「総統」コールがパラパラと沸き起こる中、リング上ではハッスル軍が集結し、モンスター軍を睨みつける。RGはかろうじて立ち上がり、天龍に至ってはまだ起き上がることができずにいる。いかにボノの破壊力が強大だったかをダメージの大きさが物語っている。
そして総統が開口一番「なんでお前らはこの壁が打ち破れないんだよぉ!」といまいち盛り上がりきらない「総統」コールに対して怒鳴りたてた。「おいロレンゾ! 日本をなめんなよ!! こんの野郎〜!!」。第1ハッスルのオープニングでネタにしていたのも苛立ちの裏返しだったのか、やはり腹の底ではかなりムカついていたらしく、客をいじるのもそこそこに怒声をあげた。日本を代表するこの、いま最も的確な叫びにファンは大歓声。総統は続けて「我こそが高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者・高田だ!!」と恒例の、猛々しさを通り越して声も裏返る自己紹介。
一通り言うことを言ってスッキリした様子の総統は、リング上のハッスル軍に視線を移し、「おい、そこで寝たきりになっている老いぼれ。貴様、まだこの世に未練があるのか? ん?」と天龍を挑発。先の試合で虫の息となり言い返すことができない天龍の代わりに割って入ったのは、その天龍を尊敬してやまないRG!
「おいボノ! よくも天龍さんをこんな目にあわしたな……。それがお前のやり方か!」と怒りの矛先をボノにぶつける。しかしモンスター軍はモンスター軍で、すっかり親バカになったインリン様がボノをかばってしゃしゃり出てくる。「だまらっしゃいフンコロガシ! 天使のようなボノちゃんを悪い子みたいにいわないでちょうだい」。すかさずRGは「どこが天使じゃ! 息子が息子なら親も親だ! このバカ親子!」とまくし立てるが、そのやり取りを見ていたボノがおしゃぶりを外し、「ママをいじめるな! このフンコロガシ……、死ね!」と幼いながらも、悪態をつく。我が子に庇われたインリン様は「優しい子だね」とべた褒め。母の愛情を受け止めたボノはこれ見よがしに「ボノちゃん良い子〜。バ〜ブ〜」と得意顔。このやりとりにうんざりしたRGが「もう一回勝負だ! 今度こそはWARGでやっつけたる! 必殺『生肛門スター』を炸裂させたるからな!」とボノに挑戦状を叩きつける。インリン様があまりの下品さに「つくづく地上波に向かない男だわ」と嘆く。それを見た総統が、6日後の『ハッスル・ハウスvol.30』で天龍&RGを抹殺するようボノ&バボに命令。ようやくこの騒動を収拾した。
そしてボノや新戦力となったザ・ヘッドハンターズA&Bの試合結果を鼻に掛けた総統は、「ビビッてたじろいだか?」とハッスル軍へ敗北感を煽ろうとする。しかしリーダー・坂田が「お前の言うパワーアップはこんな程度か?」と跳ね返し、逆にヘッドハンターズとの対戦まで要求。HGも「その通りですよ〜! 私の股間のヘッドハンターズも黙っちゃいませんからね〜! セイセイ、地上波入ったんですよね。編集フォーでお願いします」とあとに続き、笑いを誘った。ヘッドハンターズもそれに応えて吼えまくる。その挑戦を受けてまた総統がまとめる。
「ではこうしよう! 次のメインとセミどちらもモンスター軍が勝った場合、ハッスル軍は断じて『ハッスル・マニア』には出場させない! 覚えておくがいい!」。カード発表に歓喜していたファンの目を奪ったのはTAJIRI。「すいません。話にカットインしちゃいますけど……」と恐縮しつつ水を差す。TAJIRIの言い分は、逆に『ハッスル軍が2勝上げた場合』にハッスル軍相応のペナルティがモンスター軍にも課せられるのか? ということだ。それ相応の条件を要求した。総統は「面白いこと言うじゃないかよ」と、TAJIRIの要求を飲み、ハッスル軍が勝った暁にはビッグなビッグな贈り物をプレゼントすると約束した。
そして総統が話を切り替え「耳寄りな情報を発表する」と言ってモニターに映し出されたのは……。
11月4日(日)『ハッスルSP』(仮)
16:00〜17:15(75分間)
テレビ東京系列・全国6局ネットにて放送!
11月17日(土)『ハッスルSP』(仮)
16:00〜17:15(75分間)
テレビ東京系列にて放送!
なんと先日の『ハッスル・エイド2006』に続く地上波特番決定のお知らせであった! 気になる内容はアン・ジョー司令長官が説明。「4日が9月・10月シリーズの総集編で、17日は『ハッスル・マニア2007』に向けての特番デ〜ス!」とのこと。そして続けて次回の『どハッスル!!』は高田総統が主役であるとアピールした。巻き起こる「総統」コール! 司令長官が「一番、思い入れのあるシーンは?」とインタビューされた総統は「特にないです……」とエリカ様顔負けのつっけんどんな返答。「総統! そんなことじゃ和田アキ子にシメられちゃいますよ! それと、なんで俺には『どハス』の出演依頼がないんですか?」と話に割り込む川田。しかし総統は「なんでこんなところにウガンダが?」とおちょくる。川田は「俺、正直、数字(視聴率)持ってるんすよ。そんでウガンダはやめてくださいよ〜。イメージ付いちゃうじゃないですか〜」としょげる。そこに大谷がひとこと、「俺なんて『江頭2:50』だぞ。ウガンダだったらいいほうだよ〜」と自虐ネタで笑いをとる。そしてハッスル軍との絡みもそこそこに「バッドラックだ!」とモンスター軍は退場していった。
残されたハッスル軍はRGを先頭に、天龍に駆け寄る。仲間に心配をかけまいとする天龍は「あんまり俺を年寄り扱いするなよ。RG、次はボノの野郎に2人でリベンジだ!」と逆にハッパをかけるほど。坂田とHGもヘッドハンターズ戦に向けて、決意を新たに気合を入れなおした。今日の音頭はHGの「ハッスル! ハッスル!! フォー!」で『ハッスル・ハウスvol.29』の幕を下ろした。
10分46秒 前頭つぶし
「兄貴! 大変スよ! HG、RGがヘッドハンターズにやられましたわ!」
崔領二が今日の負け越し決定を嘆きながらハッスル軍の控え室に飛び込んでくる。それを聞いた“小池の旦那”坂田亘は「うろたえるな、領二。冷静に、男はこういう時こそどっしりかまえろ」と活を入れる。しかし崔は「凄いっすね兄貴。“小池の旦那”になって、じつは二連敗中なのに。もっと慌てたほうがええんちゃいます?」と言葉を返す。もちろん坂田は「“小池の旦那”になってってどういうことだ!? その呼び方にはうんざりなんだよ!」と食って掛かる。崔も崔で「俺だって“小池の旦那の弟分”にはうんざりっすよ!」と声を揃える。
そうこうしていると“ハッスル大将”天龍源一郎が入ってくる。内輪揉めを止めて「大将! 俺と崔が大谷とバボをマークしますから、大将は思いっきりボノの野郎とカタをつけてください」と坂田が提案する。
そんな2人を見ていた崔が思い出したように「この3人は坂田軍団復活じゃないすか!」と嬉しそうな表情。それを聞いた坂田は「よせ領二、いま俺たちはハッスル軍。全身全霊でモンスター軍を叩き潰すだけだ」と諭す。そんな坂田に感心した天龍は、結婚して頼もしくなったと褒め称え、「今のお前だったら、ボスになっても大丈夫だ」とハッスル軍を引っ張る坂田に太鼓判を押した。
「おい、亘。あんまり俺を年寄り扱いすんなよ。いいか、男ってのはな、“ビンテージ”になってから良い味が出るんだよ」。天龍が“男”について語り出す。しかし聞き間違えた崔が「はい」と天龍に手渡したものは“バンテージ”。それを受け取った天龍は「そうそう、男ってのは“バンテージ”を巻いて……、FUCK!!」と57歳とは思えないグローバルなノリツッコミで締めくくり、場内は爆笑の渦となった。本当に逞しい男がハッスル軍に戻ってきてくれたものだ。
閉じる 今日もおしゃぶりをくわえたまま登場したボノは、長い足でロープを一またぎ。そして、天龍たちハッスル軍を目の前にすると、手をパチパチ叩きながらご機嫌な様子を見せる。ゴングが鳴ると、早速天龍が突っ張り&逆水平チョップの連打! さらにグーパンチまで叩き込む。これには、初めは手を叩きながら余裕を見せていたボノだったが、次第に効き始めたのか、泣きながらコーナーへと引き返してしまった。これで大谷にタッチ。天龍も坂田と交代すると、お互い、チョップ&タックル合戦を繰り広げる。しかし、坂田が大谷のフライングニールキックを防御して、ペースを握る。坂田はストンピング、エルボーで大谷を攻撃。そして、スリーパーに捕らえる。だが、大谷も噛み付き攻撃で反撃。これを見たボノは手を叩いて大喜びだ。続けてモンスター軍は、バボと大谷が坂田にダブルショルダータックル。そして、大谷が坂田をサミングやロープでの目潰し攻撃で痛めつけていく。さらにトレイン攻撃に移ったモンスター軍。しかし、坂田はこれを間一髪で回避すると、ようやく崔へとスイッチした。タッチを受けた崔は、一気呵成に大谷に攻め込む。しかし、大谷もバックドロップで崔を投げると、すぐさまバボにタッチ。バボはギロチンドロップ、ドロップキックで崔を攻撃していく。そして、口汚く天龍を罵るバボ。これに怒った天龍は構わず飛び出して、バボに対して逆水平チョップの連打。この間に息を吹き返した崔が、バックドロップなどで反撃に出る。しかし、バボもカウンターのヒザ蹴りで崔の動きを止めると、ボノが喜ぶからという理由で、ボディスラムを大谷と共に次々と決めていく。ボディスラムが決まるたびにボノは手を叩いて大喜び。そのうちバボに呼び込まれてリングに入ると、迫力満点のボディスラムを崔に決めてみせた。そして、恐怖のハイハイ攻撃! ボノの巨体に体の上を通過された崔は、腹を押さえて悶絶だ。一方のボノはハイハイしながら崔を追いかけ、コーナーで串刺しの頭突き。さらに、対角線のコーナーに逃げた崔をなおもハイハイで追いかける。と、ここに天龍がテーピングをボノの目の前にテーピングが! 天龍がテーピングをブラブラさせて、ボノの気を引いているではないか。そして、隙を突いて、ボノの側頭部に延髄斬り! これでダウンしたボノに崔もストンピングを食らわせると、天龍は強烈な張り手でボノの顔を張り飛ばす。そして、崔、坂田と次々とボノを攻撃するハッスル軍。しかし、最後の天龍の攻撃でボノのおしゃぶりが取れてしまった! おしゃぶりが取れた途端、「ウガ〜!」と豹変したボノは、まず天龍を串刺し式ボディスアタックで圧殺すると、坂田を抱え上げて、コーナーに叩き付ける。そして、天龍、坂田、崔をコーナーに押し込むと、3人まとめてボディアタックで圧殺だ! 続けて、大谷とバボは天龍にダブルでブレーンバスターを決めると、そこにボノがボディプレスを投下。しかし、ボノはまだまだフォールにいかない。最後はトドメの超重量級毒針エルボーが天龍に炸裂! ボノは初対戦で天龍から3カウントを奪ったのだった。
しかしそれを見かねたハッスル軍が乱入し、リングは大乱闘となってしまう。しかし比べ物にならないほど強烈なボノの張り手で返り打ちにされてしまう。
「ボノよ、その辺にしておけ!」
総統の声が、ボノたちを制止する。乱闘を止めて一斉にリングから引き上げるモンスター軍。スモークが立ち込めるバルコニーに集結、顔をのぞかせハッスル軍を見下ろした。
8分47秒 肉弾プレス
『ハッスル・マニア2007』を1ヶ月後に控えてモンスター軍の増強を図る高田総統。そして今回の10月シリーズで新たに加えたのは、生まれながらにしてのタッグチーム! “双子のモンスター”ザ・ヘッドハンターズ A&B!! 180cm、150kgの巨体から繰り出す破壊力と、その巨体に似合わない敏捷性を、双子ならではのコンビネーションに生かす。そんなヘッドハンターズを迎え撃つのは結成10年目にして不仲が取り沙汰されるレイザーラモンHG&RG!! コンビならではのチームワークを駆使して、生き残るのは果たしてどちらか……。
閉じる先に入場してきたHG&RGはそれぞれリングを1周してファンの声援に応える。一方のヘッドハンターズは、ビクター・キニョネス風の格好をした島田二等兵を伴っての登場だ。先発はファンのコールに応えてRG。調子に乗って、チョップを叩き込んでいくが、1発のチョップで悶絶! 続けて、RGは串刺し式のボディプレスなど、超重量級の技を次々と食らい、あっという間にピンチに追い込まれてしまう。さらに、ヘッドハンターズは2人がかりの合体のネックブリーカー! これでRGは完全にノックアウトされ、場外へと逃亡してしまった。続くHGも、果敢にエルボーを叩き込んでいくが、簡単に場外に叩き落とされてしまう。だが、気を取り直したHGは、フライングニールキック、さらに場外でテーブルを持っていたもう1人にスライディングキック。そして、リング内にいる1人にはミサイルキックを炸裂させる。しかし、ヘッドハンターズのパワーは圧倒的だ。優勢に進めていたHGだったが、たった1発のパンチで逆転され、2人のサンドイッチプレスで圧殺されてしまう。しかし、HGは、続く2発目のサンドイッチプレスを回避して、同士討ちを誘うとエルボー、ドロップキックで反撃だ。しかし、1人で2人を相手にするのはいかにもきつい。「RG、カモン!」と相方を呼び込むが、未だRGは場外でくたばったままだ。そのうち、またしても捕まったHGは、ヘッドハンターズのスーパーパワーボムの餌食に。しかし、HGはこれをカウント2でキックアウト。それでも攻撃の手を緩めないヘッドハンターズは、2人で高々とHGを持ち上げると、そのままマットに叩き付け、2人同時にボディスプレス! 最後はAがコーナーからダイビングボディプレスを発射して、HGを仕留めた。
『不屈のアイドル! 海川ひとみ!』。昨年の『ハッスル・マニア2006』でデビューしてからまもなく1年。「もう一度、憧れのリングで試合がしたい……」ただその一心でここ最近の大会に足を運び、島田二等兵に直訴する海川。
しかしその必死の願いが、下衆な島田の心に届くはずもなく……。これまで入団テストと称して課せられた使命はというと『(島田の私腹を肥やすための)グッズ販売』に『(島田の肉欲を満たすための)コスプレ』、そして『(島田のSっ気を発散させるための)花道50本ダッシュ』、極めつけは『(島田の鼻の下を伸ばすための)自身のブログで毎日島田を褒める』などほとんどはハッスルには関係がないというか、島田個人の欲求を満たすためのものであった。それでも懸命に課題をクリアーしてきた海川に、今回こそはチャンスが訪れるのだろうか?
これまでの島田のどう見ても個人目的の狼藉と、ひたむきな努力で課題をクリアーしてきた海川の姿を振り返ったVTRが終わると、今日も満面の笑みでリングに立つ島田の姿が。「さーてと、かわいこちゃんは逃げずに来てるのかな? お〜い、出ておいで〜!」と島田が海川に呼びかけると、体操着姿の海川がリングイン。いつもは不安そうな面持ちだが、今日はどこかしら凜として見える。
さっそくブルマーの色について「いいねいいね〜」と食いつく島田。細かい男だ。そして課題の前に準備体操を促すと「あの……、もうセクハラはやめてください! 私、島田さんの欲望のはけ口じゃありません!」ときっぱり拒否。そして課題の指示を仰いだ。
人が思い通りに動かないことが面白くない性根の曲がった島田は、舌打ちして「そんなことだからアイドルとして今ひとつ伸びねえんだよ!」と罵声を浴びせる。海川にすれば余計なお世話もいいところだ。
そして島田が課した今回の課題は“休憩中に縄跳び1500回”! 「1500回!?」と海川は、本業・アイドルの女の子にとってあまりにハードな課題に愕然とする。島田はキョトンとして「1分間で100回ペース。簡単だろ? あれ? リングに上がりたいって人がこんなこともできないの?」とわざとらしく聞き返す。ハッスルブレイク(休憩時間)スタートとともに、縄跳びを始める海川であった。
閉じるリングに戻った島田が「海川、できたかー?」と呼びかける。立ち上がってリングに戻る海川。当然だが、足元がおぼつかない。そして「できました……!」と答えると、それを聞いた島田はニヤリ。「じゃあ今から今日の課題、スクワット100回やってもらおうか!」。「え……」。愕然とする海川。「『え……』じゃねえよ! さっきのはただの休憩中のアトラクションだ。今日の課題はスクワットって前回、言ったろ! 覚えてないの? はい、スタート!」。Sっ気もここまで来れば大したものだ。海川はスクワットを始めるが10回でストップしたところで、島田のローキックに崩れ落ちてしまう。
うずくまった海川を見た島田はニヤニヤ。「おい、どうした? そんなんじゃ『ハッスル・マニア』に出られねえぞ!? リングではもっときついことが待ってんだ! おい、バボ! 教えてやりな!」。島田に命令されたバボがうずくまる海川にボストンクラブ! 激痛に苦しむ海川に向かって島田は大笑い。さらに「おい! どうしてもハッスルマニアに出たいなら、俺とバボが組んで1vs2で相手してやろうか!?」などと加える。この男の欲望は一体どっちを向いているのだろうか。
そのときであった。『ハッスル17』(仙台市体育館)以来、約1年半ぶりの登場となるザ・グレート・サスケがダッシュで登場、スライディングでリングインするやいなや、バボにストンピングを喰らわせあっという間に海川を救出してしまった。「こらぁ!! 島田ぁ! バボォゥ! いたいけな女の子をいじめて何してんだコラァ!!」。二人に怒鳴りつける。
「てめえ、何しに来やがった!」。憤る島田に、サスケは続けて「私はね、かねてから、岩手県の青少年問題協議会委員として、お前たちのやっていることを苦々しく思っていたんだよ! 大体、ハッスル軍の諸君は、こんなかわいい子をなんで助けんのかね! いかんよ、いかん!」とやりたい放題の島田をほったらかしのハッスル軍にも苦言を呈す。すると島田は「お前、もう議員クビになったろ! まさか、青少年に手え出したりしたんじゃねーのか!?」と話しをよそに持っていく。サスケも思わず“金八”口調で「クビにはなってましぇん! 選挙に落ちただけなんです!」と乗ってしまう。
サスケに水を差されてすっかり気分が盛り下がった島田は「おい! バカドル! 今日はこのくらいで勘弁してやるよ! その男はド変態だからな。気をつけた方がいいぞ!」と“ド変態は自分だろう”とつっこみたくなるような捨てゼリフとともに去っていくのであった。リングに残された2人、サスケは海川に「ひとみさん! あなたはえらい! アイドルの鏡です!」と救いのひとこと。会場は同意の拍手で大盛り上がり! さらに「ハッスル軍はモンスター軍相手に忙しいだろうから、このサスケ先生がなんとかして『ハッスル・マニア』に出してあげるからね!」と救いの手を差し伸べた。
7分18秒 反則
「今宵インドの虎が、ハッスルのリングに帰ってくる。“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シン!!」
暗転した場内に流れるのはシンの狂暴な入場シーンの数々。そしてシンのターゲットとなったTAJIRIとKUSHIDAの紹介までが終わったとき「ピンポーン」の合図でVTRは一転し、『ここから大切なお知らせです』とテロップでアナウンスが入る。BGMがガラッと変わり、『シン入場時の注意、“手荷物は必ずお手にお持ちください”、“飲みかけの紙コップ飲料にはお気をつけください”、“シンから逃げる際はお足元にご注意ください”』と、ユニークなアイコン付きで、引き続き注意が促される。そして最後にもう一度『タイガー・ジェット・シンは本当に危険です!! くれぐれも近づかないで下さい!!』と念が押されていよいよスタート!
閉じる いつも通り、サーベルを振り回し、客席を荒らしながら入場してくるシンとジョー之助。サーベルを叩き付けたり、イスを投げつけたりとやりたい放題のシンに、客席は早くも大混乱だ。シンがリングサイドを1周したところで、TAJIRIとKUSHIDAがシンとジョー之助を急襲! しかし、シンはすぐさまKUSHIDAを返り討ちにして、サーベルや噛み付き攻撃で血だるまにしてしまう。一方のTAJIRIもジョー之助に連行されて暴行を受けている。さらに、ジョー之助は竹刀でKUSHIDAをめった打ち! 早くもハッスル軍は大ピンチだ。なおもKUSHIDAに対して場外で暴行を加えるシン。ようやくリングに戻ると、シンはパンチや噛み付き攻撃で、KUSHIDAの傷口をさらに攻めていく。交代したジョー之助も腕を極めながらのキャメルクラッチだ。その間にもシンは、コーナーに控えるTAJIRIにイスを投げつける始末。もはや狂虎の暴走は誰にも止められないのか? しかし、KUSHIDAも顔面を真っ赤に染めながら、気合いを入れて試合を諦めようとしない。そんなKUSHIDAにシンは必殺のコブラクロー! このピンチにようやくTAJIRIがカットに入って、KUSHIDAの救出を試みた。しかし、すぐさまジョー之助がTAJIRIを急襲。TAJIRIまでもシンのコブラクローに捕らえられてしまう。ところがここで、TAJIRIはシンの顔面目がけて、グリーンミストを噴射! シンを場外に追いやると、KUSHIDAと2人がかりでジョー之助に対して反撃に出る。しかし、この屈辱的な攻撃にシンが激怒! 場外から凶器を持ち出すと、TAJIRIとKUSHIDAをめった打ち! 遂に収拾が着かなくうなった見て、レフェリーは試合終了のゴングを鳴らし、シンの反則負けを宣告した。
試合終了を告げるゴングが鳴り止んでも、執拗にTAJIRIとKUSHIDAを痛め続けるシンとジョー之助。そこになんとあの男が駆けつける。ニシム・ラマだ! 焦ってリングを降りるシンとジョー之助。ラマ、どこまでも頼りになる男だ。そしてラマは、立ち去ろうとリングを降りたシンに向かって「『虎の威を借る狐』とはお主のこと。次週の後楽園、このニシム・ラマが虎に化けた狐の皮をはいでくれよう!」と宣戦布告! それを隣で聞いたTAJIRIは危険なことに巻き込んで申し訳ないと謝る。するとラマは「TAJIRIさん、このニシム・ラマ、決して死を恐れることなどありません」とシンとの死闘に恐れも不安もまるでない様子だ。その言葉に感銘を受けたTAJIRIは「この期に及んで、なぜそんな冷静でいられるのでしょう。その揺るぎない心をどうすれば持てるのか? これからもぜひ我々にご指導下さい。よろしくお願いします」と土下座する。
そしてTAJIRIや観客に向かってラマがひとこと。「TAJIRIさん、そして皆さん。最後にこれだけは言わせてください。長州力だけは絶対に許しません!」。……やはり、どうしても許せないらしい。一体、ムガール人と日本人の2人の間に何があったというのだろうか。
4分35秒 長州は許さない!
リング上にはケロちゃんこと田中秀和リングアナウンサーが登場! お馴染みの前口上でラマを呼び込んだ。ラマはリングに上がると、ケロちゃんと合掌しながらお辞儀。そして、対戦相手のXを待つ。そこで突如モニターに映し出されたのは、高田モンスター軍の司令室。
高田総統が物々しい雰囲気を漂わせながら、「おい! モンスター軍全員集まれ! 緊急発表する! おまえらは今日を持って全員解雇だ! 今から20分以内に荷物を置いて出て行け! それと……、携帯は全員置いてけよ!」と一人芝居。高田延彦氏を友人と呼ぶ割には、『PRIDE突然の解散劇』をさっそくネタにしてしまうあたり、さすがモンスター軍を束ねる総統だけのことはある。早くも会場にひと笑い起こした総統は「…な〜んてことを一人でパロってもむなしいだけだな」と我に返り、話は本題へ。
「おい! ニシム・ラマとか言ったな? 貴様、言うことがイチイチ胡散くさいんだよ」と高田総統は、どうやらラマを怪しんでいる様子だ。「うそをつくとアゴが伸びるぞ。元気ですかー!!」と小ネタを挟み、笑いを取る。続けて「ハッスルのリングをまたぐ本当の目的はなんだ? 本当にハッスル軍の助っ人として来たのか? 本気でモンスター軍に楯突こうという気なのか? おや? 貴様の背後に何かが見えるな。おお。貴様の背後に、『マ〜ッチョドラゴン♪』の影が見える! どうやらこのドラゴンは、嫁さんの尻に敷かれて随分、苦しんでいるようだ」とずいぶん具体的な単語を持ち出した。
そこからは、ラマの決めゼリフ?である『長州力だけは絶対に許しません』に話が変わり、「そんなに“あの男”と“ロックアップ”したいのか? それならば私の用意した相手、しかも2人とせいぜいエンジョイしてくれたまえ」と、今回の相手が“あの男”に関係があることを示唆。また試合形式は“2対1”のハンディキャップマッチであることを明かした。
「嫌よ嫌よも好きのうち……、ビターン!」
閉じる 高田総統のビターンの後、『パワーホール』が鳴り響き、長州カとガが登場! 場内は大「長州!」コールで2人を迎え入れた。ゴングが鳴ると、ラマは2人に向かってパンチの嵐。しかし、やはり1vs2。すぐさまW長州に捕まってしまい、2度も太鼓の乱れ打ちを食らってしまう。その後もラマをストンピングで痛めつけるW長州。カは右腕を振り回し、早くもラリアットを炸裂させる。これをカウント2でキックアウトされたカは、今度はサソリ固め! しかし、ラマは足を極められた状態で、両手で印を結び瞑想状態に突入する。そして、そのままロープに手を伸ばして、ロープブレイクに成功した。ならばと、カはスリーパー。しかし、ラマは再び座禅を組んで瞑想。ガが交代してスリーパーを仕掛けても平気な様子だ。そのうち立ち上がってきたラマは、カのラリアットをかわし、エルボースマッシュで2人を叩きのめしていく。そして、逆さ押さえ込み! だが、これは惜しくも3カウントを取れず。間一髪これをフォールを免れたカとガにラリアットの乱れ打ちを食ってしまう。しかし、ラマは2人が同時に打ってきた瞬間を狙って、すばやく回避。同士討ちを誘うと、なんと2人まとめて逆さ押さえ込みで3カウントを奪ってしまった。
51秒 顔面ゲリ
ゴングが鳴ると、ガムシャラに向かってくるチエ。ちょっと面食らった感じの川田だったが、チエを捕まえると起き上がりこぼし式のチョップでめった打ちだ。しかし、それでもめげないチエは川田の顔面に張り手の連打。これで川田も怒った! スピンキックをチエの側頭部に叩き込むと、最後は倒れたチエの顔面を蹴り上げてフィニッシュ。そのままチエを踏み付けて3カウントを奪った。
「RGがモンスター・ボノに圧殺され、天龍源一郎が、ボノに因縁をふっかける。『ハッスル・マニア2007』に向けて強化を図るモンスター軍はタイガージェット・シンを招聘、ザ・ヘッドハンターズも今回、初参戦を決めた。対するハッスル軍は、回復したTAJIRIと、そのTAJIRI救出に一役買ったニシム・ラマを加えて準備万端! ……『ハッスル・マニア2007』まで、あと46日!」。予習VTRが終わり場内は暗転、会場の後楽園ホールには馴染みのないテーマ曲が流れ出す。そして南側の客席に登場したのはケロロ軍曹! なんと本日のオープニングはケロロ軍曹が仕切る模様だ。
ケロロ軍曹はリングに上がると「『ハッスル・ハウスvol.29』へお越しの皆様! 我輩は“ガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍 特殊先行工作部隊隊長”ケロロ軍曹であります! 本日は『ハッスルハウスvol.29』にご来場いただき、誠にありがとうであります!」と自己紹介とともに、観客にお礼のひとこと。続いて「イエーイ、ついにハッスルのオープニングをジャックしちゃったもんねー! まずは本日の対戦カードを紹介するであります!!」と上機嫌で観客の目線をモニターへ促し、カード発表をおこなった。
カード発表のVTRが終わるとケロロ軍曹が「以上の4カードであります! イヤフー! イヤフー! さて、我輩はいよいよ来月に迫った『ハッスル・マニア2007』でのデビュー戦に向け現在、猛特訓中であります……」とファンに報告を始めたところで「おい! なんでガマガエルが仕切ってんだよ!」とリングに立つあの男から横槍が入った。声の主は、明らかにムッとした表情の“モンスターK”川田利明。ステージ衣装に身を包んでいるということは、歌う気満々だったオープニングの舞台をまた横取りされたということか。
「わ、我輩はガマガエルではない! 失敬な! フン。ペコポン(地球)征服に高田モンスター軍は邪魔でありますから。今回のオープニングは我輩が歌っちゃおうかな〜!」と、川田を邪魔者扱い。当の川田は「オープニングは俺が歌うって決まってんだよ!」と応戦。すると、「そんなこと誰が決めたんでありますか? それに我輩。あんたが歌ってるとこ、見たことないもんねー」とケロロ。川田も「あんたって誰に向かって言ってんだよ!」と、どちらも一歩も退かずに子供のケンカの様相を呈してきた。ケロロ軍曹が「あんたさー。いっつも誰かに邪魔されて全然歌えてないじゃん!」と指摘。図星を突かれた川田は「この野郎。カエルのクセに調子に乗るなよ。唐揚げにして食っちまうぞ!」と乱暴に責め立てる。これにはケロロ軍曹もうろたえた様子で「な、なんてことを!こんな下品なペコポン人、初めてであります! こうなったら、『ハッスル・マニア』で我輩と勝負するでありますか?」と試合をふっかける。しかし川田は「は? 俺を誰だと思ってんだ! いいよ、じゃあ今からやってやるよ!」とリングを降りようとしたところ……。
そこにダッシュで割って入ったのが\(^o^)/チエ! いつもの良い子ちゃん口調で「おい!生き物をいじめちゃいけないんだぞ! ケロロ軍曹はな、ハッスル軍の仲間になったんだ!」とケロロ軍曹を擁護! 納得のいかない川田は「ガキは引っ込んでろ! 俺は、カエルに用があんだよ」と、取り付く島もない。そんな川田にチエが「ケロロ軍曹は、変身してないからまだ地球では闘えないんだよ! その代わり、チエが相手してやるよ!」と意味深な言葉とともに突っかかるがケンカキックで返される。それでも足にしがみついて必死に「ちゃんと相手しろよ!」とまくし立てる。ゴングが打ち鳴らされ予定外の試合が開始された!!