ハッスル通信

「とにかく『ハッスル』を不動の物にする。それが俺の使命」坂田“ハッスル”亘インタビュー

2010年4月6日

今年2月の再始動宣言から約1ヶ月、ついに4・30『坂田“ハッスル”亘〜審判の日〜』(後楽園ホール)の開催が決定! 大会名に自らの名前を盛り込み、さらに“ハッスル”という決意も示した坂田“ハッスル”亘に、“審判の日”を控えた現在の心境を聞いてみた。


■「“坂田亘=ハッスル”っていうのを新たに認知してもらうための一歩」

――今年2月の再始動宣言から約1ヶ月、ついに“審判の日”が決定しました! 現在の心境はいかがですか?
坂田 いよいよ気合いが入ってきたというか、俺にとっては“審判の日”に向けてカラダを鍛えたり、頭を働かせたりできるので、まずは安心できたよね。ただ、これで本当に後には引けない、ビビッていらねえぞっていう気持ちもある。そんな感情は捨ててたつもりだったんだけど、トシも食ってさ、いろいろ考えるようになってきたからね(笑)。
――もう後戻りはできないと。
坂田 そうだね。もう自分のケツに自分で火をつけたわけだからさ。
――ところで、再始動宣言からの約1ヶ月間は、どのような動きをされていたのですか?
坂田 どこまで話したらいいんだろう? やっぱりまず第一にハッスルエンターテインメントとして興行が今すぐにできない問題だったりとか、『ハッスル』という名前を使ったときにどういうハレーションが起こったりするのかなっていう、あらゆる角度で考えないといけないことが多かったんだよね。かと言って、それは後ろ向きなことじゃなくて、動くためにはどうしたらいいんだろうかって前向きな話し合いをしたり、考えたりっていうことなんだけど。あとは、個人的なことで、例えば以前あった腰の手術で試合を欠場したりとかそういうのとは違って、試合をする場所が無いから休まざるを得なかったという状況があったからね。で、そういう状況でカラダを休めていると、自分が思ってた以上にカラダが鈍るというか、そういう新たな発見もありながらカラダをまた作り直したりとか、とにかく暇な日は無かったよね。
――4月30日に行なわれる大会名が『坂田“ハッスル”亘〜審判の日〜』ということで、これは先ほどの話にあった“ハレーション”というのも関係しているのでしょうか?
坂田 2月の会見で「俺がやることがハッスル。俺自身がハッスル」っていう言葉に落とし前をつけるってわけじゃないけど、“坂田亘=ハッスル”っていうのを新たに認知してもらうための第一歩だよね。ただ、実際はいろんなしがらみもあるんだけどさ(笑)。

■「“生き様を見せる”という意味ではこれが最後になるのかな」

――大会名に“坂田亘”という自身の名前をあえて入れることで、『ハッスル』を背負うという部分を強く打ち出してるのかなと思ったのですが。
坂田 まあ、並べたらこうなったってことなんだけど(笑)。でも、当然その気持ちは常にあるよ。
―― タイトルに“審判の日”という言葉が入っていることで、入場チケットにも裁判官シート、陪審員シート、傍聴席シートと大会カラーを打ち出していますよね。
坂田 心配をかけてしまったファンには申し訳ないけど気持ちは当然あるけど、まあそういうのもあっていいかなと(笑)。
――この“審判の日”にも、それなりの意味があると思うのですが。
坂田 中身に関しては、『ハッスル』的な手法を使ってジャッジしてもらうっていう考えも無くは無いんだけど、『ハッスル』にあった既存のイメージを壊していく大会でもあると思ってるんで、どのようにして中身に盛り込んでいくかっていうのはまだ話し合ってる段階なんだよね。だから、方法はともかく、まずは俺がハッスルを背負っていける人間なのかどうか、ファンの皆様にジャッジメントしてほしい。そういう意味で、大会名もズバリそのまま“審判の日”にしたし、客席も裁判官シート・陪審員シート・傍聴席シートに分けさせてもらった。俺もいままで迷惑や心配をかけたファンが手放しに温かく迎えてくれるとも思っていない。そんな甘いもんだとも思ってない。でも、だからこそ厳しい視線の中に身を置きたい。当日はリング作りもやるし、なんでもやるよ。いまとにかくデフレだなんだと厳しい世の中で、マイナスから立ち上がっていこうとする大馬鹿の姿を見てほしい。そして大会を見た後に、馬鹿じゃねえか、と笑ってくれてもいい。でも、「坂田はハッスルしてんじゃねえか、俺もハッスルしなきゃ」と皆さんが思えるような大会にしたいと思ってるよ。でも、大会は、いい意味でこれまでのハッスルのイメージとは違ったものになると思う。俺はハッスルを守るつもりはないから! 既存のものをブチ壊して、新しいハッスルを創っていきたいだけだから。

――現段階では出場選手で決定してるのも坂田選手ひとり、ですよね。
坂田 うん。だから、俺と闘いたい選手、なんかしらの興味を持った選手は連絡してきてください(笑)。でも、まぁただ、これまでのハッスルファンが観てもビックリするような中身にはしたい。その反面、あえて中身をこねくり回さなくても、俺自身が『ハッスル』という名前を背負ってやることが既に『ハッスル』だからさ。さっきの会見でも言ったように、大きなスポンサーが付いてるわけでもないし、チケットの券売そのものも審判に繋がる。だから、俺にとっては新たなるスタートでもあるし、禊(みそぎ)でもあるし、いろんな感情がそこにはあるよね。
――大会を観てもらう人に審判を下してもらうと?
坂田 それだけじゃなくて、“審判”に関しては2月の会見からスタートしてると俺は思ってるからさ。だから、4月30日は、「お前はハッスルじゃねえ」と思われるような場にするつもりは全く無いし、“審判の日”ではあるけど、裏返しの意味で言えば、俺がハッスルしていくっていう“決意の日”でもあるんだよね。
――どのような審判を下されようが、4月30日から坂田亘はハッスルしていくと。
坂田 そういうことだよね。ただ、再始動するとは言ったけど、今までやってた“ファイティング・オペラ”をそっくりそのままやるとかそういうことでも無いんだよね。現にキャストもいないわけだからあり得ない話でさ(笑)。そういうことでは無くて、例えば、新日本プロレスの根底に“ストロングスタイル”があるのと一緒で、俺の中にあるイズムが“ハッスル”だと思ってるから。それを表面化させるっていう意味では、今まで『ハッスル』でやってたようなことはできないし、やるつもりも無い。とにかく俺が今やれる『ハッスル』を見せたいよね。
――それは、坂田亘の生き様を見せるということにもなりますよね?
坂田 それは、もちろん。結局、プロレスの魅力っていうのはそこだと思うんだよね。やっぱりさっきのスポンサーの話じゃないけど、エネルギーを感じられない物にお金を投資する人はいないからさ。チケットの価格もそうだけど、安かろうが高かろうが、観に来てくれる人たちは生活の一部を犠牲にしてることに変わりは無いし。時代背景でこんな感じになってしまったけど、業界そのものが今までそこに甘えていたことが俺はダメだと思ってるし、スポンサーを獲得するために一生懸命やってるわけじゃないからさ。やっぱり一番は、観に来てくれる人たちに何を感じてもらえるか、そのために俺らはカラダを張っていかないといけないと思ってる。とにかく、あれよあれよという間に俺も37歳になって、人生はまだまだ長いかもしれないけど、「生き様を見せる」という意味ではこれが最後になるのかなと。そういう部分で闘っていくしかないなって思うよね。俺の全人生、全人格を懸けて、とにかく『ハッスル』を不動の物にする。それが俺の使命だから。

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