高田総統以下、モンスター軍のメンバーがリング上に勢揃いすると、さっそくアン・ジョー司令長官&島田工作員が観客に「総統」コールを促す。場内に大「総統」コールが巻き起こるなか、高田総統は、「いいよ! いいよ! ありがとう!」と、会場の「総統」コールを制すと、続けて「親愛なる栃木の諸君、そしてモンスター軍信奉者の諸君! とうとう来ちゃったよ! かなり田舎だとは聞いていたが、想像以上にど田舎だな。いまの『総統』コールも、ひじょ〜に元気があったけど、ちょっとなまってたんじゃないか」とチクリだ! 高田総統のブラックジョークに、思わず観客から笑いが漏れるなか、高田総統は「我こそが高田モンスター軍総統、そして、ハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介。すかさず、アン&島田が、「総統」コールを観客に促すと、またしても場内は大「総統」コール! すっかり気を良くした高田総統は、「総統」コールにあわせてお得意のダンスを披露。今日の主役であるはずの川田のこともそっちのけでノリノリだ!
するとここで、高田総統は急に思い出したかのように、「おお、そうだそうだ。モンスターK……なんか、いろいろ大変だったようだが、とにかく、優勝おめでとう!」と改めて祝福すると、「確か、お前の叶えて欲しい夢はCDデビューだったな?」と、川田にGP優勝の副賞である“ひとつだけ叶えることができる願い事”の再確認だ。これに対して、自身が優勝したことよりも、倒れた父親のことが心配で思い詰めたような表情を見せる川田は、「総統、総統は、叶えたい夢は当日まで変更できるって言ってましたよね?」と問い返すと、「え? 言ったっけ? あ〜、そう言えば、そんなことも言ったな。言った、言った!」と認める高田総統。すると川田は、「俺、夢を変更したいんです!」と突然の変更を高田総統に申し入れ、続けて「俺、CDデビューなんてしなくていい! いま、親父が心配なんです! いま分かったんです。俺の本当の夢は、歌手になることでも、CDを出すことでもない。家族の幸せだったんです! お願いします! 総統、俺の親父を助けてください!!」と、高田総統に懇願して深々と一例。これを受けて高田総統は、「あ〜、そう。あ〜、そう。分かった! よかろう。ならばその願い、私が叶えてあげよう!」とアッサリ了承すると、「無病息災、厄除け開運、健康長寿、家内安全……ビターン!」と天に指を突き刺し、ビターン炸裂! すると、場内に轟音が鳴り響き、暗転。そして、場内ビジョンには、救急車内の映像が映し出される。そこには、胸を押さえ苦しみ続ける川田の父親と、心配そうに見つめながら「おやっさん! しっかりせえ! もうちょっとで病院や!!」と父親を励ますゼウスと、「お父さん、しっかりして!」と泣き叫ぶ川田の母親の姿が。ここで、もがき苦しんでいた父親の動きが突然止まる。まさか……と、思いきや、母親の呼びかけに、「治った!」と答える父親。これには、ゼウスも「えー!?」という驚きの声を上げる。そして、場内からも大「総統」コールが沸き起こる。
この一部始終を場内ビジョンで見ていた川田は、「総統、親父は本当に助かったんですか?」と高田総統に確認すると、高田総統は「もう心配はいらんよ!」とニヤリ。それでも、半信半疑の川田は「本当に、本当ですか?」と念を押して再確認すると、「疑り深い奴だな。私を誰だと思ってるんだ! もう、お前の親父は、いまごろピンピンしてるよ」と断言し、川田は改めて「ありがとうございます! 総統!」と、深々とおじぎをする。
川田の父親が高田総統のビターンによって無事回復し、一件落着したところでようやく表彰式へ。川田には優勝賞品として、JAグループ栃木様から『とちぎ霧降高原牛』のすき焼き肉30人前、さらに全国農業協同組合連合会栃木県本部様より、栃木県のお米『なすひかり』1年分、梨『にっこり』2箱が贈呈された。すると、ここで高田総統が突然思い出したかのように、「そう言えばな。アホの坂田がさ。優勝したら、チャンピオンベルトが欲しいって言っただろ? 万が一、アイツが優勝したときのために、一応用意しておいたんだよ。せっかくだから、そのベルトをKにやるよ」と、なんと坂田のために用意していたチャンピオンベルトを川田に贈ることを明言! まさかの展開に、川田は「えっ!? 本当ですか? 俺、親父を助けてもらっちゃったし、立派な賞品ももらって、その上にベルトまでもらっちゃっていいのかな……」と、戸惑いを見せる。
そんな川田を見て、高田総統は「何を言ってるんだ。GPの優勝はな、それくらいの価値があるんだよ。いいか? 前にも言ったが、私の用意するベルトは、そんじょそこらのベルトとは、訳が違うぞ! ビビって、たじろぐなよ」と不敵な笑みを浮かべると、場内にMr.Childrenの『GIFT』が流れ、花道から陸上選手らしき黒人男性がダッシュで颯爽とリングイン! 突然の出来事に驚く川田は、黒人男性に向かって「お前、誰?」と尋ねると、その黒人男性は「ボルトです」と、片言の日本語でキッパリ! 場内から笑いが漏れる。この事態をよく把握できていない川田は、高田総統に「何これ? 総統、どういうこと?」と確認すると、高田総統は「ん? だから、そんじょそこらのベルトじゃないだろ。彼はな、ジャマイカの徒競走でチャンピオンになったボルトさんだ」と平然と言ってのけるも、すかさず川田から「ボルトって言っちゃってんじゃん!」とツッコミが入る。
これには、高田総統も「そんなに怒るなよ。分かったよ! ベルト、本当にあるんだよ!」とミスを謝ると、「ベルトだったよな、こっちだ!」という高田総統のかけ声とともに、今度はイタリア代表のサッカーユニフォームを着用したサッカー選手らしき外国人男性がリングイン! すかさず、川田が「一応聞いておくぞ。誰?」と、その男性に尋ねると、そのサッカー選手らしき男は、「ロベルトです」とボルトに負けず劣らず片言の日本語で言うや否や、「もういいよ!」と、川田は憤慨する。ここで、高田総統は「何、気に入らないの? あと、もうひとり、音楽家も控えているけど」と川田に告げると、「シューベルトだろ! もういいっ! ベルトはいらねえ!」と、川田は逆ギレ! ふたたび場内から爆笑が沸き起こる。
すると突然、どこからか、「おい! おっさん! おっさんがホンマに欲しいもんは、ここにあるで!」というゼウスの声が響き渡ると、花道に現われたのはゼウスと、川田の両親だ! そして、 息子が待つリングに上がった川田の両親! 元気な父親を見て、川田は「親父……、無事だったのかよ!?」と確認するなり、父親と抱き合う。親子の感動の再会をうなづきながら眺めていた高田総統は、「おい、モンスターKよ。今日は素晴らしい凱旋試合、いや、親孝行ができたかな」とニヤリ。さらに、高田総統は「そうだ、今日の締め、お前ら親子3人でやれよ! やれ! やれ!」と、大会の締めを川田に託す。
これを受けて、川田は高田総統に感謝を述べると、ファンに向かって「夢は、信じれば叶います。その夢は、誰にでも叶う力があります。その夢を叶えるためには、簡単なことですが、いま自分にできることをコツコツと、現実から逃げずに、ひとつひとつ確実に積み重ねることなんです! それが、ハッスルなんです! 俺は、明日から、別の夢を叶えるために、またハッスルして行きます! だから、みんな、苦しいことがあっても、そこから逃げずに、諦めずにハッスルしてください!」と、涙ながらに感動のスピーチ! 場内からも大歓声&大きな拍手が沸き起こる。
するとここで、高田総統が「今日は黙っておこうと思ったが、やはり発表しておこう! 大事なことだからな」と突然、話を切り出すと、続けて「2008年、我々がハッスルでやってきたその集大成を、大晦日……とは言わないが(ニヤリ)。元旦……とも言わないが(ニヤリ)。年末のどこかで、思いっきりブチかましてやろうじゃないか! 今年もやるぞ〜! 『ハッスル・マニア2008』、年末に開催決定だ!」と、高らかに宣言! 場内ビジョンにも、「2008年12月末、『ハッスル・マニア2008』開催決定! 近日、全貌が明らかに!」という予告が映し出される。
ファンも喜ぶビッグニュースを提供した高田総統は、「さっきも言ったが、今日はお前たち親子3人で、しっかり締めるんだ!」と改めて川田に大会の締めを託し、去ろうとすると、川田は高田総統を呼び止め、「今日は、総統にも、トッチギポーズをやってもらいますからね!」とお願いすると、「いいよ。私はいいよ」と嫌がる高田総統。ところが、川田の願いを後押ししようと、場内からも大「総統」コールで沸き起こる。
これに機嫌を良くした高田総統は「そうかい?」とやる気を見せると、川田の「恥ずかしいからって、かっこつけないでくださいね」という念押しに、「やるときは、思いっきりやるよ!」と開き直る高田総統。すかさず、川田が高田総統にトッチギポーズを伝授する。そして川田は、「今日は栃木に生まれて、こんなに幸せに思えたことはないです! 親父も助かったことだし、栃木って最高だな! また、この栃木で『川田祭り』をやっちゃうから、また観に来てよ!」と、勝手に来年の『川田祭り』開催をファンに約束すると、最後は両親、高田総統、そしてファンと一緒に「見ざる! 言わざる! 聞かざる! トッチギ! トッチギ!!」のトッチギポーズを決めて、感動のフィナーレを締めくくったのだった。
22分56秒 パワーボム
優勝者には、どんな願いもひとつだけ叶ってしまう……。7月から開幕した『ハッスルGP2008』も、いよいよ最後の決勝を残すのみとなった! 福岡、横浜、大阪、名古屋と大都市での激闘を経て、たどり着いた決勝の舞台。紆余曲折を経て、今宵、ついにここ栃木で、ハッスラーの頂点が決定する! 総エントリー数785名のなか、最後の二人に残ったのは……。
悲願の地元優勝へ! “モンスターK”川田利明! GP1回戦は、ヨーロッパ代表のレネ・ボナパルトを、そして2回戦ではRGを歌とプロレスで完全KO! そして、準決勝でゼウスを退け、堂々の決勝進出をはたした。叶えたい夢は、CDデビュー。決勝の地元開催で、流れは完全に川田のほうへ。この追い風に乗り、一気に優勝を勝ち取るか!? そんな川田のホームに乗り込んでくるのは……。
真のエースになるための正念場、坂田亘! GP決勝まで危なげなく勝ち上がってきた川田に対し、坂田の歩んできた道は、まさにイバラの道だった。GP1回戦は、同門・TAJIRIの世界レベルの実力に、そして2回戦ではキャリア30年の越中詩郎の経験の凄み、さらに準決勝はボノちゃんの圧倒的なパワーと対格差に苦しみ抜いた。
しかし、追い詰められれば、追い詰められるほど、どこにそんな力が残っていたのか、と思うような爆発力を見せ、踏み止まってみせた。天下を取るには、自らの手で高田総統を倒す。それが坂田の考え。思えば、昨年の『ハッスル・マニア2007』で、高田総統の闘う化身、ザ・エスペランサーに勝った坂田。あの頃の勢いを取り戻し、完全アウェーの逆風を突破できるのか!?
CDデビューしたい川田か? 高田総統と闘いたい坂田か? 4ヶ月にわたり繰り広げてきた闘いの結末をしかと見届けよ!
閉じるゴングが鳴っても、しばらくリングの対角線で睨み合う坂田と川田。場内からは地元の英雄・川田への大声援が巻き起こる。そして、リング中央でガッチリとロックアップ! ここからグラウンドの攻防を展開だ。川田がフェースロックを仕掛ければ、坂田もアキレス腱固めでお返し。これを切り返した川田に対して、坂田は今度は腕十字。一進一退の攻防だ。続いてはチョップ合戦を展開する両雄。お互い、一歩も退かない。コーナーに押し込んでのチョップ、ロープに飛ばし合ってのチョップと意地の張り合いだ。そんな中、川田は得意のキック攻撃で活路を見いだす。しかし、そんな川田に坂田はドラゴンスクリューで反撃。川田の左足を捻ると、ヒザ十字をお見舞いだ。川田のピンチに場内は大「川田!」コール。場外に逃げることでこの危機を脱した川田だが、左ヒザへのダメージは思いの外、深いようだ。だが、坂田は攻撃の手を緩めない。川田がリングに戻ってくると、エルボー攻撃、ケサ斬りチョップで迎え撃つ。一方の川田も防戦一方ではいられない。張り手の連打で反撃すると、カウンターでジャンピングハイキックもぶち込んだ。そして、串刺し式のフロントハイキック、ブレーンバスター、サッカーボールキックの波状攻撃を敢行。さらにストレッチプラムを仕掛けて、坂田にギブアップを迫った。坂田がこれでも立ち上がってると、川田はミドルキックを連打。さらにフロントキックの連打から、ラリアットを炸裂させる。そして、今度こそとばかりにトドメのストレッチプラムだ。リングサイドで観戦していた川田のお父さんも興奮して、「もっと行け!」と大声援だ。ところが! なんと、興奮しすぎたのか、突然、お父さんが胸を押さえて倒れ込んでしまったではないか! これにはさすがの川田も大慌て。思わず、ストレッチプラムを解いてしまう。場内も思わぬハプニングに騒然だ。しかし、心配そうな表情で倒れたお父さんを見ている川田に、この闘いを見守っていたゼウスが、「オヤジさんは俺に任せい! おっさんは闘いに集中しろ!」と猛ゲキ! ゼウスはお父さんを抱え上げると、バックステージへ運んでいった。そして、お父さんはそのままお母さんとゼウスと共に救急車で搬送されていったのだった……。呆然とする川田。とうてい、闘えるような精神状態ではないだろう。しかし、息を吹き返した坂田がこのチャンスを見逃すはずがない。動揺する川田に得意のキックを連打すると、スリーパーからバックドロップの連続攻撃を披露。そして、再びスリーパーに捕らえて、川田を絞め落としにかかる。このまま川田は敗れてしまうのか? だが、川田は場内の声援に押されて復活! このスリーパーを抜け出すと、オーバーヘッドキックで形勢逆転! 顔面へのステップキック、フロントキックをぶち込み、流れを引き戻す。闘志を取り戻した川田は起き上がりこぼし式のチョップを連打。しかし、坂田もフライングニールキックから水面蹴りで反撃すると、再びバックドロップをお見舞いだ。そして、トップロープからダイビングフットスタンプを投下! しかし、川田はこれを間一髪キックアウト。そして、続く坂田のスーパーキックを食らいながらも、コーナーにぶつかった反動を利用して、執念のラリアットをぶち込んだ。さらにもう一発ラリアットを叩き込んだ川田。続けて、ジャンピングハイキック2連発をぶち込むと、粘る坂田を抱え上げて垂直落下式ブレーンバスターだ。これも返した坂田に川田はトドメのパワーボム! 遂に坂田も力尽きた。川田はしっかりと、エビ固めで押さえ込み、3カウントを奪取! 『ハッスルGP2008』を制し、ハッスラーの頂点に立ったのだった。
と、ここで「モンスターKよ! 優勝おめでとう!」という声が! すると場内に『威風堂々』が鳴り響き、ステージから姿を現わしたのは高田総統だ!!
4分44秒 ボノちゃんフリップ
巨大怪獣、栃木に襲来!
今年5月の『ハッスル・エイド2008』。産みの母・インリン様を乗り越えたことで、ひと回りも、ふた回りも成長したボノちゃん。生後1年半、現在育ち盛り絶好調! 別れて暮らす父、グレート・ムタに強くなった自分を見せたい……そんな願いを胸に秘め、『ハッスルGP2008』に参戦したのだが
……。
GP準決勝でついえた父との再会の夢。しかし、負けを知ったことで、さらなる心の成長を遂げたボノちゃんは、決して歩みを止めなかった。強くなれば、いつの日かパパに会える。ハッスルの横綱を目指すボノちゃんが迎える相手、それは……“モンスター軍最強”のボブ・サップだ!
暗黒肉弾魔人の名の通り、先シリーズでは、そのパワーを存分に発揮し、ベテラン・天龍を引退寸前までに追い込んだ。二人の前回の対戦は、今年3月の大阪大会。このときは、サップがセコンドの介入もあり勝利している。
巨大怪獣2体による力と力の真っ向勝負・第2ラウンド! はたして、勝つのは!?
閉じるボノちゃんが待ち受けるリングに、今日も悠然とやって来るサップ。花道の途中で、いつものように音楽に合わせてしばらく立ち止まる。そして、おもむろにマントを脱いだ瞬間、近付いてきていたボノちゃんがサップを奇襲! 二匹の巨獣の闘いの始まりだ。張り手やエルボーでやり合うボノちゃんとサップ。ド迫力の攻防に場内も大いにどよめく。ようやくリングに上がると、ボノちゃんはサップに串刺し式ボディスプラッシュ! だが、サップも負けじと串刺し式のアメフトタックル、ハンマーパンチの連打だ。しかし、ボノちゃんも屈しない。サップを上手投げで転がすと、珍しい腕十字を披露。さらにスライディングキックで場外へと追いやってみせる。しかし、サップも場外乱闘で挽回。串刺し式のボディスプラッシュ、ドロップキックと畳みかけ、崩れながらもバックドロップを決めてみせる。だが、これでもボノちゃんは沈まなかった。ボノちゃんは、ならばとパワーボムを仕掛けてきたサップをリバーススープレックスで投げ飛ばし、サップの胸板にヒップドロップを投下! さらにエルボードロップを叩き込むと、最後はサップの巨体を持ち上げて、恐怖のボノちゃんフリップ! さすがのサップも返すことができず、ボノちゃんが迫力満点の巨獣対決に勝利した。「サップ、おまえじゃ物足りないよ。バカ田総統、モンスター軍! みんなボノちゃんが吹っ飛ばしてやる! そして、パパみたいに、いやパパ以上に強くなってみせる! だから、それまでボノちゃんは絶対負けないよ!」
試合後、サップを破ったボノちゃんは、「サップなんかじゃ物足りないよ! モンスター軍を全員ぶっ潰す! パパみたいに、パパ以上に強くなってみせる。だから、それまでにボノちゃんは、絶対に負けないよ!」と、力強く観客にアピールしたのだった。
6分23秒 ダイビングエルボー
限界説払拭なるか!?
“ミスタープロレス”天龍源一郎は、日本人レスラーで唯一、馬場&猪木から3カウントを奪うなど、日本マット界に数々の伝説を残してきた男だ! そんな天龍が、32年のキャリアのなかで経験したことのない大スランプに陥る。
7月の『ハッスルGP2008』開幕戦。天龍は、ボノちゃんとの試合でワキ腹を負傷しすると、以後、思うように動かなくなったカラダ、ときに見せる弱々しい姿に、かつての昇り龍の姿が見られなくなる。そんな天龍の姿を見て、かつてのライバル、“侍”越中詩郎が天龍に奮起を促すも、ダメージの回復はせず、次第に気力さえも衰え始める天龍。ところが、ここで天龍の娘・紋奈さんが、父である天龍にキツーイ言葉を浴びせると、この娘の叱咤激励に奮起した天龍は、10・16後楽園大会では、親父の力を見せつけた。しかしながら、ダメージの回復は完全ではなく、大きな不安を残す。
今宵は、天龍を引退に追い込もうと目論む、特命係長 島田工作員が仕組んだ1vs2のハンデキャップマッチ。今日はパートナーの越中が不在のなか、たったひとりでモンスター軍と闘わねばならない。落日のミスタープロレス。このまま沈んでしまうのか? それとも、ここで踏ん張り、かつての輝きを取り戻すのか!?
煽りVTRが終わったところで、場内アナウンスの紹介で登場したのは、越中が自分の代わりに“新たなシロー”として投入を予告していた天龍の応援団長・つぶやきシローだ!
リング上に現われたつぶやきに大歓声が飛ぶなか、少々とまどい気味のつぶやきは、「ど…どうも、ハッスルファンのみなさん! 栃木出身のつぶやきシローです」と、おどおどしながら自己紹介だ。さらに、つぶやきは、小学生時代にプロレスごっこをするくらいプロレス好きだったことをアピールし、「今日は、越中さんが、『ケツにでっかいニキビができちゃったから、代わりに行ってくれ!』って言われたので来ました」とおどおどしながら弱火な笑いを飛ばすと、「今日は天龍さんのセコンド、応援団長として頑張ります!」と力強く宣言! ここでようやく調子が出てきたのか、つぶやきは、事前にスタッフによってダメ出しされてお蔵入りになったはずの一言ネタ、「天龍さんに似てるオバちゃん、いるよね?」を掟破りで披露! スタッフが凍り付いたのも納得できる恐れ知らずのネタに、場内から笑いが沸き起こるなか、つぶやきは「天龍さんがミスタープロレスの意地を見せてやるって! やってやるって!」と、越中ばりの“やるって”節で、最後は天龍にエールを贈ったのだった。
閉じるアンとゴールデンカップス1号を先導してきた島田は天龍の姿を見つけると、マイクを持つ。そして、リング内にいる天龍に向かって、「今日こそ、引導を渡してやるってってって!」と不快な挑発だ。ところが、これが罠。島田に気を取られている天龍をアンとゴールデンカップス1号が背後から奇襲! 天龍を捕獲して、2vs1で痛めつける。逆水平チョップで対抗しようとする天龍だが、やはり二人がかりの攻撃をかわすのは難しい。アンからは脇腹に集中攻撃を食らって、瞬く間に劣勢に追い込まれた。だが、天龍も引き下がらない。ゴールデンカップス1号のチョップを耐え抜くと、グーパンチ一発で形勢逆転だ。ところが、ここで島田が試合に介入。ゴールデンカップス1号とダブルブレーンバスターを決めて、モンスター軍に試合のペースを握らせる。さらに島田は、ゴールデンカップス1号には天龍を掟破りのWARスペシャルの体勢に捕らえさせた。そして、天龍にマイクを突きつけ、「天龍、引退するって言ってみろ!」と要求するではないか! しかし、この島田の行動が天龍の怒りの導火線に火を付けた。WARスペシャルから強引に抜け出した天龍は、凄まじい形相でゴールデンカップス1号にチョップを食らわせると、テキサスクローバーホールドでお仕置きだ。さらにアン、ゴールデンカップス1号を順番にラリアットでなぎ倒すと、最後はトップロープからのダイビングエルボードロップ! 見事にゴールデンカップス1号を沈めて、完全復調したところを見せつけた。
試合後、ハンデキャップマッチを見事制した天龍はマイクを持つと。「おい、島田とやら。さっきからチョロチョロしやがって、この野郎! てめえが言う、ハンデキャップマッチで勝ったんだから、ここに来て『ごめんさい』と謝れ、この野郎!」と、島田を挑発! すかさず、場内からも「島田、謝れ!」という声が飛び、つぶやきも「そうだ! 謝れ!」と続く。これに対して、島田は「なにを〜、この老いぼれジジイ!」と憎まれ口を叩くと、「いいか、次のシリーズに、あのタイガー・ジェット・シンを呼んでやるからな! 覚えておけってってって!」と、なんと次期シリーズに“狂虎”タイガー・ジェット・シンの投入を予告し、逃げるように去って行ったのだった。
モンスター軍が去り、リング上に残ったのは天龍&つぶやき。ここで、つぶやきが「天龍さん、凄いっす! まだまだギンギンじゃないですか!」と興奮しながらも、「天龍さん、今日は何もできなくてすみませんでした」と謝罪。これに対して天龍は「越やん……じゃなくて、つぶやん。今日は、『笑っていいとも』の出演とか、ラジオの出演などいろんなオファーを断ってまで来てくれて、しかも、わざとらしく栃木弁を使って、ありがとな」と応援団長としてわざわざ駆け付けてくれたつぶやきにお礼を言うと、「天龍さん、『いいとも』は、日曜日やってませんけど」と恐縮しながらツッコミを入れるつぶやき。そんなことおかまいなしに、最後に天龍は「天龍源一郎はな、まだ死ぬわけにはいかねえんだ!」と観客に完全復活をアピールした。
13分20秒 スーパー69ドライバー
スーパーHG、栃木見参!
清原体育館に潜むモンスターの罠。
ハードゲイ、HGは改造人間である。
高田モンスター軍の策略にはまり拉致されたHGは、モンスター軍最高医局長のドクター中松によって、改造手術を施されてしまった。
ところが間一髪、最後の仕上げである脳の改造手術の前にHGは脱走に成功するも、肉体をモンスターに改造されたことで、ハッスルパワーまで封印されてしまった。その窮地を救ったのが、ハッスル軍専属の天才医学博士、ドクターKこと木下博勝氏だ!
そして迎えた復帰第1戦。なんとHGは、怒りが頂点に達することで、スーパーHGへと変身する新たな力を手に入れたのだ!
そんな裏切り者を抹殺せんと、刺客を続々と送り込む高田総統。HGはこれを次々と撃破するも、その背中には変身するごとにその色を濃くするモンスター軍のマークが……。はたして、これも高田総統の策略のひとつなのか!?
徐々に挟まるHG包囲網。そして、今夜対戦するのは、栃木が生んだ凶悪モンスター、その名も“鬼怒川三人衆”だ! 鬼怒川の「き」、鬼蜘蛛! 鬼怒川の「ぬ」、怒りのCことザ・モンスター℃! そして鬼怒川の「かわ」、ザ・キヌガワン・ピラニアン・モンスター! なんとも強引な感じは否めないが、あなどるなかれ。日光東照宮の三猿をほうふつとさせる3人のコンビネーションはまさに脅威!
しかし、その一方で、HGには新たな味方も。レイザーラモンが親代わりと慕う、ほんこんのおやっさんが経営する喫茶店『ともだち』。そこのアルバイト少女である朱里が、先日の10・16後楽園大会でモンスター軍の卑怯な手に怒り爆発となり立ち向かうも、あえなく返り討ちにあってしまう……。その悔しさから、HGに涙の弟子入りを志願した朱里。その後、空手を得意とすることから、カラテガール、略してKGの名前を受けたのだ。憧れのHGに追い付くべく、今宵、デビュー戦を迎える! 頑張れKG! 負けるなKG!
ここで場内ビジョンには、ハッスル軍控室が映し出される。控室で、けだるそうにするHG。そこにRGが現われると、「HG! どないしてん! まだ、カラダがだるいんか?」と、HGの体調を気遣う。これに対して、「いくら寝ても、だるさが抜けないんだよ。3年前、死ぬほど忙しかったときでも、こんなことなかったんやけどな」と答えるHG。すると、何かを思い出したかのようにRGは、「そう言えば、最近はテレビ局に行ってないなあ。おい、頼むよ! 俺の生活をなんとかしてくれよ!」とHGに懇願すると、すかさず「お前がもっと頑張ればいいだろ!」とHGのツッコミが入る。
そんななか、RGはもうひとりのパートナーであるKGに、「シュリちゃん……いやKG! どないした? 緊張してるのか?」と声をかけると、ハッスルジャージ姿のKGは「はい。私、HGさんの役に立てるかな……」と、心配そうな表情を浮かべる。これに対して、HGは「大丈夫や、KG! 私は知っている。君が、バイトのあとに夜な夜な神社で空手の猛特訓をしていたことを。君ならやれる。自信を持つんだ!」とKGにエールを贈ると、「そうやで、KG。ピンチのときは、RG兄さんが盾になったるから」とRGもこれに続く。ところが、「大丈夫です。私、RGさんよりはやれますから」と、なぜかRGに対しては敵意をむき出しにするKG。これに対して、RGは「ほほ〜、たいした自信やね。兄さんはこう見えて、世界中の強豪と闘ってきたんや。お前の蹴りくらいじゃ、びくともせえへんぞ! ばっちょコーイ!」とケツを突き出してKGを挑発すると、気合いを入れたKGの蹴りをまともに食らい、悶絶しながらも「ナイスキック!」と強がるRGだったのだ。
閉じる先に入場してきたのはハッスル軍の3人。KGもHGとRGに合わせた青いコスチュームを着用だ。一方の鬼怒川三人衆はモンスター℃が栃木県の旗をまとっての登場。早くも観客から声援を浴びている。そんなモンスター℃に対して、エキサイトしたKGがいきなり奇襲! しかし、HGらになだめられて、ここはなんとか引き下がった。試合はHGとモンスター℃の対戦でスタート。今日も掛け声合戦ではHGの分が悪い。これがしゃくに障るのか、再びKGがリング内に乱入。モンスター℃に蹴りを見舞うという暴挙を働いた。顔に似合わず、KGは血気盛んだ。気を取り直して、HGと鬼蜘蛛の対戦だ。ここはHGが軽快な動きで鬼蜘蛛を圧倒。そして、お待ちかねのKGの登場か? しかし、珍しくRGもタッチを要求。KGを制して、勢いよく鬼怒川三人衆に立ち向かった。しかし、すぐさま鬼怒川三人衆から袋だたきにされるRG。案の定、捕まってしまうとモンスター℃からはマットに頭を擦り付けられる人間マッチの刑を受けてしまう。さらにモンスター℃に両手首を掴まれ、新しいパターンのCの字ストレッチを食らったRG。正調Cの字ストレッチでも背中を痛めつけられると、アトミックドロップで吹っ飛ぶ。さらにピラニアン・モンスターとのツープラトンでのマンハッタンドロップまで食らわされてしまい、大きく吹っ飛んだ。防戦一方のRGだったが、不格好なキリモミ式のボディアタックで一矢報いた。続いてはようやくKGの登場だ。凄まじい空手殺法で鬼蜘蛛&ピラニアン・モンスターを蹴散らすKG。だが、やはり多勢に無勢。あっという間に鬼怒川三人衆に捕まった。鬼蜘蛛のショルダースルー、ピラニアン・モンスターのシュミット式バックブリーカーまでも食らってしまった。だが、KGも屈しない。ピラニアン・モンスターに正拳突きの連打を食らわせて、状況を打開した。そして、このKGからタッチを受けたHGが大ハッスル。ピラニアン・モンスターにはPWでタップリと己の股間を叩き付ける。だが、鬼怒川三人衆はレフェリーの注意を惹き付けると、その隙にHGを捕獲。モンスター℃がDDC、ピラニアン・モンスターは栃木の旗を背負ってフライングボディプレスを食らわせて、HGを追い込んでいく。さらにKGも鬼蜘蛛の蜘蛛の糸に捕まってしまった。ハッスル軍ももはやこれまでか……と、ここで場内が暗転! HGがスーパーHGに変身だ! 変身したスーパーHGは余裕で鬼怒川三人衆を蹴散らすと、モンスター℃にはスーパー昇天ドロップだ。そして、ピラニアン・モンスターにはタップリと腰を振ったスーパー69ドライバー! これを食らってはピラニアン・モンスターも立ち上がることができず。スーパーHGが3カウントを奪ったのだった。
試合後、勝利に喜ぶRGが「栃木のみなさ〜ん! 勝ちましよ〜!」と、ここぞとばかりにアピール! すかさず、HGから「セイ! お前は何もしてないだろ! KGを見習え。お前よりも、何倍も活躍してるぞ!」とツッコミが入ると、KGが「HGさん、勉強させてもらいました! 私、もっともっと強くなります!」と誓うと、最後にHGは、「いいか、モンスター軍! 貴様らがどんな卑怯な手を使ってこようとも、必ずや完全壊滅してやるからな! 覚悟しておけよ!」と、モンスター軍壊滅を観客の前で約束したのだった。
4分53秒 ライトニングクラッシュ
世界中のツワモノがしのぎを削るハッスルのリング。そこにたったひとりで殴り込みをかけてきた無名の若者がいた……その名はゼウス!
ハッスルで名を売り、成り上がる。そのためには、手段は選ばない。乱入に次ぐ、乱入を繰り返し、『ハッスルGP2008』に途中から割り込み参戦! だが、いざリングに立てば、“野獣”ボブ・サップを真っ向勝負で粉砕し、反発する周囲を実力で黙らせてしまった。
己の強さに対する絶対的な自信。欲しいものはなんでも力で手に入ると思っていた。そう、この男に会うまでは……。
先月、9・28名古屋大会で行なわれたGP準決勝。地元・栃木での決勝進出を狙う川田と対戦したゼウスは、日本プロレス界のスーパースターを踏み台にしようと目論んだ。しかし、結果は川田の前に完敗。人生で初めて味わう屈辱だった。試合後、川田の「おい、いくら強がったってな、強くなんてなれないんだよ! 男ってのはな、自分の弱さを認めたときに、初めて強くされるんだよ。それが本当の強さだ!」という言葉に衝撃を受けたゼウスは、先日行なわれた10・16後楽園大会で、川田のパートナーになることを志願。これが認められ、川田の傍らで強さに磨きをかけてゆくこととなった。
そんなゼウスに、激しい闘志をむき出しにしている男が! それが、ゼウスと同世代、ハッスル軍の長尾浩志だ! かつては、バレーボールVリーグで活躍し、196センチの巨漢ながら、華麗な空中殺法を使いこなす長尾。身体能力では、ゼウスと決してひけを取らないハッスル軍の期待の星である。
初登場からわずか5ヶ月あまりで、トップ戦線に浮上したゼウス。地道に生きてきた長尾にしてみれば、心中穏やかであるはずがない。先日の後楽園大会で、初遭遇した両者はいきなりヒートアップ! 未来のハッスルを担う新世代対決。抜きん出るのは、ゼウスか? 長尾か?
閉じるリングに入ってコーナーでポーズを取るゼウスに対して、長尾が奇襲! だが、ゼウスは動じない。逆にショルダータックルで吹っ飛ばすと、改めてコーナーに上がって自身の力を誇示する。一方の長尾は再三、チョップやヒザ蹴りで対抗しようとするが、これがなかなか通じない。ようやくドロップキックで吹っ飛ばし、コーナーへの串刺し攻撃で流れを掴みかけたものの、ゼウスの張り手を顔面に食らって、あっさりと動きを止められてしまう。さらにリフトアップスラムで叩き付けられた長尾。勢いに乗るゼウスは怪力を利用して両手で長尾の頭を絞め上げていく。しばらく悶絶していた長尾だが、気力を振り絞って耐え抜いた。そして、ゼウスがコーナースプラッシュを放ってきたところにカウンターで、長い足を利用したフロントキックを炸裂させる。ゼウスが何度、突っ込んでこようとフロントキックで迎撃だ。そして、回転式のブルドッキングヘッドロックでゼウスをマットに叩き付け、「終わりや!」と叫んでからムーンサルトを発射。しかし、ゼウスはこれをあっさりとスルー。ぶっこ抜きブレーンバスターを長尾に食らわせるとフライングラリアットで追撃し、最後は必殺のチョークスラム、ライトニングクラッシュで長尾の息の根を止めた。
試合後、長尾を下したゼウスは観客に向かって勝利をアピールすると、「俺が認める男は、川田利明、たったひとりや! 俺はいつか、あのおっさんを超えたる!」と力強く宣言! 続けて、ゼウスは「おっさん! 今日の決勝! きばっていけよ!!」と川田にエールを贈ったのだった。
10分31秒 回転エビ固め
ハッスルでいま猛威を振るい続けている、“極悪同盟”ダンプ松本が栃木に襲来! 対するハッスル軍は、10・16『ハッスル・ツアー2008〜10.16 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)でKUSHIDA&\(^o^)/チエのヤングハッスル軍を救ったTAJIRIが闘いの輪に加わり徹底抗戦! はたして、チエは三度目の正直で、ブレーキの壊れた“暴走ダンプカー”にリベンジなるか!?
場内ビジョンには、ちょうど到着したばかりと思われるアン・ジョー司令長官&特命係長 島田工作員の姿が。島田は、「いや〜、ようやく着きましたよ、司令長官! まさか、駅からこんな遠いとは思いませんでした。おかげで、『餃子のみんみん』に寄るつもりは、行きそびれてしまいましたよ!」と到着早々にグチをこぼすと、アンは「『正嗣』ってとこが美味しいと聞きマシタ! 工作員、終わったら速攻で行きましょう!」と、試合そっちのけで意気込む。
するとここで、アン&島田の荷物持ちをやらされている小路二等兵が登場! 小路は、「恥ずかしながら報告いたします! 自分が調べた情報によると、『みんみん』も『正嗣』も、20時には閉店であります!!」と、恐縮しながら報告。すかさず、島田&アンからブーイングが飛ぶも、ここで「貴様ら! 遅刻しておいて、さっそく、食い物の話か! このお気楽トリオが!!」と、怒り心頭で現われたのは高田総統だ!
突然の高田総統登場に驚く3人をよそに、高田総統は「よいか! 我がモンスター軍の北関東制覇計画、その第一歩が今宵、ここ栃木から始まるのだぞ! ちょろちょろと目障りなハッスル軍の壊滅計画、その準備は当然、万端なんだろうな?」と島田を問い詰めると、島田は「何考えてんだかわからないムッツリ変態のTAJIRI、身長もちっちゃければ肝っ玉もちっちゃいKUSHIDA、そしてブサイクのくせに生意気なチエのハッスル軍3人。私が招聘したダンプの姉御が、まとめてぶっ潰してくれますよ!」と、ここぞとばかりに意気込みをアピール。さらに、「恥ずかしながら、二等兵も全力で姉御をアピールします!」と、小路もこれに続く。
これを受けて高田総統は、「よいか! 宇都宮の下々の諸君よ! 今宵は、餃子以上に中毒性のある我がモンスター軍の強さ、そして恐ろしさを存分に堪能するが良い!」と観客に忠告して、ビターンで島田&小路の二人を送り出したのだった。
閉じるリングに入るなり、竹刀を振り回し、待ち受けていたハッスル軍とレフェリーを追っ払うダンプ。これに対して、リベンジに燃えるチエは、「ダンプ来いよ!」と血気盛んだ。だが、このチエにサソリがチェーンを投げつけて先制攻撃。これをきっかけに試合開始だ。今日のチエは気合い満点。サソリをドロップキックとブレーンバスターで蹴散らし、打倒・ダンプの意気込みを見せつけた。続いてはKUSHIDAと小路の対戦。KUSHIDAも気合い満点で小路をショルダータックルで吹っ飛ばすと、ドロップキック、その場飛びのムーンサルトをお見舞いだ。これに対して、小路はグレート・カブキ式のパンチで反撃。そして、ケサ固めでKUSHIDAを思いっきり絞め上げた。一方のKUSHIDAもドロップキックを食らわすと、チエとのダブルラリアットを炸裂させる。そして、いよいよチエとダンプの対戦だ。今日も凶暴なダンプはチエの髪の毛を掴むと、ブン回して投げ飛ばす。今日も歯が立たないのか? とりあえず、チエはTAJIRIとタッチ。男相手だろうがお構いなしのダンプはTAJIRIの髪の毛を掴んで、顔面をマットに叩き付けるとスリーパーで絞め上げる。さらにバックドロップで追撃だ。このTAJIRIのピンチにKUSHIDA、チエが入ってくるがここでもダンプは寄せ付けない。KUSHIDAをショルダータックルで吹っ飛ばすと、チエのボディアタックは軽々と受け止めてしまう。さらにチエのジャーマンや回転エビ固めもことごとく体重で潰すダンプ。場外にチエを連れ出すと、竹刀を片手に徹底的にいたぶる。客席は大混乱状態だ。一方、チエはリングに戻されるとサソリにチェーンを首に巻き付けられて、防戦一方。ダンプからも竹刀攻撃を食らい続ける。だが、チャンスを待っていたチエはサソリに対して、カウンターの払い腰で挽回。タッチを受けたTAJIRIがサソリ、小路を蹴散らして流れをハッスル軍に引き寄せる。ところが、待ってましたとばかりにダンプが一斗缶でTAJIRIを一撃。KUSHIDAにも一撃食らわして悶絶させると、チエには投げつけるようにして後頭部に一斗缶を食らわせる。これでハッスル軍も万事休すか? しかし、チエはこのダンプの一斗缶攻撃にも屈しなかった。必死にダンプにしがみついてコーナーに押し込むと、この隙に息を吹き返したTAJIRIがグリーンミストを小路の顔面に噴射! すぐさま、前方回転エビ固めで丸め込み、ハッスル軍に勝利をもたらした。
試合後、ダンプにリベンジをはたしたチエは「ダンプ! ハッスル軍は強いんだぞ!!」と力強くアピール、するとTAJIRIが「そう! ハッスル軍はね、強いんです!」とこれに続き、さらに観客に向かって、「栃木のみなさん! 今日はね、われわれハッスル軍の坂田亘が、栃木の英雄? 川田と闘うんですけど、みなさんには申し訳ないですが、勝つのは間違いなく坂田亘です!」と坂田に代わって勝利宣言すると、場内から一斉にブーイングが沸き起こる。それでも、TAJIRIは、「トーナメントを制するのは坂田亘で、ハッスルを制するのは、われわれハッスル軍だ!」と、アピールしたのだった。
場内暗転からスポットライトに照らされてリングに姿を現したのは、なんと佐藤栄一宇都宮市長だ! 佐藤市長は、「今日はみなさんで、栃木を元気にしましょう!」と開催宣言! そして、佐藤市長の呼び込みによって登場したのは、栃木が世界に誇るスーパースター、“モンスターK”川田利明だ!
観客の大声援を受け、さらに応援団を引き連れて現われた川田は、さっそく愛する栃木のために、すっかりお馴染みとなった沢田研二の『TOKIO』替え歌、『TOCHIGI』を披露! パラシュートならぬビニール傘を背負って熱唱する川田に、場内から一斉に大歓声と拍手が飛ぶなか、ノリノリで『TOCHIGI』を歌い終えた川田は、佐藤市長に感謝のお礼を述べると、「今日は最後まで盛り上がって行くぞ! その前に、俺の両親をみんなに紹介してもいいかな?」と、“栃木の星”を生み出した両親を観客に紹介し、最後は佐藤市長、両親、そして観客と一緒にトッチギポーズを決めて、華々しくオープニングを飾った。
本日のオープニングムービーには、なんと栃木出身の人気お笑いコンビ、U字工事が登場! 「いやぁ、やっぱりいいなぁ、栃木って。空が青くて、空気が上手い!」「空気はもちろんだけど、餃子も、いもフライも絶品だからな」と、さっそく栃木県の良さをしみじみと語る二人。埼玉の大学の学園祭出演とバッティングして会場に行けなかったことを悔やむ二人は、栃木ネタを交えつつ、栃木で『ハッスルGP2008』決勝戦が行われることの凄さをアピールする。
そして、“栃木の星”川田利明の県庁表敬訪問などハッスル栃木大会に至るまでの経緯を説明しながら、U字工事は会場の観客に川田の応援をお願いすると、ここで、栃木のもうひとりのスーパースター、日光江戸村のキャラクターであるにゃんまげもハッスルポーズで登場! 最後に、U字工事は「栃木県民以外のみなさん! 地元ネタばかりで、ごめんね、ごめんね〜」と謝りながら開催宣言。栃木色あふれるオープニングムービーとなった。
「栃木のハッスルファンのみなさん! こんにちわ!!」。本日は、栃木県黒磯市(現在の那須塩原市)出身のハッスル審判部・野口レフェリーによる前説だ! 野口レフェリーは自己紹介を済ませると、地元ネタを交えながら「ハッスルはやります! 栃木を、そして日本を元気にさせます! 今日は、みなさん、大いに盛り上がって、栃木にプロレス熱をもう一度呼び寄せましょう!」と、観客に力強くアピール! 続けて、「ハッスル軍が登場したときには、大きな拍手と歓声を。また、高田モンスター軍が登場したとき、さらには島田工作員が姑息で汚い行為をしたときには、容赦なくブーイングをお願いします!」と応援方法を伝えて実践練習開始だ。
野口レフェリーの音頭で、高田総統の「総統」コール、ザ・モンスター℃の「シー」コールで、お客さんも予習はバッチリOK! このあと、本日の対戦カードが場内ビジョンにて発表され、最後に野口レフェリーが「栃木の人たちは、大人しいと言われがちですが、今日はそんな県民性をぶっ飛ばす熱い応援をお願いします!」と改めてアピールして、前説を締めくくった。