「やっぱり貴様だったか、マーク・ハントよ!」。『威風堂々』が鳴る中、バルコニーには高田総統、そしてモンスター軍の面々が登場した。高田総統は、「ボノをたぶらかし、悪の道に誘っていたのは、やはり貴様だったか!」と、挨拶もそこそこにハントを一喝した。隣ではインリン様が、「痛い目にあって少しは反省したの? 手遅れにならないうちに、総統に謝りなさい!」とボノを叱り付ける。高田総統も、今なら今回の件は水に流せるという。川田も前回の「栃木の田舎っぺ」発言を持ち出すと、「お前は、とんでもない失礼なこと言ったんだから、戻ってくるなら俺に、そして栃木県民全員に謝れよ!」と謝罪を要求した。それを聞いたボノ。神妙な顔つきでゆっくりとマイクを掴むと「ど〜もすいませんでした」と謝ったかに見えた。しかし、次の瞬間、「…………栃木の田舎っぺ!」と、またしても川田を罵倒! たじろぐ川田とは裏腹に会場は拍手喝采の大盛り上がりだ。
さらにボノは、「あんなクソジジイ、ちっとも怖くないよ! 日曜日、ボノちゃんとマー君でリベンジしてやる!」とシンに対して、堂々の報復宣言。「どこの馬の骨か分からない子と付き合うんじゃりません! 育ちの悪さ丸出しだわ!」と憤慨するインリン様を、「いちいち口出しすんな、クソババア!」と一蹴し、「マー君はめちゃめちゃ強いんだぞ! ね、マー君!」とハントに語りかけた。ハントはバルコニーを指さして、「タイガー・ジェット・シン、ノックアウト!」と一言。会場からは歓声が上がる。それならばと、高田総統は2・24『ハッスル28』(さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ)でのタッグマッチを正式に決定した。
▼2・24『KYORAKU presents ハッスル28』(さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ)決定対戦カード
タイガー・ジェット・シン & アン・ジョー之助
VS
モンスター・ボノ & マーク・ハント
高田総統は、「ハント! ハッスルのリングはな、お前が闘ってきたリングとは、勝手が違うぞ!? 全然違うぞ!? ……そして、ボノよ。甘えるのもそろそろいい加減にしておけよ。お前ら2人まとめて、きつ〜いお灸を……これでもか〜これでもか、とすえてやるから、よ〜〜〜く覚えておけ!」と、2人に警告を発してバルコニーから去っていった。
リングに立っているのはボノとハントの2人。「マー君! 2人でモンスター軍をぶっ潰そう!」とボノが力強く宣言すると、ハントもそれにガッチリと握手で応える。打倒モンスター軍を誓い合った2人に、観客からは温かい声援が飛び交った。そして、ボノがびっくり発言! なんと新ポーズを考えてきたというのだ。「一緒にお願いします!」と観客に呼びかけると、ハントと2人で、新ポーズ「3、2、1、どすこい、どすこい!!」で大会を締めくくったのだった。
3分18秒 反則
試合前のモンスター軍司令室では、アン・ジョー司令長官がボノちゃんの身を案じてインリン様に話しかけている。「いくらボノちゃんが門限を破ったとはいえ、こんな危険なシングルマッチを組んでよかったのでショウカ? シン先生は、ボノちゃんがインリン様の息子でも容赦しないのは目に見えてマース」と司令長官。インリン様は「あの子も痛い目にあえば、さすがに懲りて帰って来るでしょう」と、淡い期待を胸にしつつ、「心配だわ。愛するわが子が、虎の生贄になるんですもの」とうなだれた。そして司令長官に「くれぐれもジョー之助さんに、『シン先生がやりすぎたらよろしく』と伝えてちょうだい」と手を握りしめて懇願。しかし司令長官は、「ジョー之助さんとは面識がないので……」と言葉を濁すのであった。
閉じる リング上にはケロちゃんこと田中秀和リングアナウンサーが登場。まずはボノを呼び込む。ボノは後楽園の入口から売店を通過すると、南側の客席から姿を現した。続いて、「さあ、皆さん、お気を付けください!」という田中リングアナのコールが終わると、いよいよシンの登場だ。ジョー之助に伴われて現れたシンは、やっぱり客席に雪崩れ込み、観客に向かってイスを投げつけ、サーベルを振り回す。リングサイドの観客席はあっという間に大混乱だ。リングの周りを1周したところでようやくリングイン! サーベルを口にくわえていきり立っている。そして、田中リングアナに自分の名前がコールされると、やっぱり蹴りを一撃! さらに場外に連行して、田中リングアナに暴行だ。ここでボノも場外へ向い、暴れ狂うシンに襲いかかる。しかし、シンはサーベル攻撃でアッサリと返り討ち。イスでボノを殴りつけると、観客席に向かってイスを放り投げる。ボノは早くも流血だ。それでも構わずシンはイスをボノに向かって、投げつける。これを間一髪避けたボノだが、すぐさまシンに捕まってチョーク攻撃を食らってしまう。ここでようやくリングに戻ったシンは、やはりリングに戻ってきたボノをすぐさま迎撃。噛み付き攻撃で、ボノの額の傷をさらに広げる。そして、コブラクローでボノを絞め上げるシン。しかし、ボノも雄叫びを上げながら立ち上がる。そして、シンのショルダータックルを受け止めると、ベアーハッグで捕獲。シンをコーナーに追い詰める。ここでジョー之助が竹刀を片手にリングイン。シンを救出するために、ボノを竹刀で攻撃する。しかし、怒りのボノはすぐさま返り討ち。ジョー之助をコーナーに追い詰めて攻撃を食らわしていく。ところが、この隙に凶器を取り出したシンがボノの背後から接近。持っていた鉄製の凶器でボノを滅多刺しにしてしまった。もはやシンの暴走は止まらない。これでは試合が成立するはずもなく、レフェリーはゴングを要請し、シンの反則負けを宣告したのだった。
試合終了のゴングが鳴ってもシンとジョー之助の攻撃はやまない。それどころか、モンスター軍はボノに徹底的に制裁を加えるらしく、佐藤耕平やモンスター℃が乱入! 全員でボノを袋だたきにし始めた。亀状態で、ただただ身を守るボノ。ここでモンスター生命が絶たれてしまうのか!?
しかし! そこになんとアロハシャツに白いグローブ、そしてキックトランクスといういでたちの男がリングに入ってきた。なんと、『ハッスル・マニア』でのウェポンマッチで、ウェポンとして登場していた元K-1王者のマーク・ハントだ! 大歓声に包まれる会場。歓声の中、リングに飛び上がったハントはモンスター℃をサモアンフックで一撃! 怖じ気づいたモンスター軍は蜘蛛の子を散らすように退散してしまった。そして、バルコニーから高田総統の声が……。「やっぱり貴様だったか、マーク・ハントよ!」
休憩明けの会場に、なんと池谷銀牙とザ・グレート・サスケが登場! 池谷はコーナーから宙返りを決めて会場を沸かせる。サスケも「いやあ、素晴らしい! 相変わらずの技のキレ!」と絶賛だ。
サスケからマイクを受け取った池谷は、後楽園ホールを埋め尽くす観客に向かって「こんばんは! 池谷銀牙です!」と元気いっぱいに挨拶。相変わらずの爽やかぶりを発揮する。続けて池谷は、「昨年の大みそかにデビューして2ヵ月、またハッスルのリングで闘いたいという思いが抑えきれなくなってきました」と告白。その結果、なんと3・20『ハッスル29』(グランキューブ大阪 メインホール)での再登場することとなった。会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。
サスケも「大阪は、銀牙選手の地元じゃないですか! いよいよ凱旋試合ですね!!」と大興奮だ。池谷は「大みそか以来、腰が痛くて仕方がありませんでした。しかし、やると決まった以上、大みそか以上の凄い試合をお見せすることを約束します!」と宣言した。
するとここで島田二等兵が登場! 「おい! 参戦決定って誰が許可したんだよ!」と、池谷に因縁をふっかける。どうやら、ハッスルの支配者である高田総統の許可が下りていないらしい。サスケが「そんなに、銀牙選手の五次元殺法が恐いんですか!?」と島田に詰め寄るが、「汚職議員は黙ってろ」とアッサリかわされる。これに対して、「汚職議員ではありましぇん!」というサスケの声が虚しく響いたのだった。
気を取り直した島田は、「いいか池谷! 大みそかはお前のキテレツな動きに惑わされたけど、あんな大道芸、二度と通用しないからな! 大阪ではお前をボコボコにしてやる! 覚悟しとけ!」といつになく強気だ。……と思いきや「って司令長官が言ってたぞ!」と付け足す島田であった。一方の池谷は、大みそかに見せた池谷銀牙の実力はまだまだ半分だとやり返す。しかし、島田は聞く耳持たず、「はいはい。オリンピックで金メダル獲れなかった奴は口だけは達者なんだよな。あの柔道の銀メダリストと一緒だよ」と悪態をついて退場するのであった。柔道銀メダリスト? 一体、誰のことを言っているのやら。
池谷は最後に「今からもっともっと練習して、皆さんの期待に応えられるよう頑張ります! 応援よろしくお願いします!!」と観客に深々と頭を下げて会場をあとにした。
10分32秒 昇天ドロップ
。それは……坂田亘の2月シリーズ欠場だ。
エスペランサーを撃破するなど、ハッスル軍のエースとして、昨年MVP級の大活躍を見せた坂田。だが持病の椎間板ヘルニアに加え、大みそか、高田将軍のレーザービターンで腕を負傷。さらに1月シリーズで膝を痛めるなど、全身はボロボロとなっていた。1月の試合は痛み止めの注射を10本も打って、ようやく出場していたほどだった。もはや体は限界、ということで特に症状のひどい腰の手術に踏み切ることとなった。
ハッスル軍にとってエース坂田の欠場は、痛手どころか組織の根幹が揺るぎかねない一大事だ。そんな非常事態の中、今月12日に手術が行われた。結果は……。病室で横になっている坂田が、会場のモニターに映し出された。
「ハッスルファンの皆さん。今日はあいさつに行くことすらできず申し訳ない。でも、今のようなボロボロの身体じゃ天下は取れない。だから、思い切って手術に踏み切りました。一日も早く、完治させて皆の前に戻ってきます。ハッスル軍の皆! 俺が留守の間、モンスター軍に潰されねえようにしっかり踏ん張ってくれ! 頼むぞ!」と坂田。一方その頃、ハッスル軍の控え室では……。
「ハッスル軍の皆! しっかり踏ん張ってくれよ! 頼んだぞ!」とHGが、先ほどのVTRでの坂田の真似をしている。「坂田さん、相変わらず自分に酔ってますね〜!」とHG。隣で崔が「あれ、絶対取材モードですよ。俺こないだお見舞い行ったら、病室なのにタバコ吸いながら買い出し頼んできましたもん」と告げ口だ。TAJIRIが「まあ、坂田さんのナルシストぶりはさておき、問題は今日の試合ですよ」と切り出す。TAJIRIは、モンスター軍がボノの家出騒動でゴタついてる今が、一気に追い詰めるチャンスだと説明。HGは「そういうことでしたら、今日の試合はいっそのこと一番強い川田をターゲットにしましょうよ!」と提案。続けて、「新婚の坂田さんが腰を振れない分、私が腰を振って振って振りまくってやりますよ〜!」と腰をフルスイングだ。崔も続いて、「俺も川田に試合でダメージを与えて、来月の歌勝負、心理的優位に立ってやりますわ!」と賛同。HGはプロレスで、崔はネタで、それぞれ“川田越え”を果たすことを誓い合ってリングに向かった。2人を追うTAJIRIは、「目指す方向、逆じゃないですかね?」と首をかしげたのだった。
閉じる まずは珍しくハッスル軍がゴング前に先制攻撃。場外乱闘に持ち込んで見せる。しかし、モンスター軍もすぐさま応戦。川田が場外でHGをいたぶれば、リング上ではモンスター℃がTAJIRIを攻撃だ。しかし、TAJIRIもセカンドロープを使ったジャンピングキックで反撃する。続いては耕平と崔の激突だ。ここはエルボー合戦から崔がショルダータックルで耕平を吹っ飛ばす。すると、続くTAJIRIも低空のドロップキックを耕平のヒザに叩き込む。一方の耕平も再び出てきた崔にニーリフトを食らわせて反撃すると、レフェリーが見ていない隙に股間蹴り。これで動きの止まった崔に、モンスター℃、川田が順繰りに攻撃だ。特にオープニングで歌を巡って崔とやり合った川田は、強烈な逆水平チョップをぶち込むと、場外で鉄柵に叩き付けるなどの厳しい攻めを見せる。リングに戻ると、起き上がりこぼし式の逆水平チョップ、ダンシングドールキックを崔に食らわせた川田。続けて、モンスター℃と耕平のダブルショルダータックルが崔に炸裂する。耕平のニーリフト、川田のブレーンバスターも連続で食らった崔。しかし、足を取りに来た川田を下から蹴飛ばして、ようやくHGにタッチだ。勢いよくミサイルキックをぶち込んだHGは、場外に川田を連行し、鉄柵に叩き付けて見せる。しかし、モンスター℃との掛け声エルボー合戦に気を取られていた隙に、リングに戻ってきた川田のヒザ蹴りを被弾。川田からはさらにパワーボムを食らうと、モンスター℃からも攻め込まれる。しかし、モンスター℃のダイビングセントーンを自爆させて反撃開始。グラウンドコマラツイストでモンスター℃を慌てさせると、戻ってきたTAJIRIがハンドスプリング式のエルボーアタックを食らわせてアシストする。そして、最後はHGが昇天ドロップを発射! 自らの股間をモンスター℃の顔面に炸裂させて、息の根を止めた。
勝ち名乗りを上げるハッスル軍に川田が声をかける。敗れた川田は、「RG! あ、間違えた。HG! 去年、大阪(4・21『ハッスル22』)でお前とRGをボコボコにしてやったけどな、日曜のさいたま(2・24『ハッスル28』)は、あの程度じゃ済まねえぞ! 月曜日の『ラジかるッ』に出れなくしてやるからな!」と怒り心頭だ。一方のHGは、「セイセイ! 唯一残ったレギュラーなんですから!」と大慌て。そこへ崔が、「おっさん! 『踊る!さんま御殿』出てたけど、お前、全然おもろないねん! 話すべっとったやないか!」と横やりを入れる。
そしてHGは、芸人として川田と競うつもりがないことを明言。「その代わり私はあなたをプロレスラーとして越えて見せますよ〜! 油断してると大ケガしますからね!!」と自信満々に言い切った。それを聞いた川田も川田で、「お前とプロレスで競うつもりは毛頭ございません」と丁重にお断り。「真のハッスラーは俺だけで十分なんだよ!」と、きっぱり宣言してリングを降りたのだった。
リングに残ったハッスル軍。「試合の方は頼んだよ」と崔。一方のHGも、「奴を黙らせて、モンスターKを超える立派な芸人になってください」と崔にエールを送る。さらにHGは、「役割が逆な気がするんですけど……」と横から口を挟んできたTAJIRIをセイすると、観客に向けて「私はモンスターKに勝ちます! 応援よろしくお願いします!!」と宣言し、崔&TAJIRIと共にリングをあとにしたのだった。
5分38秒 ラリアット
銀河系最強のモンスター軍の一員でありながら、己の殻を破れず、イマイチ伸び悩むジャイアント・バボ。一昨年行われたハッスルオーディションで、モンスター軍からドラフト1位指名されたのも今は昔……。今のバボは、目下、連敗街道まっしぐらである。この失態続きにモンスター軍の鬼教官、アン・ジョー司令長官も大激怒だ。
そんなバボの本日の相手は、なんと天龍源一郎! しかも天龍は、1月シリーズを欠場して武者修行に出ていたという。インタビュアーが天龍に質問を投げかける。「天龍さん、武者修行の旅に行かれたそうですが……?」。天龍は「おお、すっかりリフレッシュしてきたよ!」とニッコリ。「リフレッシュ? 修行してきたんじゃないんですか?」とインタビュアー。しかし、天龍は、聞いているのかいないのか、「もう、お肌ツルツルだよ♪」と上機嫌な様子を見せた。一体どこで修行してきたのだろうか……。
強敵・天龍が相手とあって、バボにとっては大ピンチ! しかし、ピンチはチャンス! この崖っぷちを乗り切って、一気に汚名返上できるかバボ!?
閉じる ゴングと同時にバレーボールを振り回すバボ。天龍のチョップも物ともせずに、ドロップキックを食らわして見せた。さらに、強烈なビンタ、キチンシンク、逆水平チョップで攻め込むバボ。だが、天龍もカウンターのチョップで反撃すると、延髄斬り、スライディングキック、さらには場外に向かってダイビングボディプレスだ。今日も厳しい攻めを見せる天龍。バボをイスで強打すると、バボのバレーボールも投げつける。そして、ロープ越しにブレーンバスターで叩き付けると、えげつない顔面キックだ。さらにチョップとグーパンチのコンビネーション、ショートレンジのラリアットでバボをいたぶる天龍。悶絶したバボをWARスペシャルで絞め上げ、ギブアップを迫る。バボがロープブレイクすると、顔面にサッカーボールキック。この一連の攻撃で既にグロッキー状態気味のバボは天龍の足に食らいつくが、天龍は容赦せずに上着を脱がせると、素肌に逆水平チョップを叩き込む。そして、コーナーに追い詰めると、マシンガンチョップを連打だ。さらにロープに逃げようとすれば顔面へのサッカーボールキックと天龍の攻撃は止まらない。一方のバボは既に戦意喪失。棒立ち状態で天龍のグーパンチを食らうと、最後は至近距離からのラリアットでアッサリとフォールを奪われた。
マイクをつかむ天龍。「おい、敵にこんなこと言いたかねえけどよ、お前、最初から諦めてリングに上がってねえか? てめえみたいな根性なし、ハッスル軍の誰を相手にしたって勝てねえよ。まだ、うちのチエの方が根性あるぞ!」と叱責すると、肩を落とすバボを残し、控え室に戻っていった。
そして、入れ替わりにリングに登場したのはアン・ジョー司令長官だ。「ヘイ、バボ! ユーは本当にどうすんデスカー!? もう本気で闘う相手がイマセンヨー! 大将にも『チエの方が根性ある』とまで言われて、これでもしチエに負けたらどうすんデスカー!?」とまくし立てる。これにはさすがのバボも、「チエには絶対負けませんから! 今度勝負させてください! 負けたら坊主にでもなんでもなりますから!」と土下座で懇願。司令長官は「今も坊主みたいなもんじゃないデスカ!」とつっこみつつ、「まあ、ユーの覚悟は分かりマシタ!」と、2・24『ハッスル28』(さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ)でのバボvsチエのシングルマッチを決定した。「そこで負けたら即坊主デ〜ス! ただ、それだけで済むと思うなよ!!」と強く念を押す司令長官であった。
11分21秒 超新星プレス
高田モンスター軍の司令室にて。島田二等兵がアン・ジョー司令長官となにやら話し込んでいる。「一体、“モンスターK”は何を考えてるんですかね?」と二等兵。司令長官も「本当デスネ。まったく、あれほど軽はずみな男もイマセンヨ」と同意。そこに後ろから現れた高田総統が「人間35歳を過ぎると、脳みそも腐ってくるのかな?」とつぶやく。「そ、総統! 腐るはマズイですよ!」と二等兵。司令長官も「そうデス! このご時世、どこで足を引っ張られるか分かりマセーン! 早い内に訂正して謝罪をしてクダサイ!」と慌てふためく。「すまんすまん。私としたことが、ついつい軽はずみなことを言ってしまったな」と高田総統。このずいぶんと軽い謝罪に司令長官が「もっとちゃんと謝罪してクダサイ」と促す。
高田総統は「今後は、二度と軽はずみな発言がないよう努力して……いや、努力じゃないな。反省……いや、反省でもないか。編集していきたいと思います」と大ボケ。ところが、司令長官は、「それなら大丈夫デショウ!」となぜか納得してしまった。
そして、高田総統はボノへの制裁について言及。「2008年に入り、我がモンスター軍もボノの家出でちょっとした騒動となっている。しかしだ! 今日でボノをしっかりとお仕置きして、これまでのゴタゴタをなかったことにしてくれるわ!」と言い放った。そして「アホの坂田が入院したそうだな? 今こそ、クソ生意気なハッスル軍を根こそぎ壊滅してくれるチャンスだ!」と宣言。続けて「くれぐれも軽はずみな行動は慎み、己の職務を全うせよ!」とモンスター軍全員に通達し、意味深な「ハニーフラッシュ!」で締めくくったのだった。
閉じる 先に入場してきたハッスル軍。RGは司令長官のテーマ曲に合わせてRGダンスを踊っている。そんな余裕のRGに対して、観客は先発を促す「RG!」コール。しかし、RGは後ずさりして、KUSHIDAに先発を譲ってしまった。まずはKUSHIDAとバンパイアで試合はスタート。いきなりその場飛びムーンサルトプレスを決めたKUSHIDAは、バンパイアをヘッドロックで捕獲する。しかし、バンパイアはKUSHIDAの髪の毛を掴んで形勢を変えると、フライングヘッドシザーズでKUSHIDAを投げ飛ばして見せた。だが、KUSHIDAもバンパイアの前方回転エビ固めをドロップキックで切り返して反撃する。続くチエもバンパイアにドロップキックを食らわすと、さらにRGも珍しく素早い動きでアームホイップ、フライングヘッドシザーズを決めて、会場の喝采を浴びた。しかし、司令長官が出て来ると様子が一変。あっさり捕まって、股間をロープに打ち付けられると、続いてはコーナーに逆さ吊りにされて顔面にバンパイアのドロップキックを連続で食らってしまう。ここでKUSHIDAとチエが救出に登場。2人でRGをアトミックドロップの体勢で抱え上げると、司令長官目がけて突進だ。しかし、司令長官はチエに蹴りを食らわして防御。この衝撃で、KUSHIDAとチエはRGの尻を自分のヒザの上に落としてしまう。結果的にRGは、KUSHIDAとチエからダブルのアトミックドロップを食らうハメになってしまったのだった。これで劣勢に陥ったハッスル軍。チエが捕まり、ローンバトルを強いられてしまう。しかし、追い詰められたチエは根性を発揮。金色のバンパイアにドロップキックをぶち込んで、この苦境を脱すると、今度はKUSHIDAが一気呵成の攻めを見せる。バンパイアにニールキック、フィッシャーマンスープレックスを食らわせたKUSHIDAは勢いに乗って超新星プレスを発射。しかし、これが避けられると、今度はKUSHIDAが捕まってしまう。バンパイアからダブルのフェースバスターを食らうと、続いてバンパイアからはスワントーンボムも被弾。救出に入ったRGもコーナーから飛んだところを司令長官に捕まり、パワースラムで叩き付けられてしまった。ところが、ここでチエが司令長官にミサイルキックを叩き込むと、続けてバンパイアにはスピアータックル。さらにKUSHIDAが風車式のバックブリーカーのようにチエを振り回して、バンパイアの上に叩き付ける。そして、最後はKUSHIDAがバンパイア16世にトドメの超新星プレス! 見事、3カウントを奪った。
KUSHIDAのテーマ曲が流れる中、マイクを取るハッスル軍。KUSHIDAが「師匠TAJIRI選手のように“世界のKUSHIDA”と呼ばれるように、今後も全力でハッスルしていきます!」、チエが「北京オリンピック出場を目指している伊調(馨&千春)さんや吉田(沙保里)さんに負けないよう、ハッスルのリングで金メダルを目指します!」と立派な目標を掲げる中、RGは……。
「ヨウヨウヨウ! なにカッコつけてるんですか〜。挨拶に重要なものは個性だよ!」と、偉そうに2人に言い聞かせる。RGがお客さんの期待を集めて、声高らかに繰り出したあいさつは「後楽園ホールのお客さん! 愛してま〜〜〜す!!」という学生プロレス時代の後輩・棚橋弘至(新日本プロレス)の決めゼリフだった。会場は一斉に「帰れ」コール!
堂々と後輩のセリフをパクるRGにどん引きのチエは、「RGさん、プライドないんですか?」と厳しいひとこと。RGは「ヨウヨウ! 後輩のものは先輩のもの! これ業界の掟だヨウ!」と弁解するも、KUSHIDAはこれを完全無視。RGを押しのけて「僕たちヤングハッスル軍は、先輩たちの“いいところ”だけ見習って頑張っていきます!」と宣言し、「ヨウヨウ!」とわめくRGを尻目にリングを後にしたのだった。
本日のオープニング劇場には、タキシード姿の川田利明が登場だ。「待たせたな! 我こそが2008年も歌って踊れて試合もできる真のハッスラー・川田利明だ!」と自己紹介。久々の登場とあって、会場からは盛大な拍手が巻き起こる。「俺が後楽園で、この格好で出てきたってことは、何をするか分かるよな?」と川田。観客は、待ってましたとばかりに、またしても大きな拍手と声援で応える。
「思い起こせば約1年前、ここ後楽園ホールで歌を歌ってから俺の真のハッスラー人生は始まったってことだ。今日は初心に帰って、あの時のあの歌を、もう一度、歌ってやろうじゃないか」。川田が言い終わると同時に流れ始めた曲は、もちろんコブクロの『桜』だ。しかし、歌い始めた途端、またしても曲がストップ!全身真っ白のタキシードに身を包んだ崔の乱入だ。
「こら、おっさん! お前、俺に『度胸があるなら歌ってみろ』って言ったやんけ! なんでお前が歌っとんねん!!」と崔。しかし、川田は「お前、お客さんの反応見てみろよ? 誰もお前の歌に期待なんかしちゃいねえんだよ」とやり返す。さらに「試合もマイクもしょっぱいくせに、歌を歌おうなんて100万年早いんだよ!」とバッサリと切り捨てた。崔も負けじと言い返す。「アホ! そういうのは俺の歌を聴いてから言えや! 俺は、昔プロを目指してボイストレーニングに通ってたこともあるんや! 俺の歌聞いたら、恥ずかしくて二度と歌えへんぞ!」。川田は「そこまで言うなら歌ってみろよ。言っとくけど、ここのお客さんのハードルは高いぞ〜」と脅しつつ、崔の歌デビューを許した。
そして、崔のステージがスタート! 曲は川田と同じ『桜』だ。一節終わったところで観客からは歓声が上がる。なかなかの腕前だ。しかし、サビに入ったところで川田が曲をストップ。「こら、おっさん! 何すんねん!? 俺は歌を途中で止められるのが一番腹立つねん!」と崔。前回、川田が歌を止められた時と同じセリフだ。川田は、「普通! 普通のあんちゃんが普通に歌ってるだけ! 歌には個性が必要なんだよ! お前はRGに弟子入りして個性の出し方を教えてもらったほうがいいんじゃないか?」と言いたい放題だ。
崔は崔で、「今日はおっさんと同じ土俵で勝負するために『桜』を歌ったけどな、俺が十八番歌ったらこんなもんやないぞ! 確実にお客さんのハートをわしづかみや!」と仕切り直しを求めた。川田は、「十八番じゃねえのは俺も一緒だよ!」と文句を言いつつ、「それなら、来月の後楽園大会(3・17『ハッスル・ハウスvol.34』)で、お客さんにジャッジしてもらおうじゃねえか!」と提案。観客は拍手でそれに応える。川田は「それまで恥をかかないように練習しとけよ」と崔に吐き捨て、大会の開始を宣言した。
「もっとパパと一緒にいたい」。モンスター・ボノの切実な思いが、高田モンスター軍に大事件を巻き起こした……!
ことの始まりは大みそかにさかのぼる。ボノは12・31『大みそかハッスル祭り2007』(さいたまスーパーアリーナ)で、父グレート・ムタと感動の初対面。だが喜びもつかの間。パパは、試合を終えるとすぐに魔界へと帰ってしまったのだ。楽しかった家族3人タッグ──。その日以来、ボノは「パパに会いたい」と母インリン様に駄々をこね続けた。そして……。
2008年開幕戦となった1・13『ハッスル27』(愛知県体育館)で、ボノのイライラが爆発! この日、ボノはボブ・サップとの初タッグで試合に出場したが、途中でかんしゃくを起こし試合放棄!! もちろん、試合後はインリン様が大激怒。しかしボノは「ママとパパが仲良くしないから悪いんだろ!」と悪態をつき、さらには「ボクだって、生まれたくて生まれたんじゃないよっ!!」と言い放った。思わずボノにムチをふるうインリン様。生まれて初めて母に反抗した息子と、初めて息子に手を上げた母。この日以来、親子の間に溝が生まれた。
そして4日後の1・17『ハッスル・ハウスvol.32』(後楽園ホール)で、その溝はさらに深いものとなった。ボノは、またしても試合中にタッグパートナーのサップと仲間割れし、それが原因でRGにフォール負けという失態を犯してしまう。試合後、やはりインリン様と言い合いになったボノは、「クソババア!」とインリン様を罵倒。さらにボノは、こともあろうに間に入った川田利明と高田総統に対しても、「栃木のイナカッペ!」、「バカ田総統!!」と悪口を浴びせたのだ。そしてボノは、「どいつもこいつもバカばっかりだ! もういやだ! こんなモンスター軍辞めてやるよ!」と後楽園の外に消えたのだった。
それ以来、高田総統の呼びかけにもだんまりを決め込んだ家出少年ボノ。遂に怒った高田総統は、ボノに対してある決断を下した。ふて腐れるボノを更生させるために、“最凶のオヤジ”タイガー・ジェット・シンとのお仕置きマッチを決定したのだ。一方のボノは、その後、モンスター軍の会見にひょっこり姿を現すと、心配していたインリン様をまたしても「クソババア」呼ばわり。さらに親子の縁を切ることもいとわず、「お友達もできたんだからな!」と強がるばかりだった。果たして3日後の『ハッスル28』に連れてくるお友達Xとはどんな人物なのか!? ハッスル親子物語は、新展開に突入! 深い亀裂を刻んだ親子関係は修復に向かえるのか……!?
大会前の恒例行事となった前説に、本日は高田モンスター軍のジャイアント・バボが登場! バボは、会場からの拍手に「思ったより拍手あるな」と満足げな表情を見せる。そして観客を煽って「総統」コールの練習へ。するとハッスル軍からKUSHIDAと\(^o^)/チエが登場。いつものバボのようにリングをジャックするかと思いきや、2人は入場口でバボを指さしてニヤニヤ。「総統」コールの練習を終えたバボは時間を持てあまし、助けてくれと言わんばかりに「お前ら、さっさと入ってこいや!」と2人につっこんだ。
KUSHIDAとチエは待ってましたとばかりにリングイン。KUSHIDAが「バボ! お前、目が泳いでるぞ! いい加減慣れろ!」とバボをからかうと、会場からは笑いが漏れる。続けて自己紹介を済ませたKUSHIDAとチエに大きな拍手がわき起こる。そしてKUSHIDAは注意事項の説明に。「ハッスル軍が登場した際は大きな声援を。モンスター軍が登場した時や、RGが調子に乗った時は大きなブーイングをお願いします!」と、声援とブーイングの予行練習を行った。
さらに本日はタイガー・ジェット・シンが登場するということで、KUSHIDAが「シンは、本っっっ当に危険です。入場時、シンには絶対に近づかないようにしてください! もしシンが近づいてきたら、手荷物をしっかりと持って、安全な場所に退避してください。特に小さなお子様をお連れの方はくれぐれもよろしくお願いします!」と注意を呼びかける。それを見たバボは、「何を流ちょうにしゃべっとんねん! 口だけは達者やのう! 男はな、黙って勝負しろ!」と減らず口を叩いて退場。KUSHIDAとチエは開いた口がふさがらないといった表情で、「図体はデカイくせに、試合もマイクもしょっぱいな」とバボを評し、前説を締めくくるのだった。