大谷のエールを受け、フラフラになりながらも立ち上がった坂田は、「俺は、俺はまだ死んでねえぞ! 俺が死んでねえってことは、ハッスルは終わってねえんだよ!」と涙ながらにアピール。続けて、「いいか、わけあっていなくなった人間のことを言う気はねえ、何も言う権利もねえ。だけどな、こんな状況の俺や山口にも、新しい仲間がいる。そして、なにより今日会場に来てくれたファンのみなさんがいる限り、俺はひとりになったって、どんな壁が来たって乗り越えてみせる。俺は一生ハッスルし続ける!」と観客に向かって生涯ハッスル宣言だ! 会場から大きな拍手が飛ぶ中、坂田は「山口もけっして無責任な男じゃないんです。本当に命をかけてリングに上がったと思います。あとは、あいつの行いをどうか見てやってください。今日はこんな形のイベントになってしまいましたが、俺は胸を張って言える。現時点で俺ができるハッスルはこれだ。だから、俺は絶対に負けない。もうファンのみなさんを裏切るような真似は絶対にしない。だから、今日は俺とハッスルのために、ハッスルポーズをしてください! お願いします!」と観客に呼びかけると、「俺は絶対にハッスルを潰さん!」という掛け声と共にファンとハッスルポーズを決めて締めくくったのだった。
20分13秒 罰ッスルボム→体固め
ナットーマン・ザ・グレートが第1ハッスルで勝利をあげたため、晴れてメインイベント出場を果たすことができた坂田“ハッスル”亘。その坂田とタッグを組むのは、なんとこの試合がデビュー戦となる山口日昇ハッスルエンターテインメント代表だ! 一方、悪の策略によって坂田&山口代表を地獄のどん底に引きずりこもうと目論む黒の中村カントクは、Bustle軍(罰ッスル軍)を結成し、坂田&山口代表をファンの前で制裁しようと強力な男たちをスタンバイさせているという。劣勢必至の坂田&山口代表がこの逆境を跳ね除け、ファンの前でふたたびハッスルすることはできるのか!?
閉じるまずは坂田、そして山口社長の入場だ。山口社長は柔道着を着用して登場。リングの前に正座してから、リングインだ。続いて、Bustle軍は先程試合をしたばかりのハワイアンエキスプレス、そしてメガロドン&ブラック・ジョーカーの4人で登場だ。Bustle軍はレフェリーを追い出すと、中村カントクがマイクを持つ。そして、「誰も2vs2なんて言ってないんだよな。この試合は4vs2でやらせてもらう。しかも、俺がレフェリーやってやる!」と宣言。完全にBustle軍のペースだ。
まずは坂田とジョーカーで試合を開始。試合が始まると、レフェリーの中村カントクは明らかにBustle軍寄りのレフェリングを行うが、坂田もめげずに気合いで反撃。ジョーカーを追っ払うと、続くLOCOにも果敢に攻め込む。しかし、Bustle軍のコーナーに押し込まれ、MOCOの頭突きの餌食に。続くメガロドンもエルボー攻撃だ。しかし、坂田はローキックを連打すると、カウンターのドロップキックも決めて、ようやく反撃に移る。コーナーのBustle軍にもエルボー攻撃をお見舞いだ。しかし、多勢に無勢。あっという間にBustle軍に捕まり、攻撃が続かない。Bustle軍の集団攻撃を食らってしまうが、中村カントクは見て見ぬ振りでBustle軍に加担する。完全にローンバトルを強いられる坂田。見かねた観客からは「山口!」という声援を送られるが、山口社長も坂田にエールを送るしか為す術がない。中村カントクに必死に抗議する山口社長だが。その間、坂田はBustle軍のトレイン攻撃の餌食になってしまう。しかし、場外に落ちかけた坂田を掴み、山口社長が強引にタッチ。さあ、山口社長の出番か?
だが、坂田が「レフェリー下げろ!」と怒鳴り、無理やり山口社長を引っ込ませる。その隙にメガロドンのドロップキックで坂田が場外に転落。LOCOも加わって、坂田に暴行を働こうとする。ここでついに山口社長が拳を握りしめて突っかかる! しかし、あっさりと返り討ちに遭い、鉄柵まで投げ飛ばされてしまう。それでも山口社長はグロッキーの坂田に代わってリングに上がろうとする。だが、坂田が「下がれ!」と怒鳴り、断固として闘うことを許さない。ここで坂田も気合いが入ったのか、カウンターのフロントスープレックス、フライングニールキックで反撃を開始する。中村カントクの汚いレフェリングにもめげずに、ジョーカーをトップロープから落とすと、MOCOにはケサ斬りチョップを連発。さらにダイビングフットスタンプを炸裂させて、ようやくフォールの体勢だ。だが、レフェリーの中村カントクはこれを無視して、カウントを数えない。場内からは中村カントクに対して罵声も飛び始めるが、どこ吹く風。またもや坂田はBustle軍に捕まってしまった。ジョーカーの強烈なラリアット、合体パワーボムを立て続けに食らってしまった坂田。見るに見かねて、山口社長がリングイン! Bustle軍4人対して、チョップ攻撃で立ち向かっていく。意外にフォームは様になっているぞ!
だが、やはり素人では屈強なレスラーには敵わない。たちまち捕まり、コーナーでBustle軍のチョップ攻撃でたっぷりといたぶられてしまう。ここで場内からは大「山口!」コールが発生。それを逆なでするかのように、中村カントクもチョップを一発お見舞いだ。柔道着の下の胸板は既に真っ赤。リング下に落とされると、林リングドクターが心配して駆けつける。これで戦闘不能状態だ。その間、坂田も復活できず。メガロドンの垂直落下式ブレーンバスター、ジョーカーのドリラーホールパイルドライバー、MOCOのバックフリップ、LOCOのムーンサルトと、大技が次々と坂田に炸裂していく。しかし、坂田はこれでも3カウントを許さない。ハワイアンエキスプレスの合体フェースバスター、メガロドン&ジョーカーの合体ストレッチボムが炸裂しても、坂田は肩を上げる。
ここで見かねたセコンドの若鷹“ジェット”信介が救出するためにリングに入るが返り討ち。Bustle軍はジェットも集団でいたぶり、坂田を孤立させる。しかし、ここで坂田が奇跡の復活だ。坂田は気力でスーパーキックを連発して、Bustle軍4人を蹴散らす。そして、狙いは一人リングに残った中村カントク。逃げ場をなくした中村カントクに向かって、坂田は怒りのスーパーキック! すかさず、本来のレフェリーだった笹崎レフェリーがリングに入る。だが、最後の力を使い果たしのか、坂田にはもう反撃する力が残っていないようだ。坂田をリング中央に据えたBustle軍4人は、それぞれリング四方のコーナーに上る。そして、ジョーカー、LOCO、MOCO、メガロドンの順番に、空中弾を投下。これでも屈指なかった坂田だが、最後はメガロドンの肩車状態からのフェースバスターを食らって、万事休す。ついに、3カウントを喫してしまったのだった。
試合終了後も坂田をいたぶり続けるBustle軍。するとここで、大谷、越中、サスケが坂田を救出しに登場! これにはBustle軍も一目散に退散だ。ここでマイクを持った大谷は、「坂田、お前、ハッスルをひとりで守るって言ったんだろ? 諦めないって言ったんだろ? だったら、このままで終わるわけにはいかないよな? 確かに今日はボロボロになれたかもしれないよ、グシャグシャにされたかもしんねえよ。でもな、だからなんだって言うんだ! 本当に強い男ってのはな、何度倒されても何度でも立ち上がる男のことを言うんだ! 坂田、一生懸命がんばれ! お前を応援してる奴はたくさんいるんだ! これだけのお客さんが集まったんだから何かを期待してるんだろ? どん底から這い上がれ! 坂田亘を見たいんだろうが!」と坂田にゲキを飛ばすと、「俺はこんなこと言える立場じゃないけど、頑張れ!」と、最後はマイクを使わず地声で坂田にエール。
沖田リングアナウンサーより5月30日に後楽園ホールで第2弾大会が正式決定したことが発表されると、ここでリング上に現れたのは前WWEのFUNAKIだ! FUNAKIはマイクを持つと「突然ですけど、ただいま!」と観客に元気良く挨拶。続けて、FUNAKIは「どうしても後楽園ホールで僕は挨拶したかったんです。それはなんでかと言うと、デビュー戦の地がここだったんです。本当に感謝したいのは、ハッスルの山口社長と坂田。なんで坂田と呼び捨てするのかと言うと、昔、アニマル浜口ジムで一緒にトレーニングした仲だったんです。で、どうしても挨拶をしたかったから坂田に言ってこの時間をいただきました。本当にありがとうございます」と感謝を述べる。そして、最後にFUNAKIは「ハッスルですが、自分はできる限り応援していきたいと思います。みなさんもぜひまたおこしください。どうもありがとうございました!」と観客にアピールした。
9分44秒 ダイビングヒップアタック→体固め
たったひとりでハッスル再興を掲げた坂田に頼もしい援軍が登場! 人気バラエティ番組『アメトーーク』をきっかけにブレイクした大谷&越中の“アメトーークコンビ”だ! 一方、対するのはハワイからやって来たLOCO&MOCOのハワイアンエキスプレス。かつてはWWEの傘下団体OVWに所属していたというLOCO&MOCO。当然ながら実力も折り紙つきだ。大谷&越中はハッスルして、このハワイアン超特急の勢いを止めることができるのか!?
閉じるハワイアンエキスプレスはリングに上がるとなにやら叫びながら踊りを披露。そして、大谷と越中が戸惑っている隙に奇襲攻撃だ。そのまま場外に雪崩れ込む両軍。この場外乱闘で流れを掴んだハワイアンエキスプレスは、リングに戻ると大谷を捕獲し、二人がかりでいたぶっていく。素晴らしいコンビネーションで大谷&越中に付け入る隙を与えないハワイアンエキスプレス。大谷の次は越中を捕まえて、反撃の糸口を与えない。越中気合いのチョップ攻撃もMOCOの強烈な頭突きで返されてしまう。
だが、観客の大「越中!」コールに応えて、越中はこのローンバトルから脱出。すると、タッチを受けた大谷がLOCOに串刺し式の前蹴りを連発だ。しかし、ハワイアンエキスプレスは再びコンビネーションを見せて、大谷を捕獲。MOCOの頭突きでダメージを食った大谷はまたもローンバトルを強いられる。しかし、フライングニールキックで逆転した大谷は、越中とのダブルショルダータックルも炸裂させて完全に形勢逆転だ。そして、越中が「よくもやったな、この野郎!」とヒップバットを連発。ならばと大谷もヒップバットでアシストすると、越中のジャンピングヒップアタックも炸裂だ。そして、気合を入れてミサイルヒップの体勢に入った越中。しかし、LOCOに襲撃されて、トップロープから落とされてしまう。
MOCOのタッチを受けたLOCOは越中をヘッドシザーズで挟みながら、顔面をマットに打ちつけていくという珍しい技を披露。さらにサーフィンをするような関節技も披露した。続けて、MOCOのバックフリップ、合体フェースバスターで越中を追い込むハワイアンエキスプレス。しかし、LOCOのラリアットをMOCOに誤爆させて、形勢逆転。大谷が観客から大声援を浴びて、MOCOに顔面ウォッシュでお仕置きだ。これで越中にも気合が入った。場外に転落していたハワイアンエキスプレスに二人まとめて、エプロンサイドからダイビングヒップアタックを発射。最後は大谷のスワンダイブ式ミサイルキック、越中のトップロープからのミサイルヒップが連続で炸裂。MOCOから越中が3カウントを奪い、勝利を飾った。
【大谷晋二郎&越中詩郎のコメント】
■越中詩郎
「少しでも力になれれば。基本、自分の中ではどこであろうが精一杯返すつもりだから」
■大谷晋二郎
「越中さんとのタッグは数回組ませてもらったけど、お世辞でもなんでもなくこんなに楽しい大先輩はいないよ。僕が出てるときはコーナーからゲキを飛ばしてくれて、僕がコーナーに控えているときもコーナーにいられないぐらいの気持ちになっちゃうくらい元気一杯だし、越中詩郎の元気とは間違いなく今の時代に必要だと思ってます。(ハッスルについては?)見ての通りだよ。山口社長も言ってたじゃない。すべて借り物でって。しかし、堂々とみんなの前で言ってるじゃないか。一生懸命この大会を成功させようと思って動いてるじゃないか。くせえかもしれねえけどな、一生懸命な奴は報われなきゃウソなんだ。そんなことねえって言う奴もいるかもしれないけどな、俺が証明してやるよ! 坂田、山口、この二人が一生懸命頑張ってるんだから絶対に成功する。できる限りの力になりたいと思います。上からものを言うんでなく、一緒に頑張りましょうっていうことです」
10分42秒 ジャーマンCプレックスホールド
ザ・℃改めアイアム℃率いる℃軍団vs旧モンスター軍のモンスターによる軍団対抗戦が勃発! かつてはモンスター軍で人気キャラクターだったアイアム℃が、さらに仲間を増殖させて参戦。一方、対する旧モンスター軍の屈強なモンスターたちの中から今回選ばれた三人はいずれも危険度MAX。はたして、軍団のプライドをかけた闘いの行方は!?
閉じる℃軍団はかつてのように、会場から「シー!」コールを呼び起こす。相変わらず、会場人気は高いようだ。旧モンスター軍のメンバーが大音量の『パワーホール』で入場して、いよいよ試合開始。
先発はアイアム℃と長州かだが、アイアム℃は長州かとの攻防をすかして、「シー!」コールを起こさせることに集中している。そして、アーモン℃にとっとと交代。そのアーモン℃は長州かの攻撃に捕まり、さらにピラニアンとコブラ男爵から二人がかりの攻撃を食らってしまう。しかし、ピラニアン一人になったところで形勢逆転。ぎこちない「シー!」コールをしながらピラニアンをいたぶっていく。ジャイアン℃、アーモン℃と代わる代わる攻撃してから、アイアム℃に交代。アイアム℃はCの字クラッチを決めるなど、往年の℃殺法を披露する。
ようやくピラニアンが抜け出すと、タッチを受けた長州かが奮闘。ラリアット、サソリ固めで℃軍団に対抗していく。両軍の一進一退の攻防が続く中、長州かに追い込まれた℃軍団。しかし、コスチュームがみんな同じことを利用して撹乱し、逆に長州かを追い詰める。そして、最後はジャイアン℃がぶっこ抜きのジャーマンスープレックスで3カウントを奪ったのだった。
11分54秒 ラムジャム
黒の中村カントクによる悪の策略から復活することとなった“伝説のヒーロー”ナットーマン。その対戦相手のロボットマンは、マイケル・ジャクソンの再来とも言われているダンスで観客を魅了すると伝えられているが、はたして!? なお、この試合でナットーマンがハッスルできなければ坂田“ハッスル”亘はメインイベントに出場できないこととなっている。ナットーマンはこの大事な日にハッスルできるのか!?
そんな中、オープニングでナットーマンに代わって突如現れたのが、“東北の英雄”にそっくりのナットーマン・ザ・グレート。坂田がメインイベントに専念できるよう“大豆な場面”を引き受けたナットーマン・ザ・グレートは、ロボットマンを倒して坂田をアシストできるのか!?
閉じる黒の中村カントクに呼び込まれ、ロボットのような怪しい動きでリングに上がってきたロボットマン。リングに上がると、ロボットダンスを披露だ。
ゴングが鳴ると、ナットーマン・ザ・グレートは果敢にチョップを見舞っていくが、ロボットのようにカクカク動くロボットマンに効いた様子はない。ならばとショルダータックルにいったナットーマン・ザ・グレート。しかし、これも通じず、場外にたたき出されてしまう。ナットーマン・ザ・グレートもめげずに、トップロープからミサイルキックを放つが、あっさりとすかされて自爆するハメになってしまった。為す術なしか? ここでロボットマンの動きがスムーズになり、突然グラウンドの攻防を開始だ。
意外にもグラウンドテクニックにも長けているロボットマン。ナットーマン・ザ・グレートを手玉にとっていく。ならばと、ナットーマン・ザ・グレートはラリアットで流れを変えて、場外乱闘で逆転だ。一進一退の攻防を続けた二人だが、ナットーマン・ザ・グレートはロボットマンを鉄柱に激突させてダメージを与えることに成功。そして、リングに戻ると、場外のロボットマンに向かって、ロープ間から放つミサイルキックを炸裂させた。だが、トドメを狙ったトペ・アトミコはかわされて自爆。ここでロボットマンはまたしてもカクカクした動きに戻る。
こうなると動きはもちろん、体も硬質化するらしくナットーマン・ザ・グレートの攻撃が通用しない。ロボットマンは硬い動きと柔らかい動きを使い分け、ナットーマン・ザ・グレートに付け入る隙を与えない。ところが、ナットーマン・ザ・グレートはロボットに対しての奥の手、どこに隠していたのか水の入ったバケツを持ち出し、ロボットマンにぶっかける。これでショートしてしまったのか、ロボットマンの動きがストップ。だが、そのロボットマンを触ったためにナットーマン・ザ・グレートも感電する失態だ。
この隙に再び反撃を開始したロボットマン。しかし、ナットーマン・ザ・グレートもロボットマンのダイビングギロチンドロップをかわし、サンダーファイヤーボムでマットに叩きつける。最後はラムジャムでトドメを刺し、見事に勝利を奪ったのだった。
試合後、ロボットマンを下したナットマン・ザ・グレートはロボットマンに対抗して華麗なムーンウォークを披露。そしてマイクを持つと、「フォー!」とマイケル・ジャクソンばりに歓喜の雄たけびをあげ、「ロボットを倒したぞ!」と高らかに勝利宣言だ。最後にナットーマン・ザ・グレートは、「これでメインイベント、坂田さんの勝利を期待しています。頑張ってください!」と坂田にエールを贈った。
オープニングムービーが終わり、リング中央には坂田“ハッスル”亘が登場! 坂田は「本日はご来場誠にありがとうございます。昨年の資金難に始まり、ハッスルの一時活動停止、そして年明けに僕自身がハッスル再興を掲げ、今日この日を迎えることができました。いろいろな協力者、そしてファンのみなさまの後押しがあり、ここまで突っ走ってくることがきました。今日を持って僕の口からはネガティブな発言や後ろ向きな言葉は言わないつもりでいます。やると決めた以上、全身全霊で今後もハッスルしていきます。どうかみなさま、よろしくお願いいたします」と決意表明。
続いて、山口日昇ハッスルエンターテインメント代表は「この度はファンのみなさま、関係者のみなさま、そして選手のみなさま、こういう事態を招いたことはすべて私の不徳の致すところです。申し訳ありませんでした」と謝罪すると、山口代表は「申し訳ありませんでした!」と四方に向かって深々と礼。そして謝罪が終わると、「昨年の10月28日以降、ここ後楽園ホールを中心にしたイベントの中止。イベンターとしては本当に恥ずべき行為だと思います。今、ハッスルは正直申し上げまして焼け野原です。リングも無い、マットも無い、これはすべて借り物です。ただ、これから一歩一歩、種を撒いて水を撒けば、きっと花が咲くと思います。そして、みなさまが許していただけるんであれば、必ずハッスルを再興させたいと思います。どうぞよろしくお願いします」と、ハッスル再興に向けて決意を示すと、ふたたび四方に深々と礼をした。
これを受け、坂田は「今、山口が言ったことに嘘、偽りなどは一切ありません。今後もわれわれ二人をはじめ、われわれを支えてくれるスタッフと共に全身全霊でハッスルしていきたいと思います。われわれは逃げも隠れもしません」とアピール。するとここで、「おい、待て! 待て!」という声と共に黒の中村カントクが登場。黒の中村カントクは、「謝罪は聞いた。山口、お前はここに出てきたってことは試合をやる気があるんだよな? 逃がさないぞ! いいのか? やるんだな?」とメイン出場を山口代表に迫ると、「おい、坂田! こんなとこで何をやってるんだ? お前は第1試合でナットーマンをやらなければメインには出れないんだよ! そんな挨拶をしてる暇があれば、早くナットーマンに着替えて来い!」と坂田を罵倒する。
これに対し、坂田は「ナットーマンに着替える? あれは着替えじゃねえんだよ。変身なんだよ!」と猛反論。するとここで、「運命の糸が引いたとき……」というおなじみの前口上が会場に流れ出すと、「ナットーマン・ザ・グレート参上!」という雄たけびと共にナットーマンのテーマ曲が! ナットーマンに変身するはずの坂田も予期せぬ事態に困惑の表情を見せると、ホール南側から登場したのは“東北の英雄”にそっくりのナットーマン・ザ・グレートだ!
ナットーマン・ザ・グレートが颯爽とリングインすると、さっそく坂田が「サスケさんですよね?」と問いかける。これに対し、ナットーマン・ザ・グレートは「いやいや、違う。ナットーマン・ザ・グレートです!」と紳士的に挨拶。まったく状況が読み込めない坂田は、「今日はどういった……?」とふたたび尋ねると、ナットーマン・ザ・グレートは「いやいや、大豆な場面ですから」と当たり前のように返答だ。
ここで黒の中村カントクが「おい、サスケ! どう見てもサスケだろ! お前に試合をさせるつもりはないし、させる気もまったく無い。山口日昇がメインに出るときの『いい日旅立ち』を唄うために来場を許可したまでだ。とっとと帰れ!」と非常通告! これに対し、ナットーマン・ザ・グレートは「私は歌を唄いにきたんじゃありません。いいですか、私はナットーマン・ザ・グレート。今日は試合をしに来たのです! なんて言ったって大豆な場面ですから。」とアピールすると、観客から拍手が飛ぶ。さらに、ナットーマン・ザ・グレートは「いいですか、坂田さん。ここは私に任せて、メインイベントで山口社長をフォローしてください」と坂田にメインイベントに専念するよう伝えると、坂田は「甘えちゃっていいんですか?」と返すも、どこか表情は不安げだ。
このやり取りを見ていた黒の中村カントクは「どっちでもいい!」と吐き捨てると、「もし、お前が負けたら、坂田はメインイベントに出さないぞ! それでいいのか?」と通告。これに対し、ナットーマン・ザ・グレートは「絶対に勝ちます! 任せてください!!」と坂田に勝利を誓ったのだった。