ファイトカード

高田総統劇場

高田総統以下、モンスター軍のメンバーが貴賓席に勢揃いすると、さっそくアン・ジョー司令長官&島田工作員が観客に「総統」コールを促す。場内に大「総統」コールが巻き起こるなか、高田総統は「前説が効いてるじゃん! いいよ! いいよ!」と、会場の「総統」コールにご機嫌だ! ところが、高田総統は「今日はアホの坂田が勝ったけど、広島カープも勝っちゃったぞ!」と告げると、意気消沈する観客を眺めニヤリと笑いながら、「我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介。すかさずアン&島田が、「総統」コールを観客に促すと、またしても場内は大「総統」コールだ!

するとここで、高田総統は、試合に敗れたボノちゃんに向かって、「おい、ボノよ! パパに会えなくて残念だったな。所詮、お前は、ひとりぼっちのみなしごだ! 悪く思わないでくれよ。すべての責任は、お前自身の弱さにあるのだからな!」と厳しい言葉を浴びせる。この高田総統の言葉に、グッと悔しさを噛み締めるような表情を見せ、リングをあとにしていくボノちゃん。場内からボノちゃんに温かい拍手が送られるなか、ここで坂田が「ボノ! ちょっと待ってくれ! 高田はあんなこと言ってるけどな、やっぱお前は、横綱だよ。死ぬかと思ったよ! ボノ、お前はまだ1歳だろ? これからオヤジに会うチャンスなんて、いくらでもあるよ。諦めんな!」と、ボノちゃんの背中ごしにエールを贈る。

この感動の場面をぶち壊すように、「知ったようなこと言ってんじゃねえよ! このエース気取りが! 正直言って、ここにいる観客は、お前よりもボノに勝って欲しかったんじゃないのか? なのに、貴様が勝つとは……空気を読めよ! エンターテイナーなんだからさ!」と茶々を入れる高田総統は、続けて「存在感で言えば、ボノは確かにエース、いや横綱級だ。それに引き換え、いまの貴様にはエースの存在感などひとつも感じないんだよ! そんな奴が決勝進出とは……」とピシャリだ! さらに高田総統は、「こればっかりはな、いくらカミさんにお願いしてもダメなんだぞ。まっ、モンスターKにエースの存在感があるかはさておき……」とボヤくと、すかさず川田から「総統、そりゃないでしょう! 俺は自分でエースって言うほど図々しくないですけど、器的には十分だと思いますよ!」とツッコミが入る。

と、ここで川田は、決勝戦で闘うことになる坂田に向かって、「おい、アホ! そういうことだから、次の決勝戦で、俺が身も心もズタズタにしてやる!」と宣戦布告! これに対して、坂田は「俺はな、このままじゃハッスルはダメになると思っている。お前らがそうやって牛耳ってる間にな、俺が優勝したらハッスルを変えてみせるぞ!」と、負けじとハッスル革命宣言だ! ところが、「何を変えるんだよ。一夫多妻制でも採用するのかよ?」と、意気込む坂田をあざ笑う高田総統。すると川田が会話に割って入り、「ところで総統! 決勝戦をどこでやるのか、まだ決まってませんよね?」と、わざとらしくGP決勝戦の話題を振る。

この川田の問いに対して、「ああ、それがどうかしたんだよ?」と、そっけない返答をする高田総統。すると、川田は「実は俺、この前、栃木県庁に行って、県知事に会ってきたんですよ」と、先日ついに実現した栃木県知事への表敬訪問をここぞとばかりにアピールだ! さらに、ビジョンには川田と福田富一知事のツーショットも! これには場内からも大きな拍手が沸き起こる。さらに川田は、「そこで、つい話が盛り上がって、“決勝戦を栃木でやります”って約束してきちゃったんですけど……」と高田総統に明かすと、すかさず「はあ? おいおい、私は何も聞いてないよ」と高田総統からツッコミが入る。

ところが、この高田総統の反応もすでに計算済みだったのか、川田は「でも、約束した以上、開催しないとまずいと思うんですよ。もし、栃木で決勝を開催しなかったら、高田総統は栃木県民全員から嘘つきだと思われちゃいますけど、いいんですか?」と高田総統を問い詰める。これに対して、高田総統は「おい! 何を勝手なことしてくれちゃってんだよ!」と怒り心頭だ!

しかし、まったく反省の色が見えない川田は、「総統が反対してる理由、当ててみましょうか?」と高田総統に揺さぶりをかける。この川田の揺さぶりに対し、「なんだよ」と平静を装う高田総統。すると川田は、「俺に主役を持っていかれるのが悔しいんでしょ。総統は、そういうところが意外とちっちゃいからな〜」と、恐れ知らずの暴言炸裂! このあまりにも失礼な川田の暴言に対し、高田総統は「カッチーン! あったまきた! さすがの私もカチンときちゃったよ!」とブチ切れると、「わかったよ! やりゃいいんだろ! じゃあ、GP決勝戦は栃木で……やってやるってってってって!」と半ばヤケクソ気味ながらも、なんとGP決勝の栃木開催を発表してしまったのだ!

ビジョンに映し出された“GP決勝戦、まさかの栃木開催決定!”の告知を見て、「恐れていたことが現実になっちゃったよ……」とボヤく高田総統。一方、確信犯的な揺さぶりで、高田総統からの了承を得ることに成功した川田は、「これで最高の場が整ったぞ!」と喜びを爆発させると、坂田に向かって「おい! 地元でまったく人気のないアホ! 俺はお前を叩き潰して、正真正銘の栃木の英雄になるんだよ! そして、CDデビューの夢をはたすんだよ!」と優勝宣言だ! これに対して、坂田は「場所なんかどこでもいい。俺は、今日、応援してくれた名古屋のファンのためにも、ハッスルをもっともっとメジャーに押し上げるためにも、このGPを必ず取るぞ!」と、負けじと優勝宣言! さらに、坂田は「それから高田! 優勝したら、俺と闘う約束、忘れんじゃねえぞ!」と、高田総統に改めて対戦要求をブチかます!

すると、坂田の対戦要求に対して高田総統は、「私との試合を付け足しみたいに言うんじゃないよ! メインに持ってこいよ!」とツッコミを入れると、川田と坂田に向かって「勝ったほうは、試合でも、CDデビューでも、なんでも叶えてやるよ! その代わり、決勝戦にふさわしい素晴らしい試合を見せてくれたまえよ。そうでなければ、夢を叶えてやる甲斐がないからな」とニヤリ。そして最後に、「では、名古屋の諸君! ドラゴンズのクライマックスシリーズのエントリーを願いつつ、またお会いしよう! バッドラックだ!」と言い残し、消え去って行ったのだった。

モンスター軍が去り、リング上に残ったハッスル軍。するとここで、KUSHIDAがマイクを持つと、「それにしても、こんなに盛り上がってるGP決勝戦を、本当に栃木なんかでやっちゃっていいんですかね? 高田総統は、本当にそれでいいと思ってるんですかね?」と誰もが思っている疑問を敢えて口にすると、これに対して「クッシー! どこでやろうと関係ない! 地方に行けるのは楽しいじゃないか!」と、ひとり地方大会に向けて間違った闘志を燃やすRG。すかさず、チエから「RGさん、また浮気してるんでしょう!」とツッコミが入る。気が付けば、話が栃木大会からRGの浮気ネタというどうでもいい話題にシフトし、はしゃぐ3人。すると、このやり取りを黙って見ていたTAJIRIが、「そんなどうでもいい話で盛り上がってるんじゃないよ! 分かってる? GP決勝だよ? ハッスル軍にとっても、ハッスル全体にとっても、ものすごい重大な局面なんだから!」と、3人をピシャリだ! 続けて、TAJIRIは「坂田さんも分かってます? 決勝ですよ? いま自分が置かれてる状況、それから、ハッスルが置かれている状況、あなたはどういうふうに考えているんですか?」と、坂田を問い詰める。

このTAJIRIの問いに対して坂田は、「分かってるよ、TAJIRI。俺は、このハッスルをちびっ子からおじいちゃん、おばあちゃんまで、誰もが知ってる一流のブランドにしたいんだ! だから、そのためにも、このGPを必ず優勝してやる! そして次は、大みそかだ! みんな今年も観たいだろ?」と観客にアピールすると、場内からは大きな拍手が! 続けて坂田は、「大みそかに、世間に対してもうひと勝負かけるぞ! みなさん、俺がいま言ったことは確定事項でもなんでもなく、選手、スタッフが思ってることであって、みんなそれぞれ“俺たちはこんなもんじゃない!”と思ってます。そのためにも、もう一度、大みそかにひと勝負したい! だから、少しでいい、俺たちに勇気を与えて欲しい。俺たちと一緒にハッスルしてくれ!」と呼びかけると、最後は観客と一緒にハッスルポーズを決めて締めくくったのだった。 

メインハッスル〜『ハッスルGP2008』準決勝〜

10分13秒 スーパーキック

優勝者は、どんな願いごとでも叶えてもらえる『ハッスルGP2008』。これより、決勝戦残りひとつの椅子を賭けて争うボノちゃん、そして坂田亘。この二人ほど、己の夢に強い思いを抱き、GPを闘ってきた者がいるであろうか?

今年5月の『ハッスル・エイド2008』(有明コロシアム)。最愛の母、インリン様と永遠の別れを告げたボノちゃん。ママとの約束をはたすため、悲しみを乗り越え、GP出場を決意した。優勝して、パパであるグレート・ムタに再会する。そんな強い決意を抱き、迎えたGP1回戦。相手は、優勝候補の一角とされた“ミスタープロレス”天龍源一郎。序盤から激しい気迫のぶつかり合いとなったが、夢にかけるボノちゃんの気迫が勝った。

続くGP2回戦、成長著しいハッスル軍の長尾浩志に対し、圧倒的な横綱相撲で圧勝! そこには、母・インリン様との闘いを経て、ひと回り大きくなった息子の姿があった。ボノちゃんにとって、ここ名古屋は、卵からふ化した生まれ故郷。ママとの思い出の地で、夢を諦めるわけにはいかない。

そして、もうひとりの男も、ここ名古屋の生まれ……。昨年11月『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)。ハッスル最強のボスキャラと恐れられた高田総統の闘う化身、ザ・エスペランサーから見事な勝利をあげ、一躍、ハッスルのエースとなった坂田亘。エスペランサーに勝つという偉業をはたし、2008年はまさしく坂田の年になると、誰もが思った。しかし……。

昨年の大みそか『大みそかハッスル祭り2007』(さいたまスーパーアリーナ)に出現した高田総統の新たな化身・高田将軍の前に、坂田は一撃で失神KO。さらに、2008年に入り、“野獣”ボブ・サップに古傷の腰を破壊され、2ヶ月間の戦線離脱を余儀なくなれてしまった。その間、ハッスルはボノちゃんを中心に展開。坂田は、主役争いから一歩も二歩も後退してしまう。

今回の『ハッスルGP2008』は、坂田にとって天下統一の雪辱ロード。だが、ここまでの道のりは決して簡単ではなかった。25分にも及ぶ死闘となったGP1回戦のTAJIRI戦。キャリア30年の重みを嫌というほど味わったGP2回戦の越中詩郎戦。だが、“打倒・高田総統”をはたすため、石にかじりついても勝たねばならなかった。

絶対に勝たねばならない。坂田にとって、ここは天下への一里塚! 地元対決となるGP準決勝第2試合。名古屋のファンのみなさん! あなたは、どっちの夢が叶って欲しいですか?

閉じるゴングが鳴ると、両者構えたまま様子を見合う。凄まじい緊張感がリング上を支配している。まず、仕掛けたのは坂田! 掌底を連発してくるが、ボノちゃんは一撃で返す。ならばと、坂田はローキックを連発。さらに下から足関節を仕掛けるが、ボノちゃんには通じない。あっという間に坂田をロープに押し込むと、凄まじい張り手を一撃! そして、坂田を場外に叩き落とす。場外では客席に雪崩れ込み、坂田を投げ飛ばすボノちゃん。気合い満点だ。リングに戻ると、ボノちゃんは合掌捻りを披露。さらに張り手、迫力満点のブレーンバスターでマットに叩き付ける。腰に爆弾を抱える坂田にはきつい技だ。だが、ボノちゃんは今度は縦四方固めで坂田を圧迫していく。乗られただけでもきついボノちゃんの体重だ。呼吸を封じられては坂田もきつい。ようやく逃れた坂田だが青息吐息。だが、力を振り絞って反撃だ。ボノちゃんの動きをかわした坂田は、上手く背中に飛びつくことに成功。そして、スリーパーで一発逆転狙いだ。だが、ボノちゃんはこれを強引に外して、バックフリップ! ボノちゃんの全体重がかかったのこの技は、あまりにも強烈だ。さらにボノちゃんはパパ譲りのドライビングエルボーを連発。坂田の腰に炸裂させ、ダメージを与えていく。そして、坂田をコーナーに据えると、狙うは雪崩式のバックフリップだ。坂田もこれを食っては万事休す。コーナーを上ってきた坂田はフロントチョーク! ボノちゃんの捕獲に成功だ。コーナーでボノちゃんの動きを止めたボノちゃんに張り手を叩き込むと、フロントチョークで捕獲! これはボノちゃんにも有効だ。必死にボノちゃんの首を絞め上げると、さすがのボノちゃんの動きもストップ。その隙にコーナーを降りた坂田は、なんとコーナーを上りかけて落ちているボノちゃんを肩車で持ち上げようとする。200キロを超えるボノちゃんの体重。本当に持ち上げることができるのか? しかし、必死の形相で坂田はチャレンジ! そして本当にボノちゃんを肩車で持ち上げると、マットに叩き付けた。だが、ボノちゃんもこの攻撃で目を覚ました。凄まじい勢いで張り手を放っていくボノちゃん。坂田も掌底で応戦だ。またも大打撃戦となった中、坂田はスーパーキックを一閃! 遂にボノちゃんの動きを止めた坂田は、2発目のスーパーキックでボノちゃんの顔面を打ち抜く。さすがのボノちゃんも遂にダウン! 坂田は倒れたボノちゃんに覆い被さり、3カウントを奪取! 見事に難敵・ボノちゃんを攻略し、決勝戦へと駒を進めた。


激闘を終え、夢を絶たれて悔しがるボノちゃんに対し、勝利をあげたものの疲労困ぱいで立ち上がることすらできない坂田。と、ここで「アホの坂田君。決勝進出……とりあえず、おめでとっ!」という声が! すると場内に『威風堂々』が鳴り響き、2階スタンドの貴賓席から姿を現わしたのは高田総統だ!


セミハッスル〜『ハッスルGP2008』準決勝〜

8分46秒 PK

『ハッスルGP2008』開幕前。当時、まったく無名だった男が、いまこうしてベスト4に名を連ねているとは、誰が予想しただろうか?

たったひとりで乱入を繰り返し、GPに強引な割り込み参戦。そして、瞬く間にトップ戦線に昇り詰めたゼウス。この男、ただのビッグマウスではない。8・23『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA〜』(大阪府立体育会館)で行なわれたGP2回戦で、ゼウスは優勝候補の一角と目されていた“野獣”ボブ・サップと対戦。これまで、やりたい放題を続けてきた男に注がれる観客の厳しい視線に対し、ゼウスは、サップを力勝負でねじ伏せ、観客に己の存在を認めさせた。

ここまでは、ゼウスにとって思い通りの展開。しかし、このままGPをゼウスの食い物にはさせないとばかりに、モンスター軍最強の男、“モンスターK”川田利明がついに立ち上がった! 実は、川田とゼウスの間には、こんな因縁が。過去に2度、ゼウスがフライパンで川田を襲撃しているのだ。本来ならば、すぐさまリベンジするところだが、ハッスル栃木大会を実現させるために川田はGPに専念。ゼウスにリベンジを果たせずにいた。


ところが、川田の優勝を待たずして、栃木大会の開催が急遽決定! さらに、ゼウスがGPに割り込み参戦してきたため、リベンジしたい川田にとっては願ったり、叶ったりの展開となったのだ。そして、先日行なわれた9・17『ハッスル・ツアー2008〜9.17 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)にて、川田とゼウスは激しい挑発合戦で決戦前からヒートアップ!

勢いに勝るゼウスか? それとも、栃木でのGP決勝戦開催を夢見る川田か? GPで最も危険な闘いが始まる!

閉じるゴングと同時に突っ込んできたゼウスをヒラリとかわした川田。得意のレスリングテクニックでバックを奪う。しかし、ゼウスの勢いは止まらない。すぐさま川田をロープに押し込むと、チョーク攻撃だ。そして、ラリアットで川田をなぎ倒し、トップロープから「川田、取ったるぞ!」と雄叫びを上げるゼウス。川田も負けじとチョップで反撃して、両者意地のチョップ合戦だ。しかし、ここでもパワーで勝るゼウスが川田を圧倒する。さらにサーフボードストレッチで絞め上げるゼウス。だが、川田はこれを意地で外して、ダンシングドールキック。そして、得意のキックでゼウスを蹴り飛ばしていく。さらにチョップ、エルボーをかました川田。ゼウスのパンチにも屈することなく、鋭角なエルボー、ニーリフトを叩き込んでいく。ゼウスが反撃してくると、ステップキックから串刺しのフロントハイキック。さらに、ブレーンバスター、背中へのサッカーボールキック、ストレッチプラムの波状攻撃だ。さすがのゼウスもこの一連の攻撃には悶絶。必死にロープエスケープだ。川田も攻撃の手を緩めない。ヒザ蹴りを連発してからブレーンバスターの体勢に。しかし、これを踏ん張るゼウス。そして、逆に川田を怪力でぶっこ抜き! ブレーンバスターで投げ飛ばし、会場を驚かせた。さらにショルダータックル、串刺し式のラリアットをかましたゼウス。川田がカウンターの反撃をしてくると、すぐさまフライングラリアットで反撃を断ち切る。そして、リフトアップスラムで川田をマットに叩き付けてから、アルゼンチンバックブリーカーだ。さらに川田をブンブン振り回したゼウスは、サップをも葬ったヘラクレスカッター。しかし、川田も意地のキックアウト。ならばとチョークスラムの体勢に入るゼウス。川田はこれを踏ん張ると、ジャンピングハイキックを炸裂させ、流れを変える。こうなると川田の勢いは止まらない。垂直落下式ブレーンバスターでゼウスをマットに串刺しにすると、続けてハイアングルのパワーボムで叩き付ける。そして、最後はランニングのローキック! ゼウスの首筋を蹴り飛ばし、激闘に決着を付けた。これで川田の決勝戦進出が決定だ。


試合後、川田は「おい、いくら強がったってな、強くなんてなれないんだよ」と諭すようにゼウスに語りかけると、「男ってのはな、自分の弱さを認めたときに、初めて強くされるんだよ。それが本当の強さだ!」とピシャリ! この川田の言葉に、場内も大喝采だ! ひとりリング上に残されたゼウスは、マイクを持って何か言おうとするも、マイクを捨てて退場。はたして、川田の言葉に、今後、ゼウスはどう応えていくのか!?


第4ハッスル

7分17秒 BBB

天龍引退!?

日本人レスラーとして、唯一、ジャイアント馬場&アントニオ猪木から3カウントを奪った男、“ミスタープロレス”天龍源一郎。プロレスキャリア32年。これまで激しいファイトで、いかなる強敵もなぎ倒してきた天龍だが、32年のキャリアで経験のない大スランプに陥っている。

優勝候補のひとりとして臨んだ『ハッスルGP2008』。1回戦でボノちゃんと対戦した際に、天龍はワキ腹を負傷。以降、ケガの回復具合が芳しくないせいか、天龍は連戦連敗してしまう。反撃もままならず一方的に屈するその姿に、もはやかつての昇り龍の面影はない。そして、ちらつく限界説……。

一向に復調の兆しが見えない天龍に対し、「そんな老いぼれに引導を渡せ!」と高田総統から特命を受けて登場したのが、特命係長・島田工作員だ! そして、9・17『ハッスル・ツアー2008〜9.17 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)。天龍に対して、1vs3のハンデキャップマッチを仕組んだ島田工作員。多数に無勢の上、手負いの天龍はやられるがまま……。すると、そこに! その昔、天龍と激しい抗争を繰り広げてきた“侍”越中詩郎が、見るに見かねて救出に!

天龍潰しの特命を邪魔され、怒り心頭の島田は、急遽、アメリカからボブ・サップを呼び寄せ、天龍&越中をまとめて潰すと息巻いた! 一方、越中という元気印の助っ人を得た天龍は……。


と、ここで映像が切り替わり、映し出されたのは、天龍がオーナーを務める『鮨処 しま田』で酒を酌み交わす天龍&越中の姿が! ここで越中は、「天龍さん、また二人で大暴れして、ハッスルの連中に俺たちのすごさを教えてやりましょうよ」と天龍に向かって奮起を促すと、これに対して「でもな、越中……」と気が乗らない天龍。

すかさず越中が、「でもも、ヘチマコロンもないでしょ!」とオヤジギャグでツッコミを入れると、「俺の知ってる天龍源一郎は、ちょっと負けたくらいで、くよくよしてる男じゃないですよ」とゲキを飛ばす。ところが、天龍は「やっぱトシには勝てねえのかな……」と引退をほのめかしはじめると、話に割って入るようにして越中が、「モンスター軍だろうが、ボブ・サップだろうが、薩摩だろうが、長州だろうが、文句のある奴は、ひとり残らずぶった斬ってやるって! 安政の大獄だって! 井伊直弼だって! 篤姫が好きだって!」と“やるって節”で、ひとりエキサイト! これには、天龍も「まいったな」という表情で頭を抱えるしかなかったのだった……。

閉じるまずはサップがダブルラリアットで天龍&越中を吹っ飛ばす。サップは天龍&越中を相手に一人で圧倒。天龍へは痛めているワキ腹にボディブローを連発だ。続いて、アンがエルボー、ニーリフト、そしてストレッチ技で右のワキ腹へとダメージを与えていく。だが、天龍も気合いを入れて、逆水平チョップで反撃。しかし、これも長くは続かない。再び登場したサップにボディスラムで叩き付けられ悶絶だ。サップはコブラツイストに天龍を捕らえると、この体勢から脇腹にパンチを連発していく。しかし、ここで越中がミサイルヒップでカット! ようやく天龍からタッチを受けると、サップと交代したアンにケツ爆弾をお見舞いだ。さらにエプロンからのダイビング式のケツ爆弾と今日も越中は元気いっぱいだ。リングに戻ると、河津落とし、ヒップバット、ミサイルヒップを連発した越中。天龍も出てきて、サンドイッチの延髄斬りを炸裂させる。これで流れを掴んだ天龍&越中。越中のアシストを受けた天龍は、必殺の53歳をアンに炸裂させる。ところが、島田がモップを片手にカット! さらにその島田に気を取られた天龍を背後からアンが急所攻撃だ。これで天龍も万事休す。アンからタッチを受けたサップに重量級のドロップキックを食らってしまう。最後はサップに高々と抱え上げられて、ギブアップ。天龍、復活とはならなかった。


試合後、マイクを持った島田は、「おい! 俺様の実力が分かったか!」とアピールすると、さらに天龍を捕まえ、天龍の口から“引退”の言葉を言わせようと執拗に迫る。すると、この島田の卑劣な行為に怒った越中は、猛然と島田に向かって突撃すると、たまらず場外に逃げ出した島田は、「おい! 田舎侍! 俺の邪魔するなって言っただろってってって!」と言い残し、逃げるように去って行ったのだった。
怒りが収まらない越中は、天龍に向かって「おい! これで終わりか、天龍!? 冗談じゃねえぞ! このままじゃ終わらねえからな!」とゲキを飛ばし、天龍をリング上に残して去って行ったのだった。はたして、天龍はふたたびハッスルすることができるのか!?


第3ハッスル

7分43秒 ダンプラリアット

先日、高田モンスター軍から、一部人事に関する発表会見が行なわれた。
長年の下働きが認められ、島田二等兵は、高田総統から下されるミッションを遂行する特命係長・島田工作員に。そして、空席となった二等兵の席に座ることになったのが……なんと、高田モンスター軍に電撃入団をはたした元PRIDEファイター、小路晃だ!

高田延彦元PRIDE統括本部長の推薦で、『ハッスルGP2008』にエントリーした小路だが、7・27『ハッスル・ツアー2008〜7.27 in YOKOHAMA〜』(横浜文化体育館)で行なわれたGP1回戦では、試合前にゼウスに襲撃され、まさかの失神KOを喫してしまった。

そして、8・21『ハッスル・ツアー2008〜8.21 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)にて、因縁のゼウスと一騎討ちを行なうも完敗。格闘技の実績は、ハッスルではなんの役にも立たないという厳しい現実を突き付けられた。

こうして、過去の自分と決別し、一から出直す覚悟を決めた小路二等兵が、今宵、タッグを組んで出撃するパートナーは、特命係長 島田工作員がハッスル軍潰しのためにブッキングしたという、謎の超大物Xだ! はたして、超大物Xの正体とは?

対するハッスル軍は、北京五輪のメダリスト、吉田沙保里や伊調姉妹と大学時代ともに汗を流した名門・中京女子大レスリング部出身の\(^o^)/チエ! そして、『ハッスルGP2008』ではベスト8に進出し、ボノちゃんに惜しくも敗れたが、成長した姿を見せた長尾浩志が出撃だ!

しかし、暗躍する島田工作員の魔の手が、ヤングハッスラーたちに忍び寄る……。

閉じるハッスル軍がリングで待ち受ける中、会場に鳴り響いた曲はなんとダンプ松本のテーマ曲! そう、島田工作員が連れてきた超大物とはなんと伝説の女子プロレスラー・ダンプ松本だった!

リングインするなり、マイクを持った島田は、「特命係長 島田工作員が、名古屋にキター! ダンプの姉御! こいつらをまとめて、けちょんけちょんにしてやってください!」とアピールし、さっそくゴング開始だ!

島田の合図で奇襲を仕掛けたモンスター軍。ダンプはチエを捕まえると場外で暴行だ。一方のリングに戻ってから、チエは気合い満点でドロップキックを連発。しかし、ダンプはびくともしない。力任せにチエをマットに叩き付けると、スリーパー、投げっぱなしジャーマンで圧倒した。続いては長尾と小路の対戦。エルボー合戦を繰り広げる中、まずは長尾がアームドラッグでペースを変える。そして、長身のドロップキックを炸裂させた。ならばと小路も得意の腕十字で反撃。さらに柔道技で投げ飛ばすと、ケサ固めで長尾を絞り上げた。そして、再びダンプの登場! ならばとハッスル軍もチエの登場だ。しかし、ダンプは突っ込んできたチエを竹刀で迎撃! そして、雄叫びを上げながら竹刀で滅多打ちにし、のど元を突いていく。セコンドのサソリを使ったりと、老かいなテクニックも披露。さらにチエの首にチェーンを巻き付けて、投げ飛ばすダンプ。チェーンを首に巻き付けられたチエは場外で客席に投げられ、サソリからも暴行を受ける。一方、リングに戻ったダンプたちはレフェリーを一斗缶で目隠しし、竹刀で一撃! リングはレフェリー不在の無法地帯と化してしまった。しかし、ここでチエはサソリの一斗缶攻撃をダンプに誤爆させることに成功。チエも怒りの反撃だ! 一斗缶を手にすると、ダンプ、サソリ、そして小路を蹴散らしていくチエ。しかし、これで引き下がるダンプではない。一斗缶をチエの脳天に食らわすと、最後は肉弾ボディプレスでトドメを刺した。



試合後、完勝に喜ぶ島田は、「おい! ダンプの姉御の力を思い知ったか! まあ、ダンプの姉御の力に比べれば、中京女子なんてうんこみてえなもんだ!」とチエを挑発すると、一斉に観客から大ブーイングが! すると、ここでマイクを持ったチエは、「おい、ダンプ! お前、凶器がないとなんにもできねえのかよ! この卑怯者!」と、ダンプに向かって吠える! モンスター軍の卑怯なやり方に興奮するチエに対し、すかさず島田が「なにが卑怯者だ、このブサイク!」とチエを挑発すると、チエは「シングルでやってやるよ!」と、なんとダンプとの一騎討ちをアピールだ!

このチエの要求に対し、島田は「おとといきやがれ!」とはね返すと、続けて「ダンプの姉御がお前と試合をしてくれただけでもありがたいと思え! このブサイクだ!」と罵声を浴びせ、ダンプ&小路を引き連れて去って行ったのだった。はたして、怒りのチエは、ダンプにリベンジできるのか!?


第2ハッスル

HG

人狼×

14分44秒 スーパー69ドライバー

HG大ピンチ! 狼の咆哮が名古屋城に木霊する!

ハードゲイ……HGは改造人間である。
高田モンスター軍の策略にはまり拉致されたHGは、モンスター軍最高医局長のドクター中松によって、改造手術を施されてしまったのだった。

ところが間一髪、最後の仕上げである脳の改造手術の前にHGは脱走に成功するも、肉体をモンスターに改造されたことで、ハッスルパワーまで封印されてしまったHG。その窮地を救ったのが、ハッスル軍専属の天才医学博士、ドクターKこと木下博勝氏だ!

そして迎えた復帰第1戦。ピンチに追い込まれたHGのカラダに異変が! なんと怒りが頂点に達したことで、HGはスーパーHGへと変身したのだ!

しかし! 裏切り者を許さない高田総統は、HGを抹殺せんと続々と刺客を送り込むことを宣言! 今宵のモンスターは……“呪いの人食いモンスター”人狼だ!

普段は紳士的でクリーンなファイトをモットーにするジェントルモンスター、人狼。しかし、ひとたび満月を目にすると狂暴化。目に入るものは、たとえ観客であろうと見境なく襲いかかる!

先日の後楽園大会では、HGに変身する隙を与えず、相方RGを補食!

なぜ闘い続けなければならないのか、運命に翻弄されるHGの終わりなき試練の日々は続く……。

閉じるHGは名古屋のハッスルファンを引き連れての入場。リングに上がり、「フォー!」とポーズを取って、ファンの方と一緒に記念撮影だ。一方、変身前の人狼は静かにリングに入ってきた。ゴングが鳴ると、HG、人狼ともに静かな立ち上がり。腕の取り合いやグラウンドの攻防など繰り広げていく。人狼がヘッドシザースを仕掛けるとHGはこれを倒立して脱出。これを見た人狼は、HGと握手をするなど、実に紳士的だ。続いては手四つからの力比べ。両者とも、ブリッジからのモンキーフリップを繰り出し合ったり、同時にブリッジするなど実に正統派のレスリングで観客を魅了している。ここから人狼はHGのパワーの源である腰にエルボースマッシュで集中攻撃。さらにエルボードロップ、コーナーでのショルダータックルなどでダメージを与えていくと、ダブルアームスープレックスという大技も披露した。そして、HGを逆片エビ固めに捕らえた人狼。これを逃げられると、今度はバックブリーカーからの弓矢固めと攻撃の手を緩めない。そして、またもHGをダブルアームスープレックスの体勢に捕まえた人狼。しかし、これを逃れたHGはバックからダブルでチキンウィングに捕らえると、ロープの反動を利用して、珍しいオースイスープレックスだ。さらにフライングニールキックからヘッドシザースで追撃したHG。人狼を場外に落として、ダイビングボディプレス狙いだ。しかし、腰のダメージが重くて飛ぶことができない。その隙に人狼の反撃を食らったものの、もう一度場外に落とすと、痛みをこらえて人狼に体ごとぶつかった。ところが! ここで場内が暗転し、不気味な音楽が会場に鳴り響く。スクリーンには満月が登場! 人狼の変身だ! 凶暴化した人狼はHGの首を掴んで投げ飛ばすと、セコンドに付いていたRGもついでに襲撃! さんざんRGをいたぶったあと、HGをコーナーに据えてから必殺の満月斬だ。これを間一髪キックアウトしたHG。と、ここで今度はHGがスーパーHGに変身! いいタイミングで変身したスーパーHGの前に怯えた姿を見せる人狼。しかし、スーパーHGは容赦しない。人狼を無理矢理捕まえたスーパーHGは、スーパー昇天ドロップで一撃。人狼がカウント2でキックアウトすると、最後は腰の振りがいつもよりも多いスーパー69ドライバーでトドメを刺した。


試合後、マイクを持ったHGは、「セイセイセイ! 人狼、早く帰れ! どうですか、モンスター軍! こんな雑魚モンスターでは、スーパーHGの敵ではありませんよ!」とアピール! と、ここで場内が暗転。ビジョンに映し出されたのは、高田総統だ!

高田総統は「ほほう、あの人狼も倒すとは……。HGよ、なかなかやるではないか」とHGの勝利を称えると、「しかしだ! 貴様の命を狙ってるモンスターは、これでもか〜、これでもかと控えているのを忘れるでないぞ!」と、さらなる刺客の投入を予告! さらに、高田総統は「HGよ! 変身した貴様の背中、何か模様が浮かび上がっているのは気づいてるよな? そう、モンスター軍のマークだよ。前回、貴様はそれを見てこんなことを言ってたな」とHGの背中にある模様について指摘すると、ここで8・23大阪大会でHGが背中の模様を見て、「セイ! 小さくて、薄くて、地味!」とツッコミを入れていたときの模様が映し出される。

そして再び映像が高田総統に切り替わると、高田総統は「たしかに、ちっちゃいよ。それは認めるよ。しかし、もう一度よ〜く見てみろ。なにか変化があるんじゃないのか? よいか! 貴様のカラダはモンスター軍によって改造されたことを忘れるんじゃないぞ……」と言い残し、高笑いしながら消え去って行ったのだった。

高田総統からの指摘を受けたHGは、ただちに背中を確認すると、なんと模様の色が以前よりも濃くなっていることが判明! すかさず、「セイ! ビミョーに濃くなってる! なんなんですか、このイタズラは!」と困惑するHGだが、最後は「どんな卑怯な手を使ってもスーパーHGの足元にもおよびませんよ! いいですか! 必ずや、モンスター軍を完全壊滅させてやりますからね!」とモンスター軍壊滅を宣言したのだった。

と、ここでまたも場内が暗転。ビジョンに、「日々刻々と変化を遂げるHGの背中に記されたモンスターマーク。はたして、これが意味するものとは!? そして、10月シリーズでは、栃木でHGを抹殺すべく、あのモンスターたちが登場! はたして、HGの運命は!? 次回もHGの活躍にご期待ください!」という次回予告が流れたのだった。HGを狙う、次なる刺客とは一体誰だ!?


第1ハッスル

12分32秒 栄ラナ

いよいよ開幕! 『ハッスル・ツアー2008〜9.28 in NAGOYA〜』!
『ハッスルGP2008』準決勝だけじゃない! 終わりなきハッスル軍とモンスター軍による熾烈な対抗戦は、ここ名古屋でも大炎上! まず、先陣を切るのはこのハッスラーたちだ!

エース・坂田亘やHGを影でサポートするハッスル軍の知恵袋にして参謀、元WWEスーパースター・TAJIRI!

GP1回戦では奇跡の逆転勝利。ここ最近、実力急上昇と思いきや、あっさり負けたりもする。芸人人生同様、波に乗れない男、“自称・ハッスルの神の子”RG!

そして、アミューズメントパーク『サンシャイン栄』の守り神にして、ここ名古屋ではテレビCMでもお馴染みのサンシャインマスクの弟分が、名古屋大会を記念して緊急参戦! 変幻自在な空中技の使い手が、モンスター軍の手から名古屋の平和を守る! サンシャインキッド!!

対するモンスター軍は、3年半ぶりに蘇った“アマゾンの人食いカエル”小ガマ大王!

HGのDNAから生まれたクローンモンスターで、生々しい腰の動きと貫禄あるたたずまいは、すでに本家ハードゲイを超えたとの噂もあるニセHG!

そして、モンスターなのに人気ナンバーワン! 登場するや、会場はなぜかひとつになって応援してしまう、ザ・モンスター℃!

名古屋のみんな! 右手で『C』を作って、“シー”っかり声援をよろしく!

閉じる会場からは「RG!」コールが発生するも、先発はモンスター℃とTAJIRIだ。早速、リングの四方に向かって、「シー!」とアピールして掛け声を発生させるモンスター℃。一方のTAJIRIは「ティー!」ポーズを取ると見せかけて、グリーンミストを上空に向かって噴射。隙を突いて、モンスター℃をローキックで撃退した。続いてはニセHGの登場。怪しげな野太い声を発しながらTAJIRIの攻撃を余裕で受けてみせた。ならばと、ハッスル軍からはご当地名古屋のヒーロー・サンシャインキッドの登場だ。ニセHGの攻撃を空中で一回転して着地するなど、身軽なサンシャインキッド。ニセHGにトペ・コンヒーロ、フライングクロスチョップと、空中殺法を思う存分披露した。続いて、ハッスル軍からはRGがリングイン。自軍の勢いに便乗して、すいまセントーンなるダジャレ込みのセントーンを放ったが、アッサリとニセHGにかわされ、逆に股間にヘッドバットを食らってしまい、まるでいいところなく、出番を終えた。今度はモンスター軍から小ガマ大王、ハッスル軍はTAJIRIの対戦だ。全身ヌルヌルの小ガマ大王は、覆っていた肩当て付きのオーバーマスクを脱いで、戦闘態勢に。この小ガマ大王のヌルヌルに、TAJIRIは捕まえることができずに大苦戦。これでペースを崩されたか、交代したモンスター℃、ニセHGの前に劣勢を強いられた。しかし、ニセHG&モンスター℃の両者をハンドスプリング式エルボーアタックで蹴散らして、この苦境から脱出。続いて、サンシャインキッドが再び登場し、スイング式DDTなどの回転技でモンスター℃を追い込んでいく。そして、最後はRGがRGプレスを発射だ。しかし、ここは小ガマ大王がカット。モンスター軍はRGを捕まえて、3人がかりで集中攻撃だ。そして、小ガマ大王がトップロープからヌルヌルボディのフロッグスプラッシュを発射! しかし、RGはこれを間一髪避けると、続くモンスター℃のCの字パンチをニセHGに誤爆させる。このRGの意外な動きがハッスル軍にチャンスを作った。ここぞとばかりに攻め込んだハッスル軍は、ご当地ヒーロー・サンシャインキッドがサンシャイン名物の観覧車の動きのようなウラカン・ラナ! 見事に小ガマ大王から3カウントを奪い、ご当地ヒーローの強さを見せつけた。

試合後、勝利にこれといった貢献もしてないRGがここぞとばかりに「名古屋のみなさん! 勝ったど〜!」と雄叫びをあげると、すかさずTAJIRIが「RGさん、あなた、やられてるだけだったでしょ? 偉そうなこと言わないでくださいよ!」とツッコミ。
するとRGは、「TAJIRIさん、これはKUSHIDAでしょ?」と、勝利の立役者であるサンシャインキッドを捕まえて、あらぬ疑いをかける。もちろん、サンシャインキッドは「違う、違う」というジェスチャーで否定すると、TAJIRIも「これのどこがKUSHIDA君なんですか? どう見ても、サンシャインキッドでしょ!」とフォロー。
最後にTAJIRIは、「名古屋のみなさん! このサンシャインキッドと同じ名古屋出身の坂田さんが、今日、ボノちゃんとGP準決勝で闘います。このハッスルのリングの主役を張るのは、坂田さん以外に、ほかありません! 坂田さんの応援、よろしくお願いします!」と観客にアピールしたのだった。


オープニング

場内暗転からスポットライトに照らされてリングに姿を現したのは、“モンスターK”川田利明だ! 川田は「ウェルカム・トゥ・ファイティングオペラ! ようこそ! ハッスル・ツアーin名古屋に!! 我こそは、“歌って、踊れるハッスラー”川田だ!」と挨拶すると、まずは本日の対戦カードを発表!

カード発表を終えたところで、さっそく川田が話を切り出す。「実は、俺の夢だったハッスル栃木大会が決まっちゃったんだよ。そこで、俺は今日のGP準決勝を勝ち抜いて、来月の栃木大会で決勝戦を実現させたいんだよ。そして、俺は地元・栃木で優勝する!」と、高らかにGP優勝宣言! 観客から一斉に歓声&拍手が沸き起こる。

ここで川田は、「ところで、“優勝”と言えば、名古屋のみんなが気になってることがあるんじゃないか? そう、クライマックスシリーズ進出を賭けて、広島と3位争いをしているドラゴンズだよ!」と現在、広島カープと激しい3位争いを演じている中日ドラゴンズの話題に触れると、「そこでだ、今日はドラゴンズのクライマックスシリーズ進出祈願と、俺のGP優勝祈願、二つの意味を込めてこの歌を歌うぞ!」とアピールすると、場内に流れてきたのは、今年1月の『ハッスル27』(2008.1.13/愛知県体育館)で崔領二に邪魔をされて歌うことができなかった中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ!』だ!

ガウンの上にちゃっかりドラゴンズのハッピを着込み、ドラゴンズの帽子を被った川田。この川田の粋な演出に、場内は大喝采! 川田の歌に合わせて、手拍子が飛ぶ。そして、『燃えよドラゴンズ!』を歌い終えた川田は、「ドラゴンズとモンスターK、どっちも絶対に優勝するぞ〜! ハッスル・ツアーin名古屋 スタートだ!!」と、アピールして締めくくったのだった。 


オープニンングムービー

2004年のスタート以来、ハッスルのリングでは、ハッスル軍と高田モンスター軍の長きにわたる軍団抗争が繰り広げられてきた。そんな軍団の垣根を取り払い、現在開催中なのが、ハッスル初のビッグトーナメント『ハッスルGP2008』だ!

このGP優勝者には、全知全能である高田総統から『どんな願いでもひとつだけ叶えてくれる』という、なんとも夢のある副賞が与えられるのだ。

そして、最終予選を勝ち抜いた精鋭16名による過酷なサバイバルマッチが、7月の『ハッスル・ツアー2008』より開幕! 優勝候補の敗退、奇跡の逆転勝利に、まさかの乱入によるカード変更、さらには前代未聞の歌勝負に、ハッスル史上空前の名勝負と、福岡→東京→横浜→大阪での激闘を経て、16名いた強豪はついに4名に!

今宵、ついにここ名古屋で、決勝進出者2名が決定! 最後の二つの椅子を賭けて、準決勝2試合が行われる!

まずは、2008年ハッスルの主役がここにきて激突だ! ボノちゃんvs坂田亘!!
今年一年、母・インリン様との親子対決でハッスルの主役に一躍躍り出たボノちゃん。対するは、ザ・エスペランサー、ボブ・サップなど強豪を撃破し、実力で一歩一歩、天下への階段を駆け上がる坂田亘。事実上の決勝戦と言われるこの一戦で、故郷に錦を飾るのは一体どっちだ!?

もうひとつは、ハッスルにたったひとりでケンカを売ってきた男と、モンスター軍最強の男の危険な闘い! 川田利明vsゼウス!!
春先から毎度のように乱入を繰り返し、とうとう『ハッスルGP2008』に割り込み参戦。元PRIDEファイターの小路晃、そしてなんと“野獣”ボブ・サップをも撃破し、無名の存在から一気に頭角を現わしたゼウス。この男、ただの無法者ではない。だが、ルール無用の強引なやり口に、モンスター軍最強の男“モンスターK”川田利明が、黙っていなかった。
失うものは何もないゼウスと、ハッスルの威信を守りたい川田。最後にリングに立っていられるのは……!?

3ヶ月に繰り広げられたGPもいよいよ大詰め。夢を叶えるため、必死に闘う男たちの闘いが、あなたの心に何かを訴えかけるはず!!


前説

「みなさん! こんばんは!!」「みなさん、ハッスルしていますか〜!」。恒例となったハッスル審判部の野口レフェリー&今井レフェリーによる前説がスタート! 両レフェリーは自己紹介を済ませると、野口レフェリーが、「ハッスル軍が登場したときには、大きな拍手と歓声を。また、高田モンスター軍が登場したとき、さらには島田工作員が悪どい行為をしたときには、容赦ないブーイングをお願いします!」と応援方法を伝えて実践練習開始だ。
野口レフェリーが音頭を取り、今井レフェリーがお手本役となって、「総統」コール、ザ・モンスター℃の「C」コールを観客にレクチャー。最後に野口レフェリーは、会場でのマナーを注意して前説を締めくくったのだった。