ハッスル通信

タイガー・ジェット・シン初インタビュー(前編)
「オレと闘うリスクを背負ったHG&RGは死んでも仕方がない」

2007年3月23日

 3月某日東京・青山のDSE事務所にて、2007年最初の興行となるハッスル3月シリーズ(3・15『ハッスル・ハウスvol.22』、3・18『ハッスル21』)でHG、RGとシングルマッチで対戦したインドの狂虎”タイガー・ジェット・シンにオフィシャルサイト取材班がインタビューを行いました。62歳にしてまだまだ血気盛んなT・J・シン。その秘訣とは!? このインタビューで約束した事柄は果たすことができたのか? 血の海と化した壮絶なる試合を見逃した方は、スカパー!&試合速報をチェック!


――『ハッスル6』(2004.10.23愛知県体育館)以来、約2年ぶりの来日となったが、体調はどうですか?

 とてもいいコンディションだ。試合を楽しみにしている。いい対戦相手がいたから日本に戻ってきた。それが帰ってきた一つの理由だ。

――来日してどう過ごされましたか?

 日本のスポンサーと食事した後にすぐに寝た。しかし深夜2時ぐらいになったらHG、RGと今すぐにでも闘いたい気持ちになって、興奮して目が覚めた。そして8時半に起きてトレーニングを始めたんだ。

――朝早く起きてトレーニングするのは日課なんですか?

 相手が誰であろうと、ベストコンディションでリングに上がらないといけない。それが小川だろうが、何かのチャンピオンだろうがね。常に100%のコンディションを維持するように心がけている。早く血を味わいたい。

――失礼ですけど、現在62歳ですよね?

 全然若いだろ? ハートはまだ18歳だ。

――高田総統がビターンすることによってパワーが倍増するといわれています。それを受けてみたいと思いますか?

 総統にはパワーがあると思うが、自分にもパワーに自信があるのでその必要はないな。

――若いときと比べて全くパワーの衰えは感じませんか?

 もっと自分には力があると感じている。

――ずっと現役でいられる秘訣はありますか?

 かわいいお姉さんたちが周りにいることだ、冗談だけどな。食事管理ももちろんだし、いいトレーニングをすることだ。そして幸せであること。やはり幸せであれば若さを保つことが出来る。どの方向に行っても幸せがあれば、ビジネス、ホテル業界、不動産業、輸出輸入業でもナンバー1となる。そういう成功が若さの秘訣だ。

――事業で成功していると耳にしました。今先ほど話に出たホテル業界や輸出入業などの事業をやっているのですか?

 そうだ。とてもオレはインテリなので、色んなところで成功している。

――それだけ多忙だと大変ですね。最近の日本のプロレスは観ていますか?

 忙しいので日本のプロレス事情をチェックすることが出来ていないからわからないな。

――事業が成功して不自由なく生活はしていますよね。なぜリングで闘い続けるのでしょうか?

 闘うことが好きなんだ。それ以外にも何億ドルも寄付するような、チャリティー活動も行っている。凄いだろ?

――そんなに寄付されるんですか! 大金持ちじゃないですか! 高田総統がDSEからハッスルを買収しましたが、シンが買収することも可能でしたよね。

 もちろん買収することは可能だが、自分のことでいっぱいいっぱいだ。映画にも出てるし、コマーシャルにも出ている。自分のビジネスをたくさん展開していて時間がないな。色んなところからお金が入ってくるんだ。高田総統のことは尊敬しているし、いいビジネスマンだよな。

――いつまでプロレスの現役は続けますか?

 万全なコンディションなので、本当に出来る限りのことを続ける。ジャンボ鶴田やジャイアント馬場は亡くなった。俺のライバルのアントニオ猪木は引退してしまい残念だが、自分はまだ若く感じられるのでまだ続けられる。逆にそういう人がいないので、今はライバルがいない。

――今のプロレスラーになくて、あなたが持っているものは何ですか?

 最近のプロレスラーはシリアスさが足りない。コメディに走りすぎているな。

――今回対戦相手は芸人のHGやRGと決まりました。最初にそのカードを耳にしたときはどう思いましたか?

 最初コメディアンと聞いてビックリしたが、今聞いた情報によるとHGやRGは秘密の特訓を積んでいるらしいな。それは本当か? 

――相手が相手だけに向こうもそのようですね。

 やはりそうなのか。まあせいぜい頑張ることだな。

――過去に芸人と闘ったことはありますか?

 ない。

――いくらプロレスのリングに上がるとはいえ、相手は素人です。抵抗はありませんでしたか?

 芸人としてやっていることは彼らがやっていること。今回やつらは、プロレスラーとしてリングに上がるんだから、オレはプロレスラーとして捉える。もちろん油断はしない。もしかしたら秘策があるかもしれないしな。闘う目的は大きな試合を繰り広げること。それしか考えていない。

――あなたと比べるとHGやRGはキャリアが全然違います。容赦なく向かっていくことで殺してしまうのでは、という心配はありませんか?

 もちろん彼らはタイガー・ジェット・シンと同じリングに上がるリスクを持っている。死んだら死んだで、殺したら殺したで仕方がないこと。それは彼らが背負ったリスクなんだ。

――リング上が血の海と化すのは間違いないですか?

 そうだな。このサーベルも血を味わいたがっている。この角で叩いたら血まみれになるだろうな。HGの頭を叩けば、やつは頭がおかしくなるだろう(ニヤリ)。

――血を見たらよりエキサイティングになりますか?

 もちろんそうだ。血を味わいたい。試合前にもヘビの血を飲むしな。

――HGやRG戦に備えて特別なトレーニングをしてきましたか?

 そんなことはしない。常に100%のコンディションを保っている。一番大切なことはスタミナを維持することなのでたくさん走りこみをしてきた。

――試合の映像を見たりはしましたか?

 気にしてないので、見てない。

――見たのは写真だけですか?

 先日の会見で渡された写真でやつらの顔を見たのが初めてだ。あいつらはマスクを被っているが、素顔はハンサムなのか?

――マスクを取った姿を見たことがないので、全くわかりません。

 もしかしたらブサイクかもな。タイガー(自分のこと)はハンサムだからマスクをしない。見てみろ? いい顔をしているだろう?

――サングラスやマスクを被ってHGやRGは試合をします。からかわれている感じはしませんか?

 そういうのはやつらが好きにやればいい。(インタビュアーを指差して)オマエが髪が長いのも好きでやっているからだろう? そういうのはオレには関係ないことだ。

――あなたの事を連想すれば、猪木を襲撃した伊勢丹事件が出てきます。あの事件は常在戦場の心構えから起こしたものですか?

 もちろんそうだ。ホテルでもデパートでも闘う準備は出来ている。相手を待っていてもしょうがない。時間が無駄だしな。

――会場でHGやRGを試合前に襲う可能性もあるわけですね。

 とりあえず試合するまでに待つが、もし彼らがふざけるようなことをすれば叩きのめすだけだ。

――3月18日の『ハッスル21』で闘うHGは『ハッスル・マニア2006』(2006.11.23横浜アリーナ)でザ・エスペランサーに一方的に破れFED(ファイティングED)に陥っています。「シンと闘ってこう丸を摘出する。そして闘う意欲を克服したい」と言っていますが、どう思いますか?

 そんなことをする前に彼は死んでいるだろうな。そんなことは絶対にさせない。自分のこう丸を触らせるのは女だけだ。男には絶対に触らせない!

――3月15日の『ハッスル・ハウスvol.22』で闘うRGは、あなたとアントニオ猪木の闘いで猪木が見せた腕折りの名シーンを再現したいと言っていました。

 出来るならやってみろ。

――それ以外にもシンのサーベルに対抗して、RGはカウベルを持って「カンカンカンカン」と耳元で鳴らしまくると言ってました。

 彼が何を持ってこようが全く構わない。何でも持ってこい。RGがオレに勝つ可能性は0だな。

――試合タイムはどのくらいかかりそうですか?

 秒殺だ。

――過去に3度ハッスルのリングに上がっていますが、どういう印象を持っていますか?

 とてもいい会社だよな。いい選手がたくさんいる。『ハッスル6』(2004.10.23愛知県体育館)での小川との闘いが印象深い。

――ハッスルでは小川選手以外に闘いたい相手はいないですか?

 小川がナンバー1だと思う。柔道で実績があるし、とてもハートが強い選手だ。近い将来に小川とまた闘うことが出来ればいいと思う。
 
――ハッスルでは男性と女性との試合も行われます。

 女はベットで楽しむものだ。リングで闘うものでなく、ベットで愛し合うのが男性と女性の役割だ。闘うのは間違っているな。


(後編に続く)

※このインタビューは、3月上旬に行われたものです。