バルコニーに高田総統以下、モンスター軍のメンバーが勢揃いすると、早速アン・ジョー司令長官&島田二等兵が観客に「総統」コールを促す。場内に大「総統」コールが巻き起こる中、高田総統は「ありがとう、ありがとな! でも、言っておくけど、私はヒールだぞ!」と応えると、続けて「さすがに、この夏は日本中、オリンピック一色だな!」と、ただいま絶賛開催中の北京オリンピックの話題を切り出したところで、場内で総統ルックに身を包んだファンから「総統一色ですよ!」という声が飛び、場内は大歓声! 「おい! なんだその格好はよ!」と罵倒しながらも、うれしそうな表情を見せる高田総統は、「いまソフトボールやってるだろ? いいの? ここにいて? サッカー、新体操もやってるんだよ?」と、オリンピックよりもハッスルを選んだ観客を逆に心配したところで、「我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介だ。と、ここで再びアン&島田が「総統」コールを促す。
と、ここで高田総統は「今日は、ひさしぶりに応援ボードを作ってきた連中がいるらしいな? ちょっと見せてみろ?」と、ひさびさに復活した応援ボードコンテストの参加者たちが製作してきた力作をチェックだ! 応援ボードを高々と掲げてアピールする観客をくまなくチェックした高田総統は、「意外に私のは少ないようだな」と、一言感想を述べると、機嫌を損ねてしまったのか、「じゃあ、帰るよ!」と言い残し、退場しようとするではないか! このまさかの事態に、すかさず観客から大「総統」コールが沸き起こる!
高田総統は、「それにしても、エッチューのおっさんは相も変わらず空気の読めない奴だな。これから総統劇場が始まるのにさ。なんで、帰っちゃうの? 某老舗団体の連中はさ、自分さえ目立ちゃいいと思ってるから。アントニオ猪木の悪いとこばっかモノマネしてんだよ!」と、すでに退場してしまった越中にチクリだ!
続けて高田総統は、「いよいよGP2回戦があさってに迫ってきた。選ばれし8名の者どもよ。大阪では、北京オリンピックの熱戦を凌ぐような熱い、激しい闘いを期待しているぞ!」とエールを贈ると、「ま、すでに失速してる奴もいるけどな!」と言うや否や、高田総統は川田をジロリ。すると川田は、「もしかして、それ、俺のこと言ってるんですか? そんなこと言いますけど、負けたのは総統のせいですよ。試合前にあんだけ説教されたら、足がしびれちゃいますよ!」と、敗因は高田総統の長い説教にあるとボヤいたところで、この川田の言い分に「私も少し言いすぎたと思ってるよ……」を珍しく反省の色を見せる高田総統。このやり取りに、場内からも笑いが沸き起こる。
すると、ここでRGが川田に向かって、「おい、川田! えらい余裕をぶっこいてんじゃねえか!」と、オープニングに続いてまたしても挑発だ。このRGの挑発を「はあ、なんの話だよ?」とすっとぼける川田。するとRGは、「試合でハッスルできない奴が、歌でもハッスルできるわけねえだろうが、この野郎! 歌って、踊れるハッスラーの座を、俺がもぎ取ってやるからな!」と興奮ぎみにブチかますと、RGの並々ならぬ気迫を感じたのか、いつもは大ブーイングを飛ばす観客から大声援だ!
このRGのアピールを鼻で笑った川田は、「おい、自信マンマンだな。それはいいけど、また大阪に前日入りして、朝までパワーを使いすぎんなよ!」とニヤニヤしながらRGに揺さぶりをかけると、すかさず高田総統から「例のレジ打ちのみゆきちゃんか?」という絶妙なフォローが入る。もはや恒例となったRGの不倫疑惑に、「妻子もあるんだから、やめてください!」と泣きを入れるRG。すると、すかさず「貴様! みゆきちゃんっていう大阪の女と浮気してるって、スタッフ全員知ってるんだよ! 知らないのはお前だけっておかしいだろ!」(高田総統)、「俺はみゆきちゃんが、焼肉とカクテルが好きなの知ってるんだぞ。なんだったら、次の大阪で、お前の浮気の一部始終を俺が替え歌で歌ってやろうか?」と厳しいツッコミが入る。決戦を前に、RGはノックアウト寸前といったところか!?
すると、ここで「なにが、歌合戦だよ! お前ら、どっちもヘタクソなんだよ!」と、花道から登場してきたのはボノちゃんだ! これに対して川田は、「おい、お前! アホの坂田の披露宴で、調子こいて歌ったクセに、テレビでぜ〜んぶカットされてたじゃねえか! お前の歌なんて、その程度だよ!」と、RGだけならずボノちゃんにまで口撃を仕掛ける。これを受けてボノちゃんは、「うるせえ! いなかっぺ! なまっててよく聞こえねえよ!」と絶妙な反撃を見せると、すかさず川田は「聞こえてるじゃねえかよ! ねえ、総統!」と、高田総統に確認。すると高田総統も「え? いま、なんて言ったの?」と絶妙な返しで、場内は大爆笑だ!
さらにボノちゃんは、「いいか! チャンピオンになるのは、ボノちゃんだよ!! ボノちゃんは、横綱! ほかの連中は、序二段だよ!!」と、挑発を交えながら優勝宣言! すると、ここでようやく坂田が、「ブヒブヒうるせえぞ! このブタ野郎!!」と割って入ると、続けて「トップに立つ男ってのはな、かっこ良くなきゃダメなんだよ! お前みたいなブタ野郎はトップに立てるわけねーだろうが!」と、ボノちゃんを逆挑発だ!
坂田とボノちゃんが激しい挑発合戦を繰り広げるなか、このやり取りを聞いていた高田総統は、「おい! アホの坂田! その根拠のない自信はどっから出てくるの?」と坂田を問い詰めると、続けて「聞けば、貴様の結婚披露宴、金をかけたわりには、視聴率が悪かったらしいな? 要するに、貴様のウソ泣きは世間に通用しないということだよ。にも関わらず、その得体の知れない自信……理解に苦しむんだよねえ。この私を披露宴に招待していれば、あと5パーセントぐらいは数字が跳ね上がったはずなのにな」とチクリだ!
この高田総統の鋭い指摘に対して、坂田は「俺はな、ハッスルを広めるためなら、ウソ泣きでもなんでもするわ! 視聴率が低かろうが、チャンスと思えば、カミさんでも、なんでも利用する。そんぐらいの覚悟でやってんだ!」と、半ば開き直りとも受け取れる爆弾発言が炸裂だ! これを受けて、「うわっ、こいつ! やっぱり、ウソ泣きだったんだな。腹黒い男だよぉ!」とすかさず揚げ足を取る高田総統は、「ウソ泣きはともかく、貴様のその強〜い覚悟はなかなかのもんじゃないか」とまたまた珍しく坂田を褒めると、さらに「ほかの連中も、このくらいの覚悟を持って、2回戦に臨んでくれたまえよ」と改めてGP2回戦に進む選手らにエールだ。
続けて高田総統は、「それとな、ま、たいしたことではないんだが……」と話を切り出すと、「諸君にひとつお知らせがあるんだよ。本当につまらない話で申し訳ないんだが、これを観てくれ!」と場内ビジョンに目を向けると、なんとそこに映し出されたのは、まさかのハッスル栃木大会、10・26『ハッスル・ツアー2008〜10.26 in TOCHIGI』(宇都宮市清原体育館)開催告知だ! このサプライズ告知に、「おーっ!」というどよめきが沸き起こる場内。それ以上に、場内で一番の驚きの表情を見せているのは、『ハッスルGP2008』で優勝したら、ハッスル栃木大会の開催を夢に掲げていた川田だ!
驚きを隠せないでいる川田は、「えーっ!? 総統! これ、どういうことですか!?」と高田総統に確認すると、高田総統は「どういうことって、こういうことだよ! 実はさ、ずいぶん前から決まってた話なんだよ。でも、発表するとお前が調子に乗ると思ってさ。ずっ〜と黙ってたんだよ!」と説明。すると川田は、「俺、夢が叶っちゃったよ」と大喜びだ! 喜ぶ川田を見て高田総統は、「お前さ、栃木でハッスルなんて夢が小さすぎるんだよ! こんなもん、叶って当然だろうが!」とピシャリだ。これに対して川田は、「あれ? ちょっと待ってよ! 9月がGPのベスト4でしょ? ということは、もしかして……栃木で決勝戦?」と高田総統に再確認すると、高田総統は「なきにしもあらずだな」と『ハッスルGP2008』決勝が栃木で開催される可能性があることを示唆。すると、ここで川田は「なーにーっ!? やっちまったな!」と叫ぶと、すかさず高田総統が「男は黙って!」と呼応。これに続いて川田が、「栃木でハッスル!」と、お笑い芸人クールポコの持ちネタを披露する高田総統&川田。これには場内も大爆笑だ!
高田総統から長時間の説教を受けたことも忘れて、調子を取り戻した川田は、「俺、地元でチャンピオンになっちゃったじゃん! 総統! 俺、大阪までに新しい夢、考えておきます!」と夢の変更を高田総統に直訴。ひとりではしゃぐ川田を見て、「な、つまんない話だろ?」と周りに同意を求めた高田総統は、「まあ、そういうことで、次は大阪でお会いしよう! 今日はここまでだ。バッドラックだ!」と言い残すと、モンスター軍を引き連れて消え去って行った……。
モンスター軍がいなくなったところで、ボノちゃんは「おい! アホ! さっき言ったこと忘れんなよ! いずれ、お前をふっ飛ばしてやるからな!」と改めて坂田を挑発! すると、8・23大阪大会でボノちゃんと対戦する長尾が、「おい! お前の相手はこの長尾じゃ! 大体お前、まだ1歳になったばかりやろ! もっと口の利き方を……」とボノちゃんを注意し始めたところで、ボノちゃんは長尾の言葉を無視して去って行ってしまったのだった。これに対して長尾は、「坂田さん、ボノの奴は、俺がしばき倒します! だから、ベスト4で僕と闘ってください!」と今度は坂田に対戦アピールをするも、坂田は長尾の要求を完全無視! そのまま坂田は、「いまの僕らができることは、ひとつひとつの大会を全力で闘っていくことだと思います。次の大阪も命がけで闘っていきます! だから、これからも応援よろしくお願いします! 『ハッスルGP2008』、もっともっと盛り上げて行くぞ〜!」と観客にアピールし、最後はハッスルポーズで締めくくったのだった。
10分9秒 アクエリアスクラッチ
7月27日。
この日、『ハッスルGP2008』1回戦で、ハッスル軍の同門であるTAJIRIと対戦した坂田亘は、世界中のリングを渡り歩いた元WWEのスーパースターの狡猾な試合運びに大苦戦を強いられ、プロレスの奥深さを嫌というほど知らされるはめに……。
試合は、25分にもおよぶ大激闘。最後は両者フラフラになりつつも、死力を振り絞った坂田が、渾身のスーパーキックでフィニッシュ! ギリギリのところでエースの威信を守ったのだった。
世界のTAJIRIをクリアした坂田の次なる相手は、キャリア30年の大ベテラン、“侍”越中詩郎! 息の抜けない強豪との対決は、さらに続くのだ。GP優勝を手に入れるには、まだまだ倒さねばならない強敵が立ちはだかっている。しかし、それは避けて通ることができないイバラ道。
坂田よ、お前の天下取りへの覚悟、はたしてそれは本物か!?
場内ビジョンには、試合前のモンスター軍控室が映し出される。
ここでアン・ジョー司令長官が登場し、「今日の総統のお説教は長いですね……。かれこれもう1時間以上になりますよ」と説明したところで、その横には正座している“モンスターK”川田利明を説教している高田総統の姿が!
高田総統は川田に向かって、「大体さ、なんでお前はすぐ調子に乗るの? 2回戦のカードは発表しちゃうし。お前の試合だけ、勝手に歌合戦にしちゃうし。亀田のGP出場を認めちゃうし。本家が復帰できないのにさ。それに、亀田に負けたこりん星はどうなっちゃうの? 爆発したら、お前のせいだよ!」と、ゼウスを亀田興穀呼ばわりしながら、“これでもか〜”とダメ出しだ! この高田総統の説教に、大きなため息をつく川田。さらに高田総統の説教は止まらない。
「確かに、お前に代行を任せるって言ったよ。でもさ、あそこまでやっていいとは言ってないよ! いつからそんな目立ちたがりになったの? むかしはもっと寡黙な男だったじゃん! 天国の馬場さんが泣いてるよ! そういうことだから、山本小鉄に“絶対、G1で優勝できない”とか言われるんだよ。ま、実際、優勝できなかったし」と、新日本プロレスの『G1 CLIMAX』で優勝できなかった川田にとっては耳が痛い言葉を浴びせかける高田総統。
すると川田は、「もう勘弁してくださいよ! なんでこの歳になって、こんな説教されなきゃいけないんですか! わかりましたよ。もう総統代行をやらなけりゃいいんでしょ! GPも控えてるし、しばらくはリングに集中しますよ!」と、やや逆ギレぎみながらも反省だ。これを受けて高田総統は、「まあ、わかればいいんだよ。横浜でな、アホと変態がちょっといい試合をしたからって調子に乗ってるからな。お前とサップでこらしめてやるがいい」と、川田に檄を飛ばして送り出そうとするも、なぜか試合に向かおうとしない川田。
これを見た高田総統が、「何してんだ? 早く行けよ!」と促すと、すかさず川田は「(足が)しびれて立てないんですよ!」と逆ギレ! そう、川田は正座の態勢で、高田総統から長時間の説教を受けたために、足がしびれて立てなかっただけだったのだ……。
閉じるハッスル軍に続いて入場してきたモンスター軍だが、川田は高田総統からのお説教の影響でまだ足がしびれているようだ。そんな頼りない川田を放っておいて、サップがいきなり大爆発! リングに上がるなり坂田とTAJIRIに襲いかかり、あっという間に二人を蹴散らしてしまう。一方の川田は足のしびれの影響で、なかなか試合に出たがらない。二度までもサップのタッチを拒否したものの、渋々出てきてもローキックにいつもの切れ味がない。坂田とのローキック合戦にも苦戦を強いられた。しかし、さすがに百戦錬磨のモンスターK。すぐさま挽回すると、ストレッチプラム、極楽固めで坂田を捕らえる。TAJIRIのちょっかいに苛つかされたものの、とりあえずは面目を保ってサップにタッチした。そのサップはスリーパーと珍しいコブラツイストで坂田を痛めつける。続く川田も逆片エビ固め、サップとの太鼓の乱れ打ち。モンスター軍の猛攻に、坂田はなかなか反撃に移ることができない。サップからリフトアップスラムを食らい、川田からもストンピングを食らった坂田。だが、意地でも勝負を諦めない。隙を見て、水面蹴りで川田の足を刈って、ようやくローンバトルから抜け出した。続くTAJIRIはハンドスプリング式エルボーアタックを川田に炸裂させる。しかし、すぐさまサップがカット。ハイジャックバックブリーカーでTAJIRIを持ち上げると、そのままマットにポイ捨てだ。そこに川田がラリアットで追撃。続けて川田はトドメとばかりにパワーボムの体勢に入る。しかし、TAJIRIはこれをジャックナイフ固めで切り返して、チャンスを作る。さあ、ハッスル軍の反撃だ。TAJIRIからタッチを受けた坂田はドロップキックでサップを場外に追いやることに成功。川田をリング上に孤立させたの。TAJIRIもハンドスプリング式のキックをサップにぶち込み、リングに帰らせない。坂田とTAJIRIのコンビネーションは抜群だ。TAJIRIは川田にハイキックを炸裂させると、坂田がすかさずスクールボーイ! これを川田がキックアウトすると、TAJIRIがすかさずグリーンミストを噴射だ! そして、視界を封じられた川田を坂田がTAJIRIの得意技・アクエリアスクラッチを使って丸め込み! これが3カウント入り、ハッスル軍が見事な連係プレーで勝利を手にした。
モンスター軍最強コンビを下し、歓喜に沸くハッスル軍。と、ここでなんと越中詩郎が乱入! 坂田に向かって一直線に襲いかかると、坂田をロープに飛ばして強烈なケツ爆弾をお見舞いだ! 越中の乱入に怒りが収まらない坂田は、「このクソジジイがっ! やりやがったな! なんなら、ここでやってやるぞ、この野郎!」と臨戦態勢だ。すると越中は、「この若僧が!」と一喝すると、続けて「カミサンがいなきゃ何もできねんだろ、この野郎!」と坂田を挑発し、そのまま去って行ったのだった。
すぐさま坂田は、「待て、コラッ! そんなやりっぱなしが、ハッスルで通用するか! 戻って来いクソジジイ!」と去って行く越中に怒りをぶつけるも、越中は戻ることなく退場。と、ここで「おいおい! 何をごちゃごちゃもめてるんだよ!」という声が! すると場内に『威風堂々』が鳴り響き、バルコニーから姿を現わしたのは高田総統だ!
9分14秒 ブレーンバスター
ミスタープロレス、天龍源一郎。
今年でキャリア32年の58歳。猪木、馬場の両方からフォールを奪った唯一の日本人レスラーとして、プロレス史に燦然とその名を残す“生ける伝説”だ。
老いてもまだまだその身は健在とばかりに、“打倒・高田モンスター軍"を宣言して出場した『ハッスルGP2008』。1回戦の相手は、57歳と2ヶ月年下のボノちゃんだ。キャリアでは圧倒的に勝る天龍だったが、まさかの敗戦。さらにこの試合で肋骨を痛めた影響か、以降、精彩を欠いた試合が続く天龍に対し、対戦相手から痛烈な罵声が飛ぶ。
年下、後輩、そしてかつての付き人に言われるがまま……いまや限界説もささやかれている天龍。一方、それと対象的なのが、ハッスルに突如現われた異分子、越中詩郎だ! 高田総統をなぜか親友である高田延彦氏と勘違い。優勝すれば、その高田延彦氏を引っ張り出すと宣言して、臨んだ『ハッスルGP2008』。7・27横浜大会行なわれたGP1回戦では、ザ・モンスター℃を相手に完勝を収め、難なく初戦を突破した。
「ハッスルのリングにジジイは二人もいらぬ!」という高田総統の命によって決定した本日の対戦カード。しかし、同じジジイでも、一方はグランプリ制覇に燃え、もう一方は燃え尽き症候群寸前と対照的な二人だ。“ジジイ-1 クライマックス”ここに開幕!!
閉じる今日は背中に金色で「侍魂」と書かれたキンキラキンのガウンを着て入場してきた越中。天龍が入場してくると、早くも襲いかからんばかりにガウンを脱ぎ捨ていきり立っている。そんな越中に対して、天龍はリング下からペットボトルの水を噴射! これが試合開始の合図だ。怒った越中はすぐさまリングから降りると、イスを持ち出して天龍に襲いかかる。しかし、天龍もイスで迎撃! 天龍と越中は、壮絶なイスチャンバラを繰り広げた。これを押し気味に進めた天龍は、リングに戻ると逆さ押さえ込みを仕掛けてみせる。一方の越中もジャックナイフ固めで丸め込もうとするなど、一歩も退かない。そして、天龍の負傷箇所である脇腹にヘッドバットを一撃! これで天龍の動きを止めた越中は、場外ではイス攻撃。天龍がリングに戻ってこようとすると、すぐさまケツ爆弾をぶち込み、さらにエプロンサイドからリング下にいる天龍に向かってミサイルヒップを炸裂させた。完全に試合の流れを掴んだ越中は、天龍の脇腹に集中攻撃。拳を振るって、天龍を痛めつける。だが、天龍も屈しない。痛みをこらえながらグーパンチで反撃だ。さらにダブルグーパンチを越中に叩き込むと、ブレーンバスターで逆転を狙う。しかし、これは逆に脇腹のダメージを深くした。技を仕掛けた天龍のほうが悶絶するハメに陥ったのだ。この隙に越中はヒップバットを連発。ストンピングで天龍を徹底的にいたぶると、河津落とし、頭突き、脇腹へのニードロップと攻撃の手を緩めない。たまらず場外に逃げた天龍だが、リングに戻ると息を吹き返す。越中に逆水平チョップを叩き込み、突っ張り連打、延髄斬りの猛攻だ。そして、背面式のエルボードロップをトップロープから投下! しかし、この攻撃の代償は高すぎた。やはり脇腹のダメージが深くなり、攻撃を続けられない。こうなると流れは越中ペース。投げっぱなしのパワーボムを放つと、ランニングヒップアタック、そしてブレーンバスターを連続で何発も放っていく。粘る天龍も遂に3カウント。越中がGP2回戦での坂田戦に弾みを付ける、大きな勝利を手にしたのだった。
リングを後にする天龍に向かって越中は、「おい! 強い天龍はどこ行った?」と問いかけるも、天龍は反応することなく、セコンドに肩を担がれて退場。最後に越中は、「俺はバリバリだ、この野郎!『ハッスルGP2008』、俺が獲ってやるからな! 高田のボケ! 覚悟しておけよ!」と観客に向かって優勝宣言をしたのだった。
ついに復活した応援ボードコンテスト! MCの号令で場内の観客が一斉に応援ボードを掲げると、満1歳を迎えたボノちゃんを祝福するボードや、ザ・モンスター℃、RGらのハッスラーを応援するボード、さらには北京オリンピックの時期もあってかメダルの形をしたボードなど、どれも渾身の力作ばかりだ!
そんななか、見事グランプリに輝いたのは、「3・2・1、ハッスル! ハッスル!」の応援ボードならぬを応援幕を掲げた女の子に決定! 女の子には、優勝賞品としてハッスルDVDを進呈されたのだった。
13分40秒 スーパー昇天ドロップ
生まれ変わったHG! モンスター軍撃破への道!
ハードゲイ……HGは改造人間である。
高田モンスター軍の策略にはまり拉致されたHGは、モンスター軍最高医局長のドクター中松によって、改造手術を施されてしまったのだった。
ところが間一髪、最後の仕上げである脳の改造手術の前にHGは脱走に成功! しかし、2重3重に張り巡らされていたモンスター軍の卑劣な罠によってHGは自らのDNAを採取されると、モンスター軍はクローンモンスターのニセHGを誕生させたのだ。
さらに、肉体をモンスターに改造されたことで、ハッスルパワーまで封印されてしまったHG。その窮地を救ったのが、ハッスル軍専属の天才医学博士、ドクターKこと木下博勝氏だ!
そして迎えた7・27横浜大会。対戦相手は因縁のニセHGだ。ところがこの試合中、怒りが頂点に達したHGは、突如、スーパーHGへと大変身! 新たな力を得て覚醒したHGは、ニセHGを脅威的なパワーで圧倒したのだった。
今宵は、生まれ変わったHGに復讐を誓うニセHG、そして逃亡者には「シー(死)」あるのみとザ・モンスター℃が襲いかかる! 夏休みのちびっ子たち! そして、ヒマで、モテない大きなちびっ子たち! HGの応援、よろしく頼むぜ!!
閉じるこの試合は、『ハッスル』に協賛している株式会社白元様のご協力により、赤コーナーにゆたぽん、青コーナーには特製アイスノンが設置されての試合となった。そして、注目の試合はHGとニセHGでスタート! しかし、ニセHGは「ニ〜セ!」コールを気持ちよく聞くと、さっさとモンスター℃にタッチしてしまった。今度はモンスター℃とHGの掛け声合戦だ。相変わらず、モンスター℃のポーズには「シー!」という声援を飛ばす観客。ところが、HGが「フォー!」をやっても観客の反応はイマイチだ。ならばと出てきたRG。だが、「フォフォフォフォー!」とポーズを決めても、観客から帰ってきたのはブーイングだけだった。ガックリとするRGを後方から攻撃したモンスター℃は、すぐさま自軍のコーナーにあるゆたぽんにRGを叩き付ける。熱々のゆたんぽの餌食となり、悲鳴を上げるRG。さらにRGはモンスター℃から頭をマットに擦り付けられ、ニセHGからも電気あんまを食らってしまう。やられたい放題のRGは、モンスター℃に背中をさんざん引っぱたかれ、ニセHGにはマンハッタンドロップで股間にダメージを負わされてしまう。あまりの痛さに「冷やして〜!」と叫ぶと、今度はアイスノンをパンツの後ろと前の両方に突っ込まれてしまう始末。だが、そんなRGもモンスター℃とニセHGのダブルラリアットをアイスノンで迎撃して、HGにタッチ。意地を見せた。しかし、今度はHGがモンスター軍の二人がかりの攻撃を食らって捕まってしまう。ニセHGの掟破りの逆PW、モンスター℃のCの字ストレッチと屈辱的な技を食らわされたHG。PWとCの字ストレッチの合体攻撃まで食らう屈辱も味わった。さらにニセHGとモンスター℃に挟まれながら、二人のエルボーを連発で食らい、万事休すの状態だ。そんな時、横浜大会同様、突如会場が暗転! HGがスーパーHGに変身するのだ! リングに明かりが戻ると、上半身裸になり新しいマスクを被ったスーパーHGの姿があった。そして、スーパーHGは一気にモンスター℃とニセHGを蹴散らしていく。ついでにRGも突き飛ばして、ニセHGに叩き付ける。最後はモンスター℃にパワーアップした昇天ドロップ! ぶっちぎりの強さでモンスター軍に勝利した。
見事完勝を収めて大喜びのRGは、「HG、すごいやないか! 俺もスーパーRGになれないかな〜」と興奮ぎみにアピール! するとHGは、「そこまで便乗するな! お前はスーパーでレジ打ちしてろ!」とすかさずツッコミを入れる。
と、ここでモンスター℃がHGの前に詰め寄り、ジェスチャーでなにやらアピール。これを見たHGは、モンスター℃の言いたいことが伝わったのか、「なに? 今日はニセモノのせいで負けたけど、1vs1なら絶対に負けない? 今度の大阪、シングルでやってやる? 貴様には「シー(死)」あるのみ? セーイ! ああ、いいでしょう! 面白いでしょう! 受けて立ちますよ!」と、親切に解説までつけて対戦承諾だ。すると、モンスター℃は満足げにうなずきながら去って行ったのだった。
この二人のやり取りを見ていたRGは、「さすが、スーパーHG。℃の言ってることがわかるなんて」と感心していると、続けて「それとスーパーHG、ちょっと気になるんだけど、その背中の変なアザみたいなのはなんや?」と、HGの背中についた模様に関して、ツッコミを入れるRG。これに対してHGは、「どうでもいい! 勝利に水を差すな!」と適当にRGをあしらうと、最後は「モンスター軍! 見てたか? スーパーHGは怖いもの知らずですよ!! 必ずや、お前らを完全壊滅させてやるからな! みなさん、応援よろしくお願いします!」と、観客に向かってモンスター軍壊滅をアピールしたのだった。
するとここで、場内が暗転。ビジョンに「新たな力を手に入れ、モンスター軍への復讐を誓うHG。次なる闘いの場は大阪! レイザーラモンが生まれし、この地を死場所にせんと、ザ・モンスター℃が立ちはだかる! 次から次へと現われる刺客……そしてHGの背中に浮かんだ謎のマークの正体とは? 次回! スーパーHG 大阪見参! なんばに潜むモンスター軍の罠!! ご期待ください!」という次回予告が! はたして、モンスター軍の罠とは一体なんだ!?
8分10秒 ライトニングクラッシュ
格闘家、小路晃。
総合格闘技イベント・PRIDEを創世記から支え、日本の総合格闘技をメジャーへ押し上げた立役者である。しかし、2007年4月、10年間闘い続けてきたPRIDEが消滅。故郷と呼ぶほどに愛したリングを失った小路は、以降、心にぽっかりと穴が空いたまま、リングからしばらく遠ざかったのだった。
しばらくして、小路はたまたま観戦に訪れたハッスルの会場で、「PRIDEと同じような熱を感じた」と強い感銘を受け、ハッスル参戦を熱望。その思いをPRIDE時代か懇意にしていた、元PRIDE統括本部長の高田延彦氏に伝えると、高田氏は友人である高田総統に小路を推薦して、『ハッスルGP2008』出場が決定したのだった。この高田延彦氏の男気に、小路の心は燃え上がった。
総合格闘技からハッスルという未知なる世界へ。新たな船出に、PRIDE時代と同じ胸の高鳴りを覚えるなか、いざGP1回戦に出陣……ところが!
かねてよりGPへの参戦を強行に要求していたゼウスが卑劣な乱入! そして、小路はステージでゼウスによって失神KOされてしまったのだった。小路のGPは、一度もリングに立つことなく終了……。
当初、小路とこりん星代表のこりたんで争われる予定だったGP1回戦。しかし、乱入したゼウスが小路に続き、対戦相手のこりたんもKO! そのまま、強引にGP2回戦進出を認めさせた。つまり、小路はゼウスによってGP出場権を横取りされてしまったのだ。
6歳で柔道を初めて以来、格闘技人生で味わったことのない屈辱。その後、小路の必死の抗議が認められ、今夜、改めてゼウスとの対戦が決定したのである。言い訳はせず、すべては己の責任と、潔く事を受け入れた小路。だが、日本男児としての誇りを傷つけられたまではいられない!
今宵、改めて新たな航海に出港! 小路よ、今度こそ油断するな!
閉じる『ハッスル』の会場で初めてちゃんと入場してきたゼウス。会場からは大ブーイングが発生だ。一方の小路が入場してくると、入場曲に合わせて手拍子が送られる。そして、いよいよゴング! リング中央で睨み合う二人。額をゼウスに小突かれた小路は怒りの突進だ! 「ふざけるなこの野郎! 恥掻かせやがって!」と叫びながらゼウスにパンチとストンピングを食らわせていく小路。場外に出ると、鉄柵攻撃まで披露。そして、リングに戻すと得意の腕十字を極めてみせた。しかし、ゼウスもやられてばかりではない。ゼウスは小路の腕十字をロープブレイクで逃げると、再び突進してきた小路をスカして、ロープに激突させる。一転して、優位に立ったゼウスは持ち前の怪力で小路の首をねじ曲げたり、さらには両手の平で圧迫していく。そして、凄まじい音のする逆水平チョップを叩き込み、コーナースプラッシュで圧殺だ。さらに串刺し式ラリアットをぶち込んだゼウス。しかし、これだけの攻撃を食らっても、小路のファイティングスピリットは衰えない。意地で立ち上がると、ラリアットに来たゼウスの腕を脇固めで切り返す。そして、スピニングチョーク、フロントネックロックの連続技でゼウスを絞め落としにかかった。一気に形勢逆転だ! 小路は「決めるぞ!」と叫んで、再びフロントチョークに。しかし、ゼウスもしぶとい。自分の首を抱える小路をベアハッグで持ち上げると、そのまま後方にスープレックス! さらにタックルで小路を突き飛ばすと、両手で高々とリフトアップしてから投げ捨てた。これで試合の流れはゼウスのものだ。最後はショルダータックルを一発かましてから、チョークスラムでフィニッシュ! 自慢の怪力で小路撃破に成功した。
小路を下し、『ハッスルGP2008』2回戦進出を決めたゼウスは、「どうや! ハードルをひとつ越えたったぞ! これで文句ないやろ? おい、サップ! 次はお前の番じゃ!」と勝利のアピールだ!
すると、なんと花道からGP2回戦の対戦相手であるボブ・サップが登場! サップはマイクを持つと、「ヘイ! ゴキブリ! オオサカ! ユー! ダーイッ!」とゼウスを挑発し、リング上で睨み合いをはじめると、ここから一気に大乱闘が勃発! レフェリー、スタッフが慌てて二人の間に割って入り、引き離したところで、リング上に残ったゼウスは、「俺は絶対、成り上がったるからな!」と吐き捨て、去って行ったのだった。
10分13秒 クロスボディオブ長尾
『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA』(大阪府立体育会館)で行なわれる『ハッスルGP2008』2回戦で激突するボノちゃん、長尾浩志のGP前哨戦!
どちらも初戦で強敵を下して勝ち上がっているだけに、勢いではイーブンか!? これまで危険すぎて封印していた禁断の技で、「ボノちゃんをぶっ壊す!」と宣言している長尾は、大阪決戦に向けて前哨戦でどのようなアピールをするのか、注目だ!
場内ビジョンには、ボノちゃんの映像とともに、歌が流れてくる。歌うのはもちろんボノちゃんだ! しかも、その歌は、大ヒット映画『崖の上のポニョ』の主題歌の替え歌バージョン! ボノちゃんの微笑ましい歌に、場内から手拍子と大歓声が飛ぶ。なお、ボノちゃんの替え歌の歌詞は以下の通りだ。
ボーノ ボーノ ボノ まかいの子
たまごのなかからやってきた
ボーノ ボーノ ボノ ちょーでかい
21まん5せんグラム
ぐーらんぷり にーかいせん
かてるといいな がんばっちゃお
ゆーしょう しーたときは
まかいのパパを よんじゃお
ながおひろしは ぼんくらでくのぼう
どーすこいどすこいっ どーすこいどすこいっ
かーんたーん らくしょう ごっちゃんし〜
ボーノ ボーノ ボノ インリンの子
ママはとおくに行ったけど
ボーノ ボノ ボノ ちょーつよい
今月で めでたく 満1さい
閉じるもはやお馴染み、村田英雄の『男の土俵』で入場してきたボノちゃん部屋のボノちゃん、よしえちゃん、あーちゃんの3人。リングに上がると、3日前の18日に満1歳となったボノちゃんの誕生日を祝うべく、ケーキがリングに届けられた。そして、観客の手拍子に乗りながら、よしえちゃんとあーちゃんがボノちゃんを祝う『ハッピーバースデー』を歌ったのだった。ケーキに立てられたローソクの火を吹き消し、ちょっと照れ気味のボノちゃん。「いやぁ、ありがとう。皆さんの応援のおかげで1歳の誕生日を迎えられました。これからも頑張りますので、よろしくお願いします」と観客にお礼を言ったのだった。
続いて、リングに上がってきたのはハッスル軍。なんと、チエは「ボノちゃん! お誕生日おめでとう!」とこれから対戦する相手にお祝いの言葉を述べたが、これにはボノちゃんと大阪でGP2回戦を控える長尾が不機嫌。「おい、そんなの家に帰ってからやれ!」と血気盛んに捲し立て、ボノちゃんを挑発した。しかし、ボノちゃんはこの挑発を無視。代わりに出てきたのはあーちゃんだ。ダメ中年・あーちゃんを叩きのめした長尾は、続いてよしえちゃんと対戦。よしえちゃんをもドロップキックで吹っ飛ばすなど、今日の長尾は調子が良さそうだ。そして、ようやくボノちゃんの登場。このボノちゃんにヒザ蹴りをぶち込んだりと果敢に攻め込んだ長尾。しかし、ボノちゃんは長尾の攻撃にびくともしない。ボディスラムで叩き付け、とっととコーナーに帰ってしまった。ボノちゃん部屋は、例によってあーちゃんがチエとKUSHIDAにやられたい放題やられたものの、すぐさまよしえちゃんが反撃して、KUSHIDAを捕獲。続くボノちゃんがスリーパー、踏み付け攻撃で徹底的にいたぶる。いつもはダメなあーちゃんも、ボノちゃんにやられてフラフラのKUSHIDAには優勢だ。よしえちゃん、ボノちゃんとパワフルな攻撃を受け続け、絶体絶命のKUSHIDA。マグニチュード64でマットに叩き付けられ、虫の息だ。ここでカットに出てきたのが長尾。KUSHIDAを押さえ込むボノちゃんの背中をパンチで滅多打ちにする。これにはさすがのボノちゃんも激怒! KUSHIDAをコーナーに投げ飛ばすと、挑発をし続ける長尾を呼び込んだ。ようやく訪れたチャンスに長尾は大ハッスル。ボノのエルボーをかわすと、池谷銀牙仕込みのスピード感溢れる攻撃で優勢に立つ。キリモミ式のボディプレスも決めてみせた。しかし、ここであーちゃんがサミングというせこい手段でカット! 視界を封じられた長尾は、ボノちゃんのコーナースプラッシュで一転して劣勢に立たされてしまった。一方、いよいよ長尾を仕留めにかかろうというボノちゃん部屋。得意げな顔で、あーちゃんが塩の入ったザルを取り出した。そして、よしえちゃんに羽交い締めにされている長尾目がけて、塩を投げつけた! しかし、寸前のところで長尾に避けられ、塩はよしえちゃんに誤爆! チャンスとばかりに長尾はあーちゃんを塩まみれにすると、ボノちゃんにもコーナーを利用しての旋回式ブルドッキングヘッドロックを決めてみせた。そして、最後は塩まみれになっているあーちゃんにクロスボディアタック! キッチリと3カウントを奪い、大阪でのボノちゃん戦に弾みを付けた。
マイクを持った長尾は、「俺が新しく生まれ変わった長尾浩志だ! おい! 大阪でお前をボッコボコにしてやるからな!」と、ボノちゃんに向かって勝利宣言をして去って行ったのだった。
場内暗転からスポットライトに照らされてリングに姿を現したのは、RGだ! RGは「『ハッスル・ツアー2008〜8.21 in KORAKUEN』にようこそおいでくださいました!」と挨拶をすると、当然のことながら場内から一斉に大ブーイング! これを「オーケー! 憎しみの塊!」となぜか喜ぶRGは、本日の対戦カードを発表した。
カード発表を終えたところで、RGは話を切り出す。「さて、あさって、僕はGP2回戦であの川田と闘うことになりました! プロレスだったら100パーセント負けます。しかし、歌対決なら500パーセント勝てる!!」とRGは自信マンマンに勝利宣言をブチ上げたところで、「誰が勝手にリングに上がっていいって言ったんだよ!」、なんと花道から現われたのは、”モンスターK”川田利明だ!
川田は、「お前のおかげで会場がすっかり冷えきっちゃってるじゃねえか!」とRGにいきなりのダメ出し。これに対してRGは、「なにが“歌って踊れるハッスラー”ですか! あんたが前にここで歌ったキューティーハニーの映像、YouTubeにアップされてるんですけどね、それを見た外国人が“この男はドラッグをやっているのか?”ってコメントしとったぞ!」とやり返すと、場内から一斉に爆笑が沸き起こる。
続けてRGは、「今日は、いまから俺の実力を見せるために、歌わせてもらいますからね!」とアピールすると、これを受けて川田は「まあ、べつに歌ってもいいけど、これ以上、会場を寒くさせんなよ! わかってるんだろうな?」と“オープニングの帝王”としてRGにクギを刺す。
するとRGは、「いいか、俺だって芸歴12年じゃ!」と反論すると、思わず会場から失笑が。かまわずRGは、「1回戦を勝ち抜き、2回戦でまさかの歌勝負。はっきり言って、RGに追い風が吹いております! この気持ちを歌いたいと思います!」と威勢良く宣言したところで、ミュージックスタート! 流れてきたのは、大ヒットTVドラマ『ROOKIES』の主題歌でおなじみ、GReeeeNの『キセキ』だ!
カラオケでは難易度の高いこの曲を、どうにかこうにか歌い上げるRG。場内からも手拍子が飛ぶ。そして、いよいよサビに突入! というところで、「おーい! もういいよ!」と、川田は曲を止めるよう要請し、「お前の歌を聴いてむかつくのは俺だけか?」とRGにダメ出しすると、場内から笑いと賛同の拍手が沸き起こる。せっかく盛り上がってきたところで曲を止められ、怒り心頭のRGは、「せっかくみんなも応援してたじゃないですか!」と逆ギレ。しかし、すかさず場内の観客から「勘違いすんな! ボケ!」という心温まる野次がRGに飛ぶ! ここで川田は、「いまのお前の歌を聴いて安心したよ。大阪は俺の楽勝だな!」と楽勝宣言だ!
さらに川田は、「ところでお前、大阪で歌う曲は、決めてきたんだろうな?」とRGに確認をすると、RGは「俺はこの対決が決まったときから、この歌を歌おうって決めてるんだYO!」とやり返す。これを受けて川田は、「よし。じゃあ、いまから発表しようじゃねえか! これだ!」と要請すると、以下の曲が場内のビジョンに映し出された!
『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA〜』
【観客ジャッジ歌対決】
川田利明『最後の雨』(中西保志)
RG『星空のディスタンス』(THE ALFEE)
両者ともに得意な曲をガチで選曲してるため、場内にビミョーな空気が漂うなか、川田は「『星空のディスタンス』ってなんだ? お前、アルフィー世代じゃねえだろ!」とツッコミを入れる。これに対してRGは、「いい歌はいつまでも残るでしょうが!」とまっとうな意見で反論すると、「さっきの『キセキ』よりも得意なのがアルフィーなんだよ! お前になんか絶対に負けないからな!」と改めて勝利宣言だ。
すると川田は、「もしも、お前に負けたら、俺はもう歌わねえよ!」と、突然の”負けたら歌封印”宣言! これには場内から一斉に「えぇ〜っ!?」という驚きの声があがる。続けて川田はRGに向かって、「その代わりだ。お前が負けたら、噂のレジ打ちのみゆきちゃんを連れて来て、次の後楽園、一緒にデュエットしてもらうからな!」と仰天要求だ! これを対してRGは、「みゆきちゃんなんて知りませんから! そんなのいないよ! 僕は結婚してるんだから!」とたじろぎながら否定すると、RGは「よし、じゃあその勝負は受けてやる。でもな、お前、バックダンサーを連れてきたりするのはなしだぞ! 純粋に歌で勝負だからな!」と、踊りは一切なしで歌だけの対決を要求だ。
これに対して川田は、「心配すんな」とRGの要求を受け入れると、「もうこれ以上、こいつと絡んでると、俺にもスベリぐせがついちゃうから帰るよ。そういうことだ。バッドラックだ!」と言い残して去って行ったのだった。最後にRGは、「みなさん! 大阪! RGの応援よろしくお願いします! それでは、スタート・ジャーマンスープレックス・ホールド!!」と、場内から大ブーイングと「帰れ!」コールが飛ぶなか、あまりにもヒドすぎるダジャレで『ハッスル・ツアー2008〜8.21 in KORAKUEN』の開幕を宣言したのだった。
7月に開幕した『ハッスルGP2008』は1回戦8試合が終了! あさって、『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA〜』(大阪府立体育会館)で、いよいよGPも2回戦に突入し、闘いの火花はさらに激しさを増していく!!
先月行なわれた『ハッスル・ツアー2008〜7.27 in YOKOHAMA〜』(横浜文化体育館)。バカンスのために中座した高田総統に代わり、総統代行を任された川田が、やりたい放題の大暴走! GP2回戦の組み合わせを勝手に発表した挙句、一部ルールを歌合戦に変更してしまう!
というわけで、真のハッスラーになるには、強いだけではダメ! 川田利明とRGのGP2回戦は、どちらが歌が上手いのか? 観客のジャッジで勝負を決める特別ルールに決定したのだった。この川田の暴走をバカンス先で知らされた高田総統。結局、GP2回戦4カードは、川田が決めたカードでそのまま決行されることに……。
結婚披露宴の3日後の7・27横浜大会で、ハッスル軍の同門・TAJIRIを相手に、25分にもおよぶ死闘を制した坂田亘。GP2回戦は、応援団長にお笑い芸人・ケンドーコバヤシを従え、ザ・モンスター℃を軽々と一蹴した越中詩郎と激突だ! プロレス界の大ベテランと、ハッスルのエース、時代はどちらに微笑むのか!?
そして、あのジャイアント馬場、アントニオ猪木から3カウントを奪った天龍源一郎に完勝し、3日前、めでたく満1歳の誕生日を迎えたボノちゃん。GP2回戦は、かつての鬼教官、アン・ジョー司令長官にひるむことなく真っ向勝負を挑み、見事“師匠超え”をはたした長尾浩志が相手だ! 一発勝負のトーナメント。波に乗る長尾は、地元・大阪で大番狂わせを起こせるのか!?
そして、GP開幕前から乱入を繰り返し、ハッスル軍、モンスター軍に襲撃を仕掛けてきた謎の男、ゼウス。高田総統にGP出場を強要するもあっさり無視されたゼウスは、ならば力で出場権を奪おうと、7・27横浜大会で試合前の小路晃を襲撃! さらに、小路の対戦相手であるこりん星代表のこりたんもノックアウトし、試合をブチ壊したのだった。
これに納得のいかない小路が、ゼウスとの対戦を直訴。この主張が認められ、今夜、小路とゼウスが、遺恨清算マッチを行なうことに! そして、この試合の勝者が、8・23大阪大会でボブ・サップとGP2回戦を闘うことになる。
灼熱地獄と化す大阪を制し、ベスト4へ駒を進めるのは一体誰か!? 2008年猛暑の夏、今宵のハッスルは、今年一番の熱い夜となる!
「みなさん! こんばんは!!」。恒例となったハッスル審判部の野口レフェリー&今井レフェリーによる前説がスタート! まずは、野口レフェリーの音頭で『正しいハッスルの観戦方法』をレクチャーだ。
「総統」コールや、選手への応援コールなど応援指導をひと通り終えたところで、花道にはKUSHIDA&\(^o^)/チエの姿が。二人を見つけた野口レフェリーは、「彼らはいつも“ハッスル軍の応援の説明がない”って難癖をつけてきますが、今日は僕らがハッスル軍の応援練習をしちゃったからね」と、KUSHIDA&チエは用なしとばかりに冷たく突き放す。
それでもおかまいなしとばかりに、KUSHIDA&チエはリングインすると、野口レフェリーはかわいそうな二人に同情したのか、一緒にHGの「セイ」コール、ニセHGの「ニセイ」コール、さらにはザ・モンスター℃の「C」コールの実践練習だ。最後に野口レフェリーは、会場でのマナーを注意して前説を締めくくったのだった。