高田総統以下、モンスター軍のメンバーがステージに勢揃いすると、さっそくアン・ジョー司令長官&島田工作員が観客に「総統」コールを促す。場内に大「総統」コールが巻き起こるなか、高田総統は「どんどん良くなるねえ。いいよぉ。どんどんエンジョイしようよ!」と、会場の「総統」コールにご機嫌だ! 続けて、高田総統は「いま、日本の政界は自民党総裁選でさ、勝手にはしゃいじゃってるらしいけど……」と旬の話題を持ち出すと、「ひとつだけ言っておくよ! ハッスルに政権交代はなしだ!」と力強く宣言! 場内から大歓声が沸き起こるなか、高田総統は「我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介。すかさずアン&島田が、「総統」コールを観客に促すと、またしても場内は大「総統」コールだ! これには高田総統も、「すごくうれしいな! 例えて言うならばさ、息子の運動会の綱引きで勝ったときぐらいうれしいな! えっ? たいしてうれしくないって? うれしいよ!」とノリノリだ!
するとここで、高田総統は「『ハッスルGP2008』が開幕して早3ヶ月……。長きに渡ってやってきたこのトーナメントも、いよいよ準決勝、決勝を残すのみとなった」と、9・28『ハッスル・ツアー2008〜8.28 in NAGOYA〜』(愛知県体育館)で行なわれるGP準決勝の話を切り出すと、「おい! アホの坂田! そして、若ノ鵬! いや、間違えちゃった白露山! そして……」と言ったところで、すかさず観客から「露鵬!」という声が! これには、高田総統も「先に言っちゃうなよ! 一番おいしいところだろうが!」とご立腹だ! 気を取り直して、高田総統は「おい、ボノよ! 貴様らの闘いを見てるとな、私の長期政権をますます確信しちゃうよ!」とニヤリ。この高田総統の挑発を受け、ボノちゃんは坂田に向かって「おい、アホの坂田! 今度の名古屋は、こうはいかないぞ! 覚えておけ!」とリベンジ宣言だ! すると坂田は「やかましいわ! この主役気取りが! いいか? ハッスルの看板を背負ってんのは、お前じゃなくて、この俺だ!」と応戦! さらに坂田は、高田総統に向かって「おい! 高田! 俺のチャンピオンベルトは用意できてんだろうな?」と問い詰める。
この坂田の問いに対して、高田総統は「ん? チャンピオンベルト? まさかお前……、自分が優勝できる器だと思ってんの?」ととぼけて見せると、「以前から“天下を取る!”と言ってはいるが、実は何も考えてないだろ? ハッキリ言ってやろう! このままでは、貴様はかつてのエースと同じ道をたどるだろうな」と、過去の例を出してピシャリ! さらに高田総統は、「かつてのエースとは、最近、柔道金メダリストの石井に便乗しているアイツだよ。あの男、いつまでハッスルポーズをやってるんだろうな?」と、“かつてのエース”小川直也にも、これまたピシャリだ!
過去の悪い例を引き合いに出された坂田は、「ちょっと待て! 俺をあんな銭ゲバと一緒にするんじゃねえ!」とすかさず反論! 続けて、「いいか! 俺はこのGPで優勝して、お前の独裁政権を倒すぞ! 高田のハッスルじゃなく、坂田亘のハッスルに変えてやるぞ!」と、高らかに政権交代宣言だ! と、ここで、このやり取りを聞いていた川田が「おい、いま言ったのは寝言だよな? おい! 寝言はな、寝てから言ってくれよ!」と割って入ると、「だいたいよ、お前とボノの試合が事実上の決勝戦だなんて、ありえねえよ。だいたい、このGPで、なんだかんだで一番頑張ってきたのは、この俺なんだよ! 絶対にGP、決勝戦を栃木でやるんだよ!」と、さも既定事実がごとく10・26『ハッスル・ツアー2008〜10.26 in TOCHIGI〜』(宇都宮市清原体育館)での決勝戦開催を勝手にブチ上げると、間髪入れずに高田総統が「やらねえよ!」とツッコミ! このやり取りに場内からも笑いが漏れる。
それでも諦めない川田は、高田総統に向かって「またまた〜、決勝は栃木でやるんですよ! だって、栃木では、ハッスルの話題で持ち切りですよ、ホラ!」と説得工作に出ると、場内ビジョンには、川田が地元・栃木の有名地方紙『下野新聞』で紹介された記事が映し出される。これには場内からも、「オーッ!」というどよめきの声と拍手が飛ぶ! さらに、ここぞとばかりに川田は、絶賛発売中のオリジナルTシャツを図々しくも生コマーシャルだ!
ところが、高田総統は場内のリアクションとは対照的に呆れた表情を見せると、川田に向かって「お前さ、福岡、横浜、大阪、名古屋と来てだよ。栃木で決勝はおかしいだろ? くだらない! ホップ・ステップ……バックになっちゃうじゃないかよ!」と、これまた厳しいツッコミだ! すると川田は、「総統、栃木大会は名前を変えて、『川田ボンバイエ』にしませんか?」と逆提案。すかさず高田総統は、「『川田ボンバイエ』って……胸くそ悪くなるフレーズだな」と即却下だ! ならばと川田は、「じゃあ、『川ダイナマイト』にします?」となおも食い下がろうとすると、高田総統は「貴様! こ〜のぉや〜ろぉ〜! 全部パクリじゃないか、それ! ボンバイエも、ダイナマイトも、マックスも、ドリームも却下だよ! それと戦極も!」とピシャリ! ところが、高田総統は「そんなに栃木で決勝をやりたいなら、知事! 知事くらい呼んで来いよ! ん? そしたら、考えてやるよ!」と、川田に仰天要求を突き付けたのだ!
この要求に対して川田は、「総統は、栃木県知事がどれだけ偉い人か知らないから、そんなことが言えるんですよ!」と反論! すると、高田総統は「栃木県知事がエライだって? そういう発想じゃ話にならないな。もういいよ!」とあっさり前言撤回だ! そして最後に高田総統は、「最後にひとつ言っておく! 真のハッスラーになるには、強いだけではダメ! デカイだけでもダメ! 歌が上手いだけでも、ましてや、カミさんが有名なだけなんて論外だよ! いいか? 己が真のハッスラーにふさわしいか、それぞれ勝ち上がった連中は、次の名古屋大会までにいま一度、自分自身を磨き直して来い! では、下々の諸君、28日の名古屋大会でお会いしよう。バッドラックだ!」と言い残し、バルコニーから消え去ったのだった。
ボノちゃん部屋、モンスター軍が去り、最後にリングに残ったハッスル軍。と、ここでTAJIRIが、「坂田さん! 今日の闘いはすごかったよ! あれなら名古屋も絶対にいけるよ!」と、GP準決勝での坂田の勝利に太鼓判を押すと、これを受けて坂田も「ありがとう! 負けたみんなの分まで絶対に取りかえすぞ!」と必勝宣言だ! すると突然、RGは「坂田さん! 僕は、このGPに出て以来、嫁に浮気を疑われて、大変な目に遭ってます。家庭崩壊の危機を救ってください! 僕の無念を晴らしてください お願いします!」と、坂田にとってはどうでもいいお願いをすると、すかさずKUSHIDAから「そう言えば、この前の大阪大会、みゆきちゃんは来てたんですか?」とツッコミが! さらに、\(^o^)/チエも「みゆきちゃんの部屋で、北京オリンピックの男子マラソンを一緒に見てたんだって!」と暴露だ! 思わぬところから飛び出したまさかの内部告発に、「ヨーヨー! 電波に乗せるな!」とうろたえるRG。すると、このくだらないやり取りを聞いていた坂田が、「RG! てめえ、人が死ぬ思いでやってんのに、この野郎!」とピシャリだ!
最後に坂田は、「決勝まで、あとひとつ! 名古屋でボノを叩き潰して、そしてGPで優勝して、俺がエースだって証明してやるぞ! 俺こそがハッスルだ!」と観客に向かって、改めてGP優勝宣言をブチ上げると、観客と一緒にハッスルポーズを決めて締めくくったのだった。
8分7秒 アクエリアスクラッチ
ハッスル2008年シーズン、ここまでMVP級の活躍を見せてきた二人の男がついに激突!
今年1月、母・インリン様に反発し、生まれ育った高田モンスター軍を離脱。以後、裏切り者としてモンスター軍の熾烈な報復に耐え続けてきたボノちゃんに訪れた母との悲しい別れ。今年上半期、様々な試練を逃げずに向き合ったボノちゃんの頑張りに、多くのファンが涙した。
そしていま、ボノちゃんは『ハッスルGP2008』を闘っている。1回戦では天龍源一郎、2回戦では長尾浩志を相手に貫禄の横綱相撲で圧勝! これまで数々の修羅場を乗り越えたボノちゃんは、ひとまわり大きくなっていたのだった。パパに会えるその日まで、ボノちゃんは走り続ける!
一方、もうひとりの主役の2008年は、最悪の始まりだった。かねてより痛めていた腰を“野獣”ボブ・サップに破壊され、2ヶ月間の戦線離脱を余儀なくされた坂田亘。不屈の忍耐力で復活し、5月の『ハッスル・エイド2008』(有明コロシアム)では、憎き因縁の相手であるサップから見事完勝! そして、7月には、妻・栄子さんと大々的な結婚披露宴も行なったのだ。
この頃から、坂田の言動には常に「ハッスルをメジャーに押し上げ、天下を取る!」という男の覚悟が垣間見られるようになる。優勝候補の大本命として出陣したGPでは、1回戦でTAJIRI、続く2回戦で越中詩郎をいずれも真っ向勝負で撃破! ここにきて、坂田のエンジンは全開だ!
今年のハッスルをけん引してきたボノと坂田。事実上の決勝戦と言っても過言ではない名古屋での準決勝、さらにGP制覇を目指し、2008年ハッスルの顔となるのはどっちだ!?
閉じる先発を買って出たのは坂田とボノちゃん。なんと坂田はゴングと同時にボノちゃんの顔に張り手を連発していく。これでボノちゃんも怒った! 凄まじい張り手で坂田をコーナーに追い詰めると、体で押し潰しながら怒濤の張り手を連発だ。一方の坂田も一歩も退かずにボノちゃんの顔面を張っていく。両者とも凄まじい闘志だ。続いて坂田がボノちゃんに組み付くと、ボノちゃんは引き落とし。ならばと、坂田は足を掬ってマウントポジションを奪うと、またもや張り手を連発だ。さらに、ボノちゃんの厚い胸板目がけてキックを連発。だが、ボノちゃんは強引に坂田を掴むと、ロープ越しに場外に投げ落としてみせた。ここでようやく両軍ともあーちゃんとTAJIRIにチェンジ。ダメ中年・あーちゃんが相手となれば、ハッスル軍のペースだ。TAJIRI、KUSHIDAと順番に痛めつけられ、相変わらずいいところがない。怒りのあまりTAJIRIをハンマーパンチで倒したものの、すぐさま足を引っかけられて倒され、ロープに激突してしまう始末だ。だが、なんとか続くKUSHIDAをショルダータックルで倒して、意地を見せたあーちゃん。続いてよしえちゃんもデッドリードライブ、ヒップドロップでKUSHIDAを圧殺していく。そして、再びボノちゃんの登場だ。だが、ボノちゃんは虫の息のKUSHIDAをハッスル軍のコーナーに叩き付けて、再び坂田に出て来るよう要求。ボノちゃんの目には坂田しか映っていないようだ。再びリング上で対峙したボノちゃんと坂田。両者とも、またもや闘志剥き出しで激突だ。まずはキックで攻めてきた坂田を合掌捻りで倒したボノちゃん。続いて坂田を担ぎ上げると、全体重を浴びせるようなブロックバスターだ。だが、坂田もボノちゃんの側頭部にスーパーキックを打ち込み、一矢報いる。ボノちゃん、坂田共にこれでダブルノックダウン状態だ。その隙にTAJIRIとKUSHIDAは、救出に入ってきたあーちゃんとよしえちゃんを同士討ちさせて、チャンスを作る。KUSHIDAがよしえちゃんに場外でトペ・コンヒーロを浴びせている間に、TAJIRIがあーちゃんを捕獲だ。そして、ハンドスプリング式エルボーアタックから、最後はアクエリアスクラッチ! キッチリとあーちゃんから3カウントを奪い、ハッスル軍が勝利をものにした。
試合後、敗戦にうなだれるボノちゃん部屋、幸先良く前哨戦を制して笑顔のハッスル軍と、クッキリと明暗が別れた表情を見せる両軍。と、ここで「なんだよ、このぬるい試合はよ!」という声が! すると場内に『威風堂々』が鳴り響き、ステージから姿を現わしたのは高田総統だ!
6分43秒 No.19
春先から、たったひとりでハッスルのリングで乱入を繰り返し、挙げ句の果てには強引に『ハッスルGP2008』出場権を奪い取った無法者・ゼウス!
ギラギラとした欲望をむき出しに成り上がろうとするこの男は、8・23大阪大会で行なわれたGP2回戦で、優勝候補の一角に挙げられていた“野獣”ボブ・サップと対戦。これまでハッスルをしきりに挑発してきたゼウスの真価が問われるこの一戦で、観衆はゼウスの実力に度肝を抜かれる結果を見せつけられたのだった。
まったくの無名だった男が、いともたやすくあのサップをねじ伏せる……。この男、決して口だけではなかったのだ。いまやハッスルにとって無視できない存在となったゼウス。そんななか、無法者の成敗にと、あの男が立ち上がる!
過去2度に渡りフライパンで襲撃されている川田利明。ここまで沈黙を守ってきたが、ゼウスのGP途中参戦で、ついに川田が本気になった! 今宵、ゼウスの対戦相手となるのは、やりたい放題を続けるゼウスに怒り心頭の“モンスター軍のヒットマン”アン・ジョー司令長官! これまでの人生、欲しいものは力で奪い取ってきた。どこで生きていこうとも、その生き様、変えるつもりはない!
閉じるゼウスの待つリングに上がったアンは、いきなりアイマスクを外すとゼウスに襲いかかる! 今日はいつになく気合いが入っているようだ。しかし、ゼウスはアンの奇襲にも動じない。あっという間にリング外に蹴散らして、余裕を見せる。ならばと、リング下からゼウスの足を引っ張ろうとするアン。だが、ゼウスはそのアンの腕を掴むと、強引にリングに引き戻してしまう! 凄まじい怪力だ。そして、フィンガーロックの状態から何度もアンをマットに叩き付けると、頭突きを連発。アンのフルネルソンも怪力で振りほどいて、首を無理矢理ねじ曲げにいく。さらにボディスプラッシュを極めたゼウスは、アンの起死回生ワキ固めも強引に外して、怪力ぶりを誇示だ。まるでいいところのないアンだが、やはり百戦錬磨の策士。巧みにゼウスの腕を獲ると、レフェリーの目を盗んで指を極めていく。指を攻められてはさすがのゼウスもたまらない。アンは踏み付けやニーリフトを使うなど、あの手この手でゼウスの指を痛めつける。ゼウスがリフトアップでアンを持ち上げようとしても、指のダメージで完全な状態で持ち上げることができない。さすがのゼウスこれまでか? しかし、ゼウスはアンのスクールボーイを間一髪キックアウトすると、フライングラリアットで反撃開始。さらに、アンがスモールパッケージにいこうとしたところを強引に引っこ抜いて、ブレーンバスターで叩き付けてみせた。こうなるとゼウスの勢いは止まらない。すぐさまトップロープに上ると、ダイビングボディプレスを発射! 鋼の肉体でアンを圧殺し、勝利を奪った。
アンを下し、堂々と勝ち名乗りを上げるゼウス。と、ここで花道から9・28名古屋大会で行なわれるGP準決勝の対戦相手である“モンスターK”川田利明が登場! さっそく川田はマイクを持つと、「おい! 俺はお前がいつもひん曲げてる、やわなフライパンとは違うぞ。それを俺が身を持って教えてやるからな!」と挑発アピールだ! これに対してゼウスは、「ええか? 名古屋でおっさんを踏み台にして、成り上がったるわ!」と、お決まりの“成り上がり宣言”で応戦! すると川田は、ゼウスに向かって、「お前こそ、名古屋で病院送りにしてやるからな。そういうことだ、バッドラックだ!」と言い残し、去って行ったのだった。因縁うずまく川田とゼウス、GP準決勝まで待ったなし!
7分19秒 パワーボム
今年の夏、ハッスルに討ち入りを仕掛けたキャリア30年の大ベテラン、侍・越中詩郎。
先月の8・23大阪大会で行なわれた『ハッスルGP2008』2回戦で、“ハッスルのエース”坂田亘と闘った越中は、惜しくも敗れはしたものの、酸いも甘いも噛み分けた緩急自在の試合運びと、今月で50歳を迎える男とは思えない驚異的な運動量で、圧倒的な存在感を見せつけた。
GPに敗退し、高田総統の友人である高田延彦と対戦する夢ははたせなかったが、越中のハッスルへのモチベーションは上がりっぱなし! 同じ50代で、現在絶不調にあえぐ天龍源一郎とは対照的なのだ。
越中「ハッスル軍の連中も、モンスター軍の連中も、たいしてハッスルしてねえからさ。サムライシロー様が、ハッスルで新しい流れを作ってみせるよ! これからは、ハッスルという江戸幕府をサムライシロー様がぶっ潰してやるって! 大政奉還だって! 篤姫が好きだって!」
そんな越中に対し、高田総統は“ジジイの空元気”と一刀両断! 若さと体力で上回る長尾浩志とのシングルマッチを決定した。
この長尾も、GP1回戦では、かつての師匠であるアン・ジョー司令長官から勝利。続く2回戦では、ボノちゃんに大善戦するなど、この夏、大きな飛躍を遂げた。越中と同じくGPは敗退したが、今後トップ戦線に浮上するためにもここで実績を作っておきたいところ。
リングに上がれば年なんか関係ない! よりハッスルしたほうがエライのだ! ハッスルできるのは、若い長尾か? ジジイの越中か?
閉じる越中がリングに上がって来るなり、奇襲を仕掛けた長尾。気合い満点で越中にニーリフトを連発していく。そして、キリモミ式のボディプレスを炸裂させると、マウントポジションからパンチを連発だ。今日の長尾は気合いが違う。しかし、相手は侍・越中詩郎。これで引き下がる男ではない。長尾のエルボーを「ウォー!」と叫んでこらえると、ビンタを連発! そして、場外に落とすと、早速ケツ爆弾でお返しだ。さらに越中は場外のマットを外してパイルドライバー。続けて、ケツ爆弾をぶち込んで、観客の声援を一身に集めてみせる。リングに戻ると、ヒップバットの連発から、アームブリーカーで長尾の左腕を痛めつける越中。越中の一気呵成の攻撃に長尾も防戦一方だ。それでも越中は攻撃の手を緩めない。ヒップバット、キャメルクラッチで痛めつけてから、頭突きもぶち込んでみせる。しかし、これで逆に気合いが入ったか、長尾が蘇生! ヘッドバットでお返しをすると、凄まじいビンタで越中の顔を張り飛ばす。一方の越中も負けずに張り手で応戦。さらに雪崩式ブレーンバスター、河津落としを決めると、ダイビングフットスタンプで長尾の土手っ腹を打ち抜く。そして、ブレーンバスターを決めてから、ヒップアタックでトドメの一撃を発射だ。だが、長尾もキックで越中のケツを迎撃。ムーンサルトで逆転を狙う。しかし、越中はこれを間一髪スルー。低空のケツ爆弾で反撃すると、今度はトップロープからミサイルヒップを発射! 最後は必殺のパワーボムで長尾をマットに叩き付け、完璧な3カウントを奪った。
試合後、長尾から完勝を収めた越中はマイクを持つと、「もういっぺん言ってやる! ハッスル軍? モンスター軍? そんなもん屁でもねえよ! サムライシロー様が、ぶった斬ってやるって!」と、高らかにアピールしたのだった。
12分5秒 満月斬
月夜に木霊する野獣の怨念。逃亡者HGに迫るモンスター包囲網!
ハードゲイ……HGは改造人間である。
高田モンスター軍の策略にはまり拉致されたHGは、モンスター軍最高医局長のドクター中松によって、改造手術を施されてしまったのだった。
ところが間一髪、最後の仕上げである脳の改造手術の前にHGは脱走に成功するも、肉体をモンスターに改造されたことで、ハッスルパワーまで封印されてしまったHG。その窮地を救ったのが、ハッスル軍専属の天才医学博士、ドクターKこと木下博勝氏だ!
そして迎えた復帰第1戦。ピンチに追い込まれたHGのカラダに異変が! なんと怒りが頂点に達したことで、HGはスーパーHGへと変身したのだ!
しかし! 裏切り者を許さない高田総統は、HGを抹殺せんと続々と刺客を送り込むことを宣言! 今宵のモンスターは……“呪いの人食いモンスター”人狼だ!
かつて、オオカミに襲われ命を落とした嘘つき少年の魂に、高田総統がビターンを与えることで復活。狡猾な性格に加え、オオカミの残忍さを併せ持つ凶悪モンスターとして、高田総統が新たに生み出したのが、人狼だ。さらに、満月を前にすると、その残虐性に一層磨きがかかる人狼。今宵、後楽園ホールに血の惨劇が巻き起こる!
閉じる先発を買って出たHGとモンスター℃は今日も掛け声合戦。だが、やはり分があるのはモンスター℃だ。観客はHGが「フォー!」を要求しても、「シー!」と叫んでしまうのだからたまらない。ガックリとうなだれたHGだったが、気を取り直して続く人狼との対戦に挑んだ。その人狼だが、凶暴そうな狼顔とは裏腹にHGと基本的なレスリングの攻防を展開してみせる。そして、アームドラッグの投げ合いで優位に立つと、ドロップキックも炸裂させた。ここで、珍しくやる気を見せたのがRG。HGからタッチを受けると、気合いの入った表情でロックアップを人狼に仕掛けていく。だが、アッサリと腕を獲られてしまうのだから、やっぱりRGだ。頭を軸にクルクル回転させられるなど、おもちゃ扱いだ。続くモンスター℃にも頭への摩擦攻撃を受けてしまうRG。さらにモンスター℃からはロープを使ったCの字の固め技でタップリと痛めつけられてしまう。リング中央でもさんざんCの字に体を折り曲げられて悶絶だ。これでダメージを負った腰に今度は人狼がボーアンドアローで追撃。さらにツープラトンのアトミックドロップをケツに食らい、大きく吹っ飛んだ。見かねたHGがここでようやく救出に登場する。フライングニールキックで人狼を蹴散らすと、モンスター℃にはPWでお仕置きだ。ところが! ここで場内が暗転! スクリーンには満月の映像が映し出されている。すると、これを見た人狼が突如豹変! 顔つきも狼顔から化け物顔に変貌し、何やら吠え立てているではないか! 変身した人狼はリングに上がるとたちまちHGを蹴散らすと、RGをノドを掴んだままマットに叩き付ける変形のチョークスラム。そして、トップロープにRGを据えると、雪崩式で先程の変形チョークスラムでRGをマットに叩き付ける。RGがこの強烈な技を返せるわけもなく、3カウント! 人狼が驚異の変身で、モンスター軍に勝利をもたらした。
試合後、人狼の突然の変貌に驚きの声を上げるHG。するとマイクを持ったRGは弱々しい声で、「スーパーHGに変身するんじゃなかったの?」と、敗因は変身しなかったHGにあるとばかりに問い詰めるも、すかさずHGから「セイ! 俺が変身する前に、お前がフォールを取られるのが悪いんだろ! 最近、お前、やられるのが気持ち良くなって、勝つ気がないんだろ! しっかりしろ!」とツッコミが入る。
続けて、HGは「それよりもモンスター軍! 今日はタッグで不覚を取りましたけど、1vs1の勝負なら負ける気がしませんよ! スーパーHGに変身さえすれば、あんな奴なんて屁でもないですからね! 次の名古屋、必ず決着つけてやりますよ!!」と観客にアピールしたのだった。
するとここで、ふたたび場内が暗転。ビジョンに「満月を前に変身、凶暴性を高めた人狼に手も足も出なかったHG。迎える名古屋での直接対決、はたしてHGは、血に餓えた野獣を食い止めることができるのか!? 次回、HG大ピンチ! 狼の咆哮が名古屋城に木霊する! ご期待ください!!」という次回予告が! はたして、HGは人狼との一騎討ちで、このピンチを乗り越えることができるのか!?
2分33秒 工作員波乗り固め
9月8日、高田モンスター軍から、一部人事に関する発表会見が行なわれた。
長年の下働きが認められ、島田二等兵は、高田総統から下されるミッションを遂行する特命係長・島田工作員に。そして、空席となった二等兵の席に座ることになったのが……なんと、高田モンスター軍に電撃入団をはたした元PRIDEファイター、小路晃だ!
高田延彦元PRIDE統括本部長の推薦で、『ハッスルGP2008』にエントリーした小路だが、7・27『ハッスル・ツアー2008〜7.27 in YOKOHAMA〜』(横浜文化体育館)で行なわれたGP1回戦では、試合前にゼウスに襲撃され、まさかの失神KOを喫してしまった。
そして、8・21『ハッスル・ツアー2008〜8.21 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)にて、因縁のゼウスと一騎討ちを行なうも完敗。格闘技の実績は、ハッスルではなんの役にも立たないという厳しい現実を突き付けられた。
ならば、新弟子になったつもりでイチから修行したいと、謙虚な気持ちでモンスター軍入団を申し出た小路だったが……。待ち受けていたのは、上官である特命係長・島田工作員によるモンスター軍の厳しい洗礼。これにより、小路二等兵の過酷なモンスター軍修行生活が始まった……。
場内ビジョンには、試合前のモンスター軍控室が映し出される。と、ここで特命係長・島田工作員が登場! さっそく島田は、部下である小路二等兵を呼び出しすると、「はっ! 恥ずかしながら、わたくし、小路二等兵であります!」と、二等兵ルックに身を包んだ小路が登場だ!
二等兵ルックが妙にはまっている小路を見た島田は、「お前、まるで二等兵になるために生まれてきたみたいだな!」とからかうと、「おい! 小路二等兵! 俺たちに課せられた特命は何か、分かってるんだろうな?」とチェック。この問いに、小路は「はっ! 川田さんがコスチュームチェンジをするため、時間をつなぐことであります!」とマジメに返答すると、すかさず島田は「バカヤロウ! この富山の田舎もんが! そんな裏事情を説明してどうすんだよ!」と、上官らしく部下を一喝だ!
続けて島田は、小路に向かって「違うだろ! 俺たちの特命は、動けないクセに現役にしがみついている、あの老いぼれ天龍を自分から引退に追い込むことだ! 普通に追放してもちっとも面白くないからな。いたぶって、いたぶって、“もう、寄る年波には勝てません。老人ホームに入れてください”と、あいつの口から言わせてやるんだ! わかったか!」と、今回課せられた特命を説明だ! 懇切丁寧な島田からの説明を受けた、小路は「はっ! 微力ながら、自分も“打倒・天龍”の任務を命がけで遂行いたします!」とこれまたマジメに命令に従うと、ここで島田は「聞いた話じゃ、あの老いぼれ。GPで痛めたワキ腹がまだ治ってないらしいぞ。ジジイの骨はスカスカだからな!」と高笑いだ。
ここでようやく島田は、「今日は、モンスターKと俺とお前の3人で、ジジイを思いっきり虐待してやるからな! わかったな? じゃあ、行くぞ!」と小路に出撃命令を下すと、すかさず小路は「はっ! 残念ながら、(川田が)もう少し着替えに時間がかかるとのことであります!」と、またしてもマジメに裏事情を暴露! この報告に、「何をぐずぐずやってんだ!」と逆ギレした島田は、「貴様、歯を食いしばれ!」と小路にビンタを炸裂させ、理不尽なやつ当たりをしたのだった。哀れ、小路二等兵……。
閉じる両軍が入場を終えると、さっそく島田が「おい、天龍! 今日でお前の輝かしいキャリアも終わりにしてやるからよ!」と天龍を挑発! 小憎らしい島田の挑発に怒った天龍は、持っていたペットボトルを島田に投げ付けると、これを合図に試合開始のゴングだ!
まずはモンスター軍デビューとなる小路がいきなりタックルを決めて、天龍をテイクダウン! そして、マウントパンチを叩き込んでいく。しかし、天龍はすぐさま浴びせ蹴りで巻き返すと、逆水平チョップを連発! そして、延髄斬りからWARスペシャルでギブアップを迫る。ところが、ここで川田がキックでカット。たまらず手を離した天龍に、小路はローキックを連発してから、腕十字だ。すると、調子に乗った島田までもが腕十字! 天龍は両腕を腕十字で極められるというピンチに陥った。さらに、モンスター軍はトレイン攻撃で天龍に追撃。ここでも調子に乗る島田が、武藤敬司ばりのラブポーズを決めてから、なんとも不格好なスペースローリングエルボーを叩き込む。モンスター軍の一気呵成の攻撃に反撃の糸口すら見いだせない天龍は、川田のジャンピングハイキックを食らって遂にダウン。と、ここでまたも憎たらしい島田が川田にタッチを要求してきた。そして、川田からタッチを受けた島田は、サーフィンのように両手を広げると、天龍を踏み付け式体固め! 天龍はこの屈辱的な体勢も返すことができず、無念の3カウントを許してしまった。
試合終了を告げるゴングが鳴っても、なおも天龍をいたぶり続けるモンスター軍。ここぞとばかりに、島田は天龍に引退を迫る。と、ここで花道から突如現われたのは、なんと越中詩郎だ! 越中は、お得意のケツ攻撃でモンスター軍を瞬く間に蹴散らして、盟友である天龍を救出! これに怒った島田はすかさずマイクを持つと、「この田舎侍が! なんで出てきやがったんだよ!」と逆ギレだ! もちろん越中も、「おい! ふざけんな、てめえ! 上がってこい! ぶっ殺すぞ!!」と応戦! すると島田は、「その言葉忘れんなよ! 特命係長を怒らせるとどうなるか、思い知らせてやる! 覚えやがれって〜!!」と、掟破りの“逆やるって節”で越中をからかいながら、「バ〜カ、バ〜カ」と小学生のケンカのごとく逃げるように退場したのだった。
卑劣な行為をするモンスター軍への怒りが収まらない越中は、ボロボロに痛めつけられた天龍に向かって、「おい! どうした天龍? これから反撃開始だぞ!」とゲキを飛ばし、リングを後にした。はたして、越中の侍魂で“怖い天龍”を呼び起こすことができるのか!? 今後の展開から目が離せない!!
場内暗転からスポットライトに照らされてリングに姿を現したのは、“モンスターK”川田利明だ! 川田は「元気ですかーっ!! 元気があれば、モノマネもできる!」と、ノリノリでアントニオ猪木のモノマネを披露! 珍しい川田のモノマネに、早くも場内から大歓声が沸き起こる。続いて川田は、「今日は、ハッスル・ツアーin後楽園へようこそ!」と挨拶すると、まずは本日の対戦カードを発表だ!
カード発表を終えたところで、さっそく川田が話を切り出す。「見ても分かる通り、俺はこのあと、すぐに試合に出るんだよ。でも、オープニングは断固として譲れないから、こうして出てきちゃったよ。みんなも知ってる通り、いよいよ来月、俺の夢だったハッスル栃木開催が実現する!」と観客にアピールすると、場内からは祝福の拍手が飛ぶ。
観客からの後押しにご満悦の川田は、「高田総統は反対してるけど、俺は絶対に準決勝を勝ち抜いて、そしてGPを優勝して、CDデビューする! というわけで、今日はこの曲を聴いてくれ!」という掛け声とともに、場内に流れてきたのは5・24『ハッスル・エイド2008』(有明コロシアム)のオープニングで披露し、観客の度肝を抜いた沢田研二の『TOKIO』……ではなく、替え歌の『TOCHIGI』だ!
『TOCHIGI』作詞:“モンスターK”川田利明
♪宇都宮 大田原 足利 日光 佐野 小山
那須塩原 真岡 矢板 スーパーシティが燃え上がる
TOCHIGI 住みたくない県第3位
TOCHIGI アイラブ栃木県
どこにあるのか わからないーとお前は言ってたね
教えてやろう 北関東の 群馬茨城 挟まれてるのさ
TOCHIGI 影の薄さは日本一
TOCHIGI アイラブ栃木県
♪いろは坂 猿軍団 世界遺産の東照宮
とちおとめ とちぎ和牛 ぎょうざ かんぴょう 佐野ラーメン
TOCHIGI 日本一の観光地
TOCHIGI アイラブ栃木県
TOCHIGI 川田とガッツの生まれ故郷
TOCHIGI アイラブ栃木県
パラシュートならぬビニール傘を背負って熱唱する川田に、場内から一斉に大歓声と拍手が飛ぶ。ノリノリで『TOCHIGI』を歌い終えた川田は、「みんな! 栃木でハッスルの大会を開催するにあたって、俺を後押ししてくれ!」とアピールすると、最後は「みざる! いわざる! きかざる! トッチギ! トッチギ!」の栃木ポーズで、単独リサイタルを締めくくった。
優勝すれば、どんな願いもひとつだけ叶ってしまう……。
7月に開幕した『ハッスルGP2008』もいよいよ佳境へ突入! あとは準決勝、決勝を残すのみとなった。負けたら終わりの壮絶なサバイバルマッチの結果、当初16名いた猛者たちは、4人に絞り込まれた。そして、9・28『ハッスル・ツアー2008〜9.28 in NAGOYA〜』(愛知県体育館)にて、最後の二つの椅子をかけた闘いが幕を開ける!
まずは、2008年ハッスルの主役二人が注目の初対決! TAJIRI、越中という実力者を退け、真のエースへの階段を着々と駆け上がっている坂田亘。対するは、ハッスル軍の天龍源一郎、長尾浩志を圧倒的な横綱相撲で下したボノちゃん。実はどちらも名古屋出身なのだが、事実上の決勝戦と言われるこの一戦で、故郷に錦を飾るのは一体どっちだ!?
春先から、毎度のように乱入を繰り返し、とうとう『ハッスルGP2008』に割り込み参戦。元PRIDEファイターの小路晃、そしてなんと“野獣”ボブ・サップをも撃破し、無名の存在から一気に頭角を現わしたゼウス。この男、ただの無法者ではない。徐々に明らかになるその実力。だが、ルール無用の強引なやり口に、モンスター軍最強の男“モンスターK”川田利明が、黙っていなかった。
実は、川田は過去に2度、ゼウスにフライパンで襲撃された苦い経験が……。だが、悲願のハッスル栃木開催を実現するため、GPに専念。リベンジをはたせずにいた。ところが川田の優勝を待たずして、栃木大会の開催が急遽決定! さらに、ゼウスがGPに割り込み参戦してきたため、リベンジしたい川田にとっては願ったり叶ったりの展開に!
失うものは何もないばかりに、ひとりでハッスルにケンカを売ってきたゼウス。対する川田は、ハッスルの権威を守ることができるのか!?
決勝戦にコマを進めるのは、4人のうちの誰か!? 今宵は、激しい前哨戦の火花が散る!
「みなさん! こんばんは!!」。恒例となったハッスル審判部の野口レフェリー&今井レフェリーによる前説がスタート! まずは、野口レフェリーの音頭で『正しいハッスルの観戦方法』をレクチャーだ。
ところが、「総統」コールやザ・モンスター℃の「シー」コールの練習など、明らかにモンスター軍寄りの説明しかしない野口&今井のレフェリーコンビ。
と、ここで花道からKUSHIDA&\(^o^)/チエのヤングハッスル軍がダッシュでリングイン! 「ちょっと、ちょっと! 野口さん! さっきから聞いてれば、モンスター軍のことばっかじゃないですか!」とKUSHIDAが猛抗議をすると、続いてチエも「おい、今井! お前、いつまでたってもたどたどしいんだよ!」と、自分のことは棚に上げて今井レフェリーの前説にきついダメ出しだ。
これに対して、野口レフェリーは「なんですか? なにかやりたいことがあるなら、どうぞご自由に」とKUSHIDA&チエにバトンタッチ。KUSHIDA&チエは改めて自己紹介を済ませると、「ハッスル軍の選手がピンチのときは、ぜひみなさん、大きな声でコールをお願いします!」と応援方法を伝え実践練習だ。
KUSHIDA&チエによる応援練習も無事に終わり、最後はKUSHIDAが応援ボードコンテストの説明、そして野口レフェリーが会場での観戦マナーを注意して、前説を締めくくったのだった。