ハッスル通信

ここがダメだよ!『ハッスル』
週刊ゴング統括マネージャー
杉本喜公インタビュー(後編)

2007年1月31日

 昨年11月23日、ハッスル3年間の集大成である『ハッスル・マニア2006』が開催され、ファイティング・オペラの第一幕が閉幕、2007年のハッスルは新章に突入する。これからのハッスルはどう変わっていくべきなのか? ハッスル・オフィシャルサイト取材班が『週刊ゴング』杉本喜公統括マネージャーにインタビュー、ぶっちゃけハッスルってどーよ、と根掘り葉掘り聞いてみた。


――現在ハッスルに上がっている選手で、ハッスルのカラーに合っていないように見える選手はいますか?
“ハッスルあちち”大谷晋二郎選手が最近の流れからずれている感じはしますね。大谷選手と瓜二つと噂されている江頭2:50というおいしい芸人が出てきているのに、もうちょっと目立ってもいいんじゃないかと思います。『ハッスル・ハウス クリスマス・スペシャル part2』(2006.12.26後楽園ホール)でせっかく同じリングに立ったんですから、2人の合体技とかも見たかったですね。

――『ハッスル・ハウス クリスマス・スペシャル part2』での高田総統劇場では、大谷選手は浮いてる感じがしました。
 TAJIRI、HG、高田総統、江頭……あのメンバーの中に入ったら、結構話せる大谷選手でも厳しい、っていうのはありますよね。
――逆に今活躍している他団体のプロレスラーでハッスルに向いてそうなレスラーはいますか? 
 それはハッスルに上がってみないとわからないですね。鈴木みのる選手が『ハッスル・ハウス クリスマス・スペシャル part2』で試合をしましたけど、ハッスルといえど完全に自分のプロレスをやっていましたからね。あれも一つの自分の見せ方だろうし、それがうまくハッスルと融合できればいいと思います。

――ハッスルが始まった当初から高田総統は「プロレス界を根こそぎ壊滅する」って言ってますよね。そのことについてはどう捉えてますか?
 壊滅しちゃったらプロレス界がなくなってしまいますからね(笑)うちとしては困りますよ。

――「壊した上で新しい道を作る」とも言ってます。
 高田総統はもういっぱい壊しちゃってるんですよね。ただ、壊していってもプロレスはプロレスとして残っていますよ。広い道路がいくつかある中で、新しい道を耕しているのがハッスルだと思います。その道がどこまで続くのか、国道になるのか、小道なるのかはまだわからないですね。

――高田総統の野望は、現在何%到達できていると思いますか?
 ハッスルがどこを頂点としているのかがわからないから、何とも言えませんよ。去年を見た限りでは、面白い可能性が見えていたので、それを今回は新しい展開で変えていくのかなと。裏切ってナンボの世界ですからね。

――どうやったらプロレス界を壊滅出来ますか?
 総統が雲隠れすればいいんじゃないですか(笑)。何もしないとか。ほっといてくれればプロレス界は壊滅するかもしれないです(笑)。逆に総統が動くからプロレス界が頑張っちゃうんじゃないかと思うんですよ。

――実際にハッスルが出来たことでプロレス界は盛り上がったと思いますか?
 プロレスはプロレスで団体が意識しているところはあるでしょう。色んなところでハッスルっていう名前は出てきますよね。それというのはライバル視しているからであって、いい流れだと思います。

――今後ハッスルはどう展開していくと思われますか?
 それは総統じゃないとわからないですよ(笑)。4年目のこの時期って大事な時期だと思うので、ここをうまく乗り切って5、6年と続けば面白いと思いますよ。あと地上波放送が出来るかどうかが、これから大事になってくるんじゃないですか? ファンが既存のプロレスを窓口にしてハッスルに入っていくことよりも、一般のお茶の間に流れるテレビでハッスルに興味を持ってもらってお客さんの幅を広げていくのが一番大事だと思いますね。プロレスのジャンルでいえばハッスルにはHGとか出てるんだし、一般の方が一番入りやすいんじゃないんですか?

――『週刊ゴング』で老舗団体のように何度も表紙を飾るためには何が必要なんですか?
 結構飾ってますよ! 無理やりですけど(笑)。我々の媒体を面白がらせれば表紙にもなるし、ザ・エスペランサーなんて表紙にしたいじゃないですか? あんなに面白い人!

――『週刊ゴング』にとってハッスルとは何でしょうか?
 取材対象として面白がって現場に行ける団体ですよね。

――大会開催前にテンションが上がったりとか?
 そんなことはないですよ!

――取材する際に他の団体とは違うモチベーションだったりしますか?
 オープニングからエンディングまでを一つのセットとして客席から見ちゃいますよね。他の団体のように試合途中で抜けて休憩するようなことはしないで見てますよ。

――杉本さんのプロレス記者キャリアは何年になるのですか?
 途中抜けてるんですけど、スタートから数えると20年になりますね。

――ハッスルは4年目となりますけど、最初に見てどのくらい続くと考えられましたか?
 スタートの時は「どうなるのかな」と思いましたよ。ハッスル担当者としてちゃんと見るようになったのは、『ハッスル・ハウス 〜クリスマス・スペシャル 12.24〜』(2004.12.24後楽園ホール)でインリン様が出たときからでしたね。そこから見ていてパワーが落ちないで、アップしてるので、このパワーをダウンさせないで続けて欲しいですね。ダウンしちゃうと取材がだるくなるので(苦笑)。飽きのこない大会をお願いします。

――これからのハッスルに期待することはありますか?
 あそこまで突き詰めちゃってますからね。今年の3月から新章突入をうたっているので、どういうふうにこれから持っていくのかな、という点で期待はしてますよ。昨年の出だしの大会である『ハッスル・ハウス vol.11』(2006.2.8)でTAJIRI選手やRGが出てきましたよね。TAJIRI選手が出てきたことで、ハッスルは新しい方向に向かっていったと思います。この前の『ハッスル・マニア2006』(2006.11.23横浜アリーナ)は、そのスタート1年目の集大成だった気がするんですよ。だからスタートって大事なんだなと思うので、今度の3・15『ハッスル・ハウスvol.22』(後楽園ホール)と3・18『ハッスル21』(愛知県体育館)で、どういう展開が生まれるのか注目しています!