「お前ら、いい加減にしろ!!」。高田総統の怒りが会場に響き渡った。『威風堂々』をバックに、高田総統以下、モンスター軍の面々がステージに勢揃い。リング上にいたモンスターたちも合流した。
高田総統は「せこくて下品な大阪の下々の諸君。大阪の町は元気かな?」と一言添えて、「我こそが高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介した。
高田総統の関西弁サービスも手伝ってか、アン・ジョー司令長官と島田二等兵が、観客に「総統」コールを促すと、会場からは大きなコールが巻き起こる。このリズムにのって、ひとしきりおどけて見せた高田総統は、リング上のボノちゃんに目をやり、「散々だったな。体の痛みを通して、己の未熟さと愚かさを身を持って知っただろう!?」と声をかけた。しかしインリン様は、「汚らわしい魔物の血が流れている」と言ってはばからないボノちゃんが、これしきのことで懲りるはずがないと判断。高田総統に、「まだまだ生ぬるいですわ!」と進言した。
それを聞いた天龍が、インリン様を「見損なった」とどやしつける。「子供を育てるってのはな、長〜い長い道のりなんだよ。お前がやってることは、ただの育児放棄じゃねえか、この野郎!」。まっとうな意見である。そんな天龍に、サップが宣戦布告だ! 天龍もそれを真っ向から受け止めた。高田総統がこのカードをその場で決定。
ここで川田が横やりを入れる。HGに子供ができたことを非難し、「ハードゲイじゃなかったのか!? そんな中途半端なことやってるから落ち目になるんだよ!!」と話をすり替えてしまった。HGはもちろん、「セイセイ! それは友人の住谷君の話ですよ!」と、息も絶え絶えに弁解する。これを聞いたRGが、HGをかばうとともに、川田を「栃木の田舎っぺ」呼ばわり。これにカッチーンときた川田が、RGの本当の出身地が「愛媛の過疎地域じゃねえか」と暴き、ハードゲイなのに子供を作ってしまったHGと並べて、「偽装コンビ、1年営業停止だ!」と責め立てた。ボノちゃんの話は完全にどこかへ行ってしまった。
と、この話の流れを断ち切り、話題を元に戻したのはインリン様と高田総統。2人は、川田とHG&RGのやりとりを「時間のムダ」と一蹴し、ボノちゃんとの話を進めた。高田総統は、「こんなもんで、罪が許されたと思うなよ? 私を裏切った暁には地獄の果てまで追いかける……。言っておくが、ここはまだまだ地獄の入り口だぞ!?」と、ボノちゃんを脅かした。それを聞いたボノちゃんは、「ボノちゃんは悪いことしてない!」の一点張り。憤りを露わに「次の4月はお前ら、まとめてオヤジ狩りしてやる!!」と、逆に宣戦布告をしてみせた。
日を追うごとに悪くなるボノちゃんの言動に、モンスター軍はもちろん、ハッスル軍もびっくりだ。矛先がモンスター軍だったとはいえ、それを見過ごせなかったTAJIRI。「そんな言葉使っちゃいけませんよ!」と注意したが、ボノちゃんは「うぜえんだよ!」とそれを突っぱねたのだった。
インリン様は呆れ果て、高田総統は次回さらに激化する仕打ちを宣言した。「次は痛いだけじゃ済まないぞ。それよりも大きな精神的苦痛を、これでもか〜、これでもか!と与えてやるから覚えておけ!」。不敵に言い放った高田総統は、モンスター軍を引き連れ会場をあとにした。
高田総統に言いたい放題言われてしまったボノちゃんも、ハッスル軍をリングに残して歩き始めた。そんなボノちゃんに、ハッスル軍が次々と声をかける。
照れ隠しだろうか? 天龍は、「お前にはハッスル軍っていう立派な居場所があるじゃねーか! 俺がお前の親方になってやるぞ、この野郎!」と口悪く言い放った。HGは「湿気が尋常じゃないけど」と前置きして、家なき子・ボノちゃんの寝泊まりにRGの家を勧める。それを受けたRGは、「ちゃんと湿気取り置いてますよ。今夜は、僕と息子とボノちゃんの3人で、一緒にお風呂に入ろうよ!」とボノちゃんを大歓迎した。
しかし……。「うっせー! ふんころがし!!」。ボノちゃんは、「お前らとは友達になれねえよ!」とせっかくの好意をバッサリ。それだけ言い放つと、またノシノシと歩いていくのだった。
TAJIRIは、どんどん口が悪くなっていくボノちゃんを「1日も早く、ハッスル軍に迎え入れたいですね」と心から心配した。
またしても、ボノちゃんに主役を持って行かれたハッスル軍。「どうやったらハッスル軍が主役取り返せるんですかねぇ」と崔。するとここで「俺が取り返してやるよ!!」とあの人の声が……! なんと坂田亘だ!! リングに上がった坂田は客席に向かって、「俺こそハッスル」宣言! ボノちゃんの一件でしんみりとした会場に再び活気を取り戻した。坂田から勇気をもらって、再び奮い立ったHGは、「レイザーラモン、なんで芸人なのにここまでやってんだろ、って思いますけど……次に来る時はもっと頑張りますんで」と約束し、観客と一緒にハッスルポーズを決め、大阪大会の幕を下ろした。
7分38秒 BBD
試合を直前に控えたボノちゃんの控え室前にレポーターが現れる。たった一人で高田モンスター軍と対峙するボノちゃんの心中を直接インタビューしてみようというのだ。いざ、レポーターが部屋に突撃してみると……。
ボノちゃんはアロハシャツに短パン、首にはタオルを巻いた出で立ち。そして、なぜかサッカーボールをトントンと蹴り上げ、リフティングをこなしていた。「お疲れ様です」と声をかけたレポーターにボノちゃんは、「勝手に入ってくんな!」と一喝! それでもめげずに「試合前にサッカーですか?」と声をかけたレポーターに対して、今度はなんと、「死ね! このヤロー! どこのカメラマンだ! 名刺出せ、このヤロー!」とキレまくり。「す、すいませんでした!」と、あわててボノちゃんの控え室を飛び出したレポーターは、このどこかで見たような光景を「荒れる春場所。そんな予感がしてまいりました」と総括したのだった。
一方、モンスター軍司令室では……。ボブ・サップがアン・ジョー司令長官と、ウォーミングアップとは思えない激しいミット打ちを行っている。一息ついたサップに、そばで見ていたインリン様が、「サップ。この前の闇討ち、ご苦労だったわ」と声をかけた。3・17『ハッスル・ハウスvol.34』(後楽園ホール)全試合終了後のボノちゃん襲撃事件の労をねぎらっているのだ。さらにそのご褒美として、この試合のセコンドにつくことを約束した。サップは、インリン様からの思いがけないご褒美に上機嫌。「トゥナイト ディナー “オコノミヤキ”! ボノ イズ ブタタマ!!」と、ボノちゃんの抹殺をジョーク混じりに宣言した。それを聞いたインリン様は氷のように冷ややかな笑みを浮かべるが、直後に表情は一変。サップをキッとにらみつけ「もしも、私の前でふがいない試合をしようものなら、その頭、カチ割るわよ!」と脅しつけたのだ。これにはサップも目をひんむいてビビってたじろいだ。慌てて、「OK、OK! アイ ウィン、アイ ウィン!!」とその場を取り繕うのだった。
そんなサップにインリン様が「ダシャ!!」と気合いを注入! 「モンスター軍の横綱になりたいのなら、ボノをガマガエルにしてやりなさい!」とムチを振るった。ムチで打たれ、気合いが入ったサップは、「ウオオオオオ!!」と雄叫びを上げて、ボノちゃん戦への闘志を一層たぎらせたのだった。
閉じる 先に入場してきたボノちゃんは、サップがリングに入ったところを急襲! そのまま2匹の巨獣は場外へと雪崩れ込み、ド迫力の乱闘を展開した。ボノちゃんがエルボーをぶち込めば、サップはモンゴリアンチョップ。ならばとボノちゃんはハンマーパンチ、サップもアメフト式のタックルで応戦だ。ここでボノちゃんがぶちかましを食らわせてサップをリングに戻す。そして、コーナープレスでサップを圧殺だ。しかし、サップも雄叫びを上げてボノちゃんと睨み合い。お互い、ロープに飛んでド迫力のぶつかり合いを展開する。ここで優位に立ったのはボノちゃんだ。張り手でサップをダウンさせると、ドライビングエルボーを続けて食らわせていく。そして、サップをコーナーに振って、コーナープレスへ。しかし、サップはこれをレフェリーを身代わりにして回避。ボノちゃんに圧殺されたレフェリーは哀れ失神となってしまった。ここでサブレフェリーの野口レフェリーがリングイン。その隙にサップはボノちゃんにボディスラムを仕掛けていく。だが、巨体のボノちゃんは持ち上がらない。逆にサップをボディスラムでマットに叩き付けて見せた。挽回したいサップは雄叫びを上げながらエルボーをぶち込んでいくが、ボノちゃんはびくともしない。再び張り手でサップをぶっ倒すと、ランニングボディプレスを放ってトドメを刺した。ところが、野口レフェリーが3カウントを数えようとした瞬間に、リング下からアン・ジョー司令長官が足を引っ張って阻止! そして、野口レフェリーをグルグル巻きにして、どこかへと拉致してしまった。と、この野口レフェリーの代わりにリングに入ってきたのはなんと島田二等兵! ジャケットを脱ぐと、下にはちゃっかりとレフェリーのユニホームを着ているではないか! 戸惑うボノちゃんだが、サップの上に馬乗りになって、3カウントを求める。しかし、二等兵がゆっくり、ゆっくりとカウントを数えるため、3カウント入らない。ならばとサップにスリーパーを仕掛けたボノちゃん。これを見た二等兵はチョークに入っていると指摘し、反則の5カウントを数え始めるではないか。二等兵のあくどいレフェリングに呆気にとられるボノちゃん。その隙にサップはドロップキックをボノちゃんに炸裂させると、続けてバックドロップでマットに叩き付る。そして、サップがボノちゃんをカバーすると、二等兵が高速カウント! あっという間に3カウントが入り、サップの勝利となってしまった。
勝負のついたリングでは、試合終了後に沸き出たモンスター軍の面々がボノちゃんをよってたかって痛めつける。そこにハッスル軍が救出に入ったことで、リング上はてんやわんや。すると……。
「待ちなはれ! そのへんにしときなはれ!!」。関西バージョンの高田総統の声が会場に響き渡った。しかし、それでもやまない乱闘騒動に高田総統は、「お前ら、いい加減にしろ!!」と一喝。ようやく収拾がついた。
18分17秒 パワーボム
2・24『ハッスル28』(さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ)で、“モンスターK”川田利明&“ファイアーモンスター”大谷晋二郎組と激突したHGとRG。川田&大谷によるチョップの集中砲火を胸板に浴び続けたRGは、まさかのチョップによるギブアップで敗北を喫してしまった。
そして、今大会の対戦相手はまたしても川田&大谷組!! 高田総統のイジメとも言えるこの対戦カードにRGが記者会見で待ったをかけた。RGは「もう、ハードヒットの人たちとはやりたくないんですよ。やるなら1人でやってください」とHGを突き放す。しかし、HGにとっては今後、川田とのシングル戦を実現させるための大事なタッグマッチだ。単なるワガママで試合を投げ出すRGに、これまで大人の対応を見せてきたHGも、ついにブチキレた。RGの頭部にハイキックを叩き込み、解散宣言を言い渡したのだ。やけっぱち状態のRGがこれに同意したことで2人の仲は急速に悪化。それに高田総統の嫌がらせも加わり、2人は初のコンビ対決を迎えることとなった。
しかし、3・17『ハッスル・ハウスvol.34』(後楽園ホール)で、高田総統の目論みは崩れ去った。HGとRGは、一心不乱に挑んだ初のコンビ対決を通じて、コンビの絆を再確認。今回のリターンマッチに向けて、再び闘志を燃やしたのだった。相手は、モンスター軍屈指のハードヒットコンビ、“モンスターK”川田利明と“ファイアーモンスター”大谷晋二郎! リベンジ成功なるか、レイザーラモン!!
閉じる 地元凱旋のレイザーラモンは、オヨヨマスクなる正体不明のマスクマンを引き連れて入場! コーナーに上って、観客の歓声を浴びて威勢がいいが、川田と大谷が入ってくるとRGは腰が引き気味だ。結局、試合はHGで試合はスタート。ゴングが鳴った直後、川田と大谷の2人がかりの攻撃を凌いだHGだったが、レスリングの攻防で先手を奪われる。しかし、HGはカウンターのニールキックを叩き込んで、RGに繋げようとした。だが、RGは出てこない。その間に体勢を立て直した川田はHGを張り手でダウンさせると、倒れたHGの顔面をえげつないキックで蹴り上げていく。さらに川田はHGのコスチュームの前を開けてチョップを叩き込む。続く大谷からも攻め立てられ、ローンバトルを強いられるHG。RGは救出に入るそぶりも見せない。ならばと、大谷はHGをRGのいるコーナーに叩き付け、無理矢理タッチを成立させてRGをリングに引きずり出した。胸をカバーしながら大谷と対峙するRGは、大谷、川田から順番にアトミックドロップを食らうと、続けてダブルのアトミックドロップで大きく吹っ飛ぶ。このRGの背中に張り手を叩き込んだ大谷。一方のRGは怯えまくって、リング内を逃げ回るが、逃げ回っているうちに偶然にも大谷を背後からスリーパーでキャッチ! しかし、その背中に川田から張り手を食らってしまった。そして、遂に逆水平チョップを食らったRG。たまらずハイハイしながらHGとタッチした。そのHGはPWで川田を攻め立てたものの、川田&大谷の2人がかりの顔面ウオッシュの逆襲を食らう。さらに川田のサッカーボールキックを顔面に何発も食らったHG。川田のニードロップを顔面に食らってグロッキー状態のHGだったが、代わった大谷のチョップ攻撃には反撃する姿勢を見せる。だが、大谷と川田のチョップ攻撃の前に手も足も出なくなり始めたHG。その胸はどす黒く変色し始めている。その間、RGは全く救出に入らず。HGは川田の逆エビ固めの前にギブアップ寸前だ。しかし、なんとかロープブレイクしたHG。代わった大谷に隙を突いてスクールボーイを仕掛けたものの、3カウントを奪えず。再び川田&大谷のチョップ連打の餌食になってしまう。HGもエルボーで反撃するが、もはや挽回することはできない。立ち上がる力もなくなったHGに川田は起き上がりこぼし式の逆水平チョップで追撃だ。そして、顔面へのサッカーボールキックを食らわせた川田は、パワーボムの体勢に。と、ここでこれまで隠れていたRGがリングイン! HG最大のピンチに、川田へチョップを食らわせて救出に入る。当然、川田&大谷からチョップによるお仕置きを食らうが、RGは歯を食いしばって耐える。そして、HGに向かおうとする2人に必死に食らいつて見せた。その隙にHGが気力を振り絞ってドロップキックをモンスター軍の2人に炸裂させる。そして、コーナーから飛んで、川田へギロチンドロップ。しかし、すぐさま大谷がカットに入る。HGを捕まえるとバックドロップで叩き付け、川田が投げっぱなしのパワーボムだ。だが、またもRGがこれをカット! 粘るレイザーラモン。しかし、川田はRGをスピンキックで蹴散らすと、HGへはミドルキックを連打していく。ここもなんとかカウント2で返したHG。しかし、最後はパワーボムで叩き付けられ、3カウントを喫したのだった。
川田は、自分とのシングル戦を熱望するHGに「300年早い」と引導を渡す。さらに、黙って川田を睨み付けたHGに「『RGがいなけりゃ勝てた』って思ってんだろ!? RGがいようといまいと関係ねえんだよ!」とたたみかけた。
そんな川田だったが、「そんなに不服なら」とHGに条件付きのチャンスを与えた。その条件とは……、「川田が用意する相手とのシングル戦に全て勝利する」こと。「相手は追って発表する」と言い残し、川田は大谷とともに退場していった。その後、スタッフの肩を借りて無言で会場をあとにしたレイザーラモンに会場からは暖かい拍手が送られた。
HGが2008年の目標に掲げた“川田越え”は、まだまだ先の話になりそうだ……。
10分23秒 銀河プレスII
池谷銀牙、大阪凱旋!! バルセロナオリンピック・体操銀メダルに輝いたスーパーアスリート・池谷幸雄! 彼が選んだ新しい舞台、それはハッスルのリングだった。
昨年の大みそかには、幼少の頃より憧れていたタイガーマスクの四次元殺法を超える六次元殺法をひっさげて、マスクマン・池谷銀牙として堂々のハッスルデビュー! これまでのプロレスでは考えられないミラクルな技を次々と炸裂させ、アン・ジョー司令長官、ジャイアント・バボを撃破した。今回は、さらに技に磨きをかけ、自身の地元・大阪での第2戦に挑む!
そんな池谷に激しい憎悪を燃やす1人の男、ジャイアント・バボ! 大みそか、池谷に敗れたバボは、それ以来とことん調子を崩して大連敗を重ねた。モンスター軍の鬼軍曹ことアン・ジョー司令長官が、それを黙って見ているはずもなく、バボがふがいない試合をするたびに怒りを爆発させた。しかし! そんなバボに司令長官が最後の仏心を見せる。3日前に後楽園ホールで行われた3・17『ハッスル・ハウスvol.34』で、自らとの対戦をバボにラストチャンスとして与えたのだった。結果はバボの完全なる敗北……。だが、がむしゃらにぶつかっていったバボの爆発力を認めた司令長官は、この試合のタッグパートナーにバボを抜擢! バボは大みそかの因縁を、そして連敗街道に突き落とされた恨みを晴らすべく、この試合に挑む!!
果たしてバボは、この最後のチャンスをものにできるだろうか!? それとも、池谷銀牙が地元凱旋を勝利で飾り、バボを再び地獄へ突き落とすのか……!?
閉じる 入場してくるなり、バレーボールを振り回すバボ。しかし、銀牙が軽々と避けてしまったため、サスケに当たってしまった。いきなり身軽なところを見せた銀牙は、ゴングが鳴ってもバボの攻撃を側転などで軽々と避け、背後に回って小馬鹿にしたように頭をひっぱたく。さらに自分の足を持たせると、延髄斬りを食らわせて見せた。またも銀牙にあしらわれてしまったバボだが、パワーを生かしてサスケを捕獲。司令長官へと繋げた。その司令長官はグラウンドのテクニックでサスケをいたぶっていく。サスケもニールキックで反撃すると、司令長官の腕を捕まえて銀牙にタッチ。その銀牙は、コーナーから大きく飛んで、司令長官の腕にダブルチョップをぶち込んだ。さらにメキシカンストレッチを司令長官に極めた銀牙は、司令長官の反撃を倒立でいなして、そのまま足でサスケとタッチ。しかし、サスケが司令長官のニーリフトを食らって捕まる。続くバボの迫力満点のボディスラム、逆エビ固めで痛めつけられるサスケ。打点の高いドロップキック、変形のカナディアンバックブリーカーで前方に叩き付けられて大ピンチだ。ここでサスケを救出しようとコーナーに上った銀牙。しかし、これを目敏く見つけた司令長官にデッドリードライブでマットに叩き付けられた。これで孤立したサスケは司令長官のサイドスープレックス、バックブリーカーの餌食に。バボからもシュミット式バックブリーカーを食らい、背中にダメージを与えられる。そして、フルネルソンに捕まえられたサスケ。しかし、サスケは入ってきた司令長官を蹴りで蹴散らすと、後方で自分をフルネルソンで捕まえているバボを投げ飛ばして、司令長官に叩き付けた。さらに背面式のエルボーアタックを食らわせたサスケは、銀牙とタッチ。勢いよく入ってきた銀牙は怒りの形相でバボを追い込むと、司令長官には一回転してのキックを叩き込む。そして、サスケが空中弾で司令長官を場外に引きつけている間に、バボをウラカン・ラナで投げ飛ばすと、最後は銀牙プレス・! コーナー最上段から前方宙返りで飛んで2分の1ひねりを加えて落下すると、バボをプレスし、見事3カウントを奪った。
司令長官とバボから2度目の勝利をもぎ取った池谷は、「よぉぉぉし、勝ったぞぉぉぉ!!」と勝ち名乗り! サスケが、「今日も清い風を吹かせてくれました!」と勝利を称えた。客席からは盛大な歓声が上がる。池谷は一呼吸置いて、「腰がめちゃめちゃ痛いです……。マジで痛い……。正直、何で俺、こんなことしてんの? って思ったりもするんです」とグッタリ。しかし、「清風高校でオリンピックを目指していた時のような熱いものが、ハッスルのリングにはある」からと、今後の継続参戦をアピール! 「どうもありがとうございました!」と大阪に清い風を吹かせてリングをあとにした。
5分43秒 53歳
現在、総勢8名と戦力的にモンスター軍に1枚も2枚も劣るハッスル軍。今シリーズはエース坂田の欠場もあって、戦力不足は深刻に……。しかし、そんな中やたらと元気なのがこの2人。
ここ大阪が地元の崔領二! 最近は“歌って踊れるハッスラー”川田利明と後楽園ホールで歌勝負に乗り出すなど、ひと皮もふた皮もむけようと奮起している。そして、ハッスル軍の頼れるおじきこと、天龍源一郎! 齢58歳にして、海外武者修行へ出るなど、気力体力ともにますます充実!
そんな2人が今宵、対戦するのはしわがれ声の壊し屋、“モンスターK’”こと佐藤耕平! そして、怒りのCことモンスター℃! ノリにのってる天龍・崔の「てんさい」タッグが、大阪にハッスルを注入する!!
閉じる 先発の崔はモンスター℃のサミング攻撃などに惑わされながらも、バックドロップで先制。続く耕平にもドロップキックを打ち込むと、天龍と共にダブルショルダーアタックを食らわせて見せた。一方の耕平は、崔からタッチを受けた天龍に果敢にエルボーで攻撃を試みる。その耕平に対して、天龍は得意の逆水平チョップとグーパンチでお仕置きだ。ならばと、耕平はカウンターのヒザ蹴りで天龍を捕まえると、モンスター℃にサミング攻撃を行わせた。これで怒った天龍はモンスター℃&耕平をチョップで蹴散らし、耕平にはグーパンチとチョップのコンビネーションからDDTでマットに串刺しにして見せた。続く崔は、ミサイルキックからブレーンバスターでモンスター℃を痛めつける。そして、天龍にタッチすると、自身はトラースキック、天龍のラリアットという連続攻撃をモンスター℃に食らわせて見せた。最後は天龍が53歳でモンスター℃の脳天をマットに串刺し。「てんさい」タッグが圧勝を飾った。
「大阪の皆さん、勝ちました! ご声援ありがとうございました!」と勝ち名乗りを挙げた崔に、観客からは大きな拍手が飛ぶ。続けて崔は、池谷銀牙やレイザーラモンと同様、自分も大阪出身であることを観客にアピール。さらに、「『炭火焼肉たむら』よりも全っ然、旨いんで」と、お笑い芸人・たむらけんじが大阪で営む大人気焼肉店に闘志をむき出しにして、実家・鶴橋の焼肉店『とらちゃん』を宣伝。その流れで、天龍を実家の焼肉店に招待しようとするが、天龍は「俺は寿司にもうるさいけど、焼肉にはもっとうるせえぞ?」と崔に睨み付けた。しかし崔は、「任せてくださいよ! 大将は、肉はなにが好きなんですか?」と余裕しゃくしゃくで質問した。天龍は、「やっぱり男はカルビです!」と、ドスのきいた声でひとこと。それを聞き間違えた崔は、「ダルビッシュ? あ、日本ハムってことですか?」と、無理矢理な脳内変換で納得。ノリのいい天龍はもちろん……「そうそう。ピッチャー振りかぶって第一球投げました……って、ファーック!!」と、流れるようなピッチングモーションからの激しいノリツッコミを崔にぶちかまし、リングをあとにしたのだった。
KIDATA・ロー2008
ダーク・フォン・マエストロ アイン×
ダーク・フォン・マエストロ ツバイ
12分3秒 超新星プレス
2004年にハッスルがスタートして以来、北は札幌から南は福岡まで、日本全国津々浦々、実に様々なご当地モンスターが登場! その中で、最多登場を誇るご当地モンスターの中のご当地モンスターといえば……“浪速のベートーベン”ことKIDATA・ロー!
2005年に初登場したKIDATA・ロー。実は、あの“浪速のモーツァルト”キダ・タローの古くからの友人なのである。それを証拠に、KIDATA・ローのローキックに合わせて観客から放たれる「ロー! ロー! キダタ・ロー!!」という名コールのリズムは、キダ・タローが作曲したものなのだ! そんなKIDATA・ローが今宵、パワーアップして復活! ダーク・フォン・マエストロ・アイン&ツバイと地獄のオケを結成した。
対するは、ハッスル軍のTAJIRI、KUSHIDA、\(^o^)/チエの師弟トリオだ! プロレス版メジャーリーグ・WWEのスーパースターとして活躍したTAJIRI! 成長著しい期待の超新星KUSHIDA! そして、名門・中京女子大学レスリング部出身のチエ! 今宵は、大阪に地獄の協奏曲が鳴り響くか? それとも師弟の絆が、美しいハーモニーを奏でるのか!?
閉じる チエとツバイの先発で試合はスタート。まずはチエがアマレス仕込みのローリングで先制すれば、ツバイも奇声を上げながらエルボーで反撃だ。しかし、チエもエルボーで対抗すると、ドロップキックでツバイを場外に追いやった。続くKUSHIDAもアインを打点の高いドロップキックとその場飛びのムーンサルトで攻め立てる。そして、スワンダイブ式のフライングヘッドシザーズでアインを投げ飛ばすと、ロメロスペシャルで痛めつけた。最後はTAJIRIの登場だ。KUSHIDAの猛攻でタジタジとなっているアインを滞空時間の長いブレーンバスターで叩き付けると、今度は腕攻めを敢行する。しかし、アインもサミングでこの苦境を脱出。お待ちかねのKIDATA・ローとタッチした。ロープに振られたKIDATA・ローは天井を向きながらのボディアタックをTAJIRIに炸裂させる。そして、「ロー! ロー! キダタ・ロー!」のリズムに乗って、得意のローキックを連打。TAJIRI、救出に入ってきたKUSHIDA&チエをもこのローキックで一気に蹴散らして見せた。続けて空中殺法も成功させた地獄のオーケストラ軍団は、TAJIRIに集中攻撃を食らわせて捕獲。アインが619をTAJIRIにぶち込むと、今度は3人でリズムに乗った太鼓の乱れ打ちをTAJIRIの背中に食らわせて見せた。ピンチが続くTAJIRIは、KIDATA・ローのスリーパーから逃れると、ハンドスプリング式エルボーアタックで反撃。KIDATA・ローにトラースキックをぶち込み、ようやくKUSHIDAとタッチした。勢いよく入ってきたKUSHIDAは、ドラゴンスクリュー、低空のドロップキックなどで3人を蹴散らすと、孤立させたアインをフィッシャーマンスープレックス、延髄斬りで攻め立てる。さらに救出に入ってきたKIDATA・ローをアインに誤爆させることに成功。TAJIRIがそのKIDATA・ローをコーナーでマスクの前後を入れ替えて食い止めている間に、KUSHIDAに肩車されたチエがアインにムーンサルトアタックを炸裂させる。そして、最後はKUSHIDAが超新星プレスでアインを仕留めて見せた。
マスクを前後入れ替えられたKIDATA・ローは、まっすぐ歩けずアインとツバイに抱えられて退場。TAJIRIとKUSHIDAとチエはコーナーポストでしっかり観客にアピールして退場した。
オープニングがスタート。リングでスポットライトに照らし出されたのは、なんと……桂三枝さん!! 会場は開幕早々、異様な盛り上がりを見せた。「ようこそ『ハッスル29』へ、いらっしゃ〜い!」と三枝さん。「今日は吉本の後輩レイザーラモンを応援しにきました! 彼らは自分の力を信じて、自分の力を出し切って闘ってくれると思います。応援よろしくお願いします!! すこし寒くなっておりますが、全選手がこの会場を熱く盛り上げてくれるでしょう! 全選手入場〜!!」と高らかに選手入場を宣言した。
第1ハッスルからメインハッスルまでの全選手が、モンスター軍、ハッスル軍と交互に入場しリングサイドに並ぶ。さすが大阪を本場とする芸人・レイザーラモンには、ひときわ大きな声援が飛ぶ。そして最後には、高田総統も降臨! ステージに立った高田総統は満員の客席を見渡して、「半年ぶりのご無沙汰だったな! 大阪の諸君よ!」と挨拶を開始。「新たに赴任した知事が、徹底的なムダの排除を試みるこの大阪。しかし! 私は宣言しよう!! 『ハッスルに捨てるところは一つもなし!』。びっしりと詰まったハッスルの魅力を存分に堪能していってくれたまえ!」と熱弁を振るった。サービス精神満点の高田総統は続けて、「大阪の諸君よ、今こそハッスルするんやでぇ!!」と、関西弁による開幕宣言を行ったのだった。
高田モンスター軍とハッスル軍が織りなす、壮大なるファイティングオペラ・ハッスルは、2008年に入り予想外の展開に……! インリン様の一人息子ボノちゃんが、ママと高田総統に反抗して家出してしまったのだ。「総統への絶対服従」。このモンスター軍鉄の掟を踏みにじった挙げ句、お友達のマー君ことマーク・ハントと結託し、牙をむいたボノちゃん。これに怒った高田総統が、前回の2月シリーズをもって、ボノちゃんをモンスター軍から完全追放!
そしてこの3月シリーズで、モンスター軍は裏切り者に徹底制裁を開始! 3日前の後楽園大会では、モンスター軍最強と呼び声の高い“モンスターK”川田利明が、大人の恐さを見せつけ、ボノちゃんのヒザを徹底して破壊し、多大なるダメージを与えた。
さらに大会終了直前には、暗闇から迫ったボブ・サップがボノちゃんを襲撃!! 大阪での抹殺を宣言した。今宵、宿命の一騎打ち! 四面楚歌のボノちゃんは、人生最大の試練を乗り越えることができるのか……!?
さらに今回は、開催地・大阪出身のハッスラーたちが続々参戦! まずは、昨年の大みそか、ハッスルに彗星のごとく登場したマスクマン・池谷銀牙! 日本中の度肝を抜いた六次元殺法に磨きをかけ、今回、大阪初登場!!
そして、昨年の大阪大会で芸人魂を爆発させたレイザーラモンHG&RGも凱旋試合! ふとしたきっかけで仲間割れ。あわや解散という危機を迎えていた2人だが、3日前の3・17『ハッスル・ハウスvol.34』(後楽園ホール)でコンビの絆を再確認しあった。今日はモンスター軍屈指のハードヒッター、川田利明&大谷晋二郎と真っ向勝負だ! 半年ぶりの大阪・春の陣、いよいよ開幕!!
KUSHIDAと\(^o^)/チエが登場! 会場からは大歓声が上がる。まずは、チエの音頭で応援練習を開始。ハッスル軍には拍手を、モンスター軍にはブーイングを、とそれぞれの声援方法を伝え実践練習だ。すると、なんと間のいいことか、ブーイング練習の真っ最中にジャイアント・バボがリングに乱入! ノリのいい大阪の観客からはしっかりとブーイングがとぶ。バボは、「いつまでちんたらしゃべっとんじゃ!」とKUSHIDAとチエに怒鳴りつけ、リングのすみっこに追いやった。
観客に「総統」コールの指導をしたバボは話をガラッと変えて、「今日はあの池谷銀牙っていう変なマスクマンが試合するやろ? あいつ地元・大阪凱旋とか言うてるけどな、実は出身は東京やねん」と、本日の対戦相手である池谷銀牙の経歴を暴露! 続けて、「でもな、俺は生粋の大阪育ちや! ええか、試合では俺がかっこええとこ見せたるから、しっかり応援してくれや!」と、子供じみた駆け引きで観客を味方につけてしまった。
その後、KUSHIDAとチエに「チビ! ブス! お前らは一生、前説でもやっとけ!!」と吐き捨てて、リングをさっさと降りてしまった。
KUSHIDAとチエは「相変わらず、マイクがしょっぱいな」とバボに呆れつつ、観客に挨拶をして前説を締めくくった。