山下達郎の『クリスマス・イブ』の替え歌を口ずさみながらという、クリスマスらしい登場となった高田総統。なんとサンタクロースの衣装まで身にまとっている。そして巻き起こる“総統コール”を見て「7割くらいやってんじゃん! バボの前説が効いてんじゃん!」とびっくり。そして高田総統は「私としたことが、クリスマスソングを歌うつもりが、ついつい社会風刺をしてしまったよ」と微笑み、「クリスマスの夜なのに、ロクな予定のなかった暇でモテない諸君。メリークリスマス! 今年もこんなに集まっちゃったな……。だが私は、そんな君たちを愛してるよ!」と前置きして、「我こそが高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者・高田だ!」と恒例の自己紹介だ。高田総統からの思わぬラブコールを受けて、さっき以上の“総統コール”に沸く会場。高田総統もご満悦な様子だ。
そして高田総統は、「おい! ハッスル軍のバカチンどもよ! 本来ならば、貴様らのような日陰者は、とうてい世間様にお見せできるような代物じゃないんだよ。しかしだ! 今回の大晦日は、特別に出してやるよ。ただ、くれぐれも! 全国中継で私に恥をかかせるようなことは慎んでくれたまえ。特に腰フリ! 貴様は、面白くもないくせに、チョイチョイ下ネタで絡んでくるから、編集に時間がかかるんだよ!」と、ハッスル軍、特にHGに先制パンチを食らわせる。
この発言を受けたHGは、「ハードゲイが下ネタを止めたらハードゲイじゃなくなりますからね〜。いいですか! 大晦日は、あなた方がぶら下げてる、股間の除夜の鐘を百八つ鳴らしてやりますよ〜! 煩悩フォー!」と、言われたそばから下ネタのカウンターパンチをお見舞いする。
そして坂田が「おい高田! 大晦日、何でお前が出てこないんだ!」と高田総統に咆哮。坂田は高田総統の『ハッスル・マニア2007』での「今度は、この私自身ともう一丁勝負するか?」という発言を問いただしているのだ。高田総統は「おいおいおいおい!! 思い出してみろよ! 妖精さんとやらのおかげで、たまたま勝ったくせに、もうハッスルの主役気取りか。図々しいんだよ! この前も言ったろ? 私の化身はエスペランサーだけじゃないんだって。大晦日、あのエスペランサーをはるかに凌ぐ、私の新たな化身が登場したら、お前どうすんのよ?」と逆に坂田に問いかける。もちろん坂田は、「俺はな、ここにいる仲間や、ファンの夢を背負ってるんだよ。どんな奴が現れようと、命をかけて闘い、そして勝つ!」と堂々の宣言。高田総統は「熱いねえ!! そうやってカッコいいことを言っていられるのも今のうちだよ?」と不敵な笑みを浮かべる。
ここでTAJIRIが割って入り「それより、グレート・ムタは本当に来るんでしょうか? だって、ムタとインリン様って、別に愛し合ってるわけじゃないですよね。元々は敵対してたのに、仲良く親子タッグなんて成立するのかな?」と質問。またもやボノの前でTAJIRIに痛いところを突かれたインリン様は、「おだまりド変態! お前なんかに何がわかるっていうの! ボノちゃんの前で、変なこと言わないでちょうだい!」と目くじらを立てる。TAJIRIの言葉を聞いたボノは「ママ……。なんでクリスマスなのにパパは帰ってこないの……?」とインリンママに問いかける。
そこでTAJIRIはとどめとばかりに「それはね、ボノちゃん。パパがボノちゃんのこと大っ嫌いだからでちゅよ! うひゃひゃひゃひゃ!!」と残酷極まりないセリフとともにバカ笑いだ。ボノは、今にも泣き出しそうな表情を浮かべてインリンママに「パパは僕のこと嫌いなの〜!?」と詰め寄る。インリン様は「いい? ボノちゃん。パパはね、魔界でお仕事なの。大晦日には来てくれるからいい子で待ってましょうね〜。あのおじちゃんは、とっても嘘つきなのよ!」とボノを説得。ボノは悲しげな表情から一転、怒り顔で「ウソついちゃダメだぞ!」とTAJIRIに凄む。インリン様も「大晦日、あの人は必ず来るわ。私たち親子3人で、『ハッスル・マニア』の恨み、まとめて返してやるわ!」と、改めて宣戦布告だ。
ここで高田総統が魔界について語り始める。どうやら魔界とこの世界をつなぐのに大晦日は都合がいいらしい。そして高田総統が、面白いことを思い出したと話を変える。先日発表されたミルコ・クロコップの参戦についてだ。「あのね、ミルク・シロコップとかいうダジャレモンスターが出てくるオチじゃないよ。正真正銘、本物のミルコ・クロコップだ! 私の力で、大晦日にミルコのお茶目な一面でも見せてやろうじゃないか。楽しみに待つがいい!」と、高田総統みずから、ミルコ参戦を約束してみせた。観客はこのサプライズを改めて予告した高田総統に、惜しみない拍手を送る。
と、高田総統が横を見ると川田がなにか言いたそうな表情を浮かべている。「なんだ? ずいぶん大人しいじゃないか? 何か言いたいことがあるなら、遠慮せず言えばいいじゃないか! ん?」と促す高田総統だが、「しゃべると……カレーが逆流しそうで……」と川田。高田総統はあわてて、「黙ってろ!」と視線をリングに戻す。
そして大晦日に向けて「よいか! ハッスルを支持する全ての諸君に告ぐ! 大晦日は、さいたまスーパーアリーナに結集し、思い切りハッスルせよ! そして、みんなで作り上げたその熱を、どこよりも強く遠くへ届けてやるのだ! 大晦日の……いや、“日本の大晦日にハッスルあり”! このことを、私と一緒に世間、そして裏番組にとくと教えてやるのだ! それでは、諸君。大晦日にお会いしよう! バッドラックだ!」と退場していくのであった。
リングに残ったハッスル軍。坂田が「いいか、皆。大晦日、俺達の敵はモンスター軍だけじゃねえ。高田の言うとおり、世間や裏番組とも真っ向から勝負するぞ!!」と激を飛ばす。一同は大きく頷いた。
そして話は先ほどのTAJIRIの変態行為に。「それにしてもTAJIRIさん。意地が悪いですね〜。ボノちゃん、完全にトラウマですよ」とHG。TAJIRIは「ついつい面白かったんで調子に乗っちゃいました。まあでも、ムタが出て来ようが、こっちには大将がいるから、鬼に金棒ですよ。ね、大将」と天龍に視線を向ける。すると天龍は「俺はな、敵ながらインリンに関心してんだよ。女一人で、あのボノを立派に育てようとしてるだろ」と敵であるインリン様を評価。そして「それに引き換え、ムタの野郎はどこへ行ったんだよ! 俺がな、奴にオヤジの自覚ってもんを叩きこんでやるからな!」と、試合への意気込みをみせた。
と、ここで崔から「せっかくのクリスマスということで」と当たり付きサインボール投げの提案。ハッスル軍は、クリスマスに後楽園ホールまで足を運んでくれたファンに、サインボールをプレゼントした。そして今日の締めは、HGの音頭だ。「3、2、1、ハッスル、ハッスル! クリスマス〜、ハッスル!!」と、クリスマスバージョンのハッスルポーズを会場全体で決めて、大会の幕を下ろしたのであった。運命の大晦日大会まで、あと6日……!!
7分49秒 ジャイアント プレス
モニターには、吹雪の中、ヨロヨロと教会に入ってくるRGの映像が。小脇には犬のぬいぐるみを抱え、帽子はいつもと違う茶色のハンチングだ。バックにはアヴェ・マリアが流れ、物悲しい雰囲気が漂うなか、身を横たえて口を開いたRG。「ボノ……、サップ……、ノートン……、川田……、3D……。毎回毎回、どうにか生きながらえてきた僕だけど、今回は僕以外の5人がモンスター軍。しかも、そろいもそろって大型モンスターばかりだよ……。きっと子供がクリスマスプレゼントを奪い合うように、僕をいたぶるんだろうね……。いったい、いつまでこの生活は続くんだろう。どうして僕ばかりこんな目に遭うんだろう。マリア様、もう痛いのは嫌だYO……」。
そう、今回の試合はなんとモンスター・ボノ、ジャイアント・バボ、ボブ・サップ、スコット・ノートン、ジャイアント・シルバにRGを加えた巨人だらけの6人タッグマッチなのだ。ハッスル史上、最も残酷なマッチメイクを受けたRGは、「パトラッシュ……。僕、もう疲れたYO……。なんだかとっても眠いんだ」とぬいぐるみに語りかけ眠りについてしまった。試合を待たずして永眠につくのかRG……!?
しかし、次の瞬間RGの目に飛び込んだのは、本日限りのタッグパートナー・バボだった。場所はハッスル軍の控え室だ。どうやらRGは、あまりの恐怖に悪い夢を見ていたらしい。「おい! おい! 起きろや!!」とバボ。RGは「ああ……、バボラッシュ。お前、僕を探しに来てくれたんだね?」と完全に寝ぼけている。もしくは現実逃避か……。バボは、「誰がバボラッシュや! はよ起きろや! 地獄のクリスマスが始まるでぇ」と、RGの首根っこをつかんで会場へと連行するのであった。
閉じる 先に入場してきたのはRG組。しかし、仇敵のボノ、そしてバボに取り囲まれいつもより何やら畏まっている。その対戦相手となるチームからは、まず『ジャイアントプレス』のテーマ曲と共に、久々『ハッスル』登場のシルバが入場。観客をどよめかせながらリングを回ると、ボノといきなり睨み合いだ。確か、シルバは昨年の大晦日にボノとそっくりの曙に勝利しているが……。続いて、ノートンが入場すると、最後は黒いマントに身を包んだサップが登場! 5人の巨大なモンスターが集結したリング上は、壮観な光景となった。
そして、ゴングが鳴ると、観客たちは一斉に「RG!」コール! しかし、RGはサップに突き飛ばされ、あっさりとリング外へと転落してしまう。ならばと、RGは放っておいて、5人のモンスターたちは一斉に乱闘を開始した。その乱戦の中、ライバル意識剥き出しのボノとサップが対峙。ド迫力のぶつかり合いを繰り広げ、観客を驚かせた。続いては、ノートンとバボの対戦だ。ノートンが凄まじいチョップを放てば、バボはドロップキック。ここでもド迫力の攻防が繰り広げられる。
しかし、ここでサップがいきなりリングイン! 「チョットマッテ!」と日本語で叫び、2人のモンスターの闘いを止める。そして、「RG!」と場外に転落したRGを探し始めたではないか。遂にモンスターたちの待つリングに無理矢理上げられたRG! 人生最悪のクリスマスの始まりだ。まずは、ノートンのチョップで吹っ飛ばされると、続いてはサップに片手で頭を掴まれ玩ばれる。そして、続いては最長身のシルバの登場だ。怯えるRGを捕まえたシルバは落差のあるアトミックドロップ! サップ、ノートンもRGにアトミックドロップを連発したため、その度に尻を抱えながら、吹っ飛ぶRGだった。もはや虫の息のRGに、ノートンは強烈な逆水平チョップを叩き込む。さらにサップと一緒にRGの足を掴むと、2人がかりでマットに叩き付けていく。
この惨状を見かねたのか、ようやくボノとバボが救出に登場。ボノがノートンをぶちかましとエルボードロップで叩きのめすと、すかさずRGにボディプレスを促す。ボノの命令でRGは、ノートンに対してRGプレスを発射! しかし、これは見事に炸裂したものの、もちろんノートンから3カウントを取れるわけがない。あっさりと返されると、逆にパワースラムを食ったRG。しかし、このピンチに救出しようと、バボが入ってきた。ところが、バボの振り回したバレーボールは案の定、RGに誤爆! 続いてボノのエルボードロップまでもがRGの貧弱な体に炸裂してしまう。味方の誤爆続きで、もはやRGは青息吐息。そんなRGにシルバがトドメを刺すべく最後のリングインだ。シルバはボディスラムでRGを叩き付けると、恐怖のジャイアントプレスをトップロープから発射! 哀れ、RGはシルバの巨体で圧殺され、3カウントを奪われたのだった。
リングに横たわるRGを囲みいたぶる5人のモンスターたち。そこにハッスル軍がRGの救出に! サップたちが、場外のハッスル軍に向かって虫の息となったRGを放り投げる。それをキャッチしたハッスル軍はRGを退場させる。すると突然、山下達郎の「クリスマス・イブ」のイントロが流れ始める。そして曲に乗せて高田総統の声が響き渡る。「雨は夜更け過ぎに〜♪ 雪へと変わらない〜♪ ……なぜって? 地球が温暖化しているからさ」。高田総統、聖夜の降臨だ。
ジャイアント白田が大晦日の対戦相手を川田利明に指名したことで勃発した二人の因縁。結果、この『クリスマスSP』で大食い対決『喰えんのか!クリスマス2007』を白田が制した場合は、白田の希望通り大晦日に川田とのプロレス対決が実施されることに。果たしてどうなる大食い対決!!
【喰えんのか! オフィシャルルール】
●試合形式:20分1本勝負
●種目:カレーライス(試合中は、ソース、福神漬け、らっきょうの使用が認められる)
●ジャッジ:20分でどちらがより多くのカレーを食べることができるかで勝敗を決めます。尚、終了時点で完食した皿の枚数が同数の場合、ジャッジによって優劣を判定するマストシステムにて勝敗を決するものとし、ドロー裁定はありません。
以上のルール説明が行なわれると、次はドクター・林督元、レフェリー・野口大輔、ジャッジ・中村カントク、ジャッジ&ルールディレクター・島田二等兵の紹介がされる。島田が場内は一斉にブーイングだ。
そしてモニターには2人の煽り映像が流される。白田の会見の様子と、白田の対戦要求を受けた川田のインタビューから構成されている。「ないね。ありえない。闘っても得ることないもん」と川田。白田の会見映像が挟まれる。「どうせ白田はたいしたことないと思われてると思うけどビックリするくらいやりますよ」。また川田にスイッチ。「んなわけねーよ。俺から言わせりゃ、ただの食いしん坊じゃん。言っとくけどね、レスラーだってあれくらい食べるよ。俺たちだって、食うのが仕事だもん」とバッサリ。白田は「日本最強のフードファイターという自負がある。プロレスをやる以上、ハッスル最強の川田選手と思ってるので」と、プロレスの対戦相手に川田を指名。川田は「そんなこと言うなら大食いで勝負してやるよ! ジャイ司令長官トなんて名乗るのは16年早いんだよ!!」と今回の『喰えんのか!クリスマス2007』をぶちあげた。いよいよ2人の胃袋が激突する!!
閉じる まずは白田が『EYE OF THE TIGER』に乗って入場。長身を生かし、トップロープをまたいでのリングインだ。一方の川田はセコンドに司令長官を伴っての入場。試合前、川田が提示した「俺にとって、カレーは飲み物。具を入れることを断固拒否する」という条件を白田が認めたため、川田のカレーは具なし、白田はポークが入ったカレーで争われることになった。カレーはライスが300グラム、ルーが220グラム、計550グラムという量で盛られ、辛さは中辛だそうだ。ちなみにカレーの提供はCoCo壱番屋である。
そして、遂に運命のゴング! 皿を持ち上げ、口にいっぱいのカレーを含みながら平らげようとする川田。一方の白田は、落ち着きながら一定のペースでカレーを食べている。そして、2分30秒あたりで、一瞬むせた川田。水を口にし、胃袋の状態を整える。さらにタオルを手に取り、汗を拭き始める川田。既にかなりつらそうな表情になってきた。しかし、一方の白田は全く余裕の表情。全くペースを崩さず、カレーを食べ続けている。場内からは一斉に「川田!」コール発生。奮闘する川田にエールを送っている。川田はウスターソースをカレーに注入。より食べやすい状態にして、スパートをかけていく。しかし、セコンドの司令長官はタオルを手に持って、心配そうな様子を見せる。と、思いきや、なんとそのままタオルを頭に巻いただけだった。だが、口の中いっぱいにカレーを含む川田の表情はかなり苦しそうだ。
そして、思わずイスから立ち上がった川田。もう、限界か? しかし、川田はその場で屈伸運動をして、呼吸を整えて、試合を続行! 再びカレーを食べ始めたのだ。まだまだカレーを食べ続ける両者。川田は舌の味を変えるためか、らっきょうを食べた。しかし、この直後、遂に川田が腹を抱えて立ち上がる! これを見た司令長官がタオルを投入! 試合終了を告げるゴングが鳴らされ、白田の勝利が告げられた。無念そうな川田を抱きしめる司令長官。川田は何度も、吐きそうなそぶりを見せ、司令長官たちを慌てさせたのだった。
勝利した白田は「川田さん! 大丈夫ですか? ダブルスコアですね。これで大晦日、僕と闘ってくれますか?」と川田に確認。川田は「おえっ! 俺は本当は脂っこいものが大嫌いなんだよ!!」とえづきながらも「約束は約束だ。やってやるよ!」と明言。ただし川田は、「素人とのシングルマッチは面白くもなんともない」とのことで、白田が助っ人を連れてのハンディキャップマッチを要求。「助っ人っつってもギャル曽根じゃねえぞ、もう食わすなよ?」と川田。そして川田は「ハッスルはどんな馬鹿馬鹿しいことでも真剣に取り組むリングなんだ。俺はな、今日、真剣に食べたぞ。お前も中途半端な気持ちで来るなよ! もし、ハッスルを舐めてるってわかったら、ぶっ殺してやるからな」と念押しだ。そして、白田の真剣な表情に納得した川田は、「まあ今日のところはごちそうさまってとこだ。バッドラックだ!」とおなかを抱えて去っていくのであった。リングに残った白田は「皆さん! 僕は大食いファイターの誇りにかけて、大晦日、全力でやります! どうか応援お願いします!!」と、盛大な拍手の中、闘志を新たに退場するのであった。
10分57秒 スーパーキック
セミハッスルを控えたハッスル軍の控え室では、崔領二が落ち込んだ様子で座っている。「はあ……。なんでハッスル軍同士で闘わなあかんのや。しかも、相手はTAJIRIさんにHG、そして坂田の兄貴や。兄貴、後輩には容赦ないからな」とため息をもらす。そう、本日のセミハッスルは高田総統の嫌がらせによるハッスル軍の同士討ちなのだ。KUSHIDAも崔と同様、「坂田さんか……。憂鬱ですね……」と、落ち込む。
そこに\(^o^)/チエが登場、「崔さん、クッシー! やる前から負けること考えるやつがいるか!」と、叫ぶやいないや、なんと二人にビンタ! 「なにすんねん!」と立ち上がった崔にチエは、「リングに立ったら先輩も後輩も関係ないよ! これはチエたちにとってチャンスなんだから!」と渇を入れる。
それを聞いた崔は一転、「そうやな。正直言うとな、俺は前からHGがエースっちゅうのが気に入らんかったんや。本気でやったら俺が負けるはずないわ!」と本音をポロリ。KUSHIDAも「あのアホの坂田のツラひっぱたいて、明日から逆に僕の付き人にしてやりますよ!」と大胆発言だ。チエはそんな二人に「崔、KUSHIDA。お前ら、やれんのか!」と、今年、格闘技界を席巻したセリフで確認。崔とKUSHIDAは迷いなく「やる!」と即答だ。それを聞いたチエは「やるなら殺せ!」と咆哮。そして3人は、「やれんのか!」の元ネタであるアントニオ猪木の「1、2、3、ダー!!」を決めて、決意も新たにリングへと向かうのであった。
閉じる まずはTAJIRIとKUSHIDAの師弟対決。ロックアップから腕の取り合いと基本的な攻防を繰り広げる。ここでTAJIRIをアームホイップで投げ飛ばしたKUSHIDAは、坂田&HGを挑発。なんと、唾まで吐きかけるような強気の態度を示した。しかし、TAJIRIはHG&坂田を制して、KUSHIDAとの攻防を続行。すると、KUSHIDAは持ち前のスピードを生かして動き回り、TAJIRIの顔面を思いっきり張り飛ばしたのだった。これでTAJIRIもたまらず坂田にタッチ。
KUSHIDAは坂田にチョップを何発も打ち込んでいくが、強烈な一発で思わずのけぞってしまう。それでも、気合いを入れ直して攻め込んできたKUSHIDAに対して、坂田はマウントパンチでお返しだ。これをカットしたのが崔。続いては、そのまま崔とHGの攻防へと移行した。まずは、崔にドロップキックを炸裂させたHG。崔のキックもかわして、フライングニールキックを叩き込んでみせた。そして、コーナーに崔を据えて、PWを連発! 崔の顔面に股間をなすりつけて、勝ち誇ったのだった。しかし、この攻撃にはさすがの崔も激怒。怒りのミドルキックを叩き込んで、HGの動きを止めた。
今度は再びKUSHIDAの登場だ。KUSHIDAはHGにドロップキックをぶち込むが、HGは腰のグラインド攻撃でお返し。腕十字の体勢で股間を振って、KUSHIDAに精神的なダメージを与えていく。続いては、再びHGと崔の攻防だ。崔はHGをエルボーでなぎ倒すと、ブレーンバスターでマットに叩き付ける。その間、カットに入ってきた坂田に、KUSHIDAが猛然と襲いかかる。一心不乱に坂田にストンピングを食らわせたKUSHIDAは、止めに入ったTAJIRIまでも蹴散らす。そして、ようやくチエも登場し、HGに対して3人でのトレイン攻撃だ。さらに、KUSHIDAに肩車されたチエは「メリークリスマス!」と叫んでムーンサルト。崔もダブルニーのストマックバスターをHGに炸裂させる。勢いに乗るヤングハッスル軍は、KUSHIDAとチエのサンドイッチドロップキック、崔のミドルキックと、HGに対して一気呵成の猛攻だ。そして、崔がトドメを狙って那智の滝! しかし、ここはHGが間一髪スルー。カウンターで崔にフライングニールキックをぶち込んで、ようやく脱出することに成功した。
さあ、ここから先輩ハッスル軍の逆襲だ。TAJIRIが崔にハンドスプリングエルボーを食らわせて動きを止めると、今度はHGと共にカットに入ってきたチエを捕獲。2人でチエを持ち上げると、その頭部を崔に向けて突進だ。さらに、TAJIRI&HGはダブルブレーンバスターでチエを投げ飛ばし、後方にいた崔にぶつける。そして、最後は坂田の登場。弱り切った崔に怒りのキックをぶち込むと、ダイビングフットスタンプを投下。ここはKUSHIDAとチエがカットで間に合ったものの、TAJIRIがチエをタランチュラ、そしてHGがKUSHIDAをコマラツイストで捕らえてしまい、万事休す。最後は坂田がスーパーキックを崔に炸裂させて、3カウントを奪った。
勝利を飾ったのは先輩ハッスル軍一同。坂田が「領二! 強くなったな……。めちゃめちゃ効いたぞ」と崔を称える。崔は「兄貴に比べればまだまだっすよ。今日はありがとうございました」と謙遜してみせる。崔のおごらない様子に「さすが俺の弟分。すがすがしいじゃねえか」と頷いた坂田は「それからKUSHIDA!」と続ける。「はい!」とKUSHIDA。すると坂田は「お前、死ね! コノヤロウ!」とひとこと。なぜかKUSHIDAだけは許せないらしい。
「まあまあ」と間に入るTAJIRI。「今日は、若手も頑張りましたし、高田総統にハッスル軍の魂を見せることができたんじゃないですかね?」と話をそらす。と、突然なにかをリングに持ち込む坂田。それは、なんと『ハッスル・マニア2007』でエスペランサーのレーザービターンから坂田を守った妖精さんの盾ではないか!
「妖精さんはな、エスペランサーのレーザービターンを跳ね返したせいで魔法が使えなくなっちまった。だから、俺たちはもう妖精さんには頼れねえ。大晦日はな、このラブ&ハッスルの盾の下、皆で力を合わせるんだ!」と坂田。HGからは「今日の試合で、皆の気持ちが一つになりましたからね〜。大晦日は我々ハッスル軍の全勝ですよ!」と快勝宣言も飛び出した。坂田は最後に「よし! 2007年の締めくくり、さいたまスーパーアリーナで応援お願いします!」と観客を煽り、ハッスル軍一同、会場をあとにした。
6分30秒 ダイビングエルボー
第2ハッスルは、アン・ジョー司令長官&恐・イタコvs天龍源一郎による天龍への嫌がらせハンディキャップマッチだ。
モンスター軍の司令室は、なぜか大会中にも関わらず、大掃除の真っ最中だ。下っ端のマスクマンたちが、あわただしく掃除している。同様に働いている司令長官もさすがに「総統も、こんな日に大掃除しなくても……」とぼやく。すると目に入ったのは、明らかにサボっている様子の島田二等兵。「大掃除のときって、ついつい昔のものとか見ちゃいますよね〜」とハッスルの昔のパンフレットを手に島田。司令長官も「オー! 懐かしいデスネ! ハッスルってもう4年もやってるんデスネ〜」としみじみだ。
2人が掃除をほったらかしてパンフレットに見入っていると、頭に三角巾、手にはホウキを持った高田総統が登場。高田総統は、「思い出に浸っている場合じゃないだろ! 島田、アン!」と2人を怒鳴りつける。しかし島田は4年も付き合っているだけあって、心得たものだ。「し、失礼しました! でも総統、これ見てください。総統がはじめてハッスルに登場したときの写真ですよ」とパンフレットを見せる。高田総統は思わず「そうそう、この時は客がドン引きで……ってコラ! 違うだろ!」とノリツッコミだ。
しかし続けて、「今日は大掃除だ! その意味が分かってるのか!? もはや存在自体がカビのような、あの天龍源一郎をキレ〜イに始末する日だろ! しつこい汚れを残したまま年を越すのは、まっぴらごめんなんだよ! わかるだろ!?」と島田と司令長官に言い聞かせる。さらに「思い出と言えば恐・イタコだ。今は亡きレジェンドレスラーの魂を呼び寄せる貴様の降霊術で、今宵はあの老いぼれの古きよき思い出を、悪夢に変えてやるがよい!」と、天龍と相対するイタコに向けて激を飛ばすと、「SWSビターン」を決めて締めくくるのだった。
閉じる お馴染みの『サンダーストーム』が鳴り響く中、天龍が先に入場。一方のモンスター軍だが久々登場のイタコは、相変わらず精気がない。ゴングが鳴って、司令長官が先発を促しても、いっこうに出る様子がない。怒った司令長官が無理矢理引っ張り出そうとしたが、そのままグッタリと倒れてしまう始末だ。仕方がなく、モンスター軍からは司令長官が先発。天龍に対して、得意のキック攻撃で攻め立てる。一方の天龍も、エルボーとチョップ攻撃でアンに反撃。初っ端からかなり激しい攻防だ。そんな中、司令長官が天龍をスリーパーで捕獲。自軍のコーナーに連行し、遂にイタコとタッチした。
しかし、天龍と対峙したイタコは、首を掴まれてアッサリとダウン。まるで役に立たない。やむを得ず、再び司令長官がリングイン。天龍にニーリフトをかましてダウンさせる。ところが、ここでイタコに遂に霊が降臨! 爆音が鳴った後、場内に鳴り響いたのは『移民の唄』だ。そう、なんとブルーザー・ブロディが降臨したのだ! ブロディが乗り移ったイタコは、「アウッ! アウッ!」と吠えながらチェーンを振り回すと、ビッグブーツを天龍に叩き込む。そして、必殺のキングコングニードロップを投下だ。しかし、ここでブロディの霊が去ってしまったのか、イタコはダウンしてしまう。ならばと、再びアンが天龍を攻め始める。
しかし、またも爆音が鳴り、イタコが霊を降臨させようとし始めた。しかし、これを天龍が阻止! すると、その天龍に霊が乗り移り始めたではないか! そして、場内に鳴り響いたのは『王者の魂』。なんと、ジャイアント馬場が天龍に乗り移ってしまったのだ! 馬場が乗り移った天龍は、上のタンクトップを脱ぎ捨てると、スローな動きながら河津落とし、16文キックという懐かしの技で司令長官をなぎ倒す。この司令長官のピンチにイタコは3度目の降霊を敢行。そして、会場には『J』のテーマが鳴り響く。お待ちかね、ジャンボ鶴田の降臨だ! 鶴田、天龍の鶴龍対決が『ハッスル』のリングで再現されるのか? しかし、なんと鶴田が乗り移ったイタコは天龍と共に司令長官を攻撃! 時を越えて、鶴龍砲が『ハッスル』のリングで復活だ! イタコと天龍は2人がかりで司令長官を蹴散らし、観客に向かって、「オー! オー!」と拳を突き上げる。そして、イタコのバックドロップ、天龍のダイビングエルボードロップが次々と司令長官に炸裂し、天龍が勝利を飾ったのだった。勝利した天龍、そしてイタコは試合後も「オー!」と咆吼。イタコは退場する間中、観客と共に拳を突き上げていた。
7分16秒 ローリング蜘蛛クラッチ
2007年初頭から始まったキンターマン&クロダーマンのモンスター軍入団への道。その長い道のりを経て、11月に行なわれた『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)でついにモンスター軍入団を決めた二人だったが……。
2人の勝利は、ウェポンマッチの最強兵器、マーク・ハントのお手柄によるものだったため、高田総統はこの二人に“見習い”として一から始めることを命じたのである。そんな見習い2人のモンスター軍入団一発目の試合は、なんとキンターマン、クロダーマンが離れ離れ。下積みの意味を込めて、それぞれ鬼蜘蛛の下に付いて敵同士として勝負することに……。今年1年を一緒に闘い抜いたマスクマン2人は一体どんな闘いを見せてくれるのか。
モンスター軍の司令室には、両手に大量の買い物袋をさげたクロダーマンの姿が。「なんで試合前だってのに、買出しなんかしなきゃなんないんだよ」と、ぼやくクロダーマン。そしてクロダーマンの視線の先には、ホウキとチリトリを放り出してタバコをふかすキンターマンの姿が。どうやら掃除を命じられていたらしいキンターマンは「なんで俺らがこんなことせなあかんねん」と、グレてしまったようだ。「仕方ないでしょう、見習いなんだから。一から頑張りましょうよ」と諭すクロダーマンだが、キンターマンは聞く耳持たず。「ええねん。こんなことせんでも、試合で結果出してモンスター軍に『あいつら、必要やな!』って思わせたらええんやろ?」と、いかにもキンターマンらしい強気な発言を放ってみせた。
その安易な言葉に不安をのぞかせるクロダーマンだが、キンターマンは「俺はちゃ〜んと秘策を考えてきてんねん」と一蹴。「これさえあれば身も心もモンスターや! まあ、見とけや。ほな、リングでな!」と意気揚々と会場に向かうキンターマンと、呆然とそれを見送るクロダーマンであった。
閉じる 先に会場に現れたのは、クロダーマンと青鬼蜘蛛。いつものようにブリブラダンスを決める。そして次に現れたのは、キン……鬼蜘蛛!? なにを思ったかTシャツに「キン鬼蜘蛛」と書かれたキンターマンの姿が……。よく見るとマスクも鬼蜘蛛の触角を意識したデザインに変わっている。リングに上がると、四つんばいで動きも真似している。それを見たクロダーマンは、「おい、キンターマン! なんだよ、それ!」と詰め寄るが、キンターマンは「何を言うてんの? はじめまして。キン鬼蜘蛛です。ウガー!!」としらばっくれる。どうやら鬼蜘蛛の真似をすることでモンスター軍に忠誠心をアピールしているつもりらしいが……。キンターマン、いやキン鬼蜘蛛は「さ、赤の兄貴、やっちまいましょう!」と先輩・赤鬼蜘蛛に投げかけ試合がスタート!!
まず、先発で登場したのはクロダーマンと赤鬼。腕の取り合いを行った後、赤鬼はロープに飛ばされる。しかし、ロープにピタッとへばりつくと、そのままキン鬼にタッチした。クロダーマンと向き合ったキン鬼は、張り手合戦を敢行。そして、クロダーマンがキン鬼をコーナーに吹っ飛ばす。すると、先程の赤鬼ばりにコーナーにへばりついたキン鬼。このキン鬼を鉄柱にぶつけると、クロダーマンはもう一丁エルボーを叩き込む。そして、キン鬼を場外に強制連行。南側の席の中段まで連れて行くと、思いっきり助走を付けてのラリアットを炸裂させる。クロダーマンはこれを2発続けてぶち込んで、「ど〜ですか、お客さん!」と絶叫だ。そして、リングアウト狙いで先にリングに生還。しかし、キン鬼もカウントギリギリで戻ってくると、クロダーマンからタッチを受けた青鬼と対峙する。ようやく気合いが入ったのか、キン鬼は青鬼にムーンサルトプレス! そして、赤鬼と共に救出に入ってきたクロダーマンを蹂躙していく。噛み付き、金的掴みの反則攻撃でいたぶると、赤鬼とダブルのドロップキックを炸裂させたキン鬼。そして、自分のトランクスから何かを取り出した。まさか、蜘蛛の糸のつもりなのか? 赤鬼も背後から青鬼を捕まえて、キン鬼の蜘蛛の糸を待つ。さあ、キン鬼が蜘蛛の糸を発射だ! しかし、手からは何も出ず……。逆にキン鬼は青鬼から蜘蛛の糸を浴びて、あわやスクールボーイでフォールを奪われそうになった。しかし、赤鬼に救出されると、遂にキン鬼も爆発! なんとマスクを脱ぎ捨てると、気合いを漲らせて、観客に向かって咆吼だ。しかし! この隙に青鬼が背後からキン鬼をキャッチ。そのまま前方回転エビ固めで丸め込み、キン鬼から3カウントを奪ってみせた。
秘策むなしく、試合に負けてしまったキンターマン。鬼蜘蛛2匹は呆れた様子で、さっさと会場をあとにする。クロダーマンは、「被りますか?」とマスクをキンターマンに手渡す。そして「やっぱり今までどおり、コツコツやっていこうよ。せっかく大晦日の試合も決まったんだし」と、キンターマンに訴える。キンターマンも、よっぽど懲りたのか「そやな……。とりあえず大晦日がんばろか……」と納得した様子だ。しかし、「大晦日の相手はどうせ崔(領二)とEricaやろ? 楽勝や」と軽口を叩いたところで、懐かしい入場曲が鳴り響く。これは間違いなくEricaの入場曲だ!
3月以来、ハッスルのリングを離れていたEricaが崔とともに登場。Ericaはなぜか金髪のロングヘアーにサングラスを頭に乗せている。しかも思いっきり仏頂面だ……。崔は「おい、なにが楽勝や! 大晦日は俺とこのEricaちゃんとで、お前らハッスル軍の裏切り者をお仕置きしたるからな!」とキンターマンたちに宣戦布告だ。崔は続けて、長らくハッスルのリングから離れていたEricaを観客に紹介。そしてEricaに、「大晦日へ向けてひとこと意気込みを!」と促すが、Ericaは「……特にありません」とつっけんどんな態度をみせる。それを見た崔は「え〜〜〜!!」。そして、なんとか上手く喋らせようと、「え〜と……。こいつらハッスル軍を裏切ったんですが、もちろん怒ってますよね!?」と返事のしやすい質問だ。しかしEricaは、そんな崔の気持ちなど知る由もないといった感じで「……別に」とひとこと。Erica様の様子を見かねたキンターマンは、Ericaの金髪カツラを剥ぎ取り「ネタが古いねん!!」と一喝。
これでEricaはいつもどおりのテンションに。「みなさーん、お久しぶりで〜す! パートナーのマーガレットがアメリカに帰っちゃったから、私も普通の女の子に戻ろうと思ってたんですけどぉ、リョウジクンが大晦日、どうしても力を貸してくれっていうから、戻ってきちゃいましたぁ!」と崔にひっつく。キンターマンは「気持ち悪いねん! ええか、試合形式は俺らがもっとも得意とする『ダイナマイトハードコア』やぞ! お前らみたいな下の毛も生えてないハードコアのひよっ子に負けるわけないやろ!」と吼える。しかしこのあと、うかつにもEricaには絶対タブーのあの言葉を発してしまう。「お、よう見たら下の毛がないぶん、鼻毛が出てるやないけ」。あわてて制止するクロダーマンだったが時すでに遅し。Ericaはプッツン。「鼻毛だぁー!?」と裏拳一閃! 一発でキンターマンをのしてしまった。
Ericaは「またやっちゃった、テヘ。とにかく大晦日は頑張りま〜す!」と、崔とともにご機嫌で退場。キンターマンはクロダーマンに支えられて会場をあとにした。
オープニング劇場にはなんと、ザ・グレート・サスケが登場! 「ハッスルファンの皆さん! メリークリスマス! 今夜は、いつもいい子にしている皆さんに、とっても素晴らしいクリスマスプレゼントを持ってきましたよ!」とサスケ。その紹介でリングに姿を現したのは、先日、『大みそかハッスル祭り』でのハッスルデビューを宣言した池谷幸雄だ!
池谷はダッシュでコーナーポストにかけ上がると、ウルトラCの宙返りを披露! サスケと観客は、バルセロナオリンピック銀メダリストの華麗な体操技に盛大な拍手を送る。オープニングから会場は大盛り上がりだ。池谷は「ハッスルファンの皆さん! はじめまして、池谷幸雄です! 今、すごく気持ちがいいです! ハッスルの聖地、後楽園ホールのリングで、熱狂的なファンの皆さんに会えて心から感動してます!」と挨拶した。続いて、池谷は「僕は、子供の頃、タイガーマスクに憧れてました! でも僕は、タイガーマスクの四次元殺法を越える五次元、六次元の技を見せる自信があります。大晦日は、池谷幸雄ではなく! マスクマン・池谷銀牙(ぎんが)として登場します!!」と、マスクマンでの登場を予告。これを聞いたサスケは「すすす素晴らしい……!!」と絶賛だ。ちなみに、銀河の銀は銀メダルの“銀”とのこと。サスケは「銀の牙をはやした銀牙が、池谷幸雄以上のパフォーマンスを見せてくれるわけです!」と会場を沸かせた。
と、ここで高田モンスター軍のアン・ジョー司令長官と、ジャイアント・バボがリングサイドに登場! 二人は池谷に向かって「池谷銀牙て! どんなセンスしとんねん!」(バボ)、「B級の匂いがプンプン漂ってきそうな名前デスネ! まるでVシネマデース!」(司令長官)と、さっそくリングネームにケチをつける。
サスケは「現れたな、高田モンスター軍! 池谷銀牙! B級どころか、ウルトラC級に素晴らしい名前じゃないか!」と池谷を擁護! するとモンスター軍の二人は「マスクを被る前に、自分の正体を明かすバカがどこにいるんデスカ?」(司令長官)、「お前に2008年はないんや。覚えとけよ!」(バボ)と、さらにたたみかける。しかし池谷は、「池谷銀牙は池谷幸雄よりもめちゃめちゃ凄いんだよ! だから無事に年を越せないのは、お前らの方だ!」と、改めて挑戦状を叩きつけた。
これにカチンときたバボが池谷に襲い掛かろうとするが、これはサスケがガード。司令長官は「確かに、ユーの身体能力、それは認めマショウ! しかーし! プロレスは、マット運動とはわけが違うんデスヨ!」と念を押す。そして「大晦日! 全国のお茶の間に、ユーの血祭りになった姿をさらしてやりマース! メモリーしておきナサーイ!」と吐き捨てて、リングをあとにした。
「クソ〜! 高田モンスター軍め……!!」と歯ぎしりするサスケだったが、当の池谷は、モンスター軍の妨害など、どこ吹く風だ。何事もなかったかのように、「サスケ先生! 『大みそかハッスル祭り』、よろしくお願いします! そして、ハッスルファンの皆さん! 大晦日は、池谷幸雄ではなく池谷銀牙として、さいたまスーパーアリーナで大暴れしたいと思いますので、応援してください!」と、さわやかに一礼。マスクマン・池谷銀河の大晦日登場を約束して、会場から引き揚げた。
いよいよ、クリスマスには恒例となりつつある『年末ドリームジャンボお宝マッチ』を導入した『ハッスル・ハウス 〜クリスマスSP2007〜』が開始される。この大会では、特別に軍団の枠を取り払い、選手をシャッフル! 普段、絶対に見られないタッグ、カードが続々と実現してしまう、まさにドリームジャンボなお宝企画なのだ。今回、この企画をプロデュースしたのは、もちろん高田総統だ。高田総統の理不尽な独断で決定された各マッチメイクをとくとご覧あれ!!
本日はめずらしく前説からスタート。ハッスル軍からKUSHIDAと\(^o^)/チエが登場だ。二人は自己紹介を済ませると、「観戦上の諸注意」を観客に説明。KUSHIDAが「VTR撮影の禁止」や、「場内での喫煙禁止」を促すと、チエが横からTVカメラマンを指して「クッシー! あの人、撮影してるよ!」、「高田総統は葉巻吸ってるよ!」と、相変わらずの天然ぶりを披露する。
KUSHIDAはさらに、「試合観戦時の注意」として、「ハッスル軍の入場には大きな歓声を、高田モンスター軍の入場には大きなブーイングをお願いします」とファンに要求。続けて、「RGのつまらないギャグには愛のあるブーイングをお願いします」とアナウンスし、チエにRGのマネをさせて、その予行演習を行うことになった。そして、チエが「メリー……、メリー……、メリークリスマスープレックスホールド!」と、渾身のクリスマス版RGギャグを披露! 観客は大きなブーイングで応えた。
最後にKUSHIDAは、「寒い野次はご遠慮ください」とお願いして、退場しようとしたところ、高田モンスター軍からジャイアント・バボが登場。KUSHIDAはさっそく客席に向かって「モンスター軍です! モンスター軍が登場したときは!?」とブーイングの練習だ。観客もしっかりブーイングを飛ばすと、バボは「待てや! ちょっと喋らせろや!」と二人を押しのける。
バボは観客に「別にお前らが、モンスター軍にブーイングしようが、歓声を送ろうが、それはお前らの好きにしたらええ。強制はせん」と前置きした上で、「だがな! ハッスルの偉大なる支配者・高田総統が登場されたときは、こんときだけは、大きな声で『そーとー!』ってコールせえよ!」と“総統コール”の練習を行わせた。観客の大きな“総統コール”を聞いたバボは、「おお、思ったよりよかった」と胸を撫で下ろす。そして「後楽園ホールはな、いっつもこのコールが少ないねん。せいぜい4割や。今日は全員で、大きな声で総統コールを頼むで。俺からは以上や」と去っていった。
リングではKUSHIDAとチエが、「では、マナーを守って最後までごゆっくりお楽しみ下さい。試合開始は19時を予定しています!」と締めの挨拶。会場をあとにした。