ファイトカード

高田総統劇場

高田総統以下、モンスター軍のメンバーがステージに勢揃いすると、早速アン・ジョー司令長官&島田二等兵が観客に「総統」コールを促す。場内に大「総統」コールが巻き起こるなか、高田総統は「もういいよ。今年一番出来が悪いな」と、会場の「総統」コールにいきなりのダメ出しだ! 続けて、高田総統は「この夏はオリンピック一色だったよね? でも今日、負けちゃったよ、野球。メダルなしだよ!」と、野球日本代表が3位決定戦で敗れたことに触れると、「ただ、オリンピックと言えば、招致合戦に敗れ、北京にオリンピックを奪われた大阪の諸君! オリンピックを開催しなくて良かったな。もしも、開催していたら、ただでさえ真っ赤っかの財政が、確実に破たんしていた! そしたら、間違いなく、橋下知事がさ、この大阪府立を潰しちゃうよ」と大阪府にチクリだ! 場内から大歓声が沸き起こるなか、高田総統は「我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介。すかさず、アン&島田が「総統」コールを観客に促すと、またしても場内は大「総統」コールだ!

するとここで、高田総統は「さっそくだが、いまから準決勝の組み合わせを決めようじゃないか!」と仰天発言だ! 高田総統の仰天プランに、一気に大歓声が沸き起こる場内。この光景に満足げな表情を浮かた高田総統は、「2回戦を勝ち上がったのは、モンスターKとアホの坂田……。あと、残りの二人……。ん?」と、ゼウスとボノちゃんがいないことを確認すると、「おい! ちょっと。ハッスラーのなかのハッスラーを目指す男たちよ、出てきんしゃ〜い!」と、親友である元PRIDE統括本部長の高田延彦氏ばりに選手を呼び寄せる。

ここで場内に『ハッスルGP2008』のテーマ曲が流れ、ボノちゃん、ゼウスがそれぞれ違う花道から登場! ボノちゃんはリングのなかへ、そしてゼウスはエプロンに立つ。ベスト4が出揃ったのを確認した高田総統は、「それじゃあ、誰と誰を闘わせることにしようかな……」と、マッチメイクし始めたところで、川田が「総統っ! 俺に、あの亀田のニセモノとやらせてくださいよ!」と、ゼウスを対戦相手に指名だ!

この川田の対戦要求に、すかさず「誰にもの言ってんねん! しばくぞコラッ!!」と、怒るゼウス。すると川田は、「お前、よくも俺の頭をフライパンで殴りやがったな! しかも2回だ! 絶対、許さねえぞ!」と、ゼウスに向かって怒りをぶつけると、これを受けてゼウスは「いつまでもおっさんの時代ちゃうっちゅうねん! このゼウス様が、時代を動かしたるからな。ええか、絶対成り上がったるからな!」とブチかまして、去って行ったのだった。

川田とゼウスのやり取りを見ていた高田総統は、「よし! では、ひとつめのカードは、モンスターKvs亀田のニセモノで決定だ!」と、川田のアピールを認め、川田vsゼウスをアッサリ承諾だ。この結果、GP準決勝の残りもう1試合は、ボノちゃんvs坂田に決定! するとボノちゃんは、「おい! バカ田総統! こんな弱い奴を集めて、ボノちゃんが優勝したようなもんだよ! 優勝したら、パパをすぐ呼べるように準備しとけ!」と、高田総統に向かって優勝宣言だ!

ボノちゃんの要求を受けて高田総統は、「貴様、成長するにつれて、どんどん言葉遣いが乱れているな。いい加減さ、バカ田総統ってやめてくんないかな? 小さい子どもがマネするだろ」と警告すると、ここでようやく坂田が、「おい! ずいぶんなめたこと言ってくれるじゃねえか!」と割って入り、「こっちはな、お前に大将と長尾をやられてるんだ。この落とし前、俺がきっちりつけさせてもらうからな」とボノちゃんに報復宣言だ!

これに対してボノちゃんは、「お前ごとき、相手じゃねえよ! かわいそうだから、稽古くらいつけてやるよ!」とやり返すと、怒った坂田は、「ブヒブヒうるせえぞ! このブタ野郎がっ!」と言うなり、ボノちゃんに詰め寄って両者激しく睨み合う。

するとここで、高田総統が「二人とも、どうやら依存はないようだな?」と、ボノちゃん、坂田に確認すると、9・28名古屋大会で行なわれるGP準決勝2試合を正式決定だ!


▼9・28『KYORAKU presents ハッスル・ツアー2008〜9.28 in NAGOYA〜』(愛知県体育館)決定対戦カード

〜『ハッスルGP2008』準決勝〜
“モンスターK”川田利明(栃木県代表)
vs
ゼウス(途中出場)

〜『ハッスルGP2008』準決勝〜
ボノちゃん(U-18代表)
vs
坂田亘(アホ代表)


「優勝したものには、約束どおり、なんでも好きな望みを叶えてやる。願いごとは、決勝戦の当日まで変更可能だ。いまからよーく考えておきたまえよ!」と、願いごとの途中変更OKという寛大な計らいまで見せた高田総統は、「では諸君よ、大阪府の財政が、少しでも上向きになることを願ってるよ。ではまた、お会いしよう。バッドラックだ!」と言い残し、消え去って行ったのだった。

ここで、ボノちゃんも坂田を睨みつけながら退場したため、リング上はハッスル軍のみとなる。するとTAJIRIが、「坂田さん、ハッスル軍で残っているのは、もう、あなたひとりですね。厳しい闘いが続いてますけど、これをくぐり抜けてこそ真のエースですから!」と坂田に激を飛ばすと、これを受けた坂田は、「あとは俺に任せろ。優勝するのはこの俺だ! 俺こそがハッスルだよ!」と力強く優勝宣言だ!

続けて坂田は、「大阪のみなさん、俺はハッスルをスポーツエンターテインメントの頂点に立たせるためにも、命がけでハッスルしていく! 今日は悔しいかな空席が目立つけど、俺はあきらめずにハッスルしていくぞ! だから、みんなも俺と一緒にハッスルしていこうぜ!」と観客に向かってアピールすると、最後は観客と一緒にハッスルポーズを決めて、締めくくったのだった。

メインハッスル『ハッスルGP2008』2回戦

16分39秒 スーパーキック2008

『ハッスルGP2008』準決勝の大トリを務めるのは、“侍”越中詩郎だ! 来年でキャリア30年、ますます血気盛んな大御所は、7・27横浜大会行なわれたGP1回戦では、ザ・モンスター℃を相手に完勝を収め、難なく初戦を突破した。

一方、このGPでハッスルの頂点を目指す坂田亘。ハッスルを世に広めるため、先月、妻・小池栄子さんと結婚披露宴を行なった坂田は、ハッスルを世界で最高のエンターテインメントにさせるためにも、ここで負けるわけにはいかないのだ!

決戦前からメディアを通じて激しい挑発合戦を繰り広げた二人。8・21後楽園大会で、越中は試合後の坂田を急襲し、先に仕掛けたのだった。灼熱の大阪決戦、残されたベスト4の席はあとひとつ! ハッスラーの頂点に向けて、そして己の夢を実現させるため、絶対に負けられない闘いを制すのは、一体どっちだ!?

閉じる坂田がリングに上がってくると、すぐさま越中が襲いかかる。これを坂田も迎撃。いきなりチョップの打ち合いだ。だが、テンションが違う越中は、本日一発目のケツ爆弾を発射! 場外に逃れた坂田を追いかけると、エプロンサイドからミサイルヒップ! さらに場外でも観客席を利用したヒップアタックを食らわし、坂田の機先を制した。リングに戻っても、頭突きからヒップバットを連発! ショートレンジで叩き込まれる越中の硬いケツに、さすがの坂田も苦しい状況を強いられる。ここで越中は坂田の左足に集中攻撃。徹底的に左足を攻め立てる。さらにネックロックで首を痛めつける越中。だが、坂田も気合いの入ったチョップ攻撃で反撃開始だ。越中も気合い満点でこのチョップ合戦に挑む。両者一歩も退かない熱の入った攻防だ。ようやくここをリードした坂田はスリーパーで越中のスタミナを奪いにかかる。これでペースを掴んだ坂田は凄まじいミドルキック! だが、越中はこれを体を震わせて、気合い満点で受ける。逆に越中の闘志に火を点けてしまったのか? 勢いづいた越中は、河津落とし、ダイビングフットスタンプ、ジャーマン、ミサイルヒップの猛攻だ。そして、さらにケツ爆弾2連発からトドメのパワーボム! だが、坂田も間一髪キックアウト。ならばと、越中は間髪入れずに腕十字で追撃だ。これをロープブレイクで逃れた坂田は続く越中のジャーマンを空中で一回転して、得意のローリングソバットで反撃を試みる。そして、越中にケサ斬りチョップを連発だ。さすがの越中もヒザを崩し始めた。このチャンスに坂田はチキンウィングフェースロック! かつての宿敵・高田延彦との激闘を思い起こさせるかのようなこの技に、越中は必死に脱出を試みる。しかし、坂田もしつこい。越中が何度逃げても捕まえて、チキンウィングフェースロックだ。さらにスリーパーでキッチリと絞め上げた坂田。だが、まだまだ越中は屈しない。ここから立ち上がって、坂田のキックを食らいながらも、スモールパッケージで逆転を狙う。だが、坂田は冷静にこれを返すと、越中のブレーンバスターも逆に投げ返してみせる。そして、ミドルキック、バックドロップ、ケサ斬りチョップを連発だ。だが、それでも越中は屈しない。坂田が十字を切ってから放ってきたミドルキックも、カウント1で意地のキックアウトだ。坂田も攻撃の手を緩めない。もう一発放ったバックドロップで意識が朦朧としている越中に、ミドルキックを連発。何発も何発も越中の胸板を蹴り飛ばす。そして、必死に立ち続ける越中に最後はスーパーキック! さすがの侍もこれは返せず。坂田が越中との壮絶な一戦を制し、ベスト4へと勝ち上がった。

これまでの挑発合戦を水に流し、激闘を繰り広げた越中に「あんた、すげえな」と声をかけ、握手を求める坂田。これに対して、差し出された坂田の手を見つめる越中は、坂田との握手を拒否すると、そのままリングを下り、去って行ったのだった。

黙って去って行く越中に向かって、「おい、越中詩郎! あんたの侍魂、俺がしっかり受け取ったぞ!」と言葉を投げかけた坂田。と、ここで「これでベスト4が出揃ったな」という声が! すると場内に『威風堂々』が鳴り響き、ステージから姿を現わしたのは高田総統だ!


セミハッスル『ハッスルGP2008』2回戦

7分21秒 魔界落とし

いまから1年前、この世に生を受けたボノちゃんは、今月めでたく満1歳の誕生日を迎えた。

かつての仲間たちとの敵対、ボノちゃん部屋の設立、そして母との悲しい別れ。こんな濃密な1年を生きた赤ん坊がどこにいると言うのだろうか?

様々な苦しみと引換えに、強さを手に入れたボノちゃん。7・6福岡大会で行なわれた『ハッスルGP2008』開幕戦のGP1回戦で“ミスタープロレス”天龍源一郎と激突したボノちゃんは、高田総統が驚くほどの横綱相撲を見せつけた。辛くとも懸命に生きたこの一年。夢はふたたびパパに会うことだ。その日まで、ボノちゃんの旅は終わらない……。

一方、今年春に行なわれた3・20大阪大会で、元オリンピック体操銀メダリストの池谷銀牙に完敗し、その直後に高田モンスター軍からリストラされてしまった長尾浩志。当時のリングネーム、ジャイアント・バボ。

モンスター軍時代は、何をやっても失敗ばかり。師匠のアン・ジョー司令長官には、いつも怒られていた。怒られては畏縮し、そしてまた失敗するという負のスパイラル。リストラされたとき、バボの心は、深く傷ついた。

行き場を失ったバボは、己を負かした池谷のもとに押しかけ入門。これがバボの運命を大きく変える。池谷の熱血指導で、眠っていた身体能力が開花したバボは、空中殺法の使い手、長尾銀牙に生まれ変わったのだった。

努力で出場を勝ち取ったGP1回戦。相手は、かつての師匠・アン・ジョー司令長官だ! 長尾は、過去のトラウマを吹っ切るかのように、気迫を全面に押し出し、見事“師匠超え”をはたす! 長尾は、今シリーズからリングネームを本名に変えて心機一転。もう、ダメ男とバカにされた男は、そこにはいない。今宵、ボノちゃんからの大金星をきっぱりと宣言だ! 大阪は長尾の生まれ故郷。地獄の凱旋となった3・20大阪大会での借りをきっちり返し、お前は天国への階段を昇りきれるのか!?

閉じる母インリン様のムチを首からかけてリングに上がったボノちゃん。試合が始まると、まずは長尾が仕掛ける。果敢に逆水平チョップで攻め込んでいく長尾。しかし、ボノちゃんはびくともしない。すぐにボディスラムでお返しだ。ならばと、今度はドロップキックを炸裂させた長尾。だが、ボノちゃんはその反動でぶちかましだ。長尾の攻撃はボノちゃんに通じないのか? 続いて仕掛けた前方回転エビ固めもヒッププレスで潰され、三角飛び式の不知火もすっぽ抜けに終わらされてしまった。逆に勢いに乗るボノちゃんは踏み付け攻撃。長尾の腹部にダメージを与えると、土俵入りの型からのフットスタンプを顔面に一撃! あまりにも危険な技に、場内からどよめきが上がる。さらに、張り手、ドライビングエルボーで攻め込むボノちゃん。長尾は肩を上げるのがやっとだ。そんな長尾を無理矢理立たせたボノちゃんは、コーナースプラッシュで圧殺。もはや、長尾もお終いか? ボノちゃんはトドメを狙って、バックフリップの体勢に。しかし、長尾は空中で体勢を入れ替えて逃れると、ボノちゃんのヒザに蹴りを一撃。ボノちゃんをひざまづかせると、後方からドロップキックを叩き込む。前につんのめったボノちゃんは、ロープにノドを強打して悶絶だ。このチャンスに長尾が奮い立つ。三角飛び式の不知火を炸裂させると、ムーンサルトプレスで追撃だ。そして、もう一発狙って、トップロープに上がった長尾。しかし、ここでボノちゃんが復活だ。トップロープに上がった長尾を捕まえると、その場でバックフリップの体勢に。そして、そのままリングに落下! 雪崩式のバックフリップだ! さすがの長尾も、ボノちゃんの全体重を浴びせられながら、マットに叩き付けられては立ち上がることもできない。そのまま押さえ込まれ、ボノちゃんに3カウントを奪われた。


長尾から完全勝利を収めたボノちゃんは、母・インリン様のムチを握りしめ、マイクを持つと「ママ! あと二番勝てば、パパに会える! だからボノちゃんを見守って!!」と、天国にいるインリン様にGP優勝を誓ったのだった。


第4ハッスル『ハッスルGP2008』2回戦

3分08秒 助けてミユキボム

強いだけではダメ、面白いだけではダメ。ファイティングオペラの頂点、ハッスラーのなかのハッスラーを決める『ハッスルGP2008』に異種マッチが登場! 観客ジャッジ歌合戦、いよいよ開催だ!!

ファイティングオペラには歌が足りないと歌い続けて1年半。後楽園ホール大会のオープニングは、いまや“モンスターK”川田利明の歌が名物となる。話題の歌手や、往年の人気タレントとも競演。さらに、旬のお笑い芸人とネタ対決もするハッスルきってのエンターテイナーである川田に噛みついたのだが、なんと“不屈のフンコロガシ”ことRGだ!

無駄な生傷は負いたくない! そう宣言し、当初はGP不参加を表明していたRG。ところが、高田総統の一声により、あっさり強制出場となるはめに。RGにとって、本音では出たくなかったGPだが、GP1回戦で大方の下馬評に反して赤鬼蜘蛛を相手に奇跡の逆転勝利! そして今宵のGP2回戦進出を決めたのだった。相手はモンスター軍最強と言われる川田。まともに行けば、RGに勝ち目はまったくない。

ところが、ここでも天はRGに味方をしたのか? この試合のみ、観客ジャッジ歌合戦の特別ルールとなったのだ! 笑いを取る自信はないが、歌は自信マンマンのRG。初戦突破に次ぐ、奇跡のベスト4進出なるか?

今回、二人が歌うのは、川田が中西保志『最後の雨』、RGがTHE ALFEE『星空のディスタンス』だ! ルールはカンタン。観客からより多くの拍手をもらったほうが勝ちとなる。つまり、勝敗を決するのは、観客であるアナタだ!

閉じるハッスル実況でおなじみの矢野武アナウンサーが司会進行を務め、観客ジャッジ歌合戦がついにスタート! と、思いきや、ここで川田が突然、「ちょっと待て!」と割って入ってくると、ハッスルの協賛をしている株式会社白元のアイスノンを首に当てながら、「気持ちいい〜。アイスノンのおかげで今日は快勝だ!」と生コマーシャルだ! やるだけやって満足げな表情を浮かべている川田をよそに、矢野アナウンサーからお客さんに歌合戦のルール説明がなされると、まずは先攻のRGから。自信マンマンの表情を浮かべながらRGがリング中央に立つと、リングアナの「東京進出して3年。紆余曲折の末に見つけた自分の居場所。それがハッスルのリング。やられキャラはもう卒業。目指すは真のハッスラー。夏の夜空に勝利という名の星はきらめくのか?」という前口上とともに流れてきたのは、THE ALFEE『星空のディスタンス』だ! RGの歌声にジッと聞き入る場内。そして自然と手拍子が。そして、かなりの歌唱力が必要とされる曲を見事に歌い切ったRGに対して、場内から大きな拍手が沸き起こる。

続いては、後攻の川田。先程と同様、「ファンを楽しませるためのエンターテイナーが、今日だけは、今日だけは、自分のために歌います!」という前口上とともに、流れてきたのは中西保志『最後の雨』だ! 己の十八番をしっとりと歌い上げる川田に、これまた場内から手拍子が起こる。名バラードを見事に歌い切った川田は、口パクで「ありがとうございました」と観客に向かって感謝を述べながら一礼をすると、RGに負けじと観客から大きな拍手と声援が沸き起こる。

「では、観客のみなさん、どちらに拍手を贈るか、もうお決まりですか?」と矢野アナウンサーが観客に確認。いよいよ勝敗を決める観客ジャッジだ! と、ここで場内が暗転すると、ビジョンには高田総統の姿が!

高田総統は、「おい! モンスターK! そしてRG! なにしてんだよ? ん? まじめに歌っちゃってさ! ぶっちゃけ言うよ、面白くないんだよ!!」と、観客無視で己の十八番を歌った川田とRGをピシャリだ! さらに、「これは真のハッスラーを決める闘いだぞ! それなのに、貴様ら、揃いも揃ってフツー! フツーすぎるの! 貴様らのつまんない歌なんざ、観客ジャッジするほどの価値もないよ!」と痛烈な言葉を“これでもか〜”と浴びせかけた高田総統は、「GP2回戦、試合で決着つけたまえ!」と仰天要求だ! まさかの展開に、大歓声に沸く場内。そして、場内に明かりが戻ると、いつのまにかリング上には野口レフェリーが! すぐさま野口レフェリーはゴングを要請して、試合開始だ!

ゴングが鳴っても戸惑いを隠せない川田とRG。だが、突然の試合開始に観客は大歓声だ。ならばと、いきなりRGが仕掛ける。ローリングクラッチでの丸め込みだ。これは間一髪、逃れた川田。突然の試合にエンジンがかかってないのか、RGの丸め込み技を再三食ってしまう。しかし、さすがにモンスターK。すぐさまペースを取り戻すと、アトミックドロップ2連発でRGを吹っ飛ばす。さらに3発目はアトミックドロップと見せかけて、股間に一撃だ。最後は必殺のパワーボム。川田に高々と抱え上げられたRGは、「助けて〜みゆきちゃん!」と絶叫! これが断末魔の叫びとなり、RGは川田のパワーボムによって、ベスト4進出の夢を断たれた。

RGを完膚なきまでに秒殺した川田は、「おい、だいたいよ、総統があんなジャマしたけど、あのままでも俺が勝ってただろ」と余裕のマイクアピール。続けて、「ところでだ、俺はこのグランプリで優勝したら、栃木でハッスルを開催する夢があったんだけど、実は10月に開催が決まっちゃったんだよ」と、改めて観客に10・26『ハッスル・ツアー2008〜10.26 in TOCHIGI』(宇都宮市清原体育館)の開催を報告した川田は、「というわけで、俺が優勝したら、ずばりCDデビューさせてもらうぞ! 歌って、踊れて、GPも優勝できて、CDデビューできるのは“モンスターK”川田だ!」と、GPで優勝したら叶えてもらえる夢として、歌手デビューをブチ上げたのだった。


第3ハッスル『ハッスルGP2008』2回戦

6分47秒 神々の怒り

『ハッスルGP2008』開幕前、ハッスルのリングに突如現われた、謎の男・ゼウス! 毎回のように乱入を繰り返しては、ハッスル軍、モンスター軍の面々を見境なく襲撃。GPへの参戦を執拗に要求し始めたのである。

そして迎えた7・27横浜大会。ゼウスは、GP1回戦に出場する元PRIDEファイターの小路晃を入場時に襲撃すると、さらには小路の対戦相手だったこりん星代表のこりたんもノックアウトし、試合をブチ壊しにしてしまったのだった。

そして、おとといの後楽園大会。ゼウスの暴挙に怒り心頭の小路と、GP2回戦進出を賭けて闘ったゼウスは、ここで小路を一蹴! ついにGP正式参戦をハッスルに認めさせたのだ。

たったひとりで、見知らぬリングに殴りこみをかけた無法者の素顔……。大阪市生野区。日本のものづくりの伝統を支える町工場の密集地であり、下町情緒の残るこの町で、ゼウスは生まれ育った。強さに憧れ、激しいエネルギーを持て余していた少年時代。ケンカに明け暮れては、警察のごやっかいになっていたゼウスは、高校で2度の退学処分、鑑別所と少年院を出たり入ったりを繰り返す地元でも札付きのワルだった。

どれだけ人を殴っても満たされない心。そんなある日、ゼウスに人生の転機が訪れる。それは、プロレスとの出会い。己の強さを思う存分証明できる場所を見つけた。

己の強さに対する絶対の自信と、強烈な成功への欲望。そんなゼウスの前に立ちはだかるのは、かつて日本で成り上がった“野獣”ボブ・サップだ! これまでの人生、欲しいものは力で奪い取ってきた。だが、世界中の猛者が集うハッスルで、その生き様は通用するのか!?

閉じるゴングが鳴ると、自身の筋肉を誇示するサップ。そして、ゼウスに手四つを促す。リング中央で手四つの力比べを繰り広げる二人。力の入る工房だ。続いてはパンチ合戦。やはり体格差からか、ここはサップに軍配だ。そして、サップはアメフト式のタックルでゼウスを吹っ飛ばすと、フルネルソンでギブアップを迫る。ここは自力で抜け出したものの、ゼウスの劣勢は続く。ショルダータックルで吹っ飛ばしてから、サップはコブラツイスト。さらにラリアットを炸裂させてからブレーンバスターの体勢に。ところが、ここでゼウスが底力を披露。サップのブレーンバスターを踏ん張ると、逆にその巨体を持ち上げて、マットに叩き付けてみせたのだ。驚くサップにゼウスは猛ラッシュ。ボディスプラッシュに串刺し式ラリアットと一気呵成に攻め込む。だが、サップも屈しない。カウンターのニーリフトをゼウスのボディにぶち込むと、その場飛びのドロップキックを炸裂だ。だが、ゼウスの勢いも止まらない。ショルダータックルでサップの動きを止めると、またもその巨体を持ち上げて、バックフリップで強かにマットに叩き付ける。そして、トップロープからボディプレスを発射! サップは間一髪キックアウトしたものの、もはや虫の息だ。トドメとばかりにゼウスはなんとサップをアルゼンチンバックブリーカーで持ち上げると、そのままブン回してから、驚異のヘラクレスカッター! 遂にサップも力が尽きた。もはやサップもゼウスのカバーを返すことができず。ゼウスがサップから大金星を勝ち取った。

サップとの激闘を制したゼウスは、「どうだ、ハッスル!! これがゼウス様の力じゃ! ええか、お前ら、俺は絶対に、成り上がったるからな!」とアピールし、去って行ったのだった。


第2ハッスル

10分46秒 スーパー昇天ドロップ

スーパーHG、大阪見参! なんばに潜むモンスター軍の罠!!

ハードゲイ……HGは改造人間である。
高田モンスター軍の策略にはまり拉致されたHGは、モンスター軍最高医局長のドクター中松によって、改造手術を施されてしまったのだった。

ところが間一髪、最後の仕上げである脳の改造手術の前にHGは脱走に成功! しかし、2重3重に張り巡らされていたモンスター軍の卑劣な罠によってHGは自らのDNAを採取されると、モンスター軍はクローンモンスターのニセHGを誕生させたのだ。

さらに、肉体をモンスターに改造されたことで、ハッスルパワーまで封印されてしまったHG。その窮地を救ったのが、ハッスル軍専属の天才医学博士、ドクターKこと木下博勝氏だ! ドクターKの手により再改造されたHG。その効果は驚くべきものだった!

なんとHGは怒りが頂点に達すると、スーパーHGへと大変身するのだ! 新たな力に覚醒したHGは、8・21後楽園大会でニセHGを圧倒! そして今宵、生まれ変わったHGに襲いかかるのは、逃亡者には「シー(死)」あるのみと抹殺宣言をしたザ・モンスター℃だ!

夏休みのちびっ子たち、そしてヒマで、モテない大きなちびっ子たち! HGの応援、よろしく頼むぜ!!

閉じる今日も試合の始まりは「シー!」と「フォー!」の掛け声合戦。そして、リング中央で「シー!」と「フォー!」のぶつかり合いだ。ここは地元だからか、HGに分があるようだ。ようやく攻防が始まると、「セイ!」と「シー!」のエルボー合戦。これを制したモンスター℃はローキックを連発だ。さらにCの字に固めて、HGの腰にダメージを与える。一方のHGも反撃に出たものの、セコンドのアン・ジョー司令長官に邪魔され、場外で暴行を受けてしまう。劣勢が続くHGだが、気力でローリングソバット、フライングニールキックを繰り出し、反撃に移る。しかし、トップロープに上ったところをまたも司令長官に妨害を受けて、逆に雪崩式ブレーンバスターを食らってしまった。続けて、DDCも食らい、万事休すの大ピンチだ。ところが、ここで会場が暗転! HGの怒りが頂点に達して、今日もスーパーHGに変身だ! こうなるとスーパーHGのペース。邪魔な司令長官を蹴り飛ばすと、モンスター℃はストンピングで滅多打ちにする。そして、最後はトップロープからスーパー昇天ドロップ! パワーアップした股間でモンスター℃を圧殺し、今日も底知れぬ強さを見せつけた。


モンスター℃を下し、勝ち名乗りを上げるHG。すると突然、場内が暗転し、ビジョンには高田総統の姿が!

「ほう、威勢がいいなHG。いや、スーパーHGか? まあ、どっちでもいいわ。それよりも、貴様、気づいているか? 背中に浮かんだそのマークだ。どこかで見覚えがないか? よいか! 貴様のカラダは、モンスター軍によって改造されたことを忘れるんじゃないぞ……ハッハッハ!」と、HGの背中に浮かんでいるマークについて指摘した高田総統は、高笑いをしながらそのまま消え去ってしまった……。

すぐさま自分の背中を確認するHG。すると、場内ビジョンにアップで映されたHGの背中には、なんとモンスター軍のマークが! これを見たHGは、「うわっ! 小さくて、しかも地味! モンスター軍は、俺のカラダに一体何をしたんだ!?」と少しばかり動揺するも、「しかしな、こんなアザがなんぼのもんですか! いいですか、みなさん! スーパーHGパワーで高田モンスター軍を完全壊滅させてやりますよ!」と、モンスター軍を壊滅を観客にアピールしたのだった。

するとここで、ふたたび場内が暗転。ビジョンに「どこまで……いったいどこまで高田モンスター軍は、HGを苦しめ続けるのか!? 背中に記されたモンスターマーク。はたして、これが意味するものとは!? そして、高田総統の恐るべき計画とは!? 次回! スーパーHG、大ピンチ! 背中に浮かびし悪魔の紋様!! ご期待ください」という次回予告が! はたして、高田総統の恐るべき計画とは一体なんだ!?


第1ハッスル 夏休みSP ハッスル×大阪プロレス 交流戦

13分19秒 バズソーキック

いよいよ幕を開ける『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA〜』。オープニングは大阪開催を記念したの夏休みスペシャルマッチだ!

地元・大阪を拠点に活動する人気団体、大阪プロレスより3選手がハッスル初参戦をはたす!
本家タイガース同様、好調打線が火を噴くか!? 大阪プロレスのエース、タイガースマスク!
通天閣の守り神が繰り出す、変幻自在な技の数々に注目せよ! ビリーケン・キッド!
本家くいだおれ太郎なきいま、二代目大阪名物は俺のもの! くいしんぼう仮面!

今回はハッスル軍との交流戦。元WWEスーパースターのTAJIRI、“ハッスル超新星”KUSHIDA、“ハッスル天然少女”\(^o^)/チエとシャッフルしての6人タッグマッチだ!

大阪限定スペシャルコラボマッチ、いよいよ開幕!

閉じる先発はTAJIRIとタイガース。手四つから打点の高いドロップキックを食らわし、身体能力の高さをみせる。そして、大阪のファンに向けてハッスルポーズだ。続いてはビリーケンとKUSHIDAの攻防だ。スピード感溢れる攻撃でビリーケンがKUSHIDAを捕獲すると、チエにタッチだ。普段はタッグを組んでいるKUSHIDAとチエの珍しいマッチアップ。KUSHIDAは容赦なくドロップキックを叩き込む。続いて、タイガースがボディブローでチエを痛めつけ、いよいよくいしんぼう仮面の登場だ。くいしんぼう仮面は欽ちゃんジャンプでチエを惑わしたものの、TAJIRI組総出の攻撃を受ける。ビリーケンからセントーン、チエからはバンザイパンチを受けるくいしんぼう仮面。TAJIRIに対して、シリアスにチョップで対抗しようとするものの、トラースキックを受けて悶絶だ。続くビリーケンもビリンコ・バスター 、フットスタンプで痛めつけていく。しかし、くいしんぼう仮面も屈しない。キリモミ式のボディアタックをビリーケンにぶちかますと、すぐにタイガースにタッチ。ようやく出てきたタイガースは、鬱憤を晴らすかのようにTAJIRI、ビリーケン、チエに打点の高いドロップキック6連発だ。これで勢いを取り戻したタイガース組は、KUSHIDAが師匠・TAJIRIを攻め立て、トレイン攻撃を炸裂させる。そして、くいしんぼう仮面が雪崩式フランケンシュタイナーの大技を披露。さらに、TAJIRIをくいしんぼうドライバーで叩き付け、トップロープからトドメの関空トルネードを発射だ。しかし、TAJIRIは間一髪これをスルー。そして、必殺のバズソーキック! 見事にくいしんぼう仮面の側頭部を蹴り抜いて、3カウントを奪った。


『ハッスルGP2008』ベスト8選手入場式

決戦に先立ち、『ハッスルGP2008』2回戦に進出した8選手の入場式が行なわれた。入場式では、ステージ上に8選手が登場! 太田リングアナウンサーの選手紹介により、各選手がひとりずつ決戦に向けてマイクアピールだ!

「お前ら、大阪の英雄のお帰りじゃ! 今日は地元・大阪で大暴れしてやるからな!」(ゼウス)

「ゼウス! トゥデイ! ユー! ダーイッ! ハッハッハッハ!!」(ボブ・サップ)

「大阪のみなさんとRGは一生一緒にいてくれや♪」(RG)

「俺が真のハッスラーだっていうことを、あの芸のない芸人に教えてやるよ!」(川田利明)

「長尾浩志、このGP、一等賞を取るぞ!」(長尾浩志)

「チャンピオンはボノちゃんだ! ボノちゃんは横綱! ほかのみんなは、序二段だ!」(ボノちゃん)

「大阪! 突っ走っていくぞ! やってやるって!」(越中詩郎)

「優勝するのはこの俺だ! 俺こそがハッスルだよ!!」(坂田亘)

選手たちの熱い意気込みに場内から大声援が飛ぶなか、いよいよ『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA』開幕だ!


オープニングムービー

2004年のスタート以来、ハッスルのリングでは、ハッスル軍と高田モンスター軍の長きにわたる軍団抗争が繰り広げられてきた。そんな軍団の垣根を取り払い、現在開催中なのが、ハッスル初のビッグトーナメント『ハッスルGP2008』だ!

このGP優勝者には、全知全能である高田総統から、どんな願いでもひとつだけ叶えてくれる……世知辛いご時勢に、なんとも夢のある話である。

そして、最終予選を勝ち抜いた精鋭16名による過酷なサバイバルマッチが、7月の『ハッスル・ツアー2008』より開幕! 優勝候補の敗退、奇跡の逆転勝利に、まさかの乱入によるカード変更など、大混戦のGP1回戦は、ハプニングに次ぐハプニングの連続だ! そして本日、勝ち上がった8名による、さらに過酷な潰し合いが行なわれる!

まずは、ハッスル軍の同門・TAJIRIと、25分にもおよぶ死闘を制した坂田亘が、ハッスルの門番であるザ・モンスター℃を軽々一蹴した越中詩郎と激突だ! 先日の8・21後楽園大会では、試合後の坂田を越中が襲撃! プロレス界の大ベテランと、ハッスルのエース、時代はどちらに微笑むのか!?

続いて、あのジャイアント馬場、アントニオ猪木から3カウントを奪った“レジェンド”天龍源一郎にGP1回戦で完勝し、今月でめでたく満1歳のお誕生日を迎えたボノちゃん。今宵のGP2回戦は、かつての鬼教官であるアン・ジョー司令長官にひるむことなく真っ向勝負を挑み、見事に師匠超えをはたした長尾浩志が相手だ! 一発勝負のトーナメント、波に乗る長尾は地元・大阪で大番狂わせを起こせるのか!?

真のハッスラーになるには、強いだけではダメ! エンターティナーとして総合力が問われるGP。川田利明とRGのGP2回戦は、どちらが歌が上手いのか? 観客ジャッジで勝負を決める特別ルール! この勝負のカギを握るのは、観客であるあなたなのだ!

さらに、この数ヶ月、毎度のごとく乱入し、GP参戦を要求してきた男・ゼウス! 7・27横浜大会では、GP1回戦に乱入し、小路晃、こりん星代表のこりたんを連続ノックアウトだ! 8・21後楽園大会では、ゼウスに怒り心頭の小路と、GP2回戦進出を賭けて激突! ここでも小路を一蹴し、ついにGP参戦を強奪した。しかし、今日の相手は、“野獣”ボブ・サップだ! サップ相手に付け焼き刃は通じない。ゼウスの真価が、いま問われる!

灼熱地獄と化す大阪を制し、9・28名古屋大会ベスト4へと駒を進めるのは、一体誰か!? 今宵のハッスルは、歴史に残る猛暑となる!


前説

「ハッスル・ファンのみなさん! こんばんは!!」。恒例となったハッスル審判部の野口レフェリー&今井レフェリーによる前説がスタート! 両レフェリーは自己紹介を済ませると、野口レフェリーが、「選手が登場したとき、素晴らしいパフォーマンスをしたときには、大きな拍手と歓声を。また、リング上で卑劣な行為が行なわれたとき、RGがつまらないギャグを言った場合にはブーイングをお願いします」と応援方法を伝えて実践練習開始だ。
野口レフェリーが音頭を取り、今井レフェリーがお手本役となって、「総統」コール、ザ・モンスター℃の「C」コールを観客にレクチャー。最後に野口レフェリーは、会場でのマナーを注意して前説を締めくくったのだった。