続いてケイ・グラントの「レディス&ジェントルマン!」の声で紹介を受けたのは、何とアントキの猪木! 猪木は「炎のファイター」のテーマに乗って登場、花道に押し寄せるファンに闘魂ビンタをかましながら、リングに上がった。「元気ですかー!! おなじみ元気があればなんでもできる。元気があれば、少子高齢化対策もやれるか、おい。元気があれば、ハッスルのリングに再び立つことができる」といつもの調子で挨拶をする猪木。ハッスルエイド以来のハッスル登場となった猪木だったが「今日は他でもない、来る9月8日。ここ名古屋でこの俺が旗揚げした新団体イノキ・ゲノム・フェデレーション。略してIGF興行第二弾の開催にあたり、告知にやってまいりました」と、あろうことかハッスルのリングで他団体の告知をやってしまう。客席からはブーイングも飛んだが、猪木はその声を「うるせえ! 文句があるんだったらリングに上がれ、コノヤロー!」と一蹴する。さらに「世の中、暑くて大変だけど、名古屋の皆さんに、闘いのお中元を持ってきました。『♪コーヒーギフトはIGF〜』なんつって」とダジャレを交えて挨拶を続けるなど、やりたい放題だ。ここで遂にハッスルスタッフから猪木へ挨拶を早く終わらせるように巻きの合図が入る。すると「オープニングは1分にしてくれと言われたけど、もう1分過ぎてるな。これ以上長くなると次のハッスルに出られなくなるので、言うことを聞いてやろう。本日の対戦カードはこれだ! ダシャ!」と、背に腹は変えられないとばかりに、ハッスルスタッフの指示には素直に従う猪木だった。 こうして場内ビジョンに対戦カードが紹介されるのだが、「今日は以上の6カードだ。暑い中、熱いカードで満載のハッスル。なのに今日の俺はお盆である。何で俺の試合がないんだ?」とうなだれる猪木。やはりオープニングの挨拶だけでは物足りないのか、「寂しい限りですが、いつ、何時、誰の挑戦でも受ける! そういう気持ちでオファーを待っています」と試合でのハッスル再出撃を誓った。そして最後は「そんな私から熱い季節に熱いカードを見守っていただくべく、絞めさせてもらっていいですか? それではご唱和ください! 行くぞーッ! 1、2、3、ダーッ!! ありがとーッ!」と本家顔負けの挨拶で締めくくり、登場と同様に「炎のファイター」のテーマに乗って、猪木は花道から去っていった。