「サップよ!ウォーミングアップは充分か?」。高田総統の声がこだまする。
威風堂々と登場した高田モンスター軍。高田総統はまず「大みそかのイベント、そしてゴールデンタイム放送決定! ビビッタか! たじろいだか!」と拳を振り上げる。「でも、その前にハッスルマニア……、それは忘れちゃだめだよ? 我こそは、高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者・高田だ!」と笑いを取りつつ、恒例の自己紹介だ。会場は、盛り上がり「総統」コールだ。
高田総統はサップに、「ビィーストよ! 今日の相手はフンコロガシだ。ウォーミングアップにもならなかったんじゃないか? ん?」と、問いかける。するとサップは、余裕で語る。どうやら「問題ないぜ! HGはいつでもぶっ潰せる。『ハッスル・マニア』は俺のモンだ!! ハッハッハッ!!」とHGを小バカにするような発言らしく、HGは「セイセイセイ。RGに勝ったくらいではしゃぎすぎでしょう! いいですか、こっちも覚悟を決めたんですから、あなたもドタキャンだけはやめて下さいよ! 『ハッスル・マニア』! 私の2年間の全てをぶっかけてあげますよ〜!」とHGもハードゲイらしく応戦だ。
ここで高田総統は、坂田に「小池の旦那よ。普段は威張り散らしている貴様が、今回ばかりは、相当ビビッているようだな? いざと言う時、その人間の器の大きさ……、ま、英語で言えば“カップ”の大きさがわかるというものだ。貴様は所詮、“Fカップ”のコバンザメだろ?」と坂田が最も嫌がる小池ネタで責め立てる。いつもの坂田なら、これに恐ろしい剣幕で怒るのだが、今回ばかりはそうもいかないようだ。「正直、俺もな、まさか自分がこんな臆病で弱い人間だとは思いもしなかったよ」と、高田総統の言うことを認めつつも、「だが、一つ気付いたことがある。こんな俺がここまで来られたのは、ハッスル軍の仲間や、ファンの皆が支えてくれたからだ。だから、今度のエスペランサー戦。俺は、皆のために闘い、そして絶対に勝つ!」と完勝宣言!
するとさきほど坂田にフォール負けを喫した川田が「おい小池! まぐれで俺に勝ったからってな、あんま調子に乗るなよ。カミさんに、名前負けしてるような奴がさ、エスペランサーに勝てるわけねえだろ! エスペランサーが出るまでもねえ。『ハッスル・マニア』、俺とのシングルに変更してやろうか?」と、横やりを入れる。しかし坂田はこれを、「お断りだウガンダ! 言っとくがな、もう社会的知名度じゃ、お前より俺の方がはるかに上だよ! 今だに『どハッスル!!』にも呼ばれないバリューのない奴に俺の相手が勤まるかよ!」と、テレビに出たくて仕方がない川田にとって一番痛い攻撃! 川田は「カッチーン…。総統! あいつ、あんな生意気なこと言ってますよ!」と、口では敵わないと思ったのか高田総統に話をふってしまう。
このやり取りを聞いていた高田総統は「おいおい、モンスターK。お前はまだ『どハッスル!!』に呼ばれてないのか? 『アド街ック天龍』までやったというのに。でも、そうひがむな。エスペランサーを投入するのは、別にアホの坂田君を脅威に思っているからではない。これは単なる、ファンサービスの一環なんだよ」とエスペランサー投入の真意を語る。ここで坂田は意外なことを話し始める。「そんな余裕ぶっこいて、本番で吠え面かくなよ! 俺にはな、対エスペランサー用のとっておきの秘策があるんだよ!」。なんとエスペランサー戦に秘策が用意してあるというのだ!
ここで司令長官が「オカリナはもう通用しまセンヨ! あれは去年ミーがぶっ壊しておきマシタ。それに顔に傷のある少女・ニューリンも、もういませんからネ!」と、坂田に告げるが、今度の秘策はそれどころのものではないらしい。坂田は妙なくらいに自信を持って「マニアでエスペランサーを倒して、必ず天下を取ってやる!」と言い放つのであった。
「おもしろいこと言うじゃないかよ。今度ばかりはここにいるモンスターたちが根こそぎ駆除してやるからな! 覚えとけよ!」と高田総統。それを聞いた川田は、自分の試合が組まれていないことを高田総統に訴え始める。高田総統はこれを「おいおい。変な言いがかりを付けんじゃないよ!! 私がケロロ軍曹とやらせてやるといったのに、貴様が拒否したんじゃないかよ!」と言い返す。たしかにその通りだが、不満タラタラの川田は「え〜、じゃあ俺の出番は〜?」とまるでダダッ子のように食い下がる。高田総統は「マニアまで3日だぞ……。そうだなあ。リング作り。チケットのもぎり、あるいは売店の売り子ってのはどうだ」と、まるでまともに考えている様子はない。そんな高田総統の態度に川田が納得するはずもなく「冗談はよしてくださいよ!」とツッコミ。それも聞かずに高田総統は話を変えた。「下々の諸君、一部からマニアが『大みそか ハッスル祭り』へのつなぎイベントではないかという声が聞こえるが、それは余計な心配だ! 3日後は、諸君らの記憶に一生残る最高のイベントになることを約束しておこう。何の心配もせず、横浜アリーナに遊びに来たまえ。それでは、ハッスルマニアでお会いしよう…」と締めくくろうとしたところ、「おれはこのままじゃ引き下がらないからな!」とマイクを奪った川田が、高田総統よりも先に「バッドラックだ!」を決めてしまった。高田総統は代わりに「コンノヤロォォオ!!」で締め、モンスター軍は退場していくのであった。
リングに残ったハッスル軍。TAJIRIが坂田に、「秘策ってなんなんですか?」と興味津々に問いかける。すると坂田は「そんなもんねえよ! とりあえずハッタリかましてあとから考えるんだよ!」と答える。なんとも坂田らしい作戦だ。そのやり取りを見ていた天龍が口を開く。「HG、坂田。お前らが、本当の意味でトップになれるかどうか。次のマニアにかかってるぞ。いや。お前ら2人だけじゃねえ。俺もTAJIRIも、他の連中も、ここを越えなきゃ、大みそかは迎えらんねえぞ!」とゲキを飛ばす。それを受け止めたHGは、「分っかりました! それでは皆さんも応援よろしくお願いします!」と、会場に呼びかけると、「ハッスル軍一丸となってモンスター軍叩き潰しましょう! 行くぞー!!」と恒例の「ハッスル、ハッスル! フォー!!」で締めくくった。
今年一番の大舞台『ハッスル・マニア2007』も、いよいよ3日後!! 坂田の秘策もないと分かった今、HGの言うとおり、ハッスル軍は一丸となってモンスター軍に立ち向かうしかない。決着はすぐそこだ。11月25日は横浜アリーナに集まれ!!
2分53秒 肉弾ヘッドバッド
いよいよ訪れたRGの命日……。なぜなら今夜の相手は、あの“肉弾暗黒魔人”ボブ・サップなのだから!! ハッスル軍の控え室ではRGが猛特訓中。あの全日本キックの小林聡GMにミット打ちで稽古をつけてもらっている。RGのワンツーを受けた小林さんは、「いいよ、いいよ〜! アーネスト・ホーストばりのコンビネーションだねぇ」と褒め称える。続けてキックを受けると「おおー! アンディ・サワーも裸足で逃げ出しますよ!」と絶賛だ。しかし、RGの後ろには、「褒めると伸びます。もっと調子にのせて!」と書かれたカンペを持ったKUSHIDAがいた……
閉じる 小林GMの特訓を受けたRGは、グローブ、そしてお尻に「野良犬」と書かれたキックパンツというムエタイスタイルでの登場。セコンドに付いてくれた小林GMと共にリングに上がると、すぐさまミット打ちを披露して、自分自身を鼓舞した。一方のサップはお馴染みのテーマ曲での登場だ。
ゴングが鳴ると、場内からは一斉に「RG!」コールが発生。これに奮い立つように、RGは小林GM仕込みのパンチ、そしてローキックでサップを攻め立てる。しかし、サップには通じない。ならばと、RGはグローブを外してサップを挑発。これを見たサップは、アメフトの構えに入ると、得意のアメフトタックルを発射だ。しかし、RGはこれを間一髪避けると、サップの土手っ腹にヒザ蹴りを一撃! さらに首相撲からヒザ蹴りを連打して、サップを悶絶させる。そして、コーナーに上ると、腹を抱えているサップに飛びつき前方回転エビ固め! ところが、さすがにサップの巨体は動かない。逆にネックハンギングツリーで持ち上げられると、胸板へのチョップ、背中へのチョップ、尻へのチョップを連続で受けてしまう。
さらにボディスラムで叩き付けられると、もはや立ち上がる気力もないRG。しかし、サップはRGの頭を片手で掴んで無理矢理立ち上がらせると、そのまま上下に揺すって、RGをおもちゃ扱いだ。さらにサップはビクつくRGにパンチを打つ振りをしながら、なんとデコピンを叩き込む。これを食らって大の字に伸びたRGに、最後は自身の頭部の皮膚を寄せて“梅干し”を作ると、倒れ込み式のヘッドバット! これが肩口にズバリと決まり、サップが勝利を決めた。
これに物足りないサップは、さらに痛めつけようとRGをコーナーに逆さづりだ! これを見たハッスル軍が乱入し、サップに立ち向かうがあっさりとやられてしまう。最後にサップの前に立ったのはHG! 二人はリング中央でバチバチと火花を散らす。『ハッスル・マニア2007』の決戦を待たずに、今にも手が出そうな両者を制したのは……。
5分12秒 ノーコンテスト
インリン様の卵から生まれるはるか昔。魔界の第64代横綱だったというモンスター・ボノ。ハッスルが始まるはるか昔。元大相撲幕内前頭筆頭だった天龍源一郎。
ボノは、まるで天龍を自分の元に呼び寄せるかのように、天龍の弟子のRGを9・22『ハッスル26』(大阪府立体育会館)で圧殺。その因縁がふくらんで、『ハッスル・マニア2007』ではインリン様&ボノの親子タッグvsWARGで勝負することに。今夜は天龍とボノによる、その前哨戦と言ってもいいだろう。どちらが白星を飾ることになるのだろうか。
ここは、ハッスル軍の控え室。出番を前にしたTAJIRIに部屋に入ってきたKUSHIDAが「TAJIRIさん、コーヒー買ってきました!」と、声をかける。TAJIRIは、それを受け取ると「お釣りはとっといていいよ!」と先輩らしく、気前のいいところを見せるが、「いえ、逆に20円足んなかったんですけど……」と、KUSHIDA。それを無視して、「そういえば、ラマ先生がムガール帝国が危ないなんて言ってたけど、本当に炎上しちゃいましたね」とTAJIRI。KUSHIDAは、「誰が火をつけたんでしょうね」と首をかしげる。TAJIRIは「炎の飛龍でしょう」とひとこと。なにやら暗号めいた会話が繰り広げられた控え室だったが、「大人の苦味を教えてやらなければ……」と、言い残しリングへ向かうTAJIRIであった。
閉じる アンとボノは、黒地に金をあしらったセクシーな衣装のインリン様に先導されての入場。ところが、花道を歩いているボノを、先に入場していた天龍が急襲! この攻撃にも手を叩いて喜ぶボノだったが、天龍は強烈なイス攻撃でボノを叩きのめす。ところが、ボノは痛がるそぶりも見せない。逆に、イスをおもちゃだと思いこみ、手を叩いてはしゃいでいるではないか。
ボノがイスでじゃれついている間に、天龍はなんとインリン様を捕獲。なんと、顔を張り飛ばすと、リング内に入れてしまった。そして、インリン様の股を開いて、なんと股間目がけて水を噴射! この屈辱的な仕打ちに当然、インリン様は激怒! イスでじゃれつくボノのもとに駆け寄ると、ムチで叩いてボノを叱り付けた。そして、ボノの口からおしゃぶりがポロリ! 途端に凶暴モードとなったボノは、イスをリング内に投げ込むと、一目散に天龍に駆け寄り、アッサリと叩きのめしてしまう。さらに天龍の体の上を踏んづけるボノ。
ならばと、今度はTAJIRIの登場だ。TAJIRIはロープワークでボノを翻弄しにかかると、ボノもこれに呼応してゆったりとした足取りでロープワークをこなす。しかし、あまりにもスローモーな動きだ。その隙にTAJIRIはハンドスプリングエルボー、トラースキックでボノを攻撃。しかし、ボノには通じない。ところが、ここでロープに飛んだボノに天龍が背後から延髄斬り! さすがのボノもこれには体をぐらつかせる。そして、このチャンスにTAJIRがグリーンミストを噴射! これで視界を封じられたボノに、TAJIRIはバズソーキックをお見舞いだ。
このハッスル軍の攻撃に、怒りを露わにするインリン様。思わずリング内に入ってきてしまったが、待ちかまえていたTAJIRIに、隠し持っていたおしゃぶりを口にくわえさせられてしまう。そして、TAJIRIはなんとインリン様の顔面に向かって、グリーンミストを噴射! これで遂にインリン様もぶち切れた! 大事なお顔をグリーンミストで汚されたインリン様は、ムチを振るってTAJIRIを痛めつけると、ボノも蘇生して天龍を叩きのめしにかかる。もはやリング上は大混乱状態だ。これを収拾不能と見たレフェリーは、ゴングを要請。この試合はノーコンテストとなってしまったのだった。
TAJIRIにグリーン・ミストを吹き付けられたインリン様は「やってくれたわね、ド変態! 私の顔にこんなことしてタダで済むと思ってるの!?」とわめき散らす。一方のTAJIRIも「僕だって、あなたのイン乳を飲まされたおかげで今年半分、棒に振りましたからね! この程度でチャラだと思わないでくださいよ。言っときますけど、僕はねちっこいですよ」と、これからもインリン様を狙う構えを見せる。インリン様は、「その生意気なひげを一本残らず引き抜いてやるわ! ハッスル・マニア、お前も出てらっしゃい! 老いぼれ、フンコロガシと3人まとめて、成敗してやるわ」と、3日後の試合への参加を要求。モンスター軍はアンを入れて、試合は3人タッグマッチに変更となった。インリン様は「ボノちゃん! かえってママとお風呂よ!!」と、引き上げた。
リングではハッスル軍の2人がしばしやりとり。天龍は「お前がいてくれると心強いよ。正直、RGじゃちょっと厳しいからな」とTAJIRIをたたえる。TAJIRIは感激して「任せてください。イン乳で洗脳された恨みを一気に晴らしますよ!」と頼もしい返事。そして、「腹、減ってない?」とTAJIRIにたずねる天龍。「そういえば腹ペコですね」と答えるTAJIRIを、ご機嫌な天龍は、自分の店に誘う。喜ぶTAJIRIだったが「ところで、大将のお店って、お皿がクルクル回るんでしたっけ?」と余計な質問。それに天龍はなぜか「そうそう。ウチは他の店より2倍も3倍もクルクルクルクル良く回るんだよ!」とノっておいてマイクを放り出す得意のノリツッコミだ。会場を爆笑のうずにして退場したのだった。
地球(ペコポン)侵略に、高田モンスター軍は邪魔であると言い切り、ハッスル軍との共闘を宣言したケロロ軍曹。これまで、そのノー天気で無責任な性格ゆえか、気の向くままテキトーに会場に姿を見せては、これまたテキトーにモンスター軍を挑発し続けていた。その結果、とんでもないモンスターの怒りに火をつけてしまった。そのモンスターとは、“超竜”スコット・ノートンだ! 元アームレスリング世界王者に睨まれ、はたから見れば“ヘビに睨まれたカエル”状態もいいところだが、ケロロ軍曹本人は、「戦闘用スーツがあれば、恐るるに足らず!」と言い張っている。この自信は一体どこからくるのだろうか。そのスーツを、今夜いよいよお披露目だ!!
バルコニーに現れたケロロ軍曹は「今日はついに完成したペコポン人型戦闘用スーツ。その姿をいよいよお披露目するでありますよー!! イヤフー! イヤッフー!」と、スーツの完成にご機嫌だ。「それではいくでありますよー! 装着!!」。スモークがバルコニー一面を覆う。そしてそこに現れたのは、緑と白のスーツに身を包んだ戦闘用ケロロ軍曹! 会場からの「えぇ〜」の声が上がると「なんですか! その反応は!? どっからどうみてもハッスラー! 完璧でしょうが! これさえあれば、ノートンなんかチョチョイのチョイなんだよ!?」と周囲の反応をよそに自信満々だ。
ところがここでノートンのテーマ曲が響き渡る。ノートンと通訳・島田の登場だ! 「おいこら! バカガエル! 調子に乗ってるんじゃねえぞ!」と、まず島田。ノートンにマイクを促す。島田の通訳によると「おい、ケロロ! お前をぶっ潰して、友達の周富徳にたのんで唐揚げにしてやるからな!」とのこと。かなり無理やり感のある通訳だ。ケロロ軍曹も「え? ほんとにそんなこと言ってるでありますかー? あんた、適当に訳してんじゃねえの? 英語しゃべれんの?」と疑いのまなざし。島田は、「しゃべれるんだよ! NOVAに通ってたんだよ!」と、一蹴すると、なぜかノートンに電話帳を手渡す。
ノートンはそれをいとも簡単に引きちぎって怪力ぶりをアピール……。するつもりが若干時間がかかってしまう。それを島田が「ゆっくりいたぶってやるってことだよ!」と快心のフォロー! 同じく電話帳を手に取り、対抗しようとしたケロロ軍曹だったが、まったく切れ目すら入らず……。ケロロ軍曹は苦し紛れに「へ、へへーん!あんたみたいな力まかせのプロレスなんていまどき流行らないでありますよー! やーい、脳みそ筋肉おやじー! 汗だらだらー!」と、言い放つ。それにブチきれたノートンはリングで暴れまわる。ケロロ軍曹は「とにかく覚悟するでありますよー!」と説得力のないセリフを言い残し、会場をあとにした。残された島田は「カエルを応援している鼻たれのちびっ子ども! おまえらもノートン様の凄さを分からねぇと、ろくなオトナにはなれねぇと、ノートンが言ってるぞ!」と、大人気なくまくし立てて、ノートンとともに退場していくのであった。
11分22秒 コイケクラッチ
試合を目前に控えたハッスル軍の控え室では、HGがなにやら深いため息。そこに今日のチームメイト・崔領二が現れるが、HGは「あっ、スズメ(雀)選手」と名前を間違えてしまうほどに心ここにあらずだ。HGは、「は〜、なんでサップなんかと試合するって言っちゃったんでしょうねぇ」と、どうやらサップ戦への不安で元気がないらしい。続けてHGは、「アレが縮み上がってますよ」とペットボトルを取り出して「これ(500ミリリットル)が私なら、こっちがサップです!」と1.5リットルのペットボトルを机に取り出し、下品でネガティブな比較を始める。崔は、「兄貴を見習え! どんと構えとるやろ」と、HGに助言。HGが坂田を見やると、坂田はたばこを吸うところのようだ。すかさずHGが「坂田さん! たばこ逆ですよ!」とつっこむ。坂田は「お? ああ」と咥えなおすが、それはライター。HGも思わず自分より小さい200ミリリットルほどのペットボトルを取り出して「坂田さんはコレじゃないすか〜」とつっこむが、坂田はさらに小さい栄養ドリンクのビンを取り出す。HGは目を丸くして「小っさ! 黒いけど小っさ!」とひとこと。エースが二人してなにをやっているんだか……。
閉じる 入場してくると同時にモンスター軍は先制攻撃。坂田1人を捕獲し、コーナーに追い詰めると、よってたかっていたぶっていく。しかし、エスペランサー戦を控えて、坂田も負けてはいられない。川田とのマッチアップになると、歯を食いしばって、川田の強烈なチョップに対抗してみせる。だが、やはりチョップ合戦は川田に分があるか? 押され気味の坂田は、川田のダンシングドールキックを食らってダウン。
続いて、モンスター軍は大谷の登場だ。大谷はレフェリーのブラインドをついての急所攻撃、サミング攻撃で坂田の動きを封じると、今度はノートンが重量感タップリのチョップやヒザ蹴り、そしてラリアットで坂田を蹂躙していく。ノートンが引っ込むと、再び大谷の登場。串刺し式フロントキック、ストンピングなどで徹底的に坂田を攻撃し、続く川田も踏み付けながらの逆片エビ固めを敢行だ。
しかし、坂田は大谷にフルネルソンに捕らえられたところで、逆に大谷の腕を挟み込んで捕獲。そこに、HG&崔を呼び込んで、この窮地を脱出した。タッチを受けたHGは、大谷をドロップキックで倒すと、ペニスウォッシュを連発。この屈辱的な攻撃で精神的なダメージを負ったかと思われた大谷だが、すぐにHGの股間に蹴りを入れて、HGの動きをストップさせる。こうなると、今度はHGがローンバトルを強いられてしまうはめに。ノートンに捕まったHGは、ショートレンジのラリアットを何発も食らうと、今度はパワーボムの体勢に捕らえられてしまう。しかし、ここでHGは空中でパンチを叩き込み防御。
この隙に崔がドロップキックでノートンからHGを救う。これで流れを変えたいハッスル軍は、蘇生した坂田がドラゴンスクリューで川田、大谷を連続で倒していく。川田もステップキックなどで反撃してくるが、トラースキックで倒すと、坂田はコーナーに上ってダイビングフットスタンプの体勢だ。ところが、ここでノートンがカット。坂田は逆にトップロープの上で捕まり、川田の雪崩式ブレーンバスターを食らってしまう。続けて、川田のラリアット、パワーボムを食らった坂田。ここはなんとか返したものの、続いてフロントキックで吹っ飛ばされ、再びパワーボムを食らってしまう。ところが、パワーボムでマットに叩き付けられた瞬間、坂田は川田の足をキャッチ! そのまま川田を寝転ばすと、丸め込み技で、起死回生の3カウントを奪った。
HGが、「モンスターKにフォール勝ちなんて凄いじゃないですか! なんだか縮こまってた元気玉も元気になった気がしますよ!」と坂田を絶賛(?)。しかし坂田は、この勝利に甘んじることなく「HG、気合だけじゃ、エスペランサーもサップも倒せねえ。正直いうとな、逃げ出したいくらいビビッてるよ。でもな、もしもここで逃げたら、俺は一生“小池の旦那”で終わる気がする。俺は“坂田亘”でありたいんだよ」と本音を吐露する。会場からは盛大な拍手だ。それを聞いたHGも、サップ戦に向けて「私も、暗黒肉棒魔人に私の如意棒をぶちこんでやりますよー!」と覚悟を決めた。坂田は「みんな! マニアでは俺達の姿をしっかり見届けてくれ! ハッスルは、高田だけのもんじゃねえ。俺たちこそがハッスルだ!」と会場全体に呼びかけ、締めくくった。
8分37秒 バボム
島田二等兵のセクハラを始めとした数々の困難を乗り越えて、ようやく11・25『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)への切符をつかんだ海川ひとみ。今日はそんな海川が、お目付け役のザ・グレート・サスケのセコンドに! そして、高田モンスター軍も、海川の標的・島田がセコンドにつく。海川は、コーチ・サスケの試合から、島田撃破の糸口をつかめるか!?
閉じる ハッスル軍のセコンドには海川ひとみ。一方のモンスター軍のセコンドには島田二等兵の姿がある。先発を買って出たのはKUSHIDAとバボだ。まずはロックアップしたKUSHIDAだったが、バボのパワーの前に吹っ飛ばされてしまう。バボはKUSHIDAを相手にせずに、コーナーにいるサスケを挑発しているが、その隙に背後からKUSHIDAが攻撃。だが、バボはKUSHIDAをあっさりと捕まえて、ブロックバスターだ。続いて、ハッスル軍から登場したのはチエ。「クソバボ、死ね!」と叫びながら張り手をかますが、逆に強烈な張り手でノックアウトされてしまう。
こうなったら、サスケが出るしかない。サスケは得意の素早い動きでバボを翻弄しにかかるが、ムーンサルトアタックをかわされて、バボにフルネルソンに捕らえられてしまう。一方のモンスター軍は鬼蜘蛛2匹が出てきて、3人がかりでサスケを攻撃しにかかる。しかし、サスケはこの攻撃を避けて、同士討ちに持ち込むと、一気に反撃。バボもバレーボールを持ち出して逆襲にかかるが、ここでハッスル軍は総出でバボを攻撃にかかる。まず、サスケとKUSHIDAでチエを担ぐと、バボにチエの頭をぶつける荒技を披露。さらに、ダブルのトラースキックから、チエがKUSHIDAとサスケを踏み台にしてのムーンサルトをバボに叩き込む。続いて、サスケとKUSHIDAは場外の鬼蜘蛛2匹に、それぞれライダーキックとプランチャーを敢行。リング内にバボを孤立させることに成功する。
しかし、バボはすぐさまチエをネックハンギングツリーで捕獲。ここはサスケにカットされたものの、場外にいた島田がサスケの足を引っ張って、リング内のバボをアシストだ。そして、モンスター軍に捕まり、赤鬼蜘蛛、青鬼蜘蛛と順番にニードロップをヒザに落とされたサスケ。バボにもヒザにエルボーを食らったサスケだが、続くニードロップをかわしてようやく脱出。すると、タッチを受けたチエが、バボにドロップキックを叩き込み、バンザイパンチの体勢に入る。しかし、これはバボがアッサリと防御。強烈なヒザ蹴りでチエを悶絶させる。ところが、このチエのピンチに今度は海川がバボの足を引っ張ってアシスト。このチャンスに、KUSHIDAとチエは一気呵成にバボを攻め立てる。そして、サスケがコーナーに上って、トドメの体勢に。
ところが、サスケに向かって、鬼蜘蛛2匹が蜘蛛の糸を発射! サスケはコーナーで蜘蛛の糸に絡まり、身動きができなくなってしまった。こうなったらもう、モンスター軍のペースだ。赤鬼蜘蛛がKUSHIDAを捕らえている間に、バボがチエにバボム! これでハッスル軍は万事休す。大の字で伸びたチエが3カウントを奪われてしまった。
試合終了後、あまりのダメージに、立てずにいるサスケの元に駆けつけた海川を島田が、「おい、海川! 今日はおじさんが闘魂を注入してやろう! ここに立て!!」と命令。嫌がる海川は、バボに羽交い絞めにされてしまう。島田は「いくぞー! 1! 2! 3! チューだー!!」と、海川に迫る。「イヤーーー!! 気持ち悪いーーー!!」と悲鳴を上げる海川! すかさず力を振り絞ったサスケが、自分を身代わりにカット!! なんと島田とブッチュ〜とキスを交わしてしまった。海川は、この変態・島田に「私、今まであなたにされたこと忘れてませんから。『ハッスル・マニア』、覚悟してください!」と強気に言い放つ。それを受けた島田は、「マニアでは俺の新必殺技“エロチカロック”で嫁に行けない身体にしてやるからな!覚えとけ!」と捨てゼリフ。不敵な笑みを浮かべながら退場していくのだった。
本日のオープニング劇場を仕切るのは、10・16『ハッスル・ハウスvol.30』に続いて2度目となる大谷晋二郎だ! 「俺は“ファイアーモンスター”大谷晋二郎だ」と自己紹介すると、会場からは歓声が上がるが大谷は、「2回目だが、慣れないもんだな。なんだこの緊張感……」と、ソワソワしつつカード発表へ。VTRが終わると大谷は、「『ハッスル・マニア2007』を3日後に控えた今夜のハウス。我がモンスター軍にとっては、ぜひともこのハウスで弾みをつけ、いい形でマニアに挑みたい。俺も試合に全力を尽くす! よって今日のオープニングはこれまでだ!」と、またしても観客の期待を裏切り、お遊び一切なしでオープニングを締めようとする。
当然、舌の肥えたハッスルファンはブーイング。観客は「川田」コールを連発するが、大谷は「だめだ、だめだ! 今日はモンスター軍全員、試合に集中してるんだよ! お前らが期待してる川田も“準備運動”してくるって、俺より先に出てったきりだよ」と、取り付く島もない。そして大谷は強引に、「それでは! 『ハッスル・ハウスvol.31』……」と締めようとしたところ、「おい、大谷! “準備運動”はな、今ここでやらせてもらうぞ!」と、どこからともなく川田の声が! 本日のネタは……、「ワンッ、トゥ、スリッ! ラララライ! ラララライ!」藤崎マーケットだ! もちろん本人の二人も一緒に登場。おなじみのハチマキにランニングに短パン姿で「ラララライ!」と入場だ。歓声が上がる場内で一人呆然とたたずむ大谷を尻目にリングイン。
藤崎マーケットの田崎佑一が「ハッスル・ハウスにご来場のみんなー! 川田&藤崎マーケット“藤崎川マーケット”で、『川田ライ体操』はーじめーるよー!!」と呼びかけて、3人は「ワンッ、トゥ、スリッ! カワダライ! カワダライ!」と、ハッスルポーズ付きの『ラララライ体操(川田バージョン)』を開始した。
続いてノリノリの川田が大谷の静止も無視して、「高田総統でエクササ〜イズ!」とミニコントをスタートさせる。川田が藤原がやってる時に、「総統、総統! 俺もハッスルマニアで歌いたいんですけど」とうったえると、藤原は高田総統のモノマネで、「そうか、歌いたいのか。いいだろう」と答えるも、川田が「本当ですか!?」と食いつくと「ウソだ! そんなこと許可するわけないだろう! バッドラックだ!!」とお決まりのセリフでバッサリだ。その後、ご機嫌で締めポーズの「ガッシーン!」を決めた3人を見かねた大谷は、「だめだこりゃ!」と大会の開始を告げた。
ハッスルが2大快挙を達成!! 11月5日、東京都内にあるテレビ東京・天王洲スタジオで悲願であった大晦日興行『年忘れKYORAKUスペシャル 大みそかハッスル祭り2007』(さいたまスーパーアリーナ)の開催を発表! そしてその模様を地上波放送で全国に発信するのだ!! その席で高田総統は、「私は、この『ハッスル祭り』を一回きりの打ち上げ花火にするつもりは毛頭ない。毎年の恒例行事として、『紅白歌合戦』にかわる、日本の大晦日の新たな風物詩に育てるつもりでやる」と明言!
しかしその前に高田総統にはやり残したことがあった……。それは“ハッスル軍の完全壊滅”だ! 上半期の大一番、6・17『ハッスル・エイド』(さいたまスーパーアリーナ)で万全を期したはずの高田モンスター軍が全敗。これを期に高田総統は、モンスター軍の大幅な血の入れ替えを敢行! インリン様の卵から誕生した、体重21万5000グラムの新生児・モンスターボノを始め、タイガー・ジェット・シン、レネ・ボナパルト、ザ・ヘッドハンターズ A&Bなど名だたる面子を招聘した。さらに、10・16『ハッスル・ハウスvol.30』(後楽園ホール)では、あの“肉弾魔人”ボブ・サップまでもがモンスター軍に電撃加入。すでに、これでもかというほどのメンバーなのだが、高田総統は11月8日の会見で、とどめとばかりにザ・エスペランサーの投入を宣言した。まさに銀河系最強の布陣がここに完成! 大晦日を前に新生ハッスル軍の完全壊滅を狙う高田総統の思惑通り、ついに終わりなき抗争に終止符が打たれてしまうのか!? 運命の『ハッスル・マニア2007』まで、あと3日……。