ファイトカード

高田総統劇場

 ステージに高田総統が降臨。高田モンスター軍が勢揃いだ。もちろん、ボノを除いて……。会場からは、大きな「総統」コールが巻き起こる。バボの前説の効果は上々だ。そして、高田総統はコールを遮って、新年1発目の挨拶。「名古屋のモンスター軍信奉者の諸君! 新年おめでとう。我こそが高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」。

 「インリン! 女手一つでボノを育てようというお前の気持ちはよく分かるが子育てに焦りは禁物だ!」と高田総統。インリン様は「総統! 新年早々、お見苦しいものをお見せして申し訳ありません 一度だけと思って、あの人とボノちゃんを会わせたらこんなことに……。あの子には、あとで私がきつく言い聞かせますので、今日のところはどうかお許しください」。すると高田総統は、「生後6ヵ月の子供に、お前とムタの複雑な関係を理解させるのは酷というものだ。1人で育てようとするな。モンスター軍みんなで育てればいいんだよ!」と理解を示す。これを聞いたインリン様は「ありがとうございます! 私は、あの子を運命に負けない強い子に育ててみせます」と、改めて子育てに力を注ぐことを誓ったのだった。インリン様はさらにサップにも迷惑をかけたと謝るが、サップは「ノープロブレム! ボノチャン・イズ・マイブラザー」と男らしく気にしていない様子。さらに高田総統にも「モンスターグン・イズ・マイ ファミリー!」とご機嫌取りだ。するとHGが「大晦日裏番組に出てたくせに、何がファミリーですかぁ!」と割り込んでくる。

 しかし、高田総統はHGにダメ出しして軽くいなすと、矛先を坂田に向ける。「やっぱり君は妖精さんがいないと、な〜んにもできない男だな。そんなんじゃ、高田将軍と闘う日は永遠にやってきそうもないな」と鼻で笑った。坂田はサップに1・17『ハッスル・ハウスvol.32』でのリベンジを誓うと、高田総統に「2008年の主役は俺だ! 俺こそハッスルなんだよ!」と言い返した。しかし、負けたことで肩身が狭いのか、それ以上言葉は続かなかった。すると川田が、そんな坂田に追い打ちをかけるように、「お前、凱旋とか言ってるけど、地元で人気ねえじゃねえかよ! コンノヤロォォォオ!」とグサリ。高田総統が、そんな川田を舐めるように見つめて、「貴様の地元は栃木だったな? お前は地元で人気があるのかよ?」と質問。川田は「俺は栃木の英雄ですよ! 総統! 今度、栃木でハッスル開催したらどうですか? 俺が栃木で凱旋試合なんてやろうもんなら、えらいことになりますよ!!」と提案するが、高田総統は「500%ないよ」と一蹴してしまった。そして高田総統以下、モンスター軍はここで退場したのだった。

 リングに残ったのはハッスル軍。HGが坂田に声をかける。「試合に負けたのは私にも責任があるんですから、そんなにへこまないでください」。RGも「そうですよ、坂田さん。ボクはどんなにギャグがスベっても、絶対ヘコんだりしませんヨウ!」と、RGなりに励ます。一方、「『ハッスル・マニア2007』と『ハッスル祭り2007』を乗り越えたら少しは楽になるかと思ってたんですが、上っても上っても頂上が見えませんね……」と、TAJIRIはいささかネガティブな面持ちだ。しかし、崔が「今まで兄貴(坂田)におんぶにだっこでしたけど、俺らも頑張りますから!」と坂田にハッパ。これを聞いた坂田も、「みんな、ありがとう。確かに上っても上っても頂上が見えないけど、これからもハッスルして天下を取るぞ!」と決意を新たにしたのだった。
 そして最後にHGが音頭を取って、恒例の「ハッスル、ハッスル! フォー!!」。今年1発目となった『ハッスル27』は盛大に幕を下ろした。

メインハッスル

11分19秒 ビーストボム

 12・31『大みそかハッスル祭り2007』(さいたまスーパーアリーナ)で、父親グレート・ムタと感動の初対面を果たしたボノ。失われた時間を取り戻すかのように、リング上で家族団らんのひとときを楽しむ3人。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。試合が終わり、ふたたび魔界の門をくぐったムタの背中にボノは一体、何を見たのだろうか……。

 モンスター軍司令室では、アン・ジョー司令長官がサップにハッパをかけている。「ヘイ、サップ! いいデスカ? ユーの役目は、地元凱旋で浮かれているアホの坂田をクラッシュしてやることデ〜ス!」。サップは、坂田の写真を破りながら、「コイケダンナ? スゴイカンタン!! ハッハッハッハ!!」と高笑いだ。

 隣では、ボノがまたしてもパパのことで母親のインリン様を困らせている。「もう、ボノをムタに会わせない」。そう心に誓ったインリン様は、「パパはね、遠くに行ってしまったの。だから、パパのことは忘れなさい」とボノに言い聞かせるがボノは「やだやだやだ! パパ、お正月、東京ドームにいたじゃない!」と鋭いツッコミだ。
 ここで、異変に気付いたアン・ジョー司令長官が「どうしたんデスカ?」と問いかける。インリン様は「ほら、サップに笑われますよ」と、泣きやむように言い聞かせるが、ボノは「あの人嫌い! 大みそかいなかったじゃない」とサップにグサリ。インリン様はため息混じりに「いつまでもグズグズ言ってないで試合の準備をしなさい!」とボノを叱り、サップに我が子を託すのであった。

閉じる まずはHG、坂田の順番で1人ずつ入場してきたハッスル軍。一方のモンスター軍も、最初にボノがインリン様に伴われて入場だ。続いて、サップがお馴染みのテーマ曲でリングインすると、リングで待っていたボノは怪訝な表情を浮かべている。ボノはインリン様のほうばかり見て、サップの言うことを聞かないのだ。そんなボノに坂田がローキックで一撃! これで闘争本能が蘇ったか、ボノはゴングが鳴ると持ち前のパワーでHGを吹っ飛ばして見せる。一方のHGはローキックでボノの下半身を崩しにかかるが、のど輪で捕まりマットに叩き付けられてしまう。それでもめげないHGは「セイ!」の掛け声と共にエルボーを連打していくと、ボノのボディアタックを避けて、スクールボーイを仕掛ける。さらに、もう1発避けると、今度はコーナー上で三角絞めだ。完全にボノを手玉に取ったHGは、ミサイルキックを食らわしてから、坂田にタッチした。しかし、タッチを受けた坂田はボノに投げ飛ばされただけで悶絶。故障を抱えている下半身の状態は、思いの外良くないようだ。坂田に対して声援が飛ぶが、ボノはかまわず坂田をベアーハッグに捕らえると、そのままコーナーに叩き付ける。そして、串刺し式のボディアタックだ。さらにベアーハッグで追い打ちをかけるボノ。再びコーナーで坂田を圧殺すると、気合い満点のドライビングエルボーを2発連続で叩き込む。そして、必殺のランニングボディプレスを発射だ! だが、ここはHGが間一髪カット。ここぞとばかりにフライングニールキックをボノに食らわしていく。そして、ボノにヒザを着かせると、坂田とサンドイッチのドロップキックを発射。さすがのボノもこれにはダウンだ。と、このピンチにサップが救出に入る。ボノを押さえ込む坂田とHGに、ボディプレスで突っ込んだのだ。しかし、坂田とHGがこれを避けたため、なんとボノに誤爆! この失敗に頭を抱えるサップだが、ボノは激怒! 「もうやらないよ」と叫んぶとコーナーに戻り、拗ねたようにエプロンサイドで座り込んでしまった。一方のサップは坂田を全く相手にせずに蹴散らすと、HGにもアメフト式のタックルを食らわし、続けてラリアットで場外に叩き落とす。そして、エプロンに座っていたボノにも攻撃を指示。しかし、ボノはやっぱりこれを拒否! その隙に蘇生した坂田がドロップキックをサップに炸裂させる。ようやく2人がかりでサップを捕まえたハッスル軍は、HGのエルボーアタック、坂田のフライングニールキックと連続で炸裂させ、2人でサップを巨体をブレーンバスターで投げ飛ばして見せた。そして、坂田がサップを押さえ込んだところにHGがギロチンドロップを投下! だが、サップはこれをキックアウトすると、パワー全開でHGと坂田をエルボーで吹っ飛ばす。そして、2人が縦に並んだところにドロップキックを発射! 凄まじい威力で、坂田&HGはあえなく吹っ飛ばされてしまった。続けてサップは坂田にもう一発ドロップキックを食らわすと、最後は高々と抱え上げてのビーストボム! さすがの坂田もこれは返すことができず。新年早々、無念のフォール負けを喫してしまった。


 「ボノちゃんいい加減にしなさい! サップにちゃんと謝りなさい!」。ボノを厳しく叱るインリン様。しかし、ボノは「ボノちゃん悪くないもん。ママがパパと仲良くしないから悪いんだろ!」とまくし立てる。痛いところをつかれたインリン様は、「ママに向かってなんですか、その口の利き方は! そんな悪い子は、ママの子供じゃないわ!!」と思わず口走ってしまう。売り言葉に買い言葉、「ボクだって生まれたくて生まれたんじゃないよっ!!」とボノ。その瞬間、インリン様はつい手にしていたムチで、ボノを思い切り叩いてしまった。すぐに正気に戻り、後悔の表情を見せるインリン様だったが、時すでに遅し。ボノは「ぶったなー! ママのバカ!! もうママなんか嫌いだーーー!!」とインリン様に吐き捨てると、リングを駆け下り走り去ってしまった。

 会場には重たい空気が流れ、インリン様がボノを追いかけようとしたそのとき、高田総統の声が! 「待つのだ! インリン!!」


セミハッスル

11分30秒 エビ固め

 昨年の夏、元WWEスーパースターの看板を引っさげて、高田モンスター軍の一員となったレネ・ボナパルト。メジャー仕込みの洗練されたスタイルで、ハッスル軍のエース・坂田亘を翻弄。また、甘いマスクと鍛え上げた肉体美で次々と女性ファンをとりこに……。そんなキザで色男のレネに対して猛烈に闘志を燃やす一人の男、それはレネと同じく元WWEスーパースターのTAJIRIだ!!

 2007年、ここ名古屋でインリン様の母乳“イン乳”を飲まされ、モンスター軍に洗脳されてしまったTAJIRI。重度の中毒症状に陥ったTAJIRIは身も心もボロボロに。そんな状態で挑んだモンスター軍の入団トライアウトでは、受験者のレネに完敗。そのあと名古屋で行われた8・18『ハッスル25』では、\(^o^)/チエにも不覚を取った。TAJIRIにとって名古屋は、まさに鬼門。イン乳の呪縛から解き放たれたいま、TAJIRIはこの悪しき因縁を払拭することはできるのか!?

閉じる TAJIRIへの声援に何やら不機嫌なレネ。しかし、白いガウンを脱ぐと、その見事にビルドアップされたボディに観客からはどよめきが起こる。調子に乗ったレネはマッチョポーズに、プッシュアップを行い、自身の肉体をアピール。さらに、リングシューズの靴ひもを結び直す余裕を見せた。続いて、何かを見つけたレネ。なんと、放送席にいる海川ひとみのもとに駆け寄り、ナンパをし始めたではないか。レネの長いアピールタイムが終わり、ようやく試合はスタート。まずはTAJIRIがモンキーフリップで投げ飛ばして先制する。しかし、レネは連続してモンキーフリップを仕掛けてきたTAJIRIをフロントキックで迎撃すると、リング下に投げ飛ばして余裕のステップ。だが、TAJIRIはすぐにリングに戻ってきて、キックを食らわすと、お株を奪うようにステップを踏んで見せたのだった。ならばと、レネはTAJIRIをロープにぶつけて動きを止めると、カウンターでエルボーアタックを叩き込む。そして、スリーパーを仕掛けてスタミナを奪いにかかる。一方のTAJIRIはこれを外して、前方回転エビ固めで対抗。だが、レネは冷静にこれをキックアウトすると、倒れたTAJIRIにニードロップをぶち込み、再びスリーパーを仕掛ける。劣勢のTAJIRIには場内から声援が送られる。これに力を得たTAJIRIは、必死でこれを外すと、ロープに飛んで前方回転エビ固め。しかし、レネがこれを踏ん張ったため、なんとレネのタイツがめくれて、尻が丸出しになってしまった。赤っ恥を掻かされたレネだが、続いてコーナーに上ったところでTAJIRIにデッドリードライブで投げ飛ばされる。これで流れを掴んだTAJIRIは、座った状態でレネと張り手合戦を繰り広げると、その場で飛び上がってドロップキックを炸裂させる。そして、続けてハンドスプリング式エルボーだ。さらにスイング式DDTを放ったTAJIRI。勢いに乗るTAJIRIは、続いてレネが突っ込んだところでタランチュラに捕まえる。そして、トドメを狙ってバズソーキック! しかし、レネはこれを間一髪スルー。ならばとTAJIRIは、すぐさまレッグロールクラッチホールドで追い打ちだ。だが、レネはこれを足の力で吹っ飛ばして、TAJIRIをコーナーに激突させると、その勢いでスクールボーイ! これでTAJIRIから3カウントを奪い、レネが元WWEスーパースター同士のシングルマッチを制した。


第3ハッスル

9分43秒 テリー・ファンク式エビ固め

 本日、一番不安要素の強いタッグチーム、RGと\(^o^)/チエがいよいよ出陣!
 ハッスル軍の控え室で、気合い十分の2人。「おい! チエちゃん! 準備はええか!?」とRGが声をかける。「おう!」と男顔負けの返事を返すチエだが頭の中では……。「崔さん、クッシーが負けたいまこそ、私たちが頑張らないと! 正直、RGは頼りない……。大みそかも関係者入り口で止められてたし、もうダメダメだ。いざとなったらチエひとりでもモンスター軍に勝ってやる! 2008年はチエの年にするんだ!!」。

 一方、RGの頭の中は「今日の対戦相手は司令長官にバボ。ヨ〜、余裕でしょ〜。だって僕はあの司令長官から1度勝ってるんですヨ〜。たしかにあのときは天龍さんという心強いパートナーのおかげでもありましたが、あれから僕も修羅場をくぐってきてるヨ〜。それに〜、今日はチエちゃんの中京女子大の後輩が見に来てるらしいヨ〜。ぜひ紹介してもらいたいヨ〜。ここでいいところを見せれば、試合後、女子大生と打ち上げで……。うへへへへ……」とろくでもないことでいっぱいだ。

 RGのだらしない顔を見たチエは、「なんだこの緊張感のない顔は……。やっぱりチエが頑張らないとダメだ……!」と気合いを入れ直す。そして、RGは「チエちゃん、今日はぜひよろしくお願いします!」と女子大生との打ち上げをアピール。チエはそんな想像を知るよしもなく、「おう! 任せとけ!!」と胸をたたいた。RGは思いっきり勘違いし、喜々として会場へ向かうのであった。

閉じる リングに上がるなり、司令長官とバボはRGとチエに襲いかかる。司令長官は竹刀でRG&チエを滅多打ちだ。一息つくと、改めてゴングが鳴って試合開始。しかし、RGはいきなり司令長官のハイキックを食らって、ノックアウトされてしまう。だが、その隙にチエがスピアーで司令長官をテイクダウン。得意のレスリング技で司令長官に挑んでいく。しかし、司令長官もこれをあしらうと、今度はバボが強烈な張り手をチエに叩き込む。地元のチエがやられたことで、場内は大ブーイングだ。これに奮起したか、チエは後方回転エビ固めでバボを慌てさせると、司令長官にもドロップキックをぶち込み、ボディスラムで投げ飛ばして見せる。しかし、背後からバボの急襲を受けて悶絶。途端に劣勢に立たされてしまう。そんなチエに容赦なくバボはニーリフトを炸裂させる。そして、カナディアンバックブリーカーの状態から、前方に叩き付ける荒技だ。役立たずのRGは未だ場外でグロッキー状態。チエの孤軍奮闘が続く。チエを追い詰めた司令長官はリバースフルネルソンの体勢に捕らえる。と、ここでようやくRGがリングイン! 強引にチエを救出すると、司令長官に張り手を振るって、反撃していく。しかし、司令長官の張り手1発であっさりとのされてしまったRG。司令長官の容赦ないエルボー、固め技がRGを襲う。続くバボはRGを高々と抱え上げてアトミックドロップ。RGはお約束で尻を抱えて、大きく吹っ飛んだ。さらに、バボはコーナー最上段にRGを据えて、バレーボール式のチョップでRGの頭を引っぱたく。続いて司令長官はRGを逆さにして頭をマットに擦り付けると、コマのように回転させる。さらに、バボがRGの股間にバレーボール攻撃を食らわすと、続けてブレーンバスターだ。そして、先程チエに食らわせたカナディアンバックブリーカーの体勢に。だが、RGはこれを間一髪、回転エビ固めで逃れると、チエがバボの腹を踏み付けてから、リバーススプラッシュをぶち込む連続技を炸裂させる。そして、RGもRGプレスで追撃だ。しかし、さすがにバボもこれで負けるわけにはいかない。カウント2でキックアウトすると、怒りにまかせて、バレーボールを振り回していく。しかし、RGはこれを巧みに避けると、起死回生の前方回転エビ固め! これが見事に3カウント入り、RGがまさかの勝利をゲットした。

 まさかのミスで敗れたバボにアン・ジョー司令長官は怒り心頭。「ヘイ、バボ! なにやってるんデスカァ〜! モンスター軍入りして2年も経つのに、本当にユーは成長シマセンネー!」とまくしたて、さっさとリングをあとにしてしまった。モンスター軍が去ったあと、RGが「勝ったどーーー!!」と勝ち名乗り。チエも、「今日は私の地元でもある名古屋で勝てて本当に嬉しいです! どうもありがとうございました!!」とあいさつ。

 さらに後輩チエの応援に駆けつけてくれた中京女子大レスリング部、伊調姉妹と吉田沙保里選手が、リング上で挨拶をしてくれた。「ハッスル大好きです! 北京では3人で金メダルを取りたいと思います」(伊調馨)。「チエとRGさんの応援ありがとうございました。私たちも負けないように北京オリンピック頑張ります」(伊調千春)。「チエは大事な後輩です! これからも熱い応援お願いします! 北京ではオリンピック2連覇目指して頑張ります!」(吉田)。
 そして、5人はチエの音頭でハッスルポーズ! 「ハッスル、ハッスル! バンザーイ!!」と観客一体となっての、歓喜のハッスルポーズを決めたのだった。


第2ハッスル

12分35秒 デンジャラスパワーボム

 2007年、モンスター軍にもまれまくり、急成長を遂げたハッスル軍若手コンビの崔領二とKUSHIDA。その実力は、高田総統のいやがらせマッチで味方同士の対決を余儀なくされた坂田の折り紙付きだ。そんな2人を高田総統がロックオン! ハッスル軍の若い芽を摘むかのように、川田利明と佐藤耕平をあてがうことに。崔とKUSHIDAは無事にリングを降りられるのか……!?

閉じる ゴング前に奇襲を仕掛けたのは崔とKUSHIDAのハッスル軍。まずは川田を捕まえると、エルボーで崔が攻め立てる。これに対して川田もエルボーで対抗。だが、崔は一歩も引かずに川田にエルボーを叩き込んでいく。ならばと、ダンシングドールキックを食らわした川田。ようやく仕返しをして、耕平にタッチだ。ハッスル軍もKUSHIDAにチェンジ。KUSHIDAは素早い動きで耕平を四つんばいにすると、すかさず低空のドロップキックを顔面に叩き込む。さらにウラカン・ラナで投げ飛ばしてから場外に転落させると、花道を大疾走してのエルボーアタックだ。耕平もこれを迎え撃ったが、かまわずエルボーを連打するKUSHIDA。勢いに乗ったKUSHIDAは、もう一度花道を走り込んでの攻撃に出るが、耕平はいち早くエプロンに上ってこの攻撃を避ける。だが、KUSHIDAは強引に足を引っ張って、再び場外に落とすと、自身はリングに戻ってトペ・コンヒーロをぶちかました。優勢に立ったかに見えたKUSHIDAだが、耕平の反撃に腹を抱えて悶絶。川田からはニードロップ、逆片エビ固めを食らって、動きがストップしてしまう。続いて、耕平からもボディスラム、ストンピングを浴びせられたKUSHIDA。モンスター軍のコーナーに連行されると、川田に逆水平チョップ、耕平のミドルキックの連打で痛めつけられてしまう。KUSHIDAも歯を食いしばって反撃に出るが、なかなかこのローンバトルから脱出できない。場内からは「KUSHIDA!」コールが発生して、KUSHIDAを後押ししている。これに奮い立ったか、川田に対して必死の張り手で反撃に出るKUSHIDA。しかし、川田はエルボーでなぎ倒すと、串刺し式フロントキック、ストレッチプラムでKUSHIDAを追い込んでいく。救出に入ってきた崔も左右のエルボー連打で蹴散らした川田。KUSHIDAをパワーボムの体勢で抱え上げ、崔に叩き付ける荒技まで披露した。ピンチが続いたKUSHIDAだが、耕平のジャーマンを空中で一回転して着地。ようやく崔と交代すると、崔は耕平をミサイルキックで蹴散らし、川田にも得意のキック攻撃で挑んでいく。崔と川田のローキック合戦。崔はこれを押し気味に進めたものの、続いて川田のフロントキックの反撃を食らい、背中にカカト落としを食らってしまう。だが、なんとかKUSHIDAにタッチすると、KUSHIDAが先程のお返しとばかりに耕平を攻め立てる。そして、満を持して、ムーンサルトを発射! しかし、耕平はこれをヒザを立てて防御すると、ぶっこ抜きジャーマンで投げ飛ばす。そして、最後は川田が高々と抱え上げての滞空時間の長いパワーボム! 強烈な一撃でKUSHIDAをマットに叩き付け、息の根を止めた。

 試合に勝利しマイクをつかんだ川田。「こんだけかよ、もの足んねえよ!」と毒づくと、「まあいいや。とりあえず勝ったから文句は言わせねえ。『燃えよドラゴンズ!』歌わせてもらうぞ!」と合図を送る。言わずと知れた名古屋が誇るプロ野球チーム・中日ドラゴンズの応援歌だ。観客は大盛り上がり。

 しかしここで崔がミュージックをストップ! 「シングルやったら、試合より歌とか言ってる中途半端なお前になんか絶対に負けへん! 川田! 俺と次の後楽園、シングルで勝負や!!」と対戦要求だ! 川田は「偉そうなこと言うじゃねえか! 俺は試合も歌も完璧だってとこを見せてやるからな。よ〜く覚えておけよ!」と立ち去るのであった。


第1ハッスル

4分2秒 スペシャルケロロアタック

 オープニングを終えたアン・ジョー司令長官と島田二等兵がモンスター軍司令室に戻ると、なにやらポリポリ食べている川田利明の姿が。「いや〜、新春早々、いいものが見れましたね〜!」とご機嫌の島田二等兵は川田に気付くと「あれ? モンスターK、なに食べてるんですか?」と質問。「『白い恋人』だよ」と答えた川田にアン・ジョー司令長官は「また大食い対決でもやるつもりデスカ! ユーも懲りない男デスネー!」と大笑いだ。

 そして話題は高田総統の北海道旅行の話に。それにひきかえ島田二等兵とアン・ジョー司令長官は『ハッスル祭り2007』から今日までのハードスケジュールのなか、休むヒマもなかったと愚痴をこぼす。「毎晩、すすきので飲んだくれてたらしいですよ!」と言いたい放題だ。

 するとそこに高田総統が登場。「さすがの私も、すすきのの誘惑には勝てなかった。北海道では総統ではなく、『シャチョサン』と呼ばれたりしてな。ハッハッハッハ!」と、まだまだすすきのの余韻に浸っているようだ。そして「まあそう怒るな。土産に『白い恋人』を買ってきてやったぞ」と高田総統。島田二等兵とアン・ジョー司令長官が「ハッ」と川田に目をやると、『白い恋人』はすっかり空っぽだ。「ごちそうさまでした」と川田は満足げな表情を見せたのだった。

 続いて、高田総統は川田に対して、「まだインリンに2008年シリーズのオープニングを任せたことを怒っているのか?」と声をかける。一方、『白い恋人』にありつけなかった島田二等兵とアン・ジョー司令長官には「『赤福』をいっぱい買ってやるから、機嫌を直せ」と持ちかける。これにはさすがの島田二等兵も絶句。アン・ジョー司令長官も「いくら総統といえども、手に入れることは不可能デ〜ス」と指摘。すると高田総統は、日本全国で渦巻いている『赤福』を食べたいと渇望する怨念をモンスターに注入したことを明らかにした。

 そのモンスターとは、赤鬼蜘蛛あらため……赤福蜘蛛だ!! 高田総統は、「よいか、赤福蜘蛛よ! ヘッポコガエルことケロロ軍曹に地獄絵巻のような初夢を見せてやれ! そして、チビっ子たちの夢を粉々に砕いてやるのだ!」と指令し、「偽装表示ビターン」で赤福蜘蛛を送り出すのだった。

閉じる 先に登場したのは赤福蜘蛛だ。島田二等兵とゆっくり花道を歩いてリングイン。そして、いつも通りご機嫌で入場してくるケロロ軍曹。いよいよ名古屋大会初参戦だ。花道の途中で立ち止まったケロロ軍曹は、「名古屋の諸君初めましてであります! 我輩は、“ガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊選考工作部隊隊長”ケロロ軍曹であります!」と自己紹介だ。そして「え? なんでアニメキャラがハッスルに出てるのって? おんどりゃあ〜! お前ら、大みそかテレビ愛知見てねえのかあ!? あのね、我輩は猛毒コブラ男爵と試合をして見事勝利! いまや、ハッスルが誇る超人気者なんでありますよ! なんか今日の相手、赤福蜘蛛? 微妙にあぶなくね? これ余裕じゃね??」と勝手に説明&アピールを済ませた。

 そして、戦闘用ペコポンスーツを装着し、意気揚々とリングに向かうケロロ軍曹だったが、突然、後ろから青鬼蜘蛛が急襲だ! 蜘蛛の糸でがんじがらめにされてしまったケロロ軍曹と、捕食しようとにじりよる蜘蛛二匹。ケロロ軍曹は「食べられる〜〜〜! 誰か助けて〜!!」と、誰ともなく助けを呼んだ。するとケロロ軍曹を救出するため、あのハッスルのスーパーヒーローが登場!! 現れたのはなんとハッスル仮面イエローだ!
 ケロロ軍曹を救出したイエローは、巨体に似合わぬ素早い動きで赤福蜘蛛&青鬼蜘蛛を蹴散らしていく。試合は急遽、ケロロ軍曹&ハッスル仮面イエローvs赤福蜘蛛&青鬼蜘蛛のタッグマッチに変更となった。イエローの登場に劣勢に立たされた鬼蜘蛛たちも2人がかりで反撃。ケロロ軍曹がリング下で未だ戦闘状態にないのをいいことに、イエローを追い詰めていく。イエローにダブルのブレーンバスターも炸裂させた鬼蜘蛛たち。しかし、この窮地をなんとか脱出したイエローはケロロ軍曹にタッチ。ケロロは青鬼を飛び越えながら赤福にドロップキックを食らわすと、青鬼には人工衛星ヘッドシザースだ。そして、イエローもショルダータックルで赤福を吹っ飛ばすと、青鬼を捕獲してダイビングボディプレスを投下! 続いて、ケロロ軍曹が一度リングに着地してからの二段式ボディプレスを炸裂させ、青鬼から3カウントを奪った。

 結果的に連勝をもぎ取ったケロロ軍曹は「イエー! 勝ったであります!!」と上機嫌。しかし、おいしいところを持っていかれたイエローはいまいち納得がいかない様子。それでもケロロ軍曹は、「まあまあ固いことを言うなであります! とにかく勝ったでありますよ〜!」とムリヤリ締めくくるのであった。


オープニング劇場

 本日のオープニングにはインリン様が登場! インリン様の姿を見た観客からは、早くも大興奮の歓声が巻き起こる。島田二等兵とアン・ジョー司令長官を引き連れ、リングインしたインリン様は、「新しい年が明けたというのに、相も変わらずヒマでモテない諸君、私が愛と美と闘いの女神・インリン様よ!」と自己紹介。島田二等兵に煽られた観客は力の限りの「インリン様」コールだ。そのコールに「何をやっても中途半端だな、名古屋のバカども!」とあきれる島田二等兵は、さっさと対戦カードの発表にうつってしまった。

 カード発表を終えると、「いやー、それにしてもインリン様。大晦日盛り上がりましたね〜」と島田二等兵。アン・ジョー司令長官も「親子感動のご対面……ミーは涙が止まりマセンデシタ」としみじみとした表情を見せる。するとインリン様は、「それはもう終わった話よ。私は二度とボノちゃんとあの人を会わせるつもりはないわ」と衝撃告白。ビックリして飛び上がる島田二等兵と、「もう会わないほうが、ボノちゃんのためになるんデスカネ……」と頭を垂れてしまうアン・ジョー司令長官。会場が寂しい空気に包まれると、インリン様は「そんなことより、今日は私からスペシャルなお年玉をプレゼントしてあげるわ」と切り出した。お年玉とはもちろん、M字ビターンだ。インリン様は一瞬でムードをガラリと変えてしまった。島田二等兵が、観客と一緒に大喜びしているとそこにボノちゃんの声が……!

 「ママー、僕にもお年玉ちょうだいよ!」。ボノが入場曲をバックに花道より登場してリングイン。インリン様は「ボノちゃん! ママは大事な用があるから、いい子で待ってなさいって言ったでしょ!」とあわてて帰そうとするが、「知ってるよ! ママ、土俵入りするんでしょ? ボノちゃんも一緒にやるよ!」とボノのほうが一枚上手のようだ。それを聞いたインリン様は「そういえば魔界は今、初場所の真っ最中だったわね。ボノちゃん、ママと一緒に土俵入りしましょうか?」と提案。ボノはもちろん「うん!」と機嫌良く返事。インリン様とボノは2008年の1発目の大会で、親子揃ってのめでたいM字ビターンを決めたのだった。


オープニングムービー

 2007年12月31日、ハッスルは大晦日興行の開催、そして地上波ゴールデンタイム中継というスタート以来の悲願を達成! 1年でもっとも多くの国民がTVを観る大晦日に、ハッスルの面白さを発信したい。世間との壮大な勝負に挑んだこの日、会場となったさいたまスーパーアリーナには、2万人を超えるハッスルサポーターが集結!! 大観衆の熱い声援に後押しされ、ハッスル軍、モンスター軍のメンバーを始め、大物有名人軍団も大ハッスル! 選手、スタッフ、ファン……、ハッスルを愛するすべての人の思いが相乗効果を呼び、会場はかつてない熱狂のるつぼと化した!

 そして迎えたメインハッスル。ハッスル軍のエースコンビ、坂田亘とHGが、スコット・ノートン&ジャイアント・シルバのメガモンスターコンビに快勝! 激動の2007年を気持ちよく締めくくったかに思えたその時! 突如、姿を現したのは、高田総統の新たな化身・高田将軍だ! あのエスペランサーのレーザービターンを跳ね返した妖精さんの盾を、坂田もろとも簡単に吹き飛ばす破壊力に、ビビってたじろぐハッスル軍。

 そして、そこに追い打ちをかけるように高田総統はボブ・サップとモンスター・ボノのモンスター軍最強メガコンビと坂田&HGの対戦を決定! 昨年、最強キャラ・エスペランサーを倒したハッスル軍に休む間もなく、襲いかかる強敵たち。2008年、高田モンスター軍とハッスル軍の闘いの炎は、さらに激しさを増していく……!!


前説

 開演前のリングにKUSHIDAと\(^o^)/チエが登場。本日の前説はこの2人だ。まずはKUSHIDAが「今日は『ハッスル27』にお越しくださいまして誠にありがとうございます! ハッスル軍のKUSHIDAです!」と挨拶。続いてチエも「地元名古屋・中京女子大出身のハッスル軍、\(^o^)/チエです!」と自己紹介だ。観客からは初っぱなから大きな声援が飛ぶ。

 2人は「観戦上の諸注意」として、「VTR撮影の禁止」や、「場内での喫煙の禁止」をアナウンス。KUSHIDAはさらに「ハッスル軍の登場には大きな歓声を、高田モンスター軍の登場には大きなブーイングをお願いします!」と続けた。そして「RGのつまらないギャグには愛のあるブーイングをお願いします」とチエにRGのモノマネを要求。チエは、「なんで自分が……」と、渋りながらも「あけまして、おめで……おめで……、おめでとうございまスープレックスホールド!」と見事なブリッジを決めた。会場からはそこそこのブーイングが飛び、もう一度……と思ったところで、モンスター軍のジャイアント・バボが乱入。

 KUSHIDAはここぞとばかりに「皆さん! モンスター軍が登場した時は?」と、観客にブーイングを煽る。いきなりブーイングで迎えられたバボは一瞬たじろいだ様子で、「ま、待てや! 少ししゃべらせろや!」と訴えた。バボの目的は「総統」コールと、「インリン様」コールの演習だ。観客の十分なコールを聞いたバボは「ええ感じやないか。本番もその調子でやれや!」とニッコリ。3人は各コールのおさらいをして、リングをあとにしたのだった。